本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。
第14話「魔人サボテグロンの襲来」感想・考察
新オープニング
新シリーズ、日本で活動する仮面ライダーが「本郷猛」から「一文字隼人」に変わったことでオープニングも変更となりました。
前オープニングと構図は似ており、仮面ライダー(一文字隼人)がバイクで荒野を疾走する。
最後に怪人幹部たちが順番に出てくる。
今回から違うのはサイクロン号の見せ方。
サイクロン号が垂直のビルの壁を登ったり、ビルの屋上から別のビルの屋上へ飛び移っていたりとサイクロン号がもつ性能、馬力が強調されたオープニングとなっている。
個人的にはバイク一台がギリギリ通れる狭い柱と柱の間を疾走するシーンがお気に入りです。
序盤にも海岸の船着き場を走るシーンがあるのですが、足場が狭い道を画面の奥から手前に向かってバイクが疾走してくるシーンはなぜか魅力を感じます。
海外エリート幹部
ショッカーの支部は世界中に点在する。
・アジア:日本、中国、台湾、ミャンマー
・北米:アメリカ、カナダ
・中南米:キューバ、ブラジル、メキシコ
・大洋州:オーストラリア、ニュージーランド
・ヨーロッパ:イギリス、スウェーデン、北マケドニア共和国、ドイツ、フィンランド、フランス
・アフリカ:コンゴ共和国
・中東:シリア
地図を見る限り20か国に支部がありそうですが、画面から見切れている国はわかりませんでした。
また1971年時点での国旗と比較して私なりに国名を埋めてみたので間違いがあるかもしれません。
国旗ってトリコロールなど似た国旗が多いので遠目だとどこの国旗か判別するのが難しかったです…
今回、日本に派遣された怪人幹部は初の海外からの派遣組。
侵略が最も遅れている日本にテコ入れするため、メキシコで優秀な成績を収めている「サボテグロン」に白羽の矢が立つ。
サボテグロンはメキシコの90%を侵略している実績があり、その実力を買われて日本支部へ派遣となった。
冒頭でもメキシコ全土の電力の最大動脈である「パラス川」の「パラスダム」を爆弾で破壊している。
日本でも爆弾を使い日本全土の破壊工作をするために日本へ飛ぶ。
サボテグロンは頭脳派な幹部でFBIの動向を先読みしてエージェントを始末したり、エージェントに変装して滝を始末しようとしたり、サボテンに偽装した爆弾「メキシコの花」に本物と偽物をちりばめてかく乱したり、ショッカーの基地にダミーの見張りを配置して滝たちをかく乱したりと戦略的な戦い方ができる。
戦闘力でも新仮面ライダーとも拮抗しており、炸裂弾という遠距離攻撃もあり、今回の最後でも仮面ライダーをメキシコの花(爆弾)に投げつけ追い詰めている。
車が爆発して炎上しても無傷でサボテンなのに燃えない(サボテンは水分を多く含んでいるから?)。しかし、サボテンを燃やすと水分が、気化して内部圧力が高まり破裂する。むしろ弱点のような気もする。
さすがはメキシコを90%侵略しただけあり、ゲバコンドルのような戦闘狂ではなく知能も戦闘力を兼ね備えたかつてないほどの強敵だ。
FBIのお仕事
滝和也は13話「トカゲロンと怪人大軍団」でFBIということが判明した。
今までは潜入捜査が多かったが今回はFBIとの通信でメキシコのショッカー幹部が日本にくることをキャッチしている。
そして他のエージェントと接触し捜査を進めるなど「本当にFBIなんだ」と実感する描写がある。
残念ながらエージェントと羽田空港で接触する日は「立花レーシングクラブ」の開業日。発会式には参加できないようだ。
発会式の案内を見ると滝和也の自宅?捜査用の隠れ家?の住所と立花レーシングクラブの住所が判明する。
立花レーシングクラブ:東京都世田谷区松原2丁目-39(明治大学の近く)
滝和也自宅?:東京都渋谷千駄谷3-53-2 千谷サニーパレス318号(明治神宮球場、国立競技場の近く)
滝の自宅から立花レーシングクラブまでは車で25分、徒歩で1時間ほどかかる。エージェントと接触する羽田空港までは車で35分で往復だと結構かかりそうだ。
エージェントと接触する際、FBIの手帳を見せあっていたが、FBIのマークには鷲が使われていることがわかる。
ショッカーも同じ鷲のマークがシンボルとして使われている。
もしかしてFBIとショッカーはなにか癒着があるのだろうか?
