ネタバレがあります。
本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。
あらすじ
少年仮面ライダー隊の隊員たちは夏休みということで藤兵衛主導のもと伊豆の「初島」で夏季トレーニングキャンプを行っていた。
そのトレーニング内容は小学生が行うにしては過酷そうだが、隊員同士励まし合ってトレーニングをこなしていく。
志郎も空手の師範としてお手本を披露、夜はキャンプファイヤーとイベント尽くしだ。
同じくして初島沖でスキューバダイビングを楽しむ2人がいた。
2人は海から上がる際に男性が黒いスーツの2人に追われているのを目撃する。
そしてその男性が岩穴に連れて行かれるのを見た2人はその中を覗き込む。
すると突如岩穴が岩で塞がれたと思ったら、その上にはデストロンの怪人「ウォーターガントド」が待ち構えていた。
2人はウォーターガントドの吹き出す毒ガスに侵され叫び声をあげる。
その悲鳴を聞いた志郎は海岸に急行する。
この島でなにか良くないことが起こりそうだ…
少年仮面ライダー隊の夏季トレーニングキャンプ
夏休み、少年仮面ライダー隊は伊豆「初島」にて夏季トレーニングキャンプを開催。
藤兵衛主導のもと遊びではない、本気の特訓を実施。
そのトレーニング内容も多岐に渡っており、全てではないだろうがいくつか紹介する。
・縄を使い崖登り
・短距離走
・相撲
・階段上りの持久走
・空手
・水泳
トレーニングメニューとしては昭和のスポコン体力づくりをまんべんなく詰め込んだような内容だ。
空手メニューの際には志郎がお手本として隊員たちとともに正義の中段突きを披露。
そして志郎も島では空手の胴着に身を包み、うさぎ跳びや空手など個人トレーニングに励んでいた。
だが隊員たちの中にはそのハードさに思うようについてこれないものもいる。
それが「早瀬タカオ」隊員だ。
タカオは他の隊員とは少し違い気が弱い少年だ。
トレーニングはハードなため、たびたび集団から離れてしまうタカオ。
だがタカオの場合は体力がないというよりかは、すぐに諦めてしまう性格がそうさせているような気がするのだ。
水泳の飛び込みでも1人飛び込みがうまくいかず、藤兵衛に強引にプールにたたき込まれている。
さらにタカオは隊員として唯一保護者として姉の「早瀬エミ」が同行。
しかもエミがタカオを心配してではなく、タカオからエミに頼んで同行してもらったようなのだ。
そんな意気地の無く甘ったれな弟を恥じるエミはタカオのトレーニングに対する姿勢を見てさらに呆れてしまい水をぶちまけて活を入れる。
さすがの藤兵衛もそれを見て「ちょっと厳しすぎね?」みたいな表情を浮かべる。
水泳の特訓の際、タカオが水を怖がっていると考えた藤兵衛はこれはいかんとプールにたたき込んだのだろうが、タカオが怖いのはおそらく水ではない。
飛び込みの際に藤兵衛がハードルのバーのように、ここより上に跳んで飛び込めとばかりに棒を持っており、タカオはその高さから飛び込むのが怖いと感じているのではないだろうか。
タカオくん…私にも心当たりあります…
私も学生事体とび箱で跳ぶ体力、能力は十分なのに跳んだ時の浮遊感が怖くて直前にブレーキをかけてしまうことがありました。
水泳でも水は平気だけどあのスタート台の高さから飛び込むのは最後までできませんでしたね。
タカオもライダー少年隊に選ばれるほどなので能力はあると思う。
あとは勇気だけだ!
だが種目をこなしていくごとに藤兵衛の特訓熱もドンドンと高まり「みんな!だらしないぞ!トレーニングじゃないか!遊びにきてるんじゃないぞ!」とトレーナーの血を騒がせる。
しかし、そこはアメとムチを使い分けることが重要。
やはり夏休みのそしてキャンプの思い出を作ってやらんと、ということで夜はキャンプファイヤーでパーティーを開催すると純子から告知。
それを聞いて俄然やる気がでる隊員たちはもうひと頑張り!
