【仮面ライダーV3】12話「純子が怪人の花嫁に!?」感想・考察〈止めろ!ウェディングロード!つかめ!ビクトリーロード!〉

ネタバレがあります。
本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。

あらすじ

大海原でピッケルシャークとの戦闘を繰り広げるV3。

だが戦いの中でデストロン海底アジトに誘い込まれ幽閉されてしまう。

デストロンはV3を海の藻屑とすべく時限爆弾を3分にセットしてアジトを放棄。

頑丈な扉で脱出路を閉ざされたV3だが26の秘密の1つ「レッドランプパワー」でパワーを倍増させて扉を破壊。なんとか爆発の直撃を回避してアジトから脱出する。

志郎は本部に戻り、藤兵衛に純子に正体を知られたことを吐露する。

だが当の純子は本部には戻っておらず、連絡もないことが判明。

すぐにライダー少年隊員に捜索を要請する。

その際、ふと監視カメラを確認するとセントラルの周りをうろつく怪しい男を発見。

男を尾行する志郎だが、ある地点の角を曲がると男の姿が消えてしまう…

海底アジト脱出

前回よりピッケルシャークに持久戦を持ち込まれたV3。

このままスタミナ切れでジリ貧となるかと思いきやピッケルシャークに海底アジトまで誘導される。

中野博士の秘密文書(デストロンアジトの場所が記された文書)をあれほど奪い取ろうと必死だったのに結局案内してくれちゃうデストロン。

しかし、やはりタダではなく、V3の命と引き換えにアジトの場所を開示したようだ。

海底アジトは洞窟のようになっており、その一室にV3は幽閉されてしまう。

デストロンはV3を倒せるのなら安いものだとアジトを放棄しV3ごと爆破させてしまうつもりだ。

爆弾のタイマーを3分にセットし構成員は一斉に脱出。

爆弾が刻む秒針の音はV3の超聴覚にも伝わるがV3のパワーでは頑丈な扉を破壊することができない。

そこでV3は10話「ダブル・タイフーンの秘密」で覚醒した能力「レッドランプパワー」を使用して自身のパワーを倍増させ扉を破壊することに成功する。

だがそれと同時にアジトも爆発。V3は海の藻屑と化してしまったのか!?

特撮ユートピア

10話「ダブル・タイフーンの秘密」でも「レッドランプパワー」はV3のパワーを倍増させると説明があった。

しかし、実際に披露された能力は「レンズアリ」の必殺技「熱線攻撃」など光線を反射する能力のほうが注目されたので「パワーは?」と思っていた。

だが今回で本当にパワーが倍増されることが判明。

これは仮面ライダーでいうところの「ライダーパワー」に当たる能力だと思われる。

志郎の正体を知ると純子の心が傷つく…と思い込み?

海底アジトの爆発をなんとか回避してライダー少年隊本部に帰還した志郎。

そこで志郎は藤兵衛に自身がV3であることを純子に喋った人物がいることを語る。

志郎は「純子にだけは」自身が改造人間であることを知られたくなかった。なぜなら「彼女の心を傷つけたくなかったから」だ。

特撮ユートピア

純子がV3の正体が志郎と知ることで「純子の心が傷つく」とはどういう意味だろう?

少し理由を考察してみよう。

・改造人間なので上手く力をコントロールできないと物理的に純子を傷つける可能性がある(握手で握りすぎてイタタ!とか)

・改造人間となってしまった理由が1話「ライダー3号 その名はV3!」で自分(純子)を保護したことにあると責任を感じ心が傷ついてしまうかもしれないから?

・そもそもこのことで心が傷つくのは「純子」ではなく「志郎が」傷つくのでは?ということ

「物理的に傷つける」は他者にも当てはまるから除外。

「純子のせいで」というのも、そもそも志郎は純子と出会う前からデストロンに狙われていたので、仮に純子が傷ついても「僕(志郎)はもともとデストロンの目撃者として狙われていたから純子さんを保護したせいじゃない」と説明すれば済む話しだ。

それにV3はデストロンではなく、1号、2号により生み出されているし、結果的に志郎は死なずに済んだわけなので誰のせいとかそういったことはない。

では志郎がV3であると純子にばれることで誰が傷つくのか?

