【仮面ライダーV3】25話「怪奇!! デストロンレインジャー部隊」感想・考察〈発見!ツチノコ・大蛇・人間猿!?〉

ネタバレがあります。
本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。

あらすじ

ある日「人間猿にんげんざる」が出ると言う噂を聞きつけた3人探検隊が「近江山おうみやま」を訪れる。

最近は不思議生物いわゆるUMAの噂が絶えないようで幻の蛇「ツチノコ」、四国の「剣山」では「10mの大蛇」が世間の関心を引いているようだ。

探検隊が山を登っていくとまるでトラクターで荒らされたような地形を発見する。

3人は人間猿の仕業とは思えないその光景を見て調査を開始しようしたところ3人は黒タイツに襲われる。

そう…この黒タイツのデストロン戦闘員こそ人間猿の正体。

ここはデストロンの特殊部隊「デストロンレインジャー部隊」のトレーニング場。

山の木々を使ったトレーニングの姿と「キー」という戦闘員の鳴き声から人間猿という噂が広まったのだろう。

特殊部隊を束ねる怪人「カマキリメラン」も登場し3人の探検隊を目撃者として始末してしまう。

ことを終えたカマキリメランはレインジャー部隊に特訓の終了を告げ下山。

その様子を物影から同じく人間猿の噂を聞きつけて探検にやってきていた兄の「工藤俊一くどうしゅんいち」とその弟でライダー少年隊の「工藤健二くどうけんじ」が目撃する。

怪奇!人間猿

人間猿」の噂を聞きつけ「近江山」を訪れた「工藤俊一」と弟でライダー少年隊の隊員ナンバー「820」の「工藤健二」は探検中にデストロンの特殊部隊を見つけたため、すぐにペンダントで本部に連絡を入れようとするが、近くにデストロンの施設がある影響か妨害電波が飛んでおり通信を行うことができない。

特撮ユートピア

「人間猿」の正体は「デストロンレインジャー部隊」というデストロンの特殊部隊だ。

彼らが近江山でトレーニングをしている姿が人間たちにそう見えたらしい。

それもそのはず、ターザンロープを使い木々から木々へ飛び移ったり、木に飛び乗り逆上がり、荒野を駆け巡る。

そして極めつけは「キー」という戦闘員のかけ声!

決定打は鳴き声でしょうね…人間の形した生物がキーって鳴いたら猿か嫉妬に狂った女性が悔しがる姿ぐらいだわな…

しかし、「人間猿」っている言葉も変ですよね。人間は猿だよって…

まあおそらくここで言いたいのは野生の猿よりの人間ということが言いたいのでしょう。

完全に猿な人間は猿ですけどね…たぶん…

ちなみに冒頭で3人の探検隊が言っていた今ブームの「ツチノコ」、「四国の10mある大蛇」についてですが、ツチノコはみなさんお馴染みのUMAだと思います。

ですが、わざわざ「四国の」と前置きされた「10mの大蛇」については私もあまり知りませんでした。

調べてみると1973年の5月に徳島県の剣山で全長10m、直径30㎝の大蛇が目撃され話題となっていたようです。

この回の放送が1973年の8月4日なので撮影時期的にかなり直近のホットな話題であったことがうかがえます。

しかし、この剣山の大蛇は具体的な目撃報告は1度しかなかったため、後世ではあまり有名な話しではないようです。

ツチノコは1972年に作家「田辺聖子」がツチノコに情熱を燃やす作家「山本素石」をモデルとした小説「すべってころんで」を発表し、翌年1973にNHKでドラマ化。

1973年には「釣りキチ三平」の作者で知られる「矢口高雄」が「幻の怪蛇バチヘビ」を発表。

翌1974年には「藤子・F・不二雄」の漫画「ドラえもん」にてツチノコ回が登場するなど1970年代前半は空前のツチノコ及びUMAブーム。

私も最初にツチノコを知ったのはドラえもんでした。

ちょっとうらやましいんですよね70年代…UMAとか好きな私にとってSF研究が進んでいない段階、つまりその分野が発展途上でその進歩をリアルタイムで追うことができるのがうらやましい…

