【仮面ライダー】10話「よみがえるコブラ男」感想・考察(後半ネタバレ有)

第10話「よみがえるコブラ男」
ストーリーのネタバレがあります。

特に後半のストーリーはネタバレ防止のためタブで隠しています。

本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。

第10話「よみがえるコブラ男」ストーリー

前半ストーリー

電柱に何やら貼紙をしていく女性。周りをキョロキョロ見回して怪しい様子だ。

貼紙の内容は「犬猫高く買います。 綾小路生物研究所」と書かれている。

生物研究所なので犬猫の生態調査や計測実験でもするのだろうか。

その貼紙を見て続々と研究所に人が集まる。そのへんで捨て犬猫になるより良いし人それぞれ事情はあるが高く売れるとわかった瞬間こぞって集まるのもなんだかな~と思う。

順番に研究所に通されていく人々。中に入るとショッカー戦闘員に気絶させられ、犬猫を回収される。

目的は9話で倒したはずの「コブラ男」復活のため犬猫から血液を回収している。そして気絶させた人々はショッカーの奴隷にできるとまさに一石二鳥。

なんて酷いことを!それにしても改造人間も生物だから輸血で復活するのかな?

生き物好きの猛が見たら卒倒しそう…

綾小路生物研究所はショッカーの幹部である「綾小路律子」のアジトであるようだ。

女性幹部も珍しいが他の幹部のように別の生物との合成手術を受けていないそうで、顔のペイントもなく見た目は普通の人間だ。洗脳手術は受けているのかな?

律子は手術台横たわるコブラ男。仮面ライダーに粉々に破壊されたような爆発描写だったが演出であり死体のかたちは残っていたようだ。しかし、ショッカーは機密情報が流出するのを恐れて、やられたら消失するはずなのに…

パワーアップして復活!改造コブラ男

猛がアミーゴを訪れるとルリ子と藤兵衛は店先を掃除している。

藤兵衛は泣いている男の子をなだめている。どうしたのだろう。

男の子の名前は「古賀透」。近所の子供のようだ。

透は飼っている犬がいなくなってしまったそうだ。この流れはまさか…

犬猫を高く買ってくれるという綾小路生物研究所の噂はルリ子の耳にも届いており、猛も貼紙を見てきたという。

そこへ透の父親が現れる。透の父親は警視庁の警部であり、そのため日曜日なのに出勤だという。忙しいためか透はアミーゴへ訪れることもあり、藤兵衛には世話になっているようだ。

これまた古賀家は母親がいなく、父親が子供まで手が回らないため犬が遊び相手なのだろう。

9話「恐怖コブラ男」の近藤親子同様、警備関係の父と息子と犬、そして母親がいない。片親がいない設定は何か時代背景を表しているのか。

日本でも1970年から父子世帯の調査を開始、1979年にはアメリカで父子家庭をモデルにした「クレイマー、クレイマー」が公開されて父子家庭への社会的関心が高まったという。1970年以降、女性の社会進出が進んだことで、今まで通り女性に家庭に入ることを望む夫と社会進出した妻の対立により離婚というパターンも増え、当時は父親が子供を引き取る例も多く父子家庭が社会問題として話題になったこともあるそうです。

今までのパターンだと死別が多かったですが、今回は休みがあまりない警視庁勤務の家庭。いわゆる仕事ばかりで家庭を見ない夫に嫌気がさして離婚というパターンも想像させます。「仕事と家庭どっちが大事なのよ!」ってやつですね。どっちもだよ!

それにしても良い意味で父親が忙しくてほっといても地域で面倒を見るという意識はなにか人情を感じる時代ですね。町中が顔見知りでほっとしますね。

刑事に日曜も祭日もない。大変なお仕事です。それに古賀警部いわく連続失踪が起きており寝る暇もないという。

連続失踪事件!?それって…

透はルリ子にお菓子を貰ったあとルリ子が言っていた綾小路生物研究所を訪れる。

犬猫買い上げ打ち切りました」とご丁寧に貼紙がされている。

ここにいなくなった犬の「タロウ」がいるかもしれない。子供の好奇心、そして刑事の息子の勘ってやつですかね。

背伸びをしてなんとか窓から中を覗き込む透。その背後に誰かが忍び寄る。まずい!ショッカーにばれたか!?