この辺子供を乗せるのうまいですよね…
藤兵衛はこの合宿ではあくまで鬼教官。甘い顔を見せてはいけないムチ役だ。
だけどちゃんと子供たちにはご褒美のお楽しみレクリエーションを用意している。
そしてその甘い顔、アメ役は純子が担当することで藤兵衛は鬼教官に専念することができるという仕組みになっている。
この男女の役割分担って案外バカにはできません。
古い考えなんて言われるかもしれませんが、お父さんは厳しく、お母さんは優しくというオーソドックスな家庭が案外バランスが良かったりする場合もあります。
厳しいだけだと子供は辛いですし、見境なく肯定しすぎても常識を失う。
注意すべきことはちゃんと注意し、褒めるべき時は褒める。
このバランスですよね…
だがそこへ志郎から思いもよらぬ悪い知らせが届く…
初島の海…初島の風…初島の自然…初島のガス!?
初島沖で男女2人組がスキューバダイビングを楽しんでいた。
2人は休憩するため陸に上がろう海岸に乗り出そうとしたその瞬間!岩陰から1人の男性とそれを追う奇妙な黒スーツが2人現れた。
男性は助けを求め、必死に逃げ回るがあえなく捕まってしまい、もといた岩陰に連れ去られてしまう。
ダイバーの2人は何事かとその岩陰を覗くとそこは洞穴になっており、その中からは黄色いガスが噴出していた。
すると洞穴を塞ぐように大岩がドンと2人の目の前に落ちてくる。
驚いた2人が上を見上げるとそこには大きな牙を生やした怪物が立っていた。
奴の名は「ウォーターガントド」デストロンの怪人だ。
2人は目撃者としてウォーターガントドに毒ガスを浴びせられ殺されてしまう。
そしてそのダイバーの叫び声に反応したのが個人練習中の風見志郎。
ダイバーの叫びが聞こえたなら戦闘員に追われていた男性の「助けてくれ~」にも反応してほしかったな…
ダイバーの場合女性の高い叫び声だったので聞こえたのかな?
私もそうですけど低い声ってこういう時、全然声が伝わらないんですよねわかります。
特にこの海岸の潮風なんか低い声だとバリバリシャットアウトされますからね!
しかし志郎は改造人間。超聴覚になんとか届いてほしかった…
志郎は急いで海岸に駆けつけるが時すでに遅し。
志郎はウォーターガントドと相対するがウォーターガントドが吐いた毒ガスを少し受け危険を感じた志郎は海に飛び込み退避。
デストロンのマークが外れたことを見計らって無線で藤兵衛に連絡する。
これが志郎からの悪い知らせだ。
それを聞いた藤兵衛は思い悩む…
パーティーを中止するべきかもしれないが、トレーニングを頑張っている隊員の指揮を下げるのも忍びない…
藤兵衛は隊員たちを不安にさせまいとこのことはみんなに告げず、パーティーの準備に取り掛かる。
今回、デストロンは初島の地底からのみ取れるという「グロブタンガス」でウォーターガントドが吐く毒ガスと同様のものを奴隷に作らせていた。
このガスを浴びた人間は苦しみながら、やがて溶解してしまうという恐ろしい猛毒ガスだ。
そしてデストロンはこの毒ガスを十分に生産した後、初島から富士山麓に続く海底運河を使い毒ガスを運搬。
そこから毒ガスを乱気流に乗せて関東に散布するという作戦を企んでいるようだ。
今回登場する初島の地底でしか取れないという「グロブタンガス」は本作オリジナルのガスであるので、本作を真に受けて「初島は危険だ!」なんて言ったらダメですからね!
ではこのガスの元ネタでもあるのかな?と少し調べましたがよくわからず。
「ヘモグロビン」や「グロブリン」、「ブタン」という石油系天然ガスなどに含まれる炭化水素など元ネタっぽいものは引っ張りだせましたが、それ以上の関係性はやはり不明。
語呂が良かったとか?
