【仮面ライダー】20話「火を吹く毛虫怪人ドクガンダー」感想・考察(ネタバレ有) 紳士の姿をしたクソ虫

第20話「火を吹く毛虫怪人ドクガンダー」
ネタバレがあります。

本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。

東映 1971年

第20話「火を吹く毛虫怪人ドクガンダー」感想・考察

滝さん不在の4人娘のツッコミ役

滝さん不在時、じゃじゃ馬4人娘をボロクソに言う役は藤兵衛と一文字。

4人娘はバイクでのドライブで汗とホコリで美貌が台無しとぼやく。

バイクやってればそのぐらいはしょっちゅうある。藤兵衛も「気にしない気にしない」というが4人娘からは「女心がわからない」とか「まあひどい!」とか「こんな野暮な人たち置いこ」と言われる始末。

仕返しとばかりに一文字は「洗って良くなる顔かね」と会心の一撃をつぶやく。

2人は大爆笑!確かにこのシーンは笑えた。2人とも「ギャハハハハハハ!」と笑いすぎ!

ヒーローは女性に優しいとかそういう理想じゃなくて一男性として辛口でぼやくのが一文字の魅力だ。

しかも若い女性にこれ言うんだからジョークが効いている。

現在だったらクレームがきているかも。それもつまんないですよね…

怖いもの知らずの4人娘

特に怖いもの知らずはミチ。

村の人に人食い大毛虫が出るから滝へはいかないほうが良いと言われているのに「行ってみる?」とか言い出すし、小さい毛虫を怖がらずに手掴みで放り投げる。

14話「魔人サボテグロンの襲来」でも爆弾魔をバイクで速攻で追いかけにいくし怖いもの知らずだ。

逆にユリは初登場では「空手初段」で今回は「空手三段」まで上がったのに毛虫は苦手。

ユリはサボテグロンの襲撃でも空手の腕を見せようとするが「やっぱり怖い~ママ~」と気絶している。普段は気が強く空手で武装しているがいざとなるとドラえもんのスネ夫ばりに弱虫なのがユリだ。

マリは今回も危険が迫ると木の枝を拾い、瞬時にフェンシングポーズするあたりフェンシングの腕の高さを感じさせる。

ひろみはヒロイン。

4人娘は「本杉小学校東谷分校」の閉校式で先生と生徒が歌っていた別れの歌「蛍の光」を聴いたことが別れのフラグにならないで本当に良かった…

 

ひろみは18話「化石男ヒトデンジャー」では風邪でバーベキューに参加できなかったのでリベンジを果たして「丹沢山」の「水無川本谷」に遊びに来ることができた。

急流の滝ロケ地といえば関東では「丹沢山」周辺がキャンプ場もあり鉄板なんでしょうかね。

藤兵衛の用意周到さと甘さ

藤兵衛はパイプに強力な発信機を仕掛けることで自身がショッカーにさらわれてもパイプを落とし、それを拾った人が発信機をもとに自身の場所をたどれるようにしていた。

9話「恐怖コブラ男」でも本郷猛にペンダントを持たせ発信機でたどれるようにしていた。それを自身が常に持ち歩くパイプに仕込んでいたというわけだ。

ショッカーアジトから脱出のさいも爆弾庫をみつけ、ついでに破壊工作をする用意周到さもみせた。

だが1点ちょっと甘いところがあるとすれば藤兵衛のライダースーツだ。

藤兵衛のライダースーツは背中にTRC(立花レーシングクラブの略)というデザインがある。ここまでは良い。

問題は前面胸に仮面ライダーのマークが入っていることだ。藤兵衛や4人娘はすでにショッカーに面がわれているので良いのだろうが、このマークがあることで仮面ライダーの仲間であるという根拠となりショッカーに狙ってくださいと言っているようなものだ。

妊婦マークなどであれば社会的配慮を受けられるが仮面ライダーマークをつけているとショッカーさん狙ってくださいマークになってしまう。

良い意味で言えば一般人に手を出すな俺らを狙え!というターゲット集中的な役割は果たしているかもしれない。

用意周到怪人ドクガンダー

ドクガンダーは戦闘力は低いが仮面ライダーを追い込む作戦を複数実行している。

藤兵衛たちが4人娘を探しているという事実をかげで聞き、ありそうな話しとして4人娘を信用させて山小屋に誘導、ついでに藤兵衛も捕獲。

5人を人質として仮面ライダーをおびき寄せアジトに誘導する。そして誘導した先で仮面ライダーでも破壊出来ない壁で閉じ込め追い込む。

そしてこれは私の考察なのだが、ドクガンダーは藤兵衛のパイプを使って仮面ライダーをおびき寄せたのではないかということ。

根拠としては仮面ライダーがパイプを拾った場所が藤兵衛が戦闘員に襲われパイプを落とした場所ではなかったということ。そしてそれが滝の裏のアジト入口の近くに落ちていたということ。

ドクガンダーはパイプが発信機であることに気づいており、逃げるふりをしてわざとパイプを入口付近に落としていったのではないかと感じた。

さらには仮面ライダーに倒されたあとには繭となり川の流れを利用して逃走し、次回成虫となって再度仮面ライダーに襲い掛かる。

人間の変装も紳士の格好をしていたこともあり、知的な怪人だったのではないだろうか。

 

そういや今回のショッカーの目的は何だったんだろう?

