【劇場版 仮面ライダー対ショッカー】感想・レビュー・考察(ネタバレ有) 新生仮面ライダーの前日譚

ネタバレがあります。
本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。

「劇場版 仮面ライダー対ショッカー」考察

あらすじ

ある嵐の夜「大道寺 地球物理学研究所」で革新的な発明が誕生した。

それは「人工重力装置GX」だ。

この装置を使えば自由に重力をコントロールすることができ、装置をもっと大きくすれば地球の地軸すら変えることができる装置だ。

だが地球の地軸すら変えてしまうこの発明を悪用されたら簡単に世界が征服できてしまう危険なものでもある。

大道寺博士だいどうじ」と助手の「阿野あの」は早速実験データのまとめに入る。

研究所の外ではやまぬ雨と窓を押しのけるほどの嵐、鳴り響く轟雷とともに停電が起きる。

だがそれらはこれから起こる波乱を思えば些細なことでしかなかった…

悪用厳禁!リアル日本沈没!「人工重力装置GX」

大道寺 地球物理学研究所」で研究を進めていた「人工重力装置GX」の実験が成功する。

大道寺博士」はこの装置を大きくすると地球の地軸を動かせるほどだというのだが、どれほど凄いことなのだろうか?

まず地軸とは「北極点と南極点とを結ぶ運動しない直線」のことを言い、よくコマの軸に例えられることが多い。

分かりやすくいうと地球儀に一本棒が刺さってる部分。あれが地軸だ。

地球は公転軸が約23度傾いているため少し斜めになっており、太陽の周りをグルグル回っている。

その結果、地球は朝と夜が24時間周期であり、季節などがある環境となっている。

もし地軸が大きくずれると地球の気候変動や、1日の時間が変わってくるなど今までの地球とは大きく違う状態となることは間違いない。

そしてこの地軸は地球で発生している巨大地震により少しずれることがわかっている。

では今回の発明品GXを大きく出力の高い装置として地軸を操作すること=地球に大地震を起こすということになる。

また地軸を操作した結果環境が急激に変わり今まで地球で生息していた生物、それはもちろん人間も含めて絶滅の危機に瀕する可能性があるのだ。

そんな世界征服におあつらえ向きの発明をあの組織が見逃すわけがない。

そう…世界征服を目論む悪の秘密結社「ショッカー」だ…

実験の成功を待ち、完成したらいただく。

その好機を待っていたかのようにショッカーの最高幹部「死神博士」が大道寺博士と助手を襲う。

大道寺博士は助手にデータを持って逃げるよう伝えるが退路は断たれ、助手の阿野は謎の泡に飲み込まれてしまう…

研究所はショッカーに爆破されGXのデータは奪われてしまう。

欠けた「GXの方程式」とその行方

ショッカーにGXのデータが渡ってしまった…もう世界はおしまいだ…

だがGX完成に必要不可欠なものが欠けていた。

それが「GXの方程式」だ…博士は肝心の方程式だけ別の場所に隠したのだ。

ナイス判断な博士。

博士は研究所の爆破で死んでしまったと思っていたが何とか逃げ延びて車で逃走中。

そこへ謎の泡に巻き込まれて行方不明だった助手の阿野が車の前に飛び出してくる。

阿野はGXの方程式がないとわかったショッカーの隙を見て逃走してきたようだ。

阿野はその方程式の在処を博士に尋ねると博士は万が一のために娘の「大道寺珠美だいどうじたまみ」に預けたと話す。

だがそれは罠であり実は博士が秘密を話した相手は阿野ではなく、変装した怪人「ハエ男」だったのだ。

やはり阿野は殺されてしまったようだ…

博士は必死に抵抗するが珠美の存在を知ったハエ男は珠美への危害をちらつかせ脅しにかかる。

そこへFBI捜査官「滝和也」と仮面ライダー2号こと「一文字隼人」が駆けつける!