キャンプファイヤーに群がる光と影
そしてついに開催されるお楽しみキャンプファイヤー!
隊員たちは潮風に当たりながら大きなキャンプファイヤーを囲み「少年仮面ライダー隊の歌」を大合唱!
いいですね!藤兵衛は過酷な特訓のなかでもしっかりと隊員たちに夏休みの思い出を作ってあげています!
そして隊員たちの思い出をデストロン如きに台無しにされたくないであろう藤兵衛はキャンプファイヤー中でも昼間の眼光で周辺を警戒する。
やっぱりこの辺も経験値が違うというか、前作でも藤兵衛は様々なレクリエーションを企画しては子供たち、そして隊員たちと交流・結束・絆を深めていた。
基本根性論な藤兵衛だが休むことをぞんざいにしていないのは良いところですね。
純子は隊員たちにジュースを運びながら、厳しくも浮かない顔をしている藤兵衛を見て声をかける。
なるべく隊員たちを不安にさせたくないと内にしまいこんでいた藤兵衛だが、やはり態度でごまかせないと純子にデストロンがこの島にいることを話す。
シゲルいわく、少年仮面ライダー隊はどんな時でも油断しないを心情にしているらしく、キャンプファイヤー中でも見張りを交代で行っているそうなのだ。
そして現在の見張りはあの気弱なタカオくん…大丈夫かな?
そして藤兵衛の不安は現実のものとなる…
隊員たちはキャンプファイヤーの間も交代で見張りを担当しているようなのだが、現在その見張りはあの気弱なタカオくんが担当。
タカオくんは暗い中での見張りが不安になったのかキャンプファイヤーの輪へ戻ろうとしたその瞬間!後ろから戦闘員に拘束され連れ去られてしまったのだ!
そして見張りを交代しようとタカオのもとへ向かったシゲルの報告でタカオが行方不明となったことが発覚する。
その頃、志郎は島中を探すがデストロンのアジトらしいものは見つけられず探索は難航していた。
そしてそんな志郎にウロチョロされると困るウォーターガントドは闇夜に紛れて襲い掛かる。
ウォーターガントドは志郎を海に誘導すると左腕の「ウォーターガン」から1発、2発とミサイルを発射。
だがミサイルは着水した瞬間に爆発するため、魚雷のようにはなかなか命中しない。
そして志郎はその爆発による水しぶきをカーテンにV3へと変身し、ウォーターガントドを海に追いやり撤退させる。
このシーンでV3(志郎)は隊員たちに披露した中段突きを放つ。
その突きがまあ異常に速いこと速いこと…
さすがは隊員に披露するだけあって師範級の中段突きはレベルが違う!
いや…狙って演出したかはわかりませんが見てください!マジで速いんですって!
過酷な特訓の末、高まる正義の結束と絆!それを利用する悪の過酷さ…
結局、一晩探してもタカオの行方はつかめない…
この感じだとおそらくデストロンに連れ去られた可能性が高い。
それを聞いたエミは取り乱す…
そりゃそうだ…この中で誰よりもタカオが臆病でどんな怖い思いをしているか想像できるのはエミだ。
ライダー少年隊の隊員とはいえ子供がさらわれたとなるとここからは大人の領分。
子供たちが危険だからと志郎は藤兵衛にみんなを連れて東京へ帰るよう進言する。
さすがの藤兵衛もこれ以上は危険だと感じているようで悔しいが引き上げるしかない。
だが、隊員たちはそうは思っていなかったようだ…
彼らはタカオ1人残して帰ることはできない!自分達にも探させてくれ!と訴える。
その様子を見せられた藤兵衛は感動に震える。
「よくいった!それでこそ少年ライダー隊の隊員だ!」
こういうやる気に満ちた若者は大好きな藤兵衛。
このキャンプでより一層絆と結束を深めたライダー少年隊に仲間を見捨てるなんて選択肢はない!
子供たちの気合いと仲間を想う気持ちに当てられた志郎もその成長を喜ぶかのように明るい顔となる。
エミもそんな隊員たちを見て圧倒的感謝!