それは「志郎自身」ではないかと考えられる。

ここで最後に挙げた「そもそも志郎の心が傷つく」という考えに行き着く。

志郎は純子に「V3であること」ではなく「改造人間であること」がばれることを嫌っているのかそちらを強調しており、「改造人間だということを知らせたくなかった」と発言している。

このように志郎が傷つく理由はあっても純子が傷つく理由がいまいち思い浮かばない。

確かに「実は改造人間でした」と言われればショックというか驚くだろうが、今までの志郎の行動を見て「まあ納得」と思い当たる節は多々あるはずだ。

その上で拒否するほど純子は器量の狭い女性ではないはずだ。

むしろライダー少年隊の仲間なのに隠されていた方が傷つくのでは?そんなことで志郎を嫌いになるなんて「見損なわないで!」とそちらのほうが怒らせてしまうだろう。

ただその肝心の純子がまだ伊東市から戻っていないとわかり2人は捜索に動く。

するとセントラルの監視カメラにサングラスの怪しい男の姿が映し出されたので志郎は尾行に出る。

だが男はダムの近くの角を曲がると突如姿を消す。

その代わりにピッケルシャーク部隊が現れる。

水源の近くではあるが海にいないサメなどV3の敵ではない。

必殺技の「ピッケルフラッシュ」も封じた今、V3の独壇場!「V3反転キック」を決めてピッケルシャークを撃破する。

純子の結婚前夜

ピッケルシャークを倒したが依然として純子の行方はつかめない。

なぜなら純子はデストロンの新しい地底アジトでドリルモグラの捕らわれの身となっていたからだ。

海底アジトの爆発を知った純子は志郎の死を悼む。

特撮ユートピア

志郎の死を悼みながら純子はV3であるかの真偽を明かしてくれなかったことを嘆く。

ということはまだ純子はV3が志郎であると確信が持てていないようだ。

志郎!これはチャンス!確かに志郎と黒田の言葉、どちらを信じますかって話し。

黒田が信用できない人間であることが幸いしたようだ。

でもちょっとおかしい…海底アジト爆発に巻き込まれたのはV3だ。

確信を持てていない以上、純子の中ではV3の死=志郎の死ではない。

だがここで首領がV3=志郎と確信に迫る発言をする。

「風見志郎は死んではおらんぞ!それどころかやつはピッケルシャークを倒したのだ!速やかにV3を殺せ」

この発言からピッケルシャークを倒したのは志郎→速やかにV3を殺せ→ピッケルシャークを倒したのはV3つまりV3の生存=志郎の生存→すなわちV3は志郎

ということが首領の発言から読み取れる。

さらにドリルモグラの発言からもわかる通り、ドリルモグラが望んだのは志郎の死であり、V3の死ではない(黒田は正体を知っているので同じことだが)。

だが実際に海底アジトでピッケルシャークと戦い、アジト爆破に巻き込まれたのはV3。

しかしドリルモグラは海底アジト爆破でV3ではなく志郎が死んだという前提で純子と会話をしている。

以上のことから首領とドリルモグラの会話でV3=志郎と確信できる要素は様々あった。

だが純子は確信に至らず…

もしかしたら以下のことが純子の頭の中に前提としてあったから確信が持てなかったのではないだろうか。

志郎は博士の手紙をもとにアジトに向かい、V3も向かった(つまり2人は別々の存在と仮定している)。

そこでデストロンは「V3を倒すために」アジトを爆破させたのだが、純子の中ではその爆発に「志郎も」巻き込まれたからV3とは別に「志郎が」死んだと思い込んでいるのかもしれない。

志郎が向かったのと同じタイミングでV3がアジトにいた=V3と志郎は同一人物と考えたほうがシンプルな気もするのだが…

それにしてもデストロンは純子に志郎の正体がばれないように風見志郎呼びとV3呼びを使い分けてくれる配慮…優しい…

そんな悲しみもギャグかと思ってしまうぐらいの発言がドリルモグラから飛び出す。

それは「ドリルモグラと純子が結婚する」という話しだ。

ドリルモグラは恋敵の志郎が死んだ今、残りの目的は純子と結婚すること。

特撮ユートピア

求婚された純子マジで嫌そう…

普段お嬢様な雰囲気もある純子だが、こればっかりは素が出てしまい本気で嫌がっているのがわかる。

好きじゃない人というだけでなく、ストーカーだからな…

だが喜ぶのはまだ早い!なんと志郎はあの爆発から生存していたのだ!