だが背後にいたのは透の父親だった。

古賀警部は犬猫の買取と同時に失踪していることに目を付け、刑事として捜査するところだったようだ。タロウがいたら連れ帰ると息子に約束をして帰宅させる。

研究所の扉を叩くと中から律子が出てきた。古賀警部は所長に話しを聞きたいと言うと色々な生物がいる部屋に通される。

ここで待つよう言われるが。律子お前が所長だろ!何かあるな…

部屋に1人になった古賀刑事は「クサイ」と刑事の勘を光らせ部屋を調べ始める。

しかし、背後から戦闘員に殴られ気絶してしまう。やはりそうだよな…

その頃、アジトの手術台では着々とコブラ男再生の手術が進んでいた。

そして遂によみがえるコブラ男。その頭には前回にはなかった大きなトサカが付いていた。

復活して早速ショッカー首領はコブラ男に命令を与える。

日曜日の今日、「大蔵省金保管所」に各地から大量の金が搬入されたという。

搬入された金は数日後、横浜港に入港する「プレジデント号」によって国外に運び出される。

その時価数十億円の金を奪ってくるよう命令を下す。

透は家に帰らず研究所の茂みで父親が出てくるのを待っていた。

すると復活したコブラ男と律子が戦闘員を連れて林の中に向かうのを目撃する。

その異様な姿の怪物を見て透はその場から逃げてアミーゴに駆け込む。

藤兵衛たちに目撃情報を話し、その怪物に父親が食べられたんじゃないかと泣きながら訴える。

藤兵衛は怪物を生み出す組織はショッカー、やつらがまた新しい改造人間を作ったんじゃ?

ちょうど猛もアミーゴに訪れたため耳打ちする。

猛は綾小路生物研究所へ急行する。

その頃、研究所裏の荒野で実験が行われようとしていた。

生贄は2人、古賀警部と別の男性。この2人は戦闘員の資質もないため実験台にさせられるようだ。古賀刑事は曲がりなりにも刑事なので身体能力高そうなのに適正なし判定されるんだ…それとも刑事だったから?律子に「飛んで火にいる刑事さん」と言われていたので警察組織への見せしめか!?

実験とは再生手術を受けたコブラ男新たな技ヨガファイヤーのような口から放つ「火炎」の威力を試すためだ。

まずは犬猫買取にきた男がコブラ男の火炎に焼かれる。苦しんだ男性はあっという間に跡形もなく消えてしまった。実験は成功のようだ。適当に資材でも燃やしてみれば良いものを人間で実験するなんて…しかし、対人類用と考えれば当然か…

猛が研究所に立ち入ると戦闘員が襲いかかる。やはりショッカーのアジトだったか!

猛は戦闘員に応戦し古賀警部の居場所を聞き出す。

早くしないと古賀警部まで焼かれてしまう!

後半ストーリー(※ネタバレ有り

 

後半ネタバレがありますのでご注意ください

コブラ男の火炎威力実験は成功。

次に火炎の餌食になるのは古賀警部。

目隠しをされている古賀警部は自分が今から何をされるかわからない。確かなのは隣の男性の絶叫のあとの静寂。隣の男性は消されたのだ。次は自分だ。

恐怖に震える古賀警部。火炎を発射するコブラ男。しかし、上手く狙いが定まらず左足のみに命中する。次は左腕。どうも火炎は風や自然の影響を受けやすいのかゆらゆらして、なかなか命中しない。

そのうち中途半端に古賀警部を縛った縄だけが焼け落ちる。その場に崩れ落ちる古賀警部。命中精度が悪いコブラ男に律子はムチで活を入れる。

さあ今度こそとかがんで狙いを定めるコブラ男の前に仮面ライダーが現れる。

間に合った!のか…

コブラ男の復活に驚く仮面ライダー。

生物学者の血が騒ぐのか脳改造手術をしたい律子。

手術したいのにコブラ男焼き殺せと命令する矛盾。

コブラ男のように殺したあと洗脳して再生させるのか。

物理攻撃に強い仮面ライダーだが、火炎などの特殊攻撃は分が悪い。

しかし、前の溶解ガスのほうが厄介だったかも。多少の炎であれば耐熱性がありそうだし。

コブラ男の火炎を回避、回避、回避!

そして回避した先の背後には律子。仮面ライダーが火炎を回避すると背後の律子に命中してしまう。

アホ!負傷した律子を連れてコブラ男は一旦退散する。

現場には藤兵衛もかけつけ古賀警部を介抱する。古賀警部は藤兵衛を振り切り犯人を捕まえに行こうとする。しかし左腕、足を火傷した身体では上手く歩けず転んでしまう。そして顔を見上げると仮面ライダーが!古賀警部は怪物と思い気絶してしまう。警部なのに…やれやれしょうがない人だ…

黄金を死守せよ!