そしてライダー少年隊は島内部を、志郎はモーターボートで海岸周りの探索を開始する。
一方、デストロンは毒ガス作戦に向けて着々と準備を進めていた。
毒ガスをボンベに詰めてそれを潜水艦にも積み終えた。
あとはそれを海底運河を通って富士山麓まで運搬するのみとなる。
そして作戦開始までのあと3時間は邪魔者のライダー少年隊を捕獲するために時間を費やすようだ。
その捕獲作戦には洗脳したタカオを使い、ライダー少年隊をおびき寄せるようだ。
そのためにタカオを島に解き放ちウロウロさせ、それにつられた隊員たちが戦闘員の待ち構える場所まで誘導され捕獲されていく。
純子も慌てて志郎に無線連絡するが志郎は現在モーターボートで海上を走行している。
志郎は慌ててモーターボートを陸に向けて猛ダッシュ!だが陸に戻る途中でデストロンが仕掛けた地雷原に突入してしまい、それを回避するため大幅に時間をロスしてしまう。
純子の無線連絡に対して「逃げろ!」とか「純子さん!」と問いかけるのではなく「しまった!」と心の声だけ返信してしまう志郎。
そして地雷原にある機雷を避けながらモーターボートを走らせるのだが、ある程度避け切ったところでなぜかモーターボートから海へ飛び込む。
これは地雷原を避けるためボートを降りた方がいいと判断したため?
違うのであれば海岸までボートを走らせたほうが速いのに…
勢いで海岸の岩に激突する可能性があったから?
それとも地雷原で喘ぐ鬼気迫る志郎のカットが撮りたかったからかな?
志郎が島に戻るとすぐに海岸で純子が身に着けていたスカーフを発見。
この海岸は冒頭で2人のダイバーが襲われた場所…ということはこの近くにアジトがあるに違いないと読んだ志郎。
このシーンで少し変だと思ったのが志郎の認識。
志郎は「2人のダイバー」と認識しているが、冒頭で志郎の聞いた叫び声は「女性1人の叫び声」である。
仮に志郎が海岸に向かう最中に男性の声も聞こえていたとしても「ダイバー」と特定するのは難しい。
なぜなら叫び声を聞いて志郎が海岸に駆け付けた時、すでに2人のダイバーはウォーターガントドの毒ガスによって溶解しており影も形もなかったからだ。
つまり志郎は被害者の声は聞いたけど姿までは見ていない。だけど「2人のダイバー」と断定していることになる。
これはおかしい…がこれも仮にだが、叫び声が「キャー助けて!私たち2人はスキューバダイビングをしていただけなのに~」と説明的な叫び声だったなら断定できるかも(笑)
そして志郎が周辺を見回していると微かに水の滴る音が反響しているのが聞こえる。
音のする方へ近づくとそこには他の岩よりも大きな岩があった。
その周辺を調べるとその大きな岩に蓋をしたような岩があったのでその岩を動かすとその向こうには洞窟が見つかる。
中に入るとそこはデストロンのアジトであった。だが、アジトはすでにもぬけの殻。
どういうことだ?と不思議に思う志郎の前にアジトに居残り組の戦闘員が立ちはだかり作戦内容をベラベラと話し始める。
志郎は戦闘員を蹴散らし1人を尋問。最初は拒否するも案外あっさり「地底運河」とヒントを教えてくれる戦闘員。
志郎は地底運河をヒントに洞窟内を探索していると運河を発見。
ここから藤兵衛たちを連れて移動したなと感じた志郎はV3に変身し運河を潜水。
そして運河の終着地点「河口湖」に出る。
河口湖に出たV3は辺りを見回すことで今回デストロンがやろうとしていることが「毒ガスを富士山の乱気流を利用してばら撒く作戦」と特定する。
目的がわかったV3は急いでハリケーンを飛ばし隊員たちのもとへ急ぐ。
初島から河口湖まで直線距離でおよそ65㎞ある。
これを潜水で泳ぎきったV3。
毒ガス作戦まで3時間、その内1時間をライダー少年隊の捕獲に要したとしよう。
そして志郎がアジトと海底運河を発見するまで30分。
この時点で作戦開始まで残り1時間30分と考えるとV3は時速60㎞ぐらいで運河を泳ぎきる必要がある。
時速60㎞というとカツオ並の速さということになる。
河口湖から富士急ハイランドまでは時速600㎞のハリケーンで一瞬、それでも作戦開始ギリギリに到着したとなるとV3はやはり上記のようにカツオ並のスピードで泳いできたことになる。
ハリケーンの10分の1の速度で水中を泳ぐとか速ええな…というかカツオすげえな…
夏休みの思い出!富士急ハイランドヒーローショー!