FBIはショッカーの極秘暗号通信を解読しておりショッカーが「大道寺博士の研究で地球を水浸しにする作戦」を企んでいることがわかったため博士の救助に向かっている道中だった。

一文字のセリフ通り日本水浸しと書きましたがもう少し具体的に書くと「GXで地軸をずらし日本列島を海の底に沈める作戦」をショッカーは企んでいる。

サボテグロン」、「モグラング」も登場しハエ男とともに一文字を襲う。

仮面ライダー2号に変身した一文字はその3体を撃破…して解決とはならない…

なぜなら博士が助手だと勘違いしたハエ男に方程式の在処を話してしまったからだ…

おそらくもうショッカーには情報が筒抜けだろう…

珠美ちゃんが危ない!

しかし、テレビ本編の12話「殺人ヤモゲラス」なども1つの例だが、仮面ライダーに出てくる研究者はなんでこう身内に大事なデータを預けたがるのか…

悪人に利用されたらという割には悪人が発明の交換条件で真っ先に人質として狙う可能性がある身内に預けるのはちょっと…

確かに金庫からものを盗もうとしてまさかパスワードが1234のように簡単なものなわけないと思わせて注意を逸らすように、まさかそんな重要なデータを身内が預かっているとは思わない。

そこの盲点を狙ってのことかもしれない。

だが大事なデータを一番大切な娘に預けたら人質になった時に交渉材料もなく両方失う可能性が高い。

研究者の諸君はデータ保管は純粋に金庫の方がいいと思いますよ。

誕生日サプライズは劇場版新怪人!?

きしくも今日は珠美の誕生日!