悔しがるドリルモグラに首領は着火剤を投入。V3を殺した暁には褒美として純子と結婚させてくれるというのだ。

これには俄然やる気のドリルモグラは純子の行方を探るライダー少年隊員に志郎への伝言を依頼。

伊豆城ケ崎の松林」に志郎を呼び寄せる。

伊豆城ケ崎の松林にたどり着いたV3はドリルモグラ部隊と戦闘。ドリルモグラは逃がすが戦闘員を蹴散らし崖っぷちに座り込む純子のもとへと駆け寄る。

しかし、近づいて純子を見たV3が「はっ!人形!」と気がついた瞬間、時すでに遅し。

純子爆弾」は爆発しV3は爆発で空いた大穴に落ち、岩石の下敷きとなってしまう。

勝利を確信したドリルモグラは純子とともに結婚準備のためその場を去る。

特撮ユートピア

人形とはいえ好きな人を模した爆弾をつくるなんて…

黒田…あんたやっぱり歪んでるよ…

地底アジトでの純子との会話で憎んでいる人物に志郎だけではなく、純子も含めていたので「可愛さ余って憎さ100倍」ということか…

物影から見ていた隊員と藤兵衛は爆発付近を捜索するがV3は見つからない。

その内、日が暮れ始めたので藤兵衛は先に隊員を帰して捜索を続ける。

特撮ユートピア

隊員は小学生なので日が暮れる前に帰す。これは保護責任者として配慮の行き届いた指示であると思う。

だが、ここはどこだ?伊豆城ケ崎…静岡県だ。隊員は何できた?チャリできた…

藤兵衛と一緒なのでいつものワゴン車できたと思うかもしれないが

藤兵衛「こんなところに落ち込んだのか?」、シゲル「僕たち、場所を知ってたから、そうっと遠くから見てたんです」

という会話からわかるように、おそらく爆発に巻き込まれV3を目撃した隊員が藤兵衛に連絡、駆けつけた藤兵衛に事後報告したといった流れだろう。少なくとも別行動であったことは間違いない。

とすると隊員たちは行きも帰りも自転車。静岡県の伊豆から東京まで自転車で片道半日はかかる。車でも2時間かかる。

どこからツッコメばよいのか…

隊員の脚力のすさまじさか、それとも暗くなる前に帰宅させてくれる藤兵衛の配慮の影に暗い中、自転車で半日かけて子供たちだけで帰らす鬼畜っぷりか…

純子の結婚当日、その結婚!ちょっと待った!

V3は死に邪魔者はいなくなる。

首領はドリルモグラに約束通り褒美として純子との結婚を許可する。

それだけではなく、結婚式まで執り行ってくれるのだから相当上機嫌だ。

純子にはウェディングドレスとして赤いベールのドレスを着せているのだが、デストロンの花嫁は赤いベールが基本らしい。

新婦がお色直しとかで赤くエレガントなドレスを着ることはあるみたいだが入場から赤いドレスを着るのはデストロンならではであろう。

赤というのはおそらく首領のイメージカラーを意識しているため、この結婚式はかなり特別なお祝いであることがわかる。

純子としては嫁入り前にデストロンのウェディングドレスを着させられるなんてこれほどの屈辱はないだろう。

だがそれ以上に「デストロンの指輪」を薬指にはめられようとしていることが最大の屈辱であろう。

この指輪は今結婚式で神父を務めている犬神博士が開発したものであり、この指輪をはめると身も心もデストロンになるというもの。

心はわかる、洗脳みたいなことでしょ?身がデストロンになるとはどういうことだろうか?

犬神博士の発言だと醜いデストロンのようになるそうだが、ドリルモグラの妻だからドリルモグ子になるとか?

特撮ユートピア

犬神博士はデストロンのことを「醜い」と表現している。

この発言に首領が怒らないということは自身の行いを綺麗で正当なものと考えていないという証拠だ。

「デストロンは醜い」そう認めて活動しているとすれば私の中で少し首領の見る目が変わる。

デストロンは自分たちの行いを「悪」だと断言する一方で新興宗教のように自分たちの行いは善だろうが悪だろうが無条件で高尚なものであると自惚れているものだと思っていました。

だがデストロンは「自分たちは醜い」という共通認識を持っていたことに軽く驚いた。

悪をキレイとか美しいとかこの行いは正しいとか着飾らず、悪はそのまま汚い、醜い、そして前作で「ブラック将軍」が「残虐の限りと尽くす」と言っていたように悪として一貫性がある。

変にこれは正義の行いだとか自分たちをまるで天上人のように位置付けないで活動していることに不覚にも少しカッコイイと思ってしまいました。

年頃の娘がお見合い結婚ならいざ知らず、元ストーカー、現怪人の嫁として強制的に薬指に指輪を通すのは死んでも嫌なはず。

だが純子の抵抗も虚しく指輪は薬指に近づく…純子が観念したその時!