デストロンは河口湖を抜け、なんと子供たちの楽園「富士急ハイランド」で毒ガス作戦を実行する準備を進めていた。
巨大バルーンに毒ガスを注入して浮かばせ、富士山上空の乱気流で爆発させることで中の毒ガスが風に乗って関東に降り注ぐ。
これにより関東の人々を皆殺しにするのが今回の「毒ガス作戦」だ。
そしてそのバルーンを浮かび上がらせるついでにライダー少年隊を縛り付け一緒に空中へ飛ばしてしまおうというわけだ。
ついに作戦時間となり巨大バルーンが空中に浮かんでいくと共にライダー少年隊の面々も引きずられていく。
そしてライダー少年隊が空中に浮かび上がろうかというその瞬間!間一髪、V3が現れ隊員たちの救出に成功し毒ガス作戦を阻止する。
いいか!救出されたことに安心して絶対にバルーンを離すなよ!
バルーンのみでも浮かび上がってしまえば乱気流で爆発するのでそうなったら関東は終わりだかんな!
【仮面ライダー(初代)】55話「ゴキブリ男!! 恐怖の細菌アドバルーン」でもショッカーがアドバルーンに「老化細菌」を仕込み浮かべて爆発させ、都内に細菌をばら撒こうという事件がありました。
その時は滝隊長が必死でバルーンの上昇を止めていたのを思い出します。
デストロンの作戦を阻止し、あと残すはウォーターガントドの撃破のみ!
仲間の危険、毒ガスの脅威から解き放たれたV3は富士急ハイランドで縦横無尽の戦いを繰り広げる。
お城のような建物、水場を経たのち物陰からウォーターガントドのウォーターガンが発射される。
だがV3はこれをキャッチ&リリースで回避。近距離戦に持ち込むことに成功する。
今回このウォーターガントドの武器「ウォーターガン」の説明があまりなかったのでややこしいが、このシーンで発射されたウォーターガンはなぜ初島で志郎と戦った時みたいに爆発しなかったのか?
その理由はウォーターガンの弾は銛かミサイルかを任意で選択できるからなのだ。
そのため最初、V3がキャッチした時に爆発しなかったので一瞬「不発弾?」と思ったのですが、どうやらこの場面では銛を選択して発射していたため爆発しなかったというわけなんです。
銛とミサイルは形状が一緒なので分かりにくいですよね…
そしてV3はウォーターガントドを赤い屋根まで投げ飛ばす。
赤い屋根は角度が急なため屋根の上で掴み合いながらゴロゴロ転がるアクションはひやひやものだ。
そしてさらにV3は屋根の上からウォーターガントドを投げた落とす。
その後、弱り切ったウォーターガントドはV3に防戦一方となり結果、必殺技「V3回転フルキック」で撃破される。
事件は解決し自分たちを邪魔するものはいないと安心した藤兵衛はまた初島に戻ってキャンプの仕切り直しをしようとはりきっている。
そして富士急ハイランドのアトラクションを楽しむ隊員たちを見て浮かれた気持ちを吹き飛ばさせたいのか「今度こそ徹底的にしごいてやるぞ!」と不敵な笑みを浮かべる。
ライダー少年隊員たちにとって本当の夏の地獄はここからかもしれませんね(笑)
事件解決後、富士急ハイランドのアトラクションで遊ぶライダー少年隊員たち。
これってデストロンに連れられてショートカットで入ったわけだからチート入場ですよね(笑)
それか今回は「富士急ハイランド」、そして初島の「初島アイランドリゾート(現:PICAリゾート)」の運営が同じ富士急グループだからスポンサーのご厚意かな?(いや本編の彼らにはスポンサーとか関係ないだろ(笑))
個人的にはこのあとのキャンプやり直しシーンが少しほしかった。
なぜなら最後にタカオくんの成長が見たかったからだ。
タカオくんは今回の事件を通じて隊員のみんなが勇気を振り絞って自分を見捨てずに探してくれたことを知ることで、それに応えるようにトレーニングに励み、恐怖を克服していくことだろう。
その姿が一瞬でも見たかった!