大道寺家には同級生を呼んで誕生日パーティーを開催しており、立花レーシングクラブ会員の「石倉五郎」も参加している。

年齢間違ってたらごめんなさい。ですが珠美のバースデーケーキには9本ローソクがあるので9歳、つまり小学3年生にあたると思われる。

ということは参加した子供たちが同級生だとすると五郎の年齢は9歳ぐらいということになる。

五郎って小学生なのはわかっていたけど何年生かは不明だった。学業も優秀であり、科学にも詳しいので高学年ぐらいと思っていたらまさかの3年生。

確かに同級生も高学年というにはまだ小さい子供たちばかりだったので言われればそのくらいかも。

ただ小学生ぐらいまでは違う学年の子たちと遊んだり、学年も1~6年生と交流が幅広い。

私の時代、学校ではなかった?途中からあったかな?高学年の子が途中まで低学年の子を連れて登下校していたりするので仲良くなる機会も多い。

そのため断定はできないがへぇ~五郎ってそのぐらいの歳かと勝手に考察してみました。

珠美は忙しい中でも娘にプレゼントを用意してくれるお父さんに理解を示すよくできた娘さんだ。

9歳なのに言葉づかいに品があり、しっかりしている。

ケーキのロウソクを吹き消す儀式のムードを良くするため部屋を暗くして珠美はローソクを吹き消す。

ローソクは消える…だがおめでとうの雰囲気も待たずになぜかケーキごと激しく燃え上がる。

子供たちは一斉に避難を試みるがドアは開かず…窓から脱出を試みるもそこには怪人「アリガバリ」、そして後方には「ドクガンダー(成虫)」が待ち構えていた。

狙いはもちろん博士の娘珠美。五郎も必死で抵抗するも振り払われた衝撃で頭を打ち気絶してしまう。

珠美の誘拐に成功した怪人。だがその行く手に仮面ライダー1号「本郷猛」が現れる。

猛は変身して2体の怪人に立ち向かう。

アリガバリを倒してあとはドクガンダーというところで珠美が謎の泡に吸い込まれそうになってしまう。

何とか泡から助け出す1号。

すると泡の中から新怪人「ザンジオー」が現れる。

ザンジオーは日本アルプスに生息する「人喰いサンショウウオ」の特性を持った怪人だ。

サンショウウオの生息地は本州・九州であるため冬国育ちの私はあまり見た覚えがない生き物だ。

サンショウウオは寒天質に包まれた卵を産むようでこの寒天質な卵が多数ある様をザンジオーの泡で表現しているのではないだろうかと特性を見て感じた。

ザンジオーの元となる人喰いサンショウウオが生息していた「日本アルプス」は本州の中央部に位置する「飛騨山脈」、「赤石山脈」、「木曽山脈」の総称のことを言うらしい。

標高が高く美しい山々が多いことから山登りの憧れにちなんで日本アルプスと呼んでいる。

肉食であるが基本小動物を食すサンショウウオの中に、まさか人を食うほどのサンショウウオが存在したとは…信じれない大きさを想像する。

ショッカーも毎度毎度よく気性の荒い生物を捕獲してこられるものだ…

そう考えるとショッカーには怪人候補の生物捕獲班という専門のチームが存在するのではと想像してしまう。

ところでザンジオーの泡…どこかで見覚えが…そう博士の助手である阿野が謎の泡で引きずり込まれていた。

あの泡の正体はこのザンジオーの仕業だったのだ。

2号も駆けつけドクガンダーは撃破するがザンジオーは隙を見て口から炎を吐いて威嚇し珠美を連れて泡と共に去ってしまった。

所在不明の方程式

立花レーシングクラブでは珠美の帰りを待つ博士そして藤兵衛が気が気でない様子。

猛と一文字はザンジオーに珠美を連れ去られ、滝は他の子供たちを救出して気絶した五郎を連れ帰える。

ザンジオーの行方がつかめない中、クラブメンバーは途方に暮れていると電話が鳴る。

電話の主は死神博士。

死神博士は珠美の解放条件としてGXの方程式を要求する。

あれ?大道寺博士いわく方程式は珠美に預けたのでは?

だがショッカーがこうして要求してくるのだから珠美は所持していなかったのだろう。

取引場所は「地獄谷」。時間が明日の正午。

取引当日、地獄谷にやってきた一文字と博士。

死神博士は地獄谷の中央で取引を行うべく、3つ数えたら歩き出すよう指示する。

そして地獄谷の中央で珠美と大道寺博士を交換。

取引は成立と思いきやそこはやはりショッカー!このままでは帰してはくれない。

なんと周りの砂山からは今まで倒した怪人が名乗りをあげながら次々と再生怪人として現れた。

「ムカデラス」、「カメストーン」、「アルマジロング」、「ナメクジラ」、「ザンブロンゾ」、「エジプタス」、「ゴースター」、「ユニコルノス」、「カニバブラー」、「狼男」、「トドギラー」、「ドクダリアン」、「地獄サンダー」、「蜘蛛男」、「ガマギラー」、「ドクガンダー」、「ヤモゲラス」、「エイキング」、「スノーマン」、「さそり男」、「イソギンチャック」、「蝙蝠男」、「トリカブトン」、「ゲバコンドル」、「カメレオン」、「アリキメデス」、「ムササビードル」、「サラセニアン」とその数計28体もの大軍団に囲まれる。

一文字隼人をこの怪人たちで囲い込むために地獄谷の中心に誘い込んだのだろう。

余談ですが、「カメレオン男」の名乗りだけ「カメレオン」だったのが気になる…そちらが正式名称?でも他にも末尾男の怪人いるのにカメレオンだけ怪人名でもなくそのまま!?

絶体絶命に思えるこの状況。だが罠にかけたのはショッカーだけではない。

大道寺博士をよ~く見ろ!そう…彼は猛が博士に変装した姿だったのだ!

そういえば猛の姿がなかった…そういうことか…

71話「怪人アブゴメス六甲山 大ついせき!」では「木原通俊」博士に変装をしていた猛だが、その時より逆に変装のクオリティが高い…こんな完璧な変装できたんか…

でも考えてみれば後半から怪人はおろか戦闘員の変装のクオリティもドンドン向上していったので同じ改造人間であり、自身にさらに改造を施している猛なら可能といえば可能だったかも…

じゃあ逆に新1号になっている71話、そして別の話でも潜入の際にわざわざ戦闘員の服装を奪って着替えている。

それにそんな能力があれば逆に猛が最高幹部に化けて相手を欺くこともできた。

ちょっとアドバンテージがあり過ぎる能力なのでテレビ版では不採用だったのかな?