アジトに帰った律子とコブラ男。

律子は顔に火傷を負いコブラ男に激怒する。ショッカーの手先とはいえ女性。顔の火傷はショックなようだ。

怒りに任せてコブラ男をムチ打ち、必要に攻める。

しかし、ショッカー首領にとってはコブラ男のほうが戦力として大事なようで、再生手術を終え用済みとなった律子の始末をコブラ男に命令する。

騙された律子は抵抗するもコブラ男に焼き殺されてしまう。

ショッカーとしてもその科学力、使い道はあったように思うが気性の荒さからトラブルメーカーと判断され始末されたのかもしれない。

そしてコブラ男に明日入港するプレジデント号を襲撃し金を奪うよう命令を下す。

決戦は明日か…

そして金輸送当日。古賀警部は重症にもかかわらずルリ子とひろみの制止を振り切り、金保管所に向かったという。警部として汚名返上したいのか怪我をおして金輸送の警護に行ってしまった。

猛は金保管所に向かい古賀警部にショッカーが金を狙っていることを告げ、金の輸送を中止するよう進言する。

しかし、ショッカーは警察もマークしていない。情報も入ってきておらず猛の進言もスルーされ、まるで信じていないようだ。

警察にとっては「そんなショッカーごときの海賊団」を恐れ金輸送を中止したら日本の警視庁が世界の笑いものなる。日本の沽券にかけても中止できないようだ。

ショッカーはごときじゃないんだけどなぁと納得いかない猛。しかし、警察に信用されない以上、自分1人でショッカーを止めるしかない。

そして金輸送が始まる。輸送先の横浜港までは輸送は順調。警視庁総出で警備に当たっているだけあって輸送中はなかなか手を出せなさそうだ。

横浜港に輸送車がつきプレジデント号へ金の搬入が開始された。順調、順調!だがショッカーはプレジデント号を襲撃すると言っていた。ここからが本番だ!

横浜港につき古賀警部も一安心。ショッカーなど出てこない、本郷君は人を脅かすのが趣味とも言い放つ。本当に警察はショッカーの存在をまったく知らないんだな。逆に尻尾を掴ませないショッカーが凄いと思えてきた。

そして船内部の金庫に運び込まれる。艦長さしき外人がロックを解除、扉を開き搬入を促す。

船員は扉の奥の扉を見て「That’s broken!(壊れている!)」と叫ぶ。

と!そこにはコブラ男の姿が!どうやって金庫に先回りした!

警察が銃を放つもコブラ男には効かない!そして火炎攻撃を受けてしまう。

艦長も逃げ惑うも戦闘員に追い詰められる。

そして火炎が引火したのか爆弾を仕掛けていたのかプレジデント号は爆発し沈んでしまう。

その爆発の衝撃で古賀警部は気絶してしまう。

横浜港の近くかな?岸壁をプレジデント号及び輸送車から強奪した金を運ぶショッカー。

金は質量が重いので戦闘員も急かさせるも若干苦しそうにうめきながら運んでいる。

そこへかけつけた仮面ライダー!

足場の悪い岩壁とすぐ近くには海。数の多いショッカーは不利。

一方通行の道に誘い出し次々と戦闘員を蹴散らしていく。

今回は海にも飛び込みアクション。水面でも足場があれば地上までジャンプ一番!

コブラ男と1対1。今度こそ決着をつける!

ライダーファイト!」という新技と見せかけた気合い注入ポーズ!

コブラ男は火炎で遠距離攻撃。仮面ライダーは回避、回避、回避!

間合いを詰めコブラ男と空中にジャンプ。自分だけ回転し、その遠心力で投げ。

必殺「ライダー返し」でフィニッシュ。

コブラ男を海に投げ入れたため死体は回収できない。これでもう復活しないだろう。

後日、透と古賀警部はアミーゴを訪れる。

透は犬をかかえている。タロウは無事だったようだ。

ということはショッカーも血液を採取しただけで殺してはいなかったのか良かった…

それにしても他人の犬(野良犬と思ったのかもしれないが)を売りさばいていた奴も畜生ですね。

そしてなんと古賀警部は今回の件で「警視総監賞」を貰ったそうだ。

透に余計なことを言うなと言ったあたり、自分は気絶したのに勝手に評価されたことがあまり納得いっていない様子。

受賞理由は沈没した船から金を避難させて守ったことのようだ。

しかし自分は気絶していた。爆発した輸送船から誰が金を避難させたのかが謎のようだ。

猛は皮肉なのか持ち出したのは古賀警部だと思っていたとジョークを飛ばす。古賀警部が否定すると自分にしといてくれとまたジョークを飛ばす。

猛がジョークにしろ手柄を主張するのは珍しいですね。古賀警部の発言ちょっとは根に持ってるのか。

アヒルのおもちゃでも遊んでいてなんだか少年っぽい本郷猛ですね。

避難というより強奪して運び出したのはショッカー。守ったのは仮面ライダーこと本郷猛。

真相は迷宮入りになりそうだ。

しかし、古賀警部自身実験にされそうになったり船が爆発したりと一連の事件にテロリズムを感じる出来事が目の前で起きているのにショッカーらしきものが現れないというだけで軽んじる節がある。猛のショッカーの話しを仮に信じるなら辻褄が合う部分も多いだろうに。警部というよりかは警視庁の勘が上手く働いていないようだ。目星を付けていた綾小路生物研究所を調べればアジトが判明するだろうに…

 

何はともあれ一件落着!