人喰い毛虫って言われてたからドクガンダーを成虫させるために滝にきた人を襲って喰わせていたのだろうか?

ストーリーの転換点と考察

処刑公開収録

ドクガンダーは仮面ライダーを閉じ込めるまでは良かったが、最後鉄格子の部屋で藤兵衛たちの公開処刑を見せたのが良くなかった。

壁に囲まれた部屋で映像ごしに処刑を見せれば良かったのに生放送にこだわったので仮面ライダーの力でも破壊できる鉄格子の部屋に誘い逆転されてしまった。

せっかく知的な怪人だったのにやはりショッカー。最後の詰めは相変わらず甘い。

ドクガンダーの繭を放置

ドクガンダーを倒したかに見えたがドクガンダーは繭となり川を流れていった。

ここで繭の存在に気づいている仮面ライダー。繭になったということは羽化して復活する可能性があるということ。

しかし、仮面ライダーは繭を追わずに放置した。

さらに帰り道でも下流に流れていく繭を目撃するも「あっ!」というだけで放置して見逃してしまっている。

この判断が次回の大阪城での事件に繋がってしまう。

大阪城での勝敗はともかく事前に回避できた事態を2度も見過ごしてしまう一文字は珍しくらしくない。

仮面ライダーは怪人を倒したあとの残骸は放置しているためショッカーに死体を回収されて再生怪人をつくられたりと復活、反撃を許している。

今後は滝などFBIに死体を引き渡すなどをすると回避できるのではないだろうか。

今回の特撮表現の面白さ

ドクガンダーの火

10話「よみがえるコブラ男での「コブラ男」のように直接火を吹くのではなく水のようなものを吹き、命中したところを爆発させることで火を吹いていることを表現していた。

 

光るパイプ

藤兵衛の発信機付きパイプはパイプの側面に発信信号を知らせるランプがあり光るようになっている。

無粋かもしれないが発信機を仕込むということは電子回路が入っているということ。普段使いはタバコなので火をつける部分の近くに電子回路があると壊れてしまうのではないかと思ってしまう。

 

電気処刑台

よく特撮ででてくる配電室の白い鏡もちみたいなものに太い線を巻き付けて火花を散らし電気が流れていることを視覚化している。

 

ドクガンダーの繭

ドクガンダーを倒したさいに発生した繭は12話「殺人ヤモゲラス」で使用したヤモゲラスの石膏化など白い繭形の模型に綿などをつけてカイコの繭を表現しているように見える。

 

特撮満足度(★で5段階評価)

特撮満足度

アクション:★★★★☆

高所:★★★★★

火力:★★☆☆☆

水場:★★★★☆

仕掛け:★★★☆☆

ロケ地(執筆者の調べ)

・「丹沢山」

・「水無川本谷」

・「戸沢山荘」前

 

次回予告より(第21話「ドクガンダー 大阪城の対決!」)

次回のショッカーからの刺客も「怪人ドクガンダー」。

しかし、ドクガンダーは今回倒したはず!?

なんと一文字が見逃した繭が孵化して幼虫から成虫となりパワーアップして襲い掛かる。

今回の舞台が「神奈川県」に対して次回は「大阪城」。

あの繭は「神奈川県」から大阪近辺まで流れてきたのか!?それともどこかで羽化して復讐のために着々と準備を進めていたのか。

珍しく仮面ライダーサイドの詰めの甘さがピンチを招く状況となった。

まとめ

今回判明したこと

・マリはバイクに乗れるようになった

・マリ、ユリ、ミチは立花レーシングクラブ1期生

・立花レーシングクラブ藤兵衛専用のライダースーツがある(背中にTRC(立花レーシングクラブ)、胸には仮面ライダーのマーク)

・4人娘はショッカーの仕業と薄々気づいていても危険に飛び込むじゃじゃ馬娘たち

・ユリは「空手初段」から「空手三段」になっている

・ショッカーアジトの入口の扉は潜水艦の扉のように厚く重い

・今回の繭、そして再生怪人のもととなる肉体など仮面ライダーは倒したあとの残骸は放置しがち

・ショッカーは成長(進化?)する怪人を生み出せる科学力を持った

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