まあ私も好きなテレビゲームの進化を子供時代からリアルタイムで見れたのは幸運でしたね(何の話しだ!)。

田辺 聖子 中公文庫 1978年8月10日

そのため兄弟は本部に連絡するため急いで下山。

公衆電話にて本部へ連絡する。

詳しい内容を聞くため藤兵衛は工藤兄弟が住む「シムラ第2マンション306号室」に向かう。

電話を終えた俊一は弟を安全から守るため健二を友達の家にいるように指示する。

だが、すでに悪の手は忍び寄っており、近江山で2人の気配を察知していたカマキリメランが2人をマークしていたのだ。

特撮ユートピア

俊一が健二を友達の家に避難するよう指示したのに対して健二が「僕はライダー隊の隊員だぜ!」というので俊一は「そのライダー隊の隊長の命令なんだ」と弟をなだめる。

これはウソですね…

実際に藤兵衛は電話でそんなこと言っていないし、俊一が「そうだな…」と呟いた時点で弟を避難させるのはその場の思いつきであることが分かる。

だがこれは兄の優しさであり、弟をデストロンの魔の手から遠ざける方便だ。

こんなに弟想いの兄さんなのに…ああ兄さんなのに…

デストロンが何やら企んでいるであろう動きを見せたが本部には肝心の志郎、そしてなぜかシゲルも不在である。

その頃、シゲルは1人トレーニングを行っていた。

V3の模倣をしているのか自身の動きに納得のいかない様子。

するとどこからともなくUFOのような円盤が現れシゲルの目の前を旋回する。

やがて円盤は草むらに落ち、それをシゲルは不思議そうに拾い上げる。

そしてこれまたどこからともなくV3が現れて、シゲルに円盤が収納されたケースを開いて伸ばすように指示。

今度はそれを振り回すと「高音波」が出ることを教える。

この武器の名は「スクランブルホッパー」。

V3が作り出したというその武器は少年少女隊員たちでもある程度デストロンから自衛ができるよう開発した武器だ。

V3はこれをシゲルを通じて隊員たちに広めるため姿を現したようだ。

特撮ユートピア

なるほど…だから志郎は不在だったのか…

さてこの「スクランブルホッパー」は銀とオレンジが交互に配色された円形状の武器で柔軟性があり、伸ばして振り回すとデストロンが嫌がる高音波を出すことができる。

名前にある「スクランブル」は「かき混ぜる」という意味なので振り回すことで空気をかき混ぜて高音波を出している?ということであってるかな?

見た目は掃除機のパイプや水撒きホースのようで一見簡素な作りだがその分、子供隊員でも使いやすいのが最大のメリットだ。

振り回すとダブルタイフーンの風車の回転みたいになるところもグッド!

まさにデストロン版防犯ブザーといったところでしょう。

その後、変身解除して本部を訪れた志郎は純子から藤兵衛が隊員からデストロンの目撃情報を得るためシムラ第2マンションに出かけたことを聞かされる。

兄弟を狙う殺人ブーメラン

俊一は藤兵衛に「人間猿の噂を聞き近江山を探検していたところデストロンに遭遇したこと」を報告。

藤兵衛に目撃場所を知らせようと地図を取り出すため席を立ったその瞬間!窓の向かいの屋上からカマキリメランのブーメランが飛び込む。

ドサッと倒れる音がしたので藤兵衛が振り返るとそこには首を切断された俊一の姿があった。

今度は藤兵衛を狙ってブーメランを投げるがそれを察知して回避。

ブーメラン攻撃が続く中、志郎が到着。状況を把握した志郎は向かいの建物の屋上へ行きデストロンと対峙する。

近江山でトレーニングを積んだレインジャー部隊の戦闘員は通常の戦闘員よりキレが増した動きを見せ志郎に襲いかかる。

だが志郎も日々トレーニングを積んでいるため、それに怯まず戦闘員を次々と打ち倒していく。

そしてカマキリメランは右肩にブーメランが2つ収納されており、1つブーメランを投げ戻ってくるまでの間にもう1発、戻ってきたらまた投げるという攻撃を繰り返し反撃を許さない。