じゃないとせっかく臆病なタカオくんにスポットを当てた意味が活かしきれていないように感じたからだ。
まあ…尺がね…
ストーリーの転換点と考察
散布するための毒ガスを必要分詰め終えた時点で富士山麓に向かわなかったこと
作戦準備は万端。だが富士山麓に発進するまであと3時間ある。
すぐにでも発進すればいいように感じるが、今回は毒ガスを飛ばすために最適な乱気流のタイミングがあるのでまあそれは良しとしよう。
だが、その待ち時間にライダー少年隊をひっとらえてこいなんて命令しなければ、アジトの場所も割れていないこの状況で毒ガス散布作戦は間違いなく成功していただろう。
それを散布ついでに毒ガスを注入した巨大バルーンにライダー少年隊を縛り付け、一緒に空に飛ばしてしまえと欲づいてしまった結果、後述するが捕らえれた純子のスカーフがヒントとなりアジトが発覚。
その後、アジトに残っていた戦闘員を通して連鎖的に作戦内容が明るみに出たためV3に作戦を阻止されてしまう。
おとなしく3時間待たず前乗りしとけばよかったんじゃ!
その日たまたま純子がスカーフを巻いていたこと
洗脳したタカオくんを囮にデストロンは次々とライダー少年隊員を捕らえていく。
純子の緊急連絡を受けた志郎は急いで島の海岸に引き返すがすで隊員たちは連れ去られた後だった。
ではどこに?と途方に暮れる志郎だが海岸に純子が身に着けていたスカーフが落ちているのを発見。
この海岸は最初に2人のスキューバーダイバーが襲われた場所でもある。
ということは近くにデストロンのアジトへの入口があるかも!ということを志郎が気づくきっかけを純子のスカーフが与えたのだ。
もし純子のスカーフが落ちていなければ富士山麓での毒ガス作戦に間に合わなかった可能性は十分にある。
さすがは志郎…女性の変化を見逃さない…特に純子さんのファッションチェックは怠らない!
ウォーターガンの使い分け逆!
ウォーターガントド最大の敗因は自身の武器を使いこなせなかったこと。
例を挙げるとまず海岸での戦い。あの時、ウォーターガントドは海の中にいた志郎めがけてウォーターガンを放つ。
ここまでは良いのだが問題はその「弾の使い分け」だ。
ウォーターガントドのウォーターガンは装填する弾を「銛」そして「ミサイル」と使い分けることができる。
そしてウォーターガントドは水中にいる志郎にどちらで攻撃したか…答えは「ミサイル」!