形勢逆転した猛は逆に死神博士を捕虜として拘束。安全地帯までの誘導を命ずる。

だがその道中、軍団の中にいなかった「ギルガラス」、「プラノドン」が現れ空中から爆撃を仕掛けてくる。

爆撃の隙に拘束を逃れた死神博士、そして地中からエイジプタスと地獄サンダーが救援に駆けつける。

猛、一文字は仮面ライダーに変身する。

2人は4体の怪人を蹴散らし、サイクロン号で逃走。

その道中で「キノコモルグ」、「トリカブト」、「ドクダリアン」、「サラセニアン」が現れる。

珠美の避難を優先するため戦闘は1号が担当。

そこへグッドタイミングで滝が駆けつけ2号は珠美を託して戦闘に参加。

2人であっという間に怪人4体を撃破。

さらに戦闘員が大軍勢で押し寄せてバイクアクション。だが怪人をバッタバッタと倒すダブルライダーにとって戦闘員など取るに足らない。あっという間に全滅させてしまう。

藤兵衛の送迎で現場にたどり着いた博士は珠美と感動の再会を果たす。

だがまだ事件は解決していない…肝心の方程式の在処が不明なのである。

それを博士に問うと珠美に預けたのは確かだが隠し場所は「珠美の誕生日プレゼントの中」と判明。

プレゼントのくまのぬいぐるみは大道寺家に残したままだ。

まずい!すぐに回収しなければ!

大量の再生怪人を用意できた理由は悪魔の祭り!?

今回の劇場版では仮面ライダー(初代)を全話視聴したからこそ感じた場面があった。

今回ザンジオーを抜いて何体の「再生怪人」が登場しただろうか?

なんとその数35体!

これらの怪人はテレビシリーズで仮面ライダーに倒されてきた怪人だ。

つまり一度死んでいる怪人たちだ。

そのため再生怪人といっても怪我の傷を再生させたというレベルではなく死者をよみがえらせたというレベルでの再生を行っていることになる。

そんなことどうやって?あるんですよ…今回の舞台、地獄谷なら!

その理由はテレビシリーズ66話「ショッカー墓場 よみがえる怪人たち」でも登場した地獄谷の話しで語られている。

66話で地獄谷は今まで仮面ライダーにやられた怪人の墓場となっており、その墓場で復活の儀式「悪魔祭り」が行われる。

その悪魔祭りは人間1人を生贄に怪人1体を復活させられる儀式。

もしその設定が今回の劇場版で使用されているとすれば地獄谷で大量の再生怪人が待ち構えていた理由にも納得だ。

ちなみにザンジオーはその66話で再生怪人として登場しているため52話と53話の間の時系列を思わせる今回の劇場版で撃破され再生するという流れは辻褄が合うのだ。

あいついなかったよね!?

大道寺家に居残ったくまちゃん。

誰が先にそれを嗅ぎ付け回収するか。

そういえば地獄谷にあいついなかったな…そうザンジオーがいない…

やつは泡の中に隠れて仮面ライダーの動向を監視していた。

そしてついに明かされたGXの方程式の隠し場所。

我先に大道寺家に訪れくまちゃんのぬいぐるみを取ろうとするとぬいぐるみは独りでに動き出しやがて1号の手に渡る。

仮面ライダーは地獄谷にいなかったザンジオーを警戒してエサ(ぬいぐるみ)を放置したふりをして窓の外に隠れていたのか?

ザンジオーはエサに食い付くサンショウウオのようにまんまと釣られたというわけだ。

劇場版のちょっと納得いかない設定

劇場版限定の設定のようだがくまちゃんのぬいぐるみが独りでに動きだしたのは1号の「テレキネシス」といういわゆる念動力で操作していたからのようだ。

この設定は非常に分かりにくく、テレビ版では見せなかった能力のため最初はぬいぐるみにヒモを付けてザンジオーへの囮として使用し、ザンジオーが現れたタイミングでヒモを引き回収という流れだと考えていた。

だがよくよく考えれば囮にするぐらいならGXの方程式をぬいぐるみから回収してから破壊するなりなんなりできただろう。

そのためあの場面は泡に隠れたザンジオーが大道寺博士の話しを盗み聞きしていたため仮面ライダーより早く大道寺家に到着した。だが、仮面ライダーもすぐに気づいてサイクロン号を飛ばして駆けつけたためギリギリ間に合ったという流れだろう。