その結婚ちょっと待ったーーー!と言わんばかりの勢いでV3が式場に突入。

純子を避難させたV3は新郎と一騎打ち!お前に純子さんは渡さん!

ドリルモグラは自慢のドリルで体当たり攻撃を試みるも不発。

岩で囲まれた地形も活かせないばかりかストーカー時代の臆病さも消えておらず、ドリルで穴を掘り逃げようとする。

しかし、V3に阻止され「V3反転キック」で撃破される。

結局どっち?志郎の正体

ドリルモグラを撃破したV3はなぜかウェディングドレスから着替えて気絶している純子をこれもなぜか「伊豆海洋公園」に寝かせていそいそとその場を立ち去ろうとする。

だがバイクのエンジン音に反応して目覚めた純子はV3に問う!

待って!V3!お願い教えて!あなた風見志郎さんなんでしょ?

だがその質問に仮面の下からでもやべっ!と聞こえてきそうな反応を見せたV3はそそくさとバイクをぶっ飛ばし去っていく。

純子の無事を安堵し駆け寄る藤兵衛に純子は「会長は知ってるんでしょ?志郎さんがV3なのか…」と問う。

だが藤兵衛はしらばっくれて知らぬ存ぜぬ。

その証拠にほらと後ろを指さすとヤシの木の影から志郎が登場。

戸惑う純子に「オッス!」と声をかける。下手くそか!!不自然だろ!

だけど純子もキツネにつままれたような顔で「オッス!」と返事をし現実を受け入れる。

なんと!騙しおおせたようだ!

特撮ユートピア

志郎がV3かと純子に聞かれた藤兵衛はV3のバイクを見送った後に「志郎がV3だって!?まさか!志郎ならほら!」と諭す。

これは視界からV3の姿が消えるのを見届けることで志郎が後方のヤシの木の影に回り込むための時間稼ぎをしていたのかな?と感じた。

ただ時間稼ぎにしては短いとも感じたので、おそらくV3は純子の視界から消えた後、急いでバイクでもジャンプでも何でも大急ぎで純子の後方に回ったのだろう。

ここからは私の想像なのだが、志郎の疑いが晴れ?話しがまとまり帰る際に志郎が後頭部をさすっているシーンがある。

これは志郎が純子を騙すための行動の際に頭を打ったからではないかと考えた。

バイクで走り去った後、なるべく早く純子の後ろに回り込む必要がある。

そのためには回り込むスピードが重要なのでV3でいる必要がある。そして回り込んだらすぐに変身を解除し風見志郎に戻る必要もある。

まずV3はバイクで去ったふりをし、適当なところで純子の視界から消えた後にV3の身体能力を活かしジャンプで純子の後方に回り込む。

だがそれと同時にすぐに風見志郎に戻らないとばれてしまうので着地直前に変身解除をした。結果、態勢を崩して生身で頭を打ったため頭をさすっていたのではないだろうか。

そう考えると、このシーンの志郎はデストロンとの戦いより必死で秘密を守ろうとバタバタしている姿が想像できて笑えてくる。

極めつけは普段言わないような「オッス!」だもんな(笑)

勘の良い人だったら「こいつなんか誤魔化そうとしてんな…」と感じるはずだ。

いや…純子も納得したふりをして実は内心「普段俺に近づくなと言っているやつが急にフランクにオッスとか声かけてくるのは怪しい…まあいいでしょう…今は泳がせておくか…」と思っているかもしれない。

「私を騙せた気でいないことね…会長、志郎さん…」

かくして風見志郎はデストロンの結婚式にちょっと待ったをかけ、ピッケルシャークとドリルモグラを倒し、純子の疑惑の目からも逃れたのであった…

ストーリーの転換点と考察

婚姻を急ぐあまりV3の死亡を確認をせず葬送曲で済ましてしまったこと

ドリルモグラは純子爆弾で爆発した現場、そしてV3が本当に爆発が要因で倒されたのかの確認を怠った。

叫びと爆発音だけ聞いてV3が死んだと断定させ、その出来事をオシャレに「葬送曲」と表現しちゃっている。

さすがは純子のストーカー…ちゃんと詰めの甘さとダサさが混在している…

純子に葬送曲だとオシャレに決めて実は生きていました、死体はおろか現場をこの目で確認しないで報告しましたはあかん…

こんな確認がずさんだと今後はV3に「何か罠にハマりそうになったらとりあえず叫べばデストロンは勘違いしてくれる、あいつらどうせ見てないべ!」となめられるぞ!