志郎は金網を盾にブーメランを回避してV3へ変身。

21話「生きていたダブルライダー」でダブルライダーに教わった腕をクロスすることで発動する「細胞強化装置」を上手く使いブーメラン攻撃を難なく防いで見せる。

特撮ユートピア

ここで「細胞強化装置」の存在を把握していないとただ腕をクロスして防御しているだけのシーンに見えてしまう。

細胞強化装置を知らなければカマキリメランのブーメランの威力はもしかして弱い?と思ってしまうはず。

いやいや…人間の頭を一発で切断してしまうほどの威力が弱いわけがない…

そこで細胞強化装置のポーズを把握していれば「あっ今腕をクロスして細胞強化装置を発動し身体を頑丈にしたから防げたんだ」という見方ができるはずだ。

でも地味であまり登場しない技って忘れるから「あれ?今なんでこうなったんだ?」って思うことありますよね。

それにV3には26個も秘密があるので地味な技だと忘れがちだ。

まあ大抵技発動時には叫んでくれますけど、細胞強化装置の発動は特に名前がないのでそこは視聴者のV3愛が試されるところだ。

ブーメランを防がれ分が悪いと感じたカマキリメランはデストロンの目撃者は1人も生かさないと吐き捨てて逃走。

俊一が殺されたということはもう1人の目撃者である健二が危ない!

V3はすぐにV3ホッパーを展開しカマキリメランを索敵、ハリケーンを飛ばし追跡する。

だが追いついた先ですでに健二は捕まっており電波塔の上で人質状態であった。

人質をとられて身動きをとれないV3に対してカマキリメランはブーメランを放つ。

だが1発目は回避され、2発目はキャッチされる。そしてキャッチしたブーメランを電波塔で健二を拘束する2体の戦闘員の内1体に投げ撃破する。

もう1体なんとかしたいところでV3は先ほどシゲルに教えた新武器「スクランブルホッパー」を空に打ち上げ健二に届ける。

健二はV3の指示通りにスクランブルホッパーを振り回すと高音波が発せられ、もう1体の戦闘員はその音波に苦しみ怯む。

その隙に電波塔を降りる健二だがカマキリメランに梯子を攻撃され、足場を崩し落下。

命に別状はないが着地の衝撃で足を負傷してしまう。

さらにカマキリメランのブーメラン猛攻は続くがV3はそれをまたもキャッチ。

ブーメランを投げ返すことで牽制し、その隙を見て健二を連れてその場を退避する。

V3を包囲!恐怖の2段作戦!

足を負傷し気絶した健二が次に目覚めた時、河原で自身を介抱してくれていたのは風見志郎であった。

健二の足の怪我が思ったより重傷なのを見た志郎は健二を抱えて安全な場所を探し移動を開始。

林の中にある建ち並ぶ倉庫?小屋の1つに入り身を潜める。

デストロンの追跡を心配する健二だが奴らはもうそこまできていた…

鋭い感覚で気配を捉え志郎は床下に潜んでいた戦闘員と小屋の壁に張り付き耳を澄ませていた戦闘員を小屋内から拳と蹴りで壁を突き破り撃破する。

特撮ユートピア

時代劇でよくある「曲者め!」といって天井や床下に潜む忍びを槍で一突き!みたいなシーンですね。

すでに自分たちの行動がデストロンに把握されていると感じた志郎。

それもそのはずでドクトル・Gの手はず通り、レインジャー部隊は志郎と健二が潜む小屋の周囲を包囲していた。

そのため負傷者を抱えた志郎は身動きがとれない。

そしてまた1人、床下から小屋へ侵入してこようとする者の気配を感じた志郎は床下が開くと同時に正拳突きをお見舞いしようとするがなんと侵入者の正体は藤兵衛だった!

特撮ユートピア

これはブラックジョークですが、この正拳突きが藤兵衛に命中して頭が吹っ飛んだら「今回はよく首が飛ぶ回だな…」とか思ったかも…

だがこの状況はありがたい!

健二を藤兵衛に任せた志郎はデストロンの包囲網を突破するため意を決して小屋の外へ飛び出す。

すると小屋を包囲していたレインジャー部隊が一斉に志郎めがけて襲いかかる。

志郎は包囲網をかきわけ逃走。相手を引きつけつつ戦闘員を撃破していく。

だが大滝にさしかかったところでカマキリメランが登場。

志郎はブーメラン攻撃を回避した反動で滝から落下しそうになってしまう。

滝上に張られたロープを掴みなんとか踏ん張るが戦闘員にロープの端を切られて落下。

もう片方が生きているためなんとかロープにしがみつき踏ん張る志郎だがもう片方の端も切断され落下。

だが滝の途中まで落下していたことが幸いし、地面までそれほど高さがなかったため落下の衝撃は免れた。

そして志郎はV3に変身しジャンプ一番、滝上まで跳び上がり反撃開始。

ブーメランは封じられ、近接戦闘を苦手とするカマキリメランは徐々に追い込まれていく。

だがこの間に真の作戦決行のために「レインジャー第2部隊」が東京各地へ潜入していることをカマキリメランから明かされる。

唐突に明かされる真の作戦に戸惑うV3は東京に戻るため速攻カマキリメランを「V3回転フルキック」で撃破し帰路を急ぐ。

特撮ユートピア

これがドクトル・Gが言っていた2段作戦か…

いっそのこと大人数で小屋を襲えば良かったのにと思っていましたが、真の目的は風見志郎(V3)を足止めさせて、東京での作戦をやりやすいようにしていたんですね…やられた!

