ネタバレがあります。
本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。
あらすじ
房総沖50海里に潜水艦の浮上を確認した自衛隊戦闘機のパイロット「JW-20」。
国籍不明のため不審に思い本部に報告するJW-20。
次の瞬間、潜水艦は戦闘機目がけて砲弾を放ち撃墜されてしまう。
国籍不明の潜水艦の正体は死神博士率いるショッカー軍団。
彼らは地獄大使がアジトを構える「行川アイランド」の地下に向けて潜航する。
その頃、立花レーシングクラブ一行は行川アイランドの「フラミンゴショー」に訪れていた。
フラミンゴショーを観ながらじゃれ合う五郎とレディース。
五郎はエミとトッコを追いかけトンネルに迷い込む。
エミとトッコはトンネル出口で藤兵衛、マリとはちあうが五郎がトンネルから出てこない…
トンネル内では五郎が死神博士が地獄大使の手土産として開発した怪人「ナマズギラー」に襲われ誘拐されていたのだ。
猛と滝は墜落した戦闘機を調べに行川アイランドにも近い房総半島を訪れていた。
藤兵衛からの緊急連絡で五郎捜索を頼まれた猛たちの目の前に死神博士が立ちはだかる。
かくして最高幹部、地獄大使と死神博士による両面作戦が開始される。
最高幹部が集う両面作戦
南アメリカから打倒仮面ライダーのために再び日本に舞い戻る死神博士。
52話「おれの名は怪鳥人ギルガラスだ!」で逃亡して以来、日本支部の幹部は地獄大使に変わった。
そのため今までの失敗の責任をとって処刑されたと思っていたが生きてたんか!
元々死神博士の担当地域はヨーロッパのスイス。
だが今回は南アメリカからやってきた。
ヨーロッパはスイスも含め、既に本郷猛に壊滅させられているためヨーロッパに支部はない。
それに南アメリカのアンデス山脈の麓に位置する「バリローチェ」はスイス系民族が多く、「南米のスイス」と呼ばれる場所のようだ。
死神博士が地獄大使の手土産に開発した怪人「ナマズギラー」はそのアンデスの沼に生息している電気ナマズを元に作られている。
ちなみに実際のデンキナマズはアフリカの淡水域に生息している。南アメリカであれば「デンキウナギ」なら生息している。
アンデスといえば34話「日本危うし!ガマギラーの侵入」でアンデス山脈の調査隊が迷い込んだ洞窟でショッカー首領を見たという報告が上がった場所だ。
そんな総本山で死神博士はショッカー首領にお叱りでも受け、次なる手として地獄大使との両面作戦を決行するために舞い戻ったのだろう。
死神博士は行川アイランド地下にアジトを構えた地獄大使のセンスを褒めていたが、褒められる点はどこだ?
強いて言うなら59話「底なし沼の怪人ミミズ男!」でショッカーは海に近い地形にアジトを構える傾向があることが分かっている。
そのため房総半島沖に近い行川アイランドにアジトを構えたことが褒められるべきセンスの良い場所だったということかもしれない。
地獄大使も死神博士と組めば鬼に金棒と評するが自分1人じゃ日本征服には力不足だから舞い戻ったのかと皮肉も混じらせる。
そうだよ!地獄大使も死神博士も今までの失敗を加味したらお互い1人だと不安だよ!とショッカー首領が申しております。
素直になれない年頃の坊主
行川アイランドのフラミンゴショーを見にいく立花レーシングクラブ一行。
行川アイランドは実際に1964年8月13日から2001年8月31日まで存在した動植物園を複合し自然を基調としたレジャー施設。
中でも「フラミンゴショー」や「クジャクの飛行ショー」が有名であり五郎たちはそのフラミンゴショーに訪れていた。
五郎はアイスを食らいながらトッコとフラミンゴの足を比べて「それにしてもフラミンゴの足ってのは綺麗だね~」と生意気っぷりを発揮する。
トッコは背が高くモデルさん並の美脚なのだが、素直に褒められないで逆の事を言ってしまう感覚は私にも覚えがあります。
五郎は将来自覚する時がくるだろう…子供時代に周りにいた女性たちはとんでもなく美人だらけだったことを…
誘拐報告から激しいギャップ
トッコにデリカシーのない発言をした五郎はレディースに食べていたアイスクリームを顔面に押し付けられる。
怒った五郎とトンネルで追いかけっこになるがトンネル内は広いため五郎は迷子になる。
迷い込んだ先にはショッカーのアジトがあり五郎は誘拐されてしまう。
そして藤兵衛から緊急連絡を受けた猛と滝は死神博士と交戦後にみなと合流する。
その時、猛が「親父さん…五郎は人質にされたんだ」と報告して意気消沈するシーンからのいきなり「ポンポンポンポポンポポンポン!ポンポンポンポポンポポンポン!ポンポンポンポポンポポンポン!」と行川アイランド名物「南国のダンスショー」を笑顔で楽しむ猛と滝というギャップが凄いシーンに切り替わる。
五郎が誘拐されたのにスゲー吞気だ(笑)
藤兵衛やレディースなんてショックでホテルで寝込んでいるというのに…と思ったがやはり滝は「おい本郷…親父さんたちガッカリしてホテルで寝ているっていうのにこんな所でのんびりしていて良いのか?」と心配している。
よかった…なんかヤケになってトチ狂ったのかと思った…
弟分の五郎が誘拐されたんだ。そんな呑気にもしていられないだろう。
だが「できる男は慌てずに機を待つことだ」と言わんばかりに猛は冷静だ。
ジタバタ動かずとも奴らは仕掛けてくる。そう読んだのだ。
その読みは当たり奴らは仕掛けてきた…
ちなみに猛たちが見ていたのはおそらく宿泊客用の「バーベキューディナー&南国のダンスショー」だろう。
野外でバーベキューを食べながらクビレが引き締まったスタイル抜群の踊り子たち、そして原住民族に扮した男性のブリッジしながらその間に火のついた松明を通すショーを楽しめるなんて最高ですね!