問題なのは「仮面ライダーがテレキネシスを使う設定」がどうもピンとこないということ。

確かに1号と2号は遠く離れた場所でも心を通じ合わせることができる能力がある。

しかし、それはテレパシーなどではなくあくまで(旧1号、2号の場合)電波通信という科学的なものだった。

それとも今回のキーワードが「人工重力装置GX」だから仮面ライダーも重力を操りぬいぐるみを操作する能力を付与してみた。それをテレキネシスと呼んでいるのか?

でもザンジオーとの最終決戦でぬいぐるみが地面に転がっている時にテレキネシスを使って回収なんて芸当も使わなかったのでスタッフは使いたいのか使いたくないのか手探り状態なような気がした。

テレビ版最終話までテレキネシスの能力が登場しなかったのも扱いに困って不採用だったのかもしれない。

ここからはぬいぐるみのパスリレー!

1号から2号へ2号から1号へ…とそこでジャンプ1番ザンジオーがパスカット!

そしてザンジオー選手ゴールへ走る!1号、2号選手追いつくもザンジオー選手の泡移動の前に困惑!

ジャンプで距離を詰めなんと2号選手!くまちゃんごとザンジオー選手を蹴り飛ばし谷から落とす!

谷から落ちながらもなんとかくまちゃんを拾おうとするザンジオーの手ごとくまちゃんを蹴り飛ばす1号選手!

1号、2号それぞれが必死であればあるほど珠美の誕生日プレゼントがボコボコにされるがシュールでならない…ちょっと笑うシーンかもしれない(笑)

ダブルライダー相手に善戦するザンジオーだが次第に押され気味となりダブルライダーキックでフィニッシュ!

GXの方程式は守られた!