ブッブーですね…その証拠にミサイルは水面に着弾した時点で爆発しており、全然志郎のいる距離まで弾が届いていない。
これがもし19話「ハリフグアパッチの魚雷作戦!!」で「ハリフグアパッチ」が使用していた魚雷だったらそのまま水中を自動追尾しながら移動し志郎に着弾次第爆発という流れだったでしょうが、ウォーターガントドのミサイルのように水面に着弾した時点で爆発する武器だと標的に直接当てないと意味がないので今回のような使用は最適ではないだろう。
であれば命中するかは別としてこの場面では銛を発射するほうが最適であろう。
本来、ウォーターガントドの特性「水中銃」は水中でも弾(銛)の勢いを殺さず獲物を狙うのが目的なので、銛のほうを発射していれば少なくとも志郎のいる距離まで攻撃が届かないなんてことはなかったはずだ。
そしてこれは賛否があるかもしれないが次の例として挙げる富士急ハイランド戦。
ここでウォーターガントドは銛を選択しV3に放っている。
しかし、V3にあっさりキャッチ&リリースされてしまい不発。
もしここでミサイルを選択していればキャッチされたとしても爆発に巻き込むことができたかもしれない。
そもそもV3はこの程度なら16話「ミサイルを背おったヤモリ怪人!」で「ミサイルヤモリ」のミサイルを経験しているのでこの場面、あの距離からなら銛だろうがミサイルだろうが回避することはできただろう。
そう考えると今回ウォーターガントドが負けたのは武器の使い方の前に単純にスペックが弱かったからでは?という結論に帰結する。
近接戦闘も弱かったし、キバとか水中戦などトドの特性を全然活かしきれていなかった。
海に飛び込んだ志郎をウォーターガンで狙うより自身の特性を活かして水中戦に持ち込んだほうが勝機はあったかもしれない。
もはや今回の話しだけではトド要素は見た目だけ?とも思ってしまったほどだ。
注目の特撮表現
ウォーターガントドの毒ガス表現
ウォーターガントドの必殺技「毒ガス」は浴びせる相手に白い粉を吹き付けることで表現。
そしてその毒ガスを受けた相手は溶けてしまうのだが、その様を表現するために毒ガスを受けた相手の肌、今回であれば人間に合わせて肌色のペンキ?絵具?のような液体をその相手に付けることで毒ガスにより身体が溶けていく様を表現している。
グロブタンガスの表現
「グロブタンガス」は本作オリジナルのガスであり、初島の地底からしか取れないガスである。
そのガスが地底から吹き出る表現として、地底に続く岩の隙間から黄みがかった煙を出すことでグロブタンガスを表現している。
ウォーターガントドの水中銃表現
ウォーターガントドの左腕に装備した武器「水中銃」は純粋に本来の水中銃の使い方として銛を発射することもできるが、ミサイルも発射可能であり、使い分けができる。
弾は銛もミサイルも共通してミサイルの形をしており、着弾時に爆発するか否かの違いのみである。
だが銛として使用している時もミサイルの形だといまいち突き刺しにいっているという迫力はないためもっと命を狩る形がよかった。
水中機雷表現
タカオくんを捜索するためモーターボートで初島の周りを走行している志郎は純子からデストロンに襲われているという緊急連絡が入る。
急いで引き返す志郎だが地雷原に入ってしまい次々と機雷が爆発する。
その数合計で7発。
地上で火薬を仕掛けるより水上の地雷原を覚えながら足場の不安定なモーターボートで走り切るのはなかなか至難の業であろう。
一応画面でも地雷原には白いものが付いているように見えたのでそれを目印に走らせていたのだろうが、太陽が反射する大海で白い物体を見分けるのも結構難しそうだ。
しかも隊員たちがデストロンに襲われたという連絡を受けてのシーンなのでモーターボートも猛ダッシュ。
その中でも地雷原を見分けながら避けたり、起爆させたりする撮影はかなりリハーサルをしたのではないかと想像できる。
潜水艦とV3の潜水表現
水槽に岩肌をセットすることで地底運河を表現。
その中で潜水艦とV3の模型を動かすことで初島から河口湖へ続く運河を潜水している様子を表現している。
特撮満足度(★で5段階評価)
特撮満足度
アクション:★★★★☆
猛烈度:★★★★★
敵の強さ:★★☆☆☆
ロケーション:★★★★★
仕掛け:★★★☆☆
第22話の名言・迷言・珍言・失言
珠シゲル「風見さん!待ってください!タカオくんは僕たち少年ライダー隊の仲間です。僕たちにもう1度タカオくんを探さしてください!」、隊員たち「風見さん…タカオくんをこの島に1人置いて帰ることはできません!僕たちも探します!お願いします!」
このシーンいいですよね…
しかもトレーニングキャンプ中というのもいい!