そりゃ前回、黒田(ドリルモグラの素体)が「こいつ(志郎)がV3に変身するのをはっきりこの目で見たんだ」と言われても信用されないはずだ。

目視での確認を怠るやつにはっきりと見たと言われてもね~

目で見るものが全てじゃないが目で見れるなら見ときや!

注目の特撮表現

アジト爆破に使用した爆弾

前作までの時限爆弾と言えばアジトを爆破できるほど大規模なものでも、トラック程度しか爆破できない小規模なものでも基本は火災報知器のような赤い時限爆弾を使用していた。

今作のは主語が大きいが少なくとも今回の時限爆弾は車のエンジン、モーターのような大型の爆弾模型を使用しており、アジト爆破規模に合わせてそれらしい爆弾となっている。

両手放し変身

志郎がバイクを走らせながら両手を放して変身ポーズをとるシーンがある。

このシーンはバイクをトラックなどの荷台に固定してといったことではなく、俳優本人が練習の末に編み出した立派な両手放し変身だそうです。凄いカッコイイですよね!

だけど良い子は絶対に真似しないように!

純子爆弾の表現

ドリルモグラは純子人形でV3を引き付け、人形を爆発させてV3を始末しようとするシーンがある。

作中では人形とされているが、役者本人が人形役を務めており、おそらく爆発前と後のシーンを時間差で撮影しているものと思われる。

デストロンの結婚式表現

今回ドリルモグラと純子がデストロン式の結婚式を行うシーンがある。

入口から祭壇までレッドカーペットが敷かれ、両脇にガイコツの支柱が並ぶウェディングロード。

新郎新婦の入場にはウェディングソングではなく、銅鑼どらを鳴らして2人を祝福。

祭壇に置かれた香炉で火を焚き、両脇にはロウソクが立てられている。

デ~ストロ~ン…赤いベールはデストロンの花嫁~ダーワービュビュー、ビューゴードゥ~、バーメレファ~デストロ~ン」と奇妙な祈りを捧げて結婚式が始まる。

特撮ユートピア

そういえば【仮面ライダー(初代)】66話「ショッカー墓場 よみがえる怪人たち」で解読不能な呪文で「悪魔祭り」なる怪人復活の儀式を行うショッカーっていう集団があったっけ…

「ダイランメカケーユ カウロアデノアンナーノカユシノギー」

新郎は白いタキシード…ではなく胸に一輪の薔薇を刺しただけの怪人の姿、花嫁は赤いベールにピンクのドレス。

そして犬神博士が神父を勤めて博士が開発した「身も心もデストロンになる指輪」をはめるという流れ。

指輪の装飾部分はデストロンのシンボルのサソリがあしらわれている。

ドリルモグラのドリル表現

ドリルモグラの頭部にはモーターが仕込まれているようで頭部のドリルが回転する仕掛けになっている。

特撮満足度(★で5段階評価)

特撮満足度

アクション:★★★☆☆

猛烈度:★★★☆☆

敵の強さ:★★☆☆☆

ロケーション:★★★☆☆

仕掛け:★★★☆☆

第12話の名言・迷言・珍言・失言

風見志郎「純子さんにだけは…俺が改造人間であることを知らせたくなかった…俺は彼女の心を傷つけたくなかったんですよ!」

上でも書いたが純子だけが傷つく理由が思慮が浅い私には考察しきれませんでした!

一見、純子を強く大切に想う志郎の気づかいとも取れなくはないが私の考察では名言と断定しにくく、迷言となってしまったシーンだ。

ドリルモグラ「あとは…お前と結婚することだ!」、珠純子「え~!結婚!?」、ドリルモグラ「そうだ…お前はこのドリルモグラの花嫁になるのだ」、珠純子「嫌です!絶対嫌です!」

花嫁になるの…」と言い終える前に間髪入れずに「嫌です!絶対嫌です!」までのスパンの短さがリアルだ…それだけ嫌だったんだね純子…

ドリルモグラ「今の悲鳴と凄まじい音を聞いたか?あれがV3が地獄にいく葬送曲だ!」

悲鳴+爆発音=地獄にいく葬送曲(作詞・作曲:ドリルモグラ)

ロケ地(執筆者の調べ)

・「伊豆海洋公園」

・「伊豆城ヶ崎海岸」

次回予告より(第13話「恐怖の大幹部 ドクトル・ゲー!?」)

