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目次
第27話「ムカデラス怪人教室」感想・考察
天才でもやはり子供
今回のショッカーの目的は「ジュニアショッカー」を結成して「将来の同年代ショッカー工作員を教育、指揮する人材を育成する」こと。
そのために子供の頃から教育するべく「頭の良い子供」を集める。
ショッカーの工作員は仮面ライダーごっこをする子供たちに「仮面ライダーに会わせてあげる」と嘘をつき誘拐する。
頭の良い子供といっても「学力が優れている」だけであって「精神的」にはまだまだ未熟。
仮面ライダーに会えるとわかればホイホイついていく。
仮面ライダーごっこをするあたり仮面ライダーの存在は世に浸透しているようだ。
自転車に段ボールでサイクロン号のデザインを施しているがこれがなかなか上手いもんで特徴をとらえている。つまりかなりの目撃情報、写真など仮面ライダーの記録が世間に出回っているのだろう。
週刊誌とかに載ったりするのかな？「出た！謎のバッタ男！彼の名は仮面ライダー！」とか。
それにしてもまさかショッカーまで浸透しているとは…しかも初期の顔にペイントしている頃の下級戦闘員。この頃のショッカー知らんやろ！マニアックすぎるだろ…
ヒーローごっこには悪役は必要だがショッカーさん世間に認知されだしてるやん…
これだけ一般に浸透しているのなら警察もさすがに動き出すのではないだろうか。
ジュニアショッカーにされてしまった子供たちだが、結果的に洗脳が解けた時に憧れの仮面ライダーに会えた。良かったね！
近接攻撃・遠距離攻撃・催眠・教師とオールラウンダー怪人
今回の幹部怪人「ムカデラス」はオールラウンドに作戦をこなせる怪人だ。
攻撃は格闘に加え、遠距離攻撃としてムカデの足部分は「手裏剣」のようになっており投げて攻撃でき、「頭脳破壊電波」を放つことで相手の脳みそを破壊する。
そして「催眠電波」を放つことで人を洗脳することができる。
この催眠電波を使い子供たちを洗脳しジュニアショッカーたちの「教師」となる。
いや…「調教師」かな…
戦闘、人心掌握、教師とどんな作戦にも対応できそうな能力を持っている。
弱点があるとすれば常時、もしくは定期的に催眠音波を浴びせないと継続的に洗脳できないということ。
ジュニアショッカーも半径何メートル以内でムカデラスが催眠音波を発し続けなければ洗脳は継続されないようだ。
そのため音波の出所を超聴覚を持つ仮面ライダーに特定され、計画を打ち砕かれることになる。
天才気質石倉五郎
ジュニアショッカーに選ばれた中で「生沢ナミ江」という女の子がいる。
ナミ江はジュニアショッカーに選ばれるほどだから頭が良い。
そのナミ江と学校の成績でトップ争いをしているのがあの「石倉五郎」なのだ！
前々から五郎は地頭の良さを見せていたがまさかこれほどとは！
しかもナミ江が「五郎君まだ勉強しているかな？私も頑張らなくっちゃ！」と言いノートには「五郎君に負けるな！！」とまで書いて気合を入れているのに当人の五郎は毎日立花レーシングクラブに遊びにきていて勉強している描写もない。
まさに天才肌！勉強は授業で全て覚えるタイプだ。やはりFBIにほしい…
ガールフレンドに売られる五郎
五郎本人はナミ江を勉強のライバルと同時にとても親しいガールフレンドだと思っている。
ナミ江が学校を休むと物凄く機嫌が悪くなるほどだ。
そんなナミ江は洗脳状態とはいえゾル大佐に五郎を推薦している。
潜在意識の中のライバル心と五郎を認める想いがナミ江にそうさせたのだろう。
ナミ江の推薦でショッカーに狙われる五郎。
ゾル大佐は五郎の名前を聞いて「立花レーシングクラブのあいつか！」とピンときたようで「五郎のいるところに仮面ライダーあり！」という傾向から一文字をおびき出すためのエサとしても利用している。
この記憶力がゾル大佐の優秀なところ。普通の幹部ならチラッとあった小僧の顔は覚えていても名前まで把握していないだろう。
頭脳明晰な子供たちはショッカーのコンピュータによって選ばれた。
16話「悪魔のレスラーピラザウルス」でもショッカーのコンピュータは「ピラザウルス」の毒に耐性がある人間を正確に選び出した。ショッカーのデータベースはどうなってるんだ…
そもそもショッカーのコンピュータは五郎を頭脳明晰扱いしなかったのか、それとも五郎はコンピュータでは計り知れないほどの天才か…ますますFBIにほしい…
怪人教室
将来同世代のショッカーを育成、指揮する人材として選ばれた五郎たちジュニアショッカー1期生。
1期生の講師はなんと再生怪人の「サラセニアン」と「ゲバコンドル」。
ゲバコンドルはパワーの代償として理性を失っているだろ。講師なんてできるのか？
彼らは今後ショッカーに入隊（誘拐）した少年少女の先輩となる。
そのためのノウハウを「怪人教室」で叩き込むようだ。
怪人のトレーナーとして16話「悪魔のレスラーピラザウルス」で登場した「ハリケーン・ジョー」がいたが滝に撃破されたためトレーナー不在の状態なのかもしれない。
教科は主に3つ「爆弾の扱い方」、「狙撃」、「毒物の使用方法」。
それらをマスターさせ、まずは全国で破壊工作を実行させる。
まさか子供がやったとは思わないというゾル大佐にショッカー首領は唯一気づくもの仮面ライダーを名指した。