FBIこそ癒しがほしい
藤兵衛と逃げ帰った滝はレーシングクラブメンバーである女性陣に治療を行ってもらうのだが、「こっちも痛いんだけどね」と若い女性に治療されデレデレな様子。
そこへ史郎に「甘ったれてんの所帯持ち!」と既婚者であることをばらされる。
滝をイケメンでフリーだと思っていた女性陣は既婚者だとわかると治療をやめ、冷たくあしらう。
FBIはエージェント(ファイル6)がショッカーに殺されたように常に死と隣り合わせ。
FBIは捜査している組織に返り討ちにあう可能性もある。
そんな日常に癒しがあってもいいじゃない!史郎も無粋だな。
「立花レーシングクラブ」開業
「スナック アミーゴ」を閉店し新たにバイク、そのアクセサリーの販売を行う「立花オートコーナー」、そしてレーサーの育成を行う「立花レーシングクラブ」を開業。
アミーゴの閉店理由は不明だが経営悪化ではないように思います。
猛のバイクの師匠でもある藤兵衛がバイク屋を運営するのは不自然ではありません。
むしろ今までどうやってバイクの腕や整備の技術を養ってきたんだと思っていました。
天職として満を持して開業したといったところでしょう。
早速、ひろみの紹介で3人のメンバーが加入。
全員が女性で経験者は1人。
もちろん未経験者にこそ指導することが必要ですが、この3人は入会動機があまりなく大学のサークル活動のようにゆるいものだと考えているようだ。
しかも強烈な個性を持っていそうな3人が集まり、あっという間にクラブはダンスクラブへ早変わり。
史郎もナウでヤングな女性がきたものだから鼻の下を伸ばしディスコのように踊り狂う。
このままだとヤングのたまり場になってしまう。
藤兵衛の思い描くレーシングクラブはきっと猛のようなレーサーを数多く育てること。
開業早々、レーシングクラブの雲行きが怪しくなる。
ルリ子の代わりのヒロイン枠!?おてんば3人娘
ひろみが連れきたレーシングクラブ入会希望者は3人で全員女性。
・マリ
3人娘で一番個性が強いギャル系の女子。それもそのはず当時人気急上昇中の「山本リンダ」氏が演じている。
フェンシング経験あり。一文字をカメラマンと聞くとモデルで使ってほしいとねだり、藤兵衛には猫なで声でバイクの指導をお願いする小悪魔ちゃん。
確かに168cmとモデル体型にハーフということもあり目鼻立ちがクッキリしている。
山本リンダ氏のスタイルも凄いが個人的にはひろみ演じる「島田陽子」氏のスタイルが驚愕すぎた。
当時の女性で171cmはスーパーモデル級で薄化粧なのにとてもキレイで衝撃を受けました。
・ユリ
空手初段。ショートヘアーのいかにもスポーティーな女子。
・ミチ
3人娘唯一のバイク経験者。だが90ccを少しとのこと。
バイクがしたいのかサークル感覚で騒ぎたいのか。
藤兵衛がつい「最近の若者は!」といってしまうほどつかみどころのない3人。
この3人娘が立花レーシングクラブでどんなドタバタ劇を繰り広げるのか。
サボテンだけに…