暑い日はキンキンに冷えた水道水を一気に流し込みたい!毒水ごと…

その頃、東京ではまずライダー少年隊を狙うべく「デストロンレインジャー第2部隊」はライダー少年隊が使用する水道に繋がっている「平山台第三浄水場」の水道タンクに何かを混入する。

おそらく毒物に間違いはないだろう…

そうとも知らない純子は水差しを補充している。

そしてライダー少年隊本部と同じ水道を使う近隣の家の女性がその水を飲んでしまう。

毒水を飲んだ女性は苦しんだ末、顔面が白くザラザラとなり、まるで何かに感染したような風貌となってしまう。

水差しを補充しただけの純子はまだ水を口にしていない。

だが志郎、藤兵衛、シゲルもいない本部で暇そうにくつろぐ純子はついにそれを口にしようとコップに手を伸ばし水をついでしまう…

急げ志郎!純子、そして東京が危ない!

特撮ユートピア

これは別に東京をディスっているわけではないのですが、地域によって水道の水がうまいマズい、そして飲める飲めないがあると思います。

私は昔、修学旅行で大阪のホテルに泊まった時、洗面台の蛇口に「飲める水」と書いてあったんですよ。

学生のお小遣いは貴重なのでケチって自販機に行かずにその水を飲んだんですね…

そしたらその10分後ぐらいから腹痛とゲリが止まらなくてその日は眠れなくなったという最悪な思い出があり、そこで初めて蛇口の水は飲めないものがあることを知りました。

私は普段、神頼みをしないんですが排便、腹痛の苦しみだけは時折「神様…助けて」と祈ることがあります。

この体験ではそれがまさに発動して朝まで神様に祈っていました(笑)。

ちなみに次の日、隣の部屋の同級生から備え付けのポットで沸かしてから、いわゆる消毒してから飲んだと聞いて関心したのも今は良い思い出です。

この出来事から水道水は飲まなくなりましたね。

もっかミネラルウォーター!

だから今回、純子と本部近隣の女性が水道から直接水をくんで飲んでるのを見て「ほぇ~」と感じた次第です。

その地域で生まれ育った人は飲めることもあるようなので私の胃が慣れてなかったというのもあるかもしれませんね。

ストーリーの転換点と考察

隊員でも扱える新武器「スクランブルホッパー」の発明

あくまで仮面ライダーV3の発明なのでV3の26の秘密の1つではないが新武器「スクランブルホッパー」が登場。

これはV3以外でも使用可能というのが大きなポイントで使い方も簡単。

円形のパイプを伸ばして回す。これだけでデストロンの怪人や戦闘員が嫌がる高音波を発することができる。

殺傷能力こそないものの相手を怯ませることができるのでもし量産できるのなら隊員1人につき1個は持たせたいところだ。

だがあまり量産し過ぎるとその技術をデストロンに奪われる可能性もあるので使いどころはV3が決めてV3ホッパーで必要な隊員に届ける。

とりあえずは試験的にこの扱いでいいのかもしれない。

今回は早速、スクランブルホッパーのおかげで人質の隊員健二を救うことができたので実戦運用も上々のようだ。

カマキリメランがV3に「おのれ!近寄るな!」と弱みを見せてしまったこと

カマキリメランはブーメランを2本装備しており、遠距離攻撃が得意なのは明白。

だが近距離戦に持ち込もうと距離を詰めてきたV3に「おのれ!近寄るな!」と発言したのは余計だった。

なぜならこの発言は「俺は近距離戦が苦手だ!」と弱点をカミングアウトしているようなものだ。

この発言が今回の勝敗に大きく関わっているかといえば微妙だが、少なくとも勝ちたいならするべき発言ではなかった。

俊一と健二が別行動をしたこと

これは結果論だが、もし俊一と健二がデストロンの目撃情報を藤兵衛に知らせるために一緒に行動していたら健二は人質とはならず、デストロンは2段作戦を決行できなかったのかな?と考えてしまう。