「劇場版 仮面ライダー対ショッカー」登場怪人のテレビシリーズ登場回紹介

仮面ライダー対ショッカーの再生怪人の登場回紹介記事

・蜘蛛男:1話「怪奇蜘蛛男」

・蝙蝠男:2話「恐怖蝙蝠男」

・さそり男:3話「怪人さそり男」

・サラセニアン:4話「人喰いサラセニアン」

・カメレオン男:6話「死神カメレオン」7話「死神カメレオン 決闘!万博跡」

・ゲバコンドル:11話「吸血怪人ゲバコンドル」

・ヤモゲラス:12話「殺人ヤモゲラス」

・サボテグロン:14話「魔人サボテグロンの襲来」15話「逆襲サボテグロン」

・カニバブラー:19話「怪人カニバブラー北海道に現る」

・ドクガンダー:20話「火を吹く毛虫怪人ドクガンダー」21話「ドクガンダー 大阪城の対決!」

・ムササビードル:23話「空飛ぶ怪人ムササビートル」

・キノコモルグ:24話「猛毒怪人キノコモルグの出撃!」25話「キノコモルグを倒せ!」

・地獄サンダー:26話「恐怖のあり地獄」

・ムカデラス:27話「ムカデラス怪人教室」

・モグラング:28話「地底怪人モグラング」

・ザンブロンゾ:30話「よみがえる化石 吸血三葉虫」

・アリガバリ:31話「死斗!ありくい魔人アリガバリ」

・ドクダリアン:32話「人喰い花ドクダリアン」

・アルマジロング:33話「鋼鉄怪人アルマジロング」

・アリキメデス:35話「殺人女王蟻アリキメデス」

・エジプタス:36話「いきかえったミイラ怪人エジプタス」

・トリカブト:37話「毒ガス怪人トリカブトのG作戦」

・エイキング:38話「稲妻怪人エイキングの世界暗黒作戦」

・狼男:39話「怪人狼男の殺人大パーティー」

・スノーマン:40話「死斗!怪人スノーマン対二人のライダー」

・ゴースター:41話「マグマ怪人ゴースター 桜島大決戦」

・ハエ男:42話「悪魔の使者 怪奇ハエ男」

・プラノドン:43話「怪鳥人プラノドンの襲撃」

・ナメクジラ:45話「怪人ナメクジラのガス爆発作戦」

・トドギラー:47話「死を呼ぶ氷魔人トドギラー」

・イソギンチャック:49話「人喰い怪人イソギンチャック」

・カメストーン:50話「怪人カメストーンの殺人オーロラ計画」

・ユニコルノス:51話「石怪人ユニコルノス対ダブルライダーキック」

・ギルガラス:52話「おれの名は怪鳥人ギルガラスだ!」

こう振り返ると劇場版のお話しは52話以降、つまり一文字隼人が南米のショッカーと戦うために日本を去った時期となる。

仮面ライダー1号が52話でギルガラスを倒した時点では劇場版のように旧1号であり、53話で新1号へパワーアップしていること、そして52話のラストで一文字が南米に飛び立ったことを考えると52話ラスト前、つまり今作は51.9話ぐらいのお話しとなる。

だが狼男の扱いを見ると劇場版用設定なのかなとも感じる。

なぜなら狼男の正体は元ショッカー最高幹部「ゾル大佐」なので仮に復活したとしたら素直に死神博士の駒として従うだろうか?

従わないと思います!

それともそういう厄介な人格は再生する際に消してしまい、純粋に死神博士の駒として動くよう調整されている。もしくは死神博士得意の催眠術で操っているのかもしれない。

ただ今作で戦闘に参加せず生き残ったその他再生怪人はテレビ版53話以降に登場しないのでどうしたのかな~劇場用に大量怪人が登場した方が受けが良いからにぎやかしかな~それとも劇場版とテレビ版は世界線が違うのかな~と余計な考察をしてしまう。

まあそこはややこしいので端折ったと考えてもよさそうなのでこれ以上考えない!

今回の作品は私も小さい頃に結構映画館で参加した「東映アニメフェア(旧東映まんがまつり)」で上映された中の1つ。

東映まんがまつり(1972年春)」は「仮面ライダー」、「ながぐつ三銃士」、「スペクトルマン」、「さるとびエッちゃん」、「ムーミン」など幅広い作品を知ってもらうためのプロモーション用の映画とも言えるので1話完結で分かりやすく劇場版用設定にしているのだろう。

テレビシリーズ全話視聴の玄人だとどうしても矛盾を指摘してしまう。よくないよくない…

ちなみに私が一番印象的な「東映アニメフェア」は「'99春東映アニメフェア」の「遊戯王」と「2000年春東映アニメフェア」の「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」ですね。

遊戯王は当時カードゲームもコナミ版ではなく、バンダイ版で映画に出てきた「ブルーアイズ3体連結」のカードがほしくてガチャを数回やった思い出。

デジモンはぼくらのウォーゲームに登場した「オメガモン」があまりにもかっこよすぎて上映後にカードダスのガチャをねだり1発で当たったのが嬉しい思い出。

今でも両方ともファイルに入れて持っている大切な思い出の品です。

1上映で複数作品見れて楽しかったな~

ストーリーの転換点と考察

大道寺 地球物理学研究所を爆破したこと

GXのデータを奪った後の爆破は悪手だと感じた。

もちろんショッカーの存在を知った関係者及び痕跡を消すためだと思うが研究所を爆破したことにより不都合が生じる。

それは奪ったデータに欠けがあったことだ。

これは大道寺博士がGXの方程式だけを別の場所に隠したためだ。

もし研究所を爆発せず博士が実験で使っていたGX装置を奪っていればそれを解析、もしくは小規模だがそのまま使うという手もあった。

完成データを手に入れたと思って安心して、プロトタイプの装置まで壊してしまったのはもったいなかった。

くまちゃん争奪戦は逃げに徹するべきだった

ザンジオーは泡での隠密行動が得意だ。

ダブルライダーと戦闘していた谷底から泡で谷の上に移動した時点でダブルライダーを挑発せずにとりあえずGXの方程式だけ持ち帰って後から出直しても良かっただろう。

データを守りながらダブルライダーに勝とうと考えて欲がでたな…

ただ一番のミスは死神博士が救援を出さなかったこと!