 

ストーリーの転換点と考察

警察のショッカーへの認識

警視庁がショッカーを把握していないため後手にまわることが多い。

そしてショッカーに襲撃されたにも関わらず目撃者が消されているため未だショッカーを認識していない。今後対策しないと、さらにショッカーに煮え湯を飲まされるかもしれない。

今のところはショッカーを甘く見ており「ごろつき海賊団」という風にしか思っていないようだ。

ショッカーが金を避難させてくれる

コブラ男を倒すだけならできただろうが、沈没するプレジデント号から無事に全ての金を回収するのは至難の業だろう。ショッカーがみんなで運び出してくれたから結果的に金は全て無事だった。

今回の特撮表現の面白さ

炎の噴出表現

コブラ男のマスクの口から火炎放射。コブラ男の頭のマスク溶けないのかな?それとも合成。でも合成なら口の管必要ないしやはり実写かな?

炎で焼かれる焼失表現

律子の焼失のみだった。炎で焼かれたあと人型に灰を配置することで焼失表現を風で灰を飛ばすことで消失を表現。灰の上には律子がしていた赤いスカーフの焼け残りもあり、そこが細かいと感じた。

水中からのジャンプアクション

水場は足場が悪く地面もゆるいためジャンプのための踏ん張りも効かないが仮面ライダーは岩場までジャンプしている。真上下のジャンプアクションなら重力の逆再生で撮ることはできるかもしれないが横の動きを逆再生で撮るのは難しいそうだ。前に飛ぶなら前向きに後ろにジャンプする必要があるからだ。これはワイヤーアクションで吊って水面からジャンプしたように見せているのかな?

立体的な空中技

アクション表現だが今回の新技「ライダー返し」が凄かった。空中で敵を掴んだまま自分のみ回転してその遠心力で投げ飛ばす技。仮面ライダーの身体能力なら十分可能そうだが実際にどういう風に撮影したんだろうと気になるほど凄い技だ。

仮面ライダーのアクションはジャンプ、ライダーキックなど直線的な技が多い中、ライダー返しは立体的な技だ。

トランポリンからマットにジャンプしてドン、ジャンプしてキックしてドンと単純な着地が出来なさそう技なのでこれは凄いと感じた。

同様に3話「怪人さそり男」で使った「ライダースラッシュ」も立体的で凄い技だった。

1人ならまだしも怪人と組みながら空中で身体を捻るアクションはどうなっているんだろう?

次回予告より(第11話「吸血怪人ゲバコンドル」)

次回のショッカーの刺客は「怪人ゲバコンドル」。

ゲバコンドルのゲバはおそらくドイツ語の「ゲバルト」の略で、「暴力」を意味する。ショッカーはナチスドイツの技術を使ったりと影響を受けているので間違いないだろう。

学生運動などの評論で持っているものを「ゲバ棒」とか「ゲバヘル」などと表現することもあったという。

コンドルは翼を広げると3メートルにもなる大きな翼を持つ鳥。そのため上手く風に乗れば殆ど羽ばたかずとも長い距離を飛ぶことができる。

つまり「暴力コンドル」、凶暴なコンドルで吸血までする。しかも若い女性の生血限定。これはコンドルというよりドラキュラですね。

生血を吸うとパワーアップするようで、パワーは仮面ライダーを凌ぐという。

初めてスペックが格上の相手にどう戦うのか。戦いの勝敗はスペックだけではないところを見せてくれるのか!?

改造人間の性能の違いが、戦力の決定的差ではないことを教えてくれ!仮面ライダー!

まとめ

今回判明したこと

・動物の血液は改造人間を再生させるための材料

・ショッカーは改造人間再生技術を持つ

・警視庁にショッカーの情報はない

・警察(古賀警部)にとって本郷猛は人を脅かすのが趣味という認識になった

・仮面ライダーは水中からでも高いジャンプ力を誇る

・気合い注入の掛け声技「ライダーファイト」登場

・空中で回転し遠心力で投げ飛ばす新技「ライダー返し」登場

・猛は子供のおもちゃ(動物のおもちゃだからかな?)でも割と楽しそうに遊ぶ

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