次回のデストロンからの刺客は怪人「ジシャクイノシシ」。

磁石」と「イノシシ」の特性を持った怪人だ。

磁石で引き寄せる力とイノシシの突進力が合わさり凄まじいカウンター攻撃が出来そうな組み合わせの特性だ。

ジシャクイノシシは車や新幹線と破壊の限りを尽くすが真の目的は「ゲー作戦」にある。

ゲー作戦?何か吐くのかと思わせる作戦名だが、ゲーとは次回から登場する新幹部「ドクトル・G(ゲー)」のことを指し、そのゲーが考案した作戦ではないかと考えられる。

ついにデストロンにも幹部が登場!ドクトルということは前作で登場した死神博士のように優れた科学力と指揮官としての資質を併せ持つ幹部であると予想できる。

見た目的には古代中国の甲冑を思わせるデザインの鎧を身に纏い、科学者というイメージはあまり感じられない風貌だ。

基本2体の怪人が登場する今作にさらに幹部が加わりデストロンがパワーアップ!

V3もパワーアップを続けており、今回の敵も相手が有利な地形でなければあっさり撃破している。

そのためかデストロンも打倒V3に本腰を入れ始めたようだ。

感想・まとめ

今回はV3の正体を誤魔化そうとする回のためか色々と構成がぐちゃぐちゃな回だった。

例えば、V3が純子を救出しに式場に突入、純子はドレスのまま避難し、その後すぐに事件は解決する。

だが、純子はすでにいつもの服に着替えているどころか、いや…いつもの服に着替えることができたのになぜか気絶しており、V3にお姫様抱っこで運ばれている。

これは囚われの姫を救出したよという表現だったのかもしれないが、それならウェディングドレスを着たまま運んだ方が展開のギャップがなくて良かったのではと感じた。

ただ純子が気絶していたシーンについて擁護するなら、デストロンの結婚式は構成員が「まもなく夜が明ける」と言っていたように深夜から朝方にかけて行われている。

そのためアジトを脱出した純子は安堵と睡眠不足から眠ってしまったのだとも考えられる。

もしくは志郎への疑いに対して藤兵衛に「何を寝惚けたことを言っているんだ!」と言われているので純子を物語上寝惚けさせる必要があったから眠らせていたとか?

そしてもう1つは純子人形爆弾の影響で大穴に落ちて岩の下敷きとなったV3を藤兵衛が岩をどかして救出しようとしているシーン。

この救出シーンと純子が指輪をはめられそうになるシーンが交互に映し出されることで2つの出来事が同時平行して行われていることがわかる。

そうすることでV3は間に合うのか?みたいな緊迫したシーンを演出しているのだが、V3を救出した描写はなく、いきなりV3が式場に突っ込んでくるシーンが始まるので、V3は「藤兵衛に救出されたから間に合った」のか、それとも「自身(V3)の能力を使い自力で地面を掘り進め地底アジトにたどり着いたため間に合った」のかよくわからないシーンとなってしまった。

どちらにせよ結果は同じだからよいし、とんでもSFは矛盾があるぐらいが面白いのですが、その他常識の範囲内での出来事に矛盾が多いと今後のキャラクターや設定に影響を及ぼす可能性があるのでその辺は極力矛盾が少ないほうがいいのかなと個人的には感じた、

あとちょっと純子の鈍さ加減も極端だったかなとも感じた。そのため志郎の正体に確信が持てる出来事が多かったにもかかわらず、最終的には純子を騙しおおせる形となってしまう。

これを観た視聴者は今後「純子はこの程度では志郎の正体に気づかない」ものとして観るだろう。

これで仮に今後勘が鋭い純子を観せようものなら「あれ?12話ではあんなに鈍感だったのにこんなに勘が鋭いのおかしくない?」となってしまうわけだ。

ちょっと詰め込み過ぎの弊害が出て来てるかなと個人的に感じた回だった。

今回判明したこと

・V3は10話の説明通り「レッドランプパワー」でパワーが倍増する(10話では熱線の反射能力のみだったので)

・志郎は純子にだけは改造人間であることを知られたくない(純子の心を傷つけたくないため)

・デストロンにも結婚という概念がある

・赤いベールはデストロンの花嫁の証

・犬神博士が開発した「デストロンの結婚指輪」をはめると身も心もデストロンになる

・藤兵衛が一芝居打つことでV3が志郎ではないと純子に思い直させることに成功する

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