だがもし俊一と行動を共にしていたら兄と共にカマキリメランのブーメランに巻き込まれていたかもしれない。

そう考えると健二に別行動をさせた兄俊一は弟の命を守ったことになる。

これで良かったんだよな…

注目の特撮表現

新武器「スクランブルホッパー」の表現

スクランブルホッパー」とは仮面ライダーV3が開発したライダー少年隊員でも扱える武器である。

使用前は円形の蛍光灯のような形をしていて銀とオレンジが交互に配色されており、透明なケースに収納されている。

ケースから取り出し円形のスクランブルホッパーを伸ばしてグルグル回すことで周囲に高音波を発し敵を威嚇することができる。

今後どう扱うのか分からないが普段は「V3ホッパー」から発射され索敵用のV3ホッパー同様のプロペラ装置(スクランブルホッパーをドッキングしたものは通常のV3ホッパーのように銀一色ではなく、赤い色の部分もある)の下にスクランブルホッパーが取り付けられており、ある程度浮上した後、プロペラ装置から切り離され自立し、UFOのように動きで使用者に届けられる。

シゲルにスクランブルホッパーの使い方を隊員に周知するよう頼んだV3だが、この武器は隊員が装備、もしくは本部に消火器のように備え付けるのかな?

いずれにせよ現状はV3がV3ホッパーで出してくれない限り隊員のタイミングで使う手立てはなさそうだ。

カミキリメランの武器「ブーメラン」の表現

こちらは23話「恐怖! 墓場から来た吸血男」で登場したプロペラ武器同様、糸でぶら下げながら操作しているのかな?

おそらくスクランブルホッパーが宙を飛ぶ演出もこれと手法は同じ、むしろ飛び道具は全部この表現かも?

俊一の死亡表現

俊一は残念ながらカマキリメランに殺されてしまった。

だがその殺され方が残虐でブーメランで首をすっぱり切られている。

これを子供番組で表現するのがまた凄いのだが、なるべくグロくないように首から上は影で覆われている。

そして問題の頭部は後から首の映像だけを合成したのか、もしくは身体役と頭部役を分けて撮影し身体役は頭部を影で隠し、頭部役は俊一の俳優本人の頭部を撮影し首から下は影で覆うか消すことで俊一が頭部をブーメランで切断され殺害されたことを表現している。

今までの例えばショッカー・ゲルショッカー・デストロン戦闘員がたまに怪人の攻撃を受けて首が切断され頭部だけが落ちるシーンは効果音が「コロン」とは「ポロン」みたいにかわいらしい音にすることでちょっと残虐性を薄めていたのに、ここにきていきなり「ドサッ」という音でリアリティを追及しだすのが逆に怖い。

案外戦闘員ってマスクつけてるから生首も模型で何とでもなるし、割と良い意味で残虐性を薄められて良かったのですが、今回は実写生首でリアリティありましたね~

生身のまま(変身前)志郎が滝から落ちていくアクション

志郎はかなりの高さの大滝からじわじわと落下していくシーンがある。

最初は滝の上の両端に張られたロープに掴まり耐えているがやがて片方が切られ少し落下、そしてもう片方も切られて滝の下まで落下するというシーンがある。

だが、明らかにそこからそのまま落下したらただでは済まない高さで落下アクションを行っているように見える。

そのため完全にロープを切られて滝壺に落下するシーン、実は低い位置で撮影しているのではないか説を考えた。

その根拠として落下のシーンで一度落下した志郎が再び少し浮き上がりまた落下するという変な映像となっている。

これは高所から少し落下するような撮影をした後、少し高さを下げて滝壺へ落下するシーン撮り、その両方のカットを繋げることで志郎があたかも高所から一気に滝壺まで落下したかのように見せているのではないだろうか。

滝の風景は高所も中間も低所も水の流れ、勢いは大きく変わらないのでそれが幸いして高所と低所の映像が違和感なく繋げることができたのではないかと考えた。

それでなければ高所から一気に滝壺へ落下する撮影をしたら命がけの撮影とはいえ下手すりゃ俳優が死んでしまう!

特撮満足度(★で5段階評価)

特撮満足度

アクション:★★★★☆

猛烈度:★★★☆☆

敵の強さ:★★★☆☆

ロケーション:★★★★☆

仕掛け:★★★☆☆

第25話の名言・迷言・珍言・失言

工藤健二「兄さん…逝っちゃダメだ…兄さん…兄さん!」

このセリフがなんだって?と思うそこのあなた!