隊員同士、過酷トレーニングを行いながら励まし合い、キャンプファイヤーで深めた絆がデストロンの恐怖にも屈しない精神力を育ませている。
その育ませて役の藤兵衛からしてみればこんなに嬉しいことはないだろう。
これには深刻な表情を浮かべていた志郎も励まされたようで隊の雰囲気が一気に明るくなる。
これを言われちゃ子供たちの成長を喜び尊重してあげないとね!
ロケ地(執筆者の調べ)
・「初島」
・「富士急ハイランド」
・「河口湖」
次回予告より(第23話「恐怖! 墓場から来た吸血男」)
次回のデストロンからの刺客は怪人「プロペラカブト」。
「カブトムシ」と「プロペラ」の特性を持った怪人だ。
カブトムシなのでそのままでも飛べそうなのにプロペラまで付けちゃうという面白さ。
ただプロペラを付けることで水平飛行が安定しそうではある。
そしてデストロンとの戦いの合間合間が休みと思っていた志郎だが、次回は正式に完全休暇なのか久しぶりに水上スキーを楽しむ。
今回もそうだけど志郎ってガンガンモーターボートを運転している場面があるから(もちろんデストロンとの戦いのためだけど)水遊び好きなのかな?
エンディングでも純子たちが富士急ハイランドの「ウォーターエース?(足漕ぎボート)」に乗るのを見て「おおっ!」とテンションが上がっており内心「俺も乗りてえ!」とか思っていたのではないだろうか。
そんな志郎の休暇を邪魔するかのように同じ場所でなにかを企むデストロン…
次回のデストロンは人間の生血を抜くという目的のもと人を襲うようだ。
また前作【仮面ライダー(初代)】97話「本郷猛 変身不可能!!」の時のように怪人復活のため生血を集めていると思ったのですが、サブタイトルの「墓場から来た吸血男」というワードに目を向けると次回の目的は「吸血男の復活」かもしれませんね。
感想・まとめ
今回は怪人「ウォーターガントド」の特性を活かした戦闘を見ることができなくて残念だったが、ライダー少年隊の貴重なトレーニング、そして結束する姿が見れたのは非常に良かった。
トレーニング種目も細かく撮影されており、トレーニングの様子がたくさん見れたのもグッド。
そして「少年仮面ライダー隊の歌」の生合唱。
これをエンディングのコーラスとかではなく、本物の隊員が合唱しているということに気持ちが高ぶる。
さらに隊員を見捨てず捜索を志願する隊員たちに藤兵衛、志郎同様に目頭が熱くなる。
最後には子供たちが大好き富士急ハイランドを貸し切っての大規模戦闘。
オチは再度隊員を初島に連れていき今度こそ徹底的にしごくと意気込む鬼教官藤兵衛の満面の笑顔でフィニッシュ!
冒頭でも結構徹底的だったように見えるがあれ以上!?
この後待ち受ける地獄の猛特訓を知らずに富士急ハイランドを楽しんでいる隊員とデストロンの不安から解放され鬼教官として覚醒した藤兵衛のギャップがまたいいですね(笑)
今回判明したこと
・少年仮面ライダー隊は夏休みの期間を利用してトレーニングキャンプを行う
・本作の世界観には初島の地底でしか取れない「グロブタンガス」というオリジナルのガスが存在する
・エンディングテーマ「少年仮面ライダー隊の歌」の作中での扱いは「少年仮面ライダー隊の隊歌」という設定になっていて本編(今回)で実際に少年仮面ライダー隊みんなで合唱するシーンがある
・少年仮面ライダー隊はレクリエーション中でも油断はせず、交代で見張りを行う(シゲル談)
・少年仮面ライダー隊の結束は固い
・デストロンは前作同様に(ショッカー・ゲルショッカー時代のように)ヘルメット式の洗脳装置を持っている
・V3は伊豆の初島から山梨県の河口湖まで潜水できるほどの潜水力を持つ
・藤兵衛は特訓でしごくの大好き