ゾル大佐は最大の障壁、仮面ライダーをジュニアショッカーの実力テストとして始末するつもりのようだ。
ゾル大佐は中近東の作戦でも少年少女兵士を使った実績もあるようで自信満々だ。
洗脳が解けたジュニアショッカーの子供たちは洗脳されている間の記憶や知識は残っているのだろうか。
もし残るのであれば殺人技を子供たちに植え込んだことになる。そしてもしも仮面ライダー、滝を倒してゾル大佐の計画通り、全国で破壊工作を行い、もしその後正気を取り戻したなら罪悪感で子供たち、そして何より滝を失った五郎の心は潰れてしまっていただろう。
その前に計画を止められて本当に良かった！
激化する戦い
ゾル大佐が日本支部を指揮するようになり作戦がどんどん激化している。
少年少女を兵士として誘拐したり、再生怪人として「サラセニアン」、「ゲバコンドル」を投入してジュニアショッカーの指揮、仮面ライダーとの戦闘と計画の実行スピードが早く手段を選ばない。
FBIの滝ですらショッカーは子供を狙わないというイメージがあったにもかかわらず、平気でその予想を上回るゾル大佐に脅威を感じる描写もある。
少年少女を平気で軍事利用できる男が他の手段に迷いを見せるはずがない。
これからどんな強引な手段を使って仮面ライダーに襲い来るのか…
兄弟の絆
滝は親兄弟がいない。兄弟は一人っ子ならいないのは当然だが、親は何かの不幸で亡くしているのだろう。それだけに五郎のことを本当の弟だと思って可愛がっているようだ。
この時期はまだ戦時中や流行り病で両親を亡くしている人も多い時代だ。
そんな五郎が蒸発したのだから心配じゃないわけがない。FBIという立場を忘れて冷静さを失う滝。
そして滝と同じ想いを抱く一文字。そこには本物の兄弟以上の絆がみえた。
滝兄ちゃん！滝兄ちゃんって言われて嬉しかっただろうな～
しかし、滝よ。1人ぼっちは違うぞ！一文字やレーシングクラブのみんな、それにあんたには「洋子」っている嫁もいるじゃないか！
それにしても夏休み中やけにみんなをFBIの任務とあわせて旅行に連れていっていたがレーシングクラブのみんなを本当の家族だと思ってのことだったようだ。五郎だけではなく、4人娘も妹みたいな存在だったのかもしれない。不倫を疑ってごめん！滝さん！
もしかしたら家族で遊んだ経験も少なかったのかもしれない。本当に楽しかったんだろうな～
今回はナミ江が休んで落ち込む五郎の様子を心配してタクシー運転手に変装しているシーンもあるし。
ストーリーの転換点と考察
またちょっと遊ぶショッカー
手段を選ばないゾル大佐の作戦自体は悪くなかった。
確かに子供を工作員にすれば世間にも怪しまれず、仮面ライダーも手が出せない。
手が出せないからこそ仮面ライダー撃破を後にして全国破壊工作作戦を優先するべきだった。
一文字たちも子供の蒸発事件が起きなくなってからはショッカーが動かない限りは情報をつかめないでいた。
それをジュニアショッカーを差し向けることでムカデラスの位置を特定され結果洗脳の元凶の情報を与えてしまうことになる。
全国に子供たちが散らばり作戦を行えば、目撃情報をもとに親に捜索願いを出された警察は全国で動き出すだろう。
しかし、仮面ライダーに比べればそれほど脅威ではない。
仮面ライダーが気づくころにはある程度破壊工作は進んでいることだろう。
ゾル大佐は順番を間違えた！
今回の特撮表現の面白さ
ジュニアショッカーの小銃表現
「ジュニア」が使う銃なので銃の色が成型色で子供のおもちゃ感がある。
子供が水鉄砲を持っているとしか見えない実銃という設定が別の意味での恐ろしさを感じる。
・ショッカー190型自動小銃：24連発、有効射程距離1500m
・ショッカー205型自動小銃：赤外線スコープ付、32連発、有効射程距離2000m
幹部の死を知る表現
幹部が撃破されるとゾル大佐の机に火花が散る。火花を散らせることでムカデラスが散っていったことを表現している。
特撮満足度（★で5段階評価）
アクション：★★★★☆
高所：★★★☆☆
火力：★★★☆☆
水場：☆☆☆☆☆
仕掛け：★★★☆☆
ロケ地（執筆者の調べ）
・不明
次回予告より（第28話「地底怪人モグラング」）
次回のショッカーからの刺客は「怪人モグラング」。
モグラの特性を持つ改造人間だが、地中に人を引きずり込んだり、潜り込む怪人は「さそり男」、「サラセニアン」、「コブラ男」、「サボテグロン」など似たような能力を持つ怪人は多い。
モグラ特有なものを能力とするならばやはり触覚でしょう。
モグラは視力がほとんど機能していないので触覚を頼りに生活しています。
モグラは夜行性なので光を浴びるとパニックになることがあるそうなので弱点として光を使った撃退などが考えられそうです。
舞台は本郷猛や滝和也が出場するはずだった「全日本モトクロス選手権会場」と懐かしい場所。
このレースに猛や滝は参加するのだろうか？
まとめ
・仮面ライダーとショッカーは世間に認知されている
・五郎は学校でトップクラスの成績をとる頭脳を持っている
・ゾル大佐の加入でショッカーは子供たちも侵略のコマとして利用するようになる
・滝は親、兄弟がいない、そのため五郎を本当の弟のように思っている
・一文字も五郎を本当の弟だと思っている
・幹部怪人がやられるとゾル大佐の執務室の机が小爆発を起こす