これがどれだけ悲しいセリフか教えよう…

このセリフは志郎と健二が小屋に隠れてデストロンから身を潜めている時、足を負傷し眠っていた健二がうわ言のように発していた言葉だ。

そしてこの時、健二はカマキリメランに兄が殺されたことを知らない。にもかかわらずまるで兄の死を知っているかのように悪夢に苦しむのだ…

こういう夢って大抵夢オチなので、この夢も俊一がどこか遠くへ行ってしまうという悪い「」のはず、そうであってほしいはずなのだ。

しかし、健二の夢は正夢というかもう現実に起こった上でそれを知らない健二に暗示している、いわゆる「虫の知らせ」というやつだ。

この後、「夢か…良かった!」とホッとする健二に夢ではないと告げなければならないライダー少年隊の辛さを考えると胸に来るものがある。

もし隊員のご家族がデストロンによって亡くなってしまった時、ライダー少年隊は隊員をどのようにケアするのだろうか…

それを考えるとなかなかヘビーで悲しいセリフである…

ロケ地(執筆者の調べ)

・「不明」

次回予告より(第26話「怪人ヒーターゼミのミイラ作戦‼」)

次回のデストロンからの刺客は怪人「ヒーターゼミ」。

セミ」と「ヒーター」の特性を持った怪人だ。

熱い季節である夏ということでセミとヒーターを合体させたろ!という意図が見える怪人ヒーターゼミ。

だがその目的は恐ろしく「ヒーターゼミの鳴き声を聞いたものは死の苦しみから水を求めるようになる」ということらしいのだ。

水を求める…つまりヒーターゼミの鳴き声を利用すれば今回デストロンレインジャー第2部隊が水道に仕込んだ毒水を簡単に人間たちに飲ませることができるということだ。

そしていくら周りが毒水だと注意しようともヒーターゼミの鳴き声の効果で水を求める苦しみからはあらがえず毒水を口にするという恐ろしい作戦だ。

ちなみにレインジャー部隊が水道に混入した毒とは「人間ミイラビールス」というものであり、次回のデストロンはこれを使い「東京都民ミイラ化作戦」を企んでいる。

今回の最後に純子がビールス入り水道水を口にしそうになっていたので死んだらどうしようと思ってハラハラしていたがいきなり死ぬわけではなさそうなので少し安心した。

だが死なないとはいえ、やはりこのパターンだとビールスに対抗するためのワクチンが必要だ。

これは苦戦を強いられそうだぞ…

感想・まとめ

今回は隊員のご家族がデストロンの犠牲者となる悲しい回だった。

もちろんライダー少年隊以外にも罪のない一般人が犠牲になるのは悲しいことだ。

だが、そのデストロンに立ち向かう同じ志を持った戦友が犠牲になるのは隊員にとって想像を絶する辛さがあるだろう。

戦争で昨日は隣にいた仲間、家族が犠牲となるとはこういうことなのかもしれない。

これに関しては想像を絶すると書いたので私如きでは書けば書くほどその浅はかさが露呈してしまう内容だ。

今のところシリーズでライダー少年隊の親族が命を落とすまでの展開になるのは珍しいと思う。

奴隷とか人質はあるが死亡までは今のところV3作品にはないと思う…

博士周りや友人、ライダー少年隊に入隊する前(【仮面ライダー(初代)】78話「恐怖ウニドグマ+ゆうれい怪人!」で両親がショッカーの犠牲となったのち滝和也にスカウトされて入隊した「池田邦夫いけだくにお」など)なら例はあるがライダー少年隊員になった後に親族がデストロンの犠牲になるということはないかな…

逆にそのジンクスがありながらジンクスを破り兄を失ってしまった健二の心が心配だ。

今回の話しは次回にまたぐ話しとなっているので絶対俊一の仇を取ってほしい(仇のカマキリメランは倒したが作戦を阻止してほしいという意味で)。

今回判明したこと

・立花藤兵衛は少年仮面ライダー隊会長兼隊長(隊員の兄「俊一」の発言より)

・仮面ライダーV3(風見志郎)が発明した隊員もしくは一般人用の対デストロン武器「スクランブルホッパー」は振り回すとデストロンが嫌がる高音波を発することができる

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