地獄谷にいた28体の怪人の内仮面ライダーに倒されたのは僅か8体。

残る20体を差し向ければ方程式だけでも奪えた可能性は高い。

もしかしてザンジオーも欲を出したのではなく、地獄谷に誘い込んで救援してもらう予定だったのではないかと思えてきた!

最終決戦の場所は明言されていないがあの荒野は地獄谷!?

だとしたらザンジオーからしたらなんで誰も助けにきてくれないんだ!と思いながら孤独に戦っていたことになる。

そう思うとちょっと同情してしまう…

今回の特撮表現の面白さ

ザンジオーの泡表現

ザンジオーは泡に身を潜めて移動することができる。

そのためドアの隙間などからも侵入できるのだが、その際の表現としてドアの下の隙間から泡をブクブク出すことによってザンジオーが迫ってきていることを表現している。

またザンジオーは泡を使って獲物を引きずり込むことができる。

その際は獲物大に泡を作り泡の後ろに穴を掘りそこに獲物を押し込むことで泡に引きずり込んで地面に消える表現をしていると思われる。

珠美の誕生日ケーキの発火表現

珠美が誕生日ケーキのロウソクを吹き消した後、ケーキ全体が発火するのだが、よくよく見るとケーキの上の部分に隙間があり、その隙間つまりケーキの内側から炎を出しているのがわかる。

これはこれから起こることへの不吉な予兆としての表現なのか、もしくはドクガンダーが登場する際に下から現れたので、ドクガンダーがテーブルの下に潜んでいて、その攻撃によりケーキを燃え上がらせたのではと考えられる。

本郷猛の変身演出

仮面ライダーの変身ポーズは一文字隼人から始まった。

そのため本郷猛の変身ポーズは日本の防衛を一文字と交代する52話まで存在しなかった。

これまでは猛はサイクロン号の加速などでベルトにエネルギーを貯めて変身していた。

そして53話で初めて猛の変身ポーズが公開される。

今回の劇場版でも同様の変身ポーズなのだが、かけ声が違う。

テレビ版では最終話まで「ライダー…変身!」で統一されていたのだが、劇場版での演出では「変身!」のみ。

俳優本人が変身とは言わず、俳優の別取りの音声を映像に当てはめる手法は同じ。

だが劇場版の変身!の声にはエコーがかかっている。

テレビ版では全く使われていなかったがこれはこれで私は好きだ。

だが俳優の野太い声で「ライダー…」と力を溜めてから「変身!」と一気に解放するかけ声も主人公の個性に合っているので良いと思う。

ライダーハンマーキック表現

ライダーハンマーキック」は91話「ゲルショッカー恐怖学校へ入学せよ!!」が初登場かと思いきや、まさか劇場版が先とは…

ただ大きく違うのは91話のハンマーキックは単独で1号が敵をハンマーのように振り下ろした後キックを当てている。

それに対して劇場版では1号、2号がそれぞれ敵を抱えて一緒にジャンプしてお互いの敵同士を頭突きさせダメージを与えるという技になっている。

蹴りは(笑)

炎のジャンプ回避表現

だいたいのジャンプ回避だと仮面ライダーがジャンプする映像のみなのですが、今回はジャンプする姿に炎を斜めに横切らせることでより何を回避しているか分かりやすい。

いつものジャンプ回避表現だと余裕で回避しているように見えるので、今回のような表現にすることで本当はギリギリで回避しているほど怪人の攻撃は激しく強敵なのだということが実感できるので緊張感が生まれて良いと思う。

劇場版ならではの解像度と演出のじっくり感

劇場版なので解像度が高く、画面もワイド。

テレビ版とは違い画面が広いので窮屈な格闘戦でも状況を把握しやすいのでアクション映えする。

尺もテレビ版より少し長いのでライダーベルトの風車回転スピードが0.5倍くらいになっており(むしろこれが元の速度?)、いつもより丁寧に見える。

爆発もドカン!ではなくドカーーン!と余韻が残る爆発加減でテレビ版ではカットされてしまう部分がじっくり見ることができて楽しい。

テレビ版のキレの良い演出も短縮の美学という意味では好きなのでどちらが良い悪いというのはないが普段とは違う演出を好きな作品で見られるのは新鮮で面白く嬉しい。

特撮満足度(★で5段階評価)