五郎、滝には改造人間の資格あり!?
五郎はショッカーに誘拐され、身体に5万ボルトもの電気を帯電させられる。
そしてカプセルで洗脳され、立花レーシングクラブ一行のもとに戻される。
五郎は身体に5万ボルトもの電気を蓄えた電気人間となっており触れた藤兵衛やレディースは次々と感電し気絶した。
その後、五郎の誘拐されたトンネル内の調査中に今度は滝が誘拐され五郎同様に電気人間として猛に襲いかかる。
結果、変身状態だと5万ボルト耐えられる猛には未変身状態でも電気攻撃は決定打とはならなかった。
だが驚くのはそこではない。
真に驚くべきは未改造の五郎と滝が5万ボルトに耐えていたという事実だ。
百歩譲って滝は大人だし常人を超えた身体能力、それに鍛えているからわかるとして、五郎はヤバいでしょ!
いやいや5万ボルトと電圧は高くてもスタンガンなどのように電流が3mAぐらいであれば痛っぐらいでしょ?と思うかもしれない。
確かにその通りかもしれません。五郎や滝が洗脳とはいえ動けている以上、人間が耐えられる程度の帯電なのかもしれません。
しかし、今回は彼らに帯電させることが目的ではなく、仮面ライダーを抹殺することが目的だ。
だとするならスタンガン程度の電流で仮面ライダーを抹殺できるわけがない。ということはだ…仮面ライダーの抹殺を想定した電気量を帯電している2人は凄いことになりませんか?
五郎を使い藤兵衛たちを感電させて彼らも電気人間にしようとしていたため、誰でもよく、電気耐性を選ぶ必要はないのかもしれません。
だが彼ら、彼女らはいうても成人だ。
五郎は子供ながら洗脳解除後は後遺症もなくピンピンしている。
やはり五郎はFBI、改造人間の資質がある!頭脳明晰、耐久力抜群、運動神経は…伸びしろがかなりある。
さすがは27話「ムカデラス怪人教室」でジュニアショッカーとして将来の幹部候補に選出された経験があるだけはある。
今までショッカーに誘拐された経験が豊富すぎて、色々洗脳されたりいじくられていく内に身体がショッカーが予測していない化学反応を起こし、奇跡が重なり無改造でも潜在能力が開花されたのかもしれない。
確かにカミナリに打たれて脳使用されていない部分のスイッチが入り天才になったなんて話しも聞くし、あり得ない話しではない。
SFだしお話しだからと片付けるのは簡単だが、五郎にはその…将来性がある!だけに本郷猛を超えた才能として将来的にショッカーに狙われないか心配だ(もう狙われているけど才能的な意味で)。
そんな子供たちが安心して未来に希望が持てるように猛たちは今を戦っているのだ!