今回のショッカーのアジトとなっている場所は「伊豆シャボテン動物公園」。
舞台に大きくそびえ立つ鷲のような建造物は鷲ではなく半獣半鳥「高原竜」というシンボルだという。
前面に空洞があるのはこのシンボル内部が温室となっており、その入り口があるためだ。
今回の話しではサボテグロンだけにサボテンが全面に押し出されているが、動物公園というだけあってむしろ動物のほうが多い。
特撮の撮影に多く使用され、ウルトラマンの怪獣デザインの元にもなるほどその界隈では有名なロケ地です。
戦闘員の風貌
今までは戦闘員の顔は部隊ごとのカラーでペイントされていたが、今回からは銀行強盗で使われそうな頭を全部覆うマスク姿になっている。
正直私が子どもの頃、戦闘員の顔のペイントが怖くて仮面ライダーが見れなかった経緯があるので、14話からは大丈夫だよとあの頃の私に教えたい。
マスクをすることでそれぞれに個性がなくなり、ザコ敵が増した。
ショッカー戦闘員といえばこのマスクで「イーー!」と発する姿が有名だが、その原形に近づいてきた。
謎のフリーカメラマン
謎のフリーのカメラマン「一文字隼人」。
一文字隼人は答える「ショッカーの敵、そして人類の味方」
彼の正体は仮面ライダー。
ショッカーの別計画を追って海外に行った本郷猛に代わって日本を任された男。
ちょうどサボテグロンと入れ替わるように仮面ライダー本郷猛も海外派遣というわけだ。
一文字は猛同様、明るい性格であるが、どこかひょうきんでバラを口に加えるなどキザな一面もある。
その割にはマリが「私をモデルに使って」と言うと「おあいにくでした、女はダメ!」と被写体は女性ではないようだ。
どこか食えないとこがあり、実力は未知数。
今のところ仮面ライダーになった経緯や過去、猛との関係性は不明。
本郷ライダーと一文字ライダーの比較
現時点であまり戦闘力において比較できる要素はあまりないが、本郷猛が日本を託せるほどの実力であることは間違いない。
一文字隼人も改造人間手術適正をもとに改造されたのであれば、頭脳明晰で運動神経が抜群であるはず。
見た目の違いは本郷ライダーのマスクと違い、マスクの真ん中に白いラインがあり、口の部分も白く、そして複眼は濃い赤。スーツの側面も白いラインがひかれており、ベルトの帯は赤いものになっている。
性格は猛のように優等生で真面目ではなく、ひょうきんでキザだが自由人でどこか憎めない魅力がある。
性格による戦闘スタイルの違いもこれからの見どころだ。
そして最大の違いは変身方法。一文字ライダーのダイナモは開閉式で変身の際に開きジャンプして風圧を当て回転させエネルギーを得ることで変身している。
さらに変身の際に「変身!」といってポーズを決めるの初めての試みだ。かけ声とともに変身ポーズを決める演出は当時の子供たちの間で変身ブームを巻き起こすほど人気の演出となった。
かつて猛がショッカーに仕掛けられた狭い空間での密室作戦は通用しない。
弱点を克服した新仮面ライダーの実力!楽しみですね!