特撮満足度

アクション:★★★★★

高所:★★★★☆

火力:★★★★☆

水場:★☆☆☆☆

仕掛け:★★☆☆☆

「劇場版 仮面ライダー対ショッカー」の名言・迷言・珍言・失言

立花藤兵衛「子供の身を案ずる親の気持ちってのはそら大変なもんだ…もっとも…今のお前たちには分かれというのが無理かもしれんがな…」

大道寺博士や藤兵衛が珠美の安否を心配する中でエミとミカは楽観的だったために発した言葉だ。

もちろんエミとミカは猛、一文字、滝がいるからそんなに深刻にならずにね?と元気づけるいう意味での楽観さだっただろう。

それにこのセリフをいう藤兵衛に子どもはいないよね?と疑問に思う方もいるだろう。

だが藤兵衛には大道寺博士の気持ちがわかる。その理由は猛のことを本当の息子のように思っているからだ。

いつもいつも前線で戦う猛。劇場版前つまり52話以前、猛はヨーロッパのショッカーと戦うために日本を離れていた。

遠く離れた土地で毎日息子が死地に向かっていると考えただけで気が気ではなかっただろう…だからこそ藤兵衛は大道寺博士の気持ちが痛いほどわかるのだと思う。

一文字隼人「珠美ちゃん!怖いことはない!何が起こっても目をつぶっているんだ!わかったね?」

おそらく仮面ライダーの正体を珠美に知られないようにするために指示したのだろう。

だがその後思いっきり猛に「本郷!変身だ!」と叫んでいる。

耳は塞げと言っていないしこれでばれてしまうのでは(笑)

大道寺博士「すまない…あんな研究をしたばっかりに危ない目にあわせて…」

しかし、あんな研究ができないと科学は発展しない。

これでは科学者は家族を持たない方が良いことになってしまう。

あんな刃物作らなければと包丁職人に言わせるんですか?

正しく使えば便利なものを悪用する人のせいで職人が懺悔するのはおかしいでしょ!

でも大道寺博士…すまないと言うなら研究より悪人に狙われるであろう大事なデータを娘に預けたことのほうがすまないだよ…

ロケ地(執筆者の調べ)

・「不明」

感想・まとめ

今作は仮面ライダー(初代)の記念すべき完全新作での劇場版第1作目(劇場公開としては「ゴーゴー仮面ライダ―(13話「トカゲロンと怪人大軍団」)」が初)となる。

劇場版のみの設定もあり、テレビ版で慣れ親しんだ人には混乱する場面もある。

だがシネマスコープで見る大迫力の仮面ライダーはやはり良い。

ちょっとテレビ版との整合性が取りにくいのは新規ファン獲得のためにテレビ版を観ていない人でも分かりやすいようにするための配慮だろう。

ショッカーの野望、それに巻き込まれる人々、1号、2号両主人公の登場。

罠にハマる味方陣営。

再生怪人登場でテレビ版にはこんなに多くの怪人が登場してますよとアピール。

高低差を使った迫力のライダーアクションとバイクアクション。

そして悪の野望の阻止。

これらの流れが上手くまとまり、仮面ライダーの全体像を伝えるには充分な構成だ。

それにテレビ版ファンも完全新作のエピソードを楽しめる。

もしここからテレビ版を見始めても53話から新1号など新展開なので時期的(放送当時)に乗り遅れない。

新規、古参ファンにとって両方嬉しい映画となっていて凄く楽しめると思います!

今回判明したこと

・石倉五郎は9歳?

・劇場版では本郷猛が変身する時のかけ声がテレビ版と違う(変身!のみでエコーがかかっている)

・劇場版本郷猛の変装は完璧

・劇場版で仮面ライダー1号はテレキネシス(念動力)を使う

・今作はテレビ版52話のラストで一文字隼人が南米に飛び立つ前の出来事?

関連記事(一部広告を含む)