新エンディング
オープニング同様、エンディングも新たなものとなっている。
前のエンディングは仮面ライダー(本郷猛)が荒野で戦う姿を映している。
今回は仮面ライダー(一文字隼人)が橋の上でショッカーと戦い、次から次へと川に叩き込む爽快なアクションを披露している。
さらには自分もろともショッカーと川へ飛び込む渾身のアクションも必見。
危険なアクションだが、CGを使用しない肉感がある豪快なアクションです。
ストーリーの転換点と考察
新仮面ライダーの登場
今回はサボテグロンとの決着はつかなかったが新仮面ライダーの登場は間違いなく大きな転換点。
本郷猛はショッカーが世界中で活動していることを「何か」で知ることになったのだろう。
しかし、世界中のショッカーと戦うのは1人では不可能。日本を留守にするわけにはいかない。
藤兵衛、滝、アミーゴのメンバーなど協力者はいる。しかし、怪人と戦うには怪人(改造人間)の力が必要。
現状、猛のみがショッカーの洗脳もなく、改造人間の力を持っている人類。
そこへ同じ境遇の一文字隼人が現れたのだからこんなに心強い味方はいない。
一文字に日本を任せられれば海外のショッカー殲滅に集中できる。
そうなるとやはり猛と一文字の関係性が気になるところ。
こんな危険な使命を改造人間とはいえ簡単に引き受けるだろうか。
2人の絆がなせるものなのか、もしくは利害の一致か。
注目していきたいですね。
今回の特撮表現の面白さ
ダムの崩壊表現
パラスダムの崩壊表現としてダムの模型にひびを入れ崩壊を表現。
ひびの隙間から水でといた青い塗料を流し込みダムの崩壊で制御を失ったパラス川の水が一気に流れ出るさまを表現している。
炸裂弾表現
炸裂弾表現はサボテグロンの右腕の指から火薬で発砲を表現。
着弾した接地面を爆発させて炸裂弾を表現しているようだ。
メキシコの花(爆弾)表現
メキシコの花はサボテグロンが呼称したサボテン型の爆弾で針に触れるとスイッチとなり爆発する。
細いサボテンの表現はサボテンがプリントされた板を立てており、まん丸いサボテンは模型でできている。
サボテグロンの手持ち武器として使用するメキシコの花はまん丸いサボテンだが、細いサボテンの中にも爆発するものがあり、爆発しない囮も存在する。
爆発実験の際に戦車や建物を爆発させた描写があり「メキシコの花が散った」と表現していたため、メキシコの軍隊を爆弾で侵略していったことがわかる。
滝と藤兵衛は今後生涯サボテンを見ると爆弾だと思って触れるのをためらう人生のなるだろう。
新仮面ライダー変身表現
一文字隼人は普段ライダースーツの中にベルトを隠している。
変身するさいに変身ポーズをとり、スーツのジッパーを開けてベルトを露出、そして再度ポーズをとる。
そしてジャンプしダイナモから手描きの黄・青・赤のエフェクトで一文字を覆い隠し仮面ライダーに変身するという表現になっている。
特撮満足度(★で5段階評価)
アクション:★★★★★
高所:★★★☆☆
火力:★★★☆☆
水場:★☆☆☆☆
仕掛け:★★★☆☆
ロケ地(執筆者の調べ)
・「羽田空港」
次回予告より(第15話「逆襲サボテグロン」)
次回の刺客も「怪人サボテグロン」。
メキシコから訪れたエリート幹部サボテグロンとの大規模決戦。
立花レーシングクラブのメンバーも戦闘に参加している描写もある。
確かにおてんば娘が多く加入した立花レーシングクラブ。
だからっていきなり実戦投入は凄すぎる。
もはや「立花ショッカー対策本部」だろ。
新仮面ライダー「一文字隼人」の実力のまだ見えてこない。
本郷猛が日本を任せるぐらいだから相当の実力なのだろう。
正体を明かした一文字がクラブメンバーとどのような協力関係になっていくのか注目です。
まとめ
・ショッカーは全世界20か国に支部がある
・メキシコはショッカーに90%侵略されている
・藤兵衛は「立花レーシングクラブ」を開業する
・「スナック アミーゴ」は閉店
・滝の自宅?捜査用?と立花レーシングクラブの住所が判明する
・レーシングクラブメンバーおてんば3人娘はイケメンでも既婚者には冷たい
・新仮面ライダーの正体はフリーのカメラマン「一文字隼人」
・一文字のカメラの被写体に女性はNG
・本郷猛は外国のショッカーを殲滅しにいった
・ルリ子も猛を追って海外に飛ぶ
・ショッカー下級戦闘員の服装が顔面ペイントからマスクへ変更
・仮面ライダーシリーズ初の「変身!」からの決めポーズで変身する演出
・新仮面ライダーのダイナモは開閉式
・仮面ライダー新気合い技「ライダーパワー」