大げさな結論
ショッカー事件に毒されすぎて皆さんの感覚が狂いはじめる。
一般的にはトンネルから中々出てこない子供=迷子だと思うだろう。
だが猛たちは五郎(子供)が行方不明=ショッカーに誘拐されたと結論付けてしまう。
同じ要領で滝がトンネル内で行方不明になった=ショッカーに誘拐されたと考えるだろう。
だが猛は滝が行方不明=死んだと思い込んでしまうのだ。
そして洗脳され電気人間となった五郎の例を見た後日、滝が同じ状態になり襲いかかってきたら「滝が五郎と同じ目に!」と考えるところを「滝!気でも狂ったのか!」と発言する。
いやいや…昨日同じ例に遭遇したのに、滝に対しては死んだとか気が狂ったとか滝を何だと思っとるんや…
その辺、一文字や藤兵衛なら滝は必ず生きていると信じるだろうが如何せんブレザーバーションの猛は気が小さくて後ろ向きなもんで…
それだけ彼らが過ごすショッカーがいる日常とは、そういうことも想定しているということかもしれない。
しかし、いつもの彼らだったら誘拐された、人質にされたと結論付けるところを今回(猛のみ)に限っては滝が死んだと思い込んでいるのだからちょっと大げさに感じた次第です。
充電怪人ナマズギラー
南アメリカ、アンデスの沼に生息する電気ナマズを改造人間にした怪人「ナマズギラー」。
10万ボルトもの電気が帯電しているムチ(ナマズの髭?)を武器として戦う。
仮面ライダーが5万ボルトの耐電性なので10万ボルトは充分仕留めうる電気量だ。
だが大きな弱点がある。それはナマズギラーのパワーは電気に依存しており有限であるため定期的に「充電」が必要なことだ。
この弱点を補うため行川アイランドのシンボルである「久遠の塔」を太陽光の反射板として利用し、太陽光を浴びせることでナマズギラーは太陽光発電のようにパワーを充電している。
反射板がない行川アイランドから出てしまえばナマズギラーは無力となる。
エネルギー送信が滞りなく行えるなら強力な怪人だが、遠征要員には向いていない怪人だ。
だがそもそも太陽光発電が可能なら日中であれば日陰でもない限り場所を選ばなくて良い。
太陽光の反射だけで良いのなら戦闘員にレフ版でも持たせて太陽光を反射させれば良い。
なぜ大型の反射板を使う必要があったのか?
太陽光の熱エネルギーを届けるのであれば反射板を使うと反射板自体に熱が溜まり、反射した際の光は熱エネルギーが減衰した状態でしか届かない。
ならば集中的に熱エネルギーを届けるには巨大レンズを使い屈折させる必要がある。
しかし、そういうことではないらしい。
何はともあれナマズギラーは仮面ライダーとの戦闘中エネルギー切れを起こして這いつくばってしまう。
見かねた地獄大使は10万ボルトでは仮面ライダーを倒せないとナマズギラーの耐久力を無視した過剰量の電流を送れと指示する。
最終的にはやっとの想いでたどり着いた反射板の根本では五郎たちが反射板をナマズギラーに太陽光が反射されない方向に固定され、ライダー反転キックで撃破され散々だった。
ナマズギラーの「俺の身体に光をくれ…光を当ててくれ~」という悲痛な叫びは地獄大使に使い捨てられた怪人の末路として同情しそうなぐらい弱々しいものでした。
ストーリーの転換点と考察
充電式の怪人であり、その秘密を五郎に知られたこと
五郎は誘拐された時、ナマズギラーが充電式で久遠の塔の反射板からエネルギーを送信していることを知る。
だからショッカーは囚人の前で作戦をベラベラ喋らないようにって言ったでしょ!
それに仮面ライダーとの戦闘中に久遠の塔を見上げて「早く!電流をくれ~!」と発言することでエネルギーの供給源がばれてしまう。
結果的に仮面ライダーを振り切って反射板の根本にたどり着いたにも関わらず先回りした五郎たちに反射板をあらぬ方向に固定されたためエネルギーを補給できずに逆転される。
38話「稲妻怪人エイキングの世界暗黒作戦」に登場したエイキングは100万ボルトもの稲妻を放つが充電の必要がなかった。
エイキングを再生させて稲妻をナマズギラーに落としてエネルギーを無限供給するやり方なら無敵だったかもしれない。
だがそうなるとアジトでも懸念されていた過剰に電流を補給することでナマズギラーが消滅してしまう可能性があるので難しいところだ。
確かに自爆覚悟で10万ボルトに感電死量の電流を流し込み仮面ライダーに体当たりでもしたら結果は違っていた可能性はある。
今回の特撮表現の面白さ
ナマズギラー登場表現
ナマズギラーを日本に輸送した際に使った棺おけ?みたいな入れ物を開けた瞬間にピカーっと光を出すことで電気を発する怪人が出てくることを示唆する表現となっている。
ナマズギラーや高電圧体表現
ナマズギラーのムチが接地する場所に火薬を仕込み火花を散らせることで接地部が電気で弾けたように見える表現となっている。
また電気人間にするための充電や感電させる描写は少し長めに火花を出すことでビリビリビリと一定時間電気と接触しているように見える表現となっている。
久遠の塔
ナマズギラーのエネルギー補給のために使用される反射板「久遠の塔」は仮面ライダー製作のために造られたものではなく、元々行川アイランドのシンボルとして建てられたもので、それを上手く流用している。
ひし形でステンレス製のオブジェが風でクルクルと回る様は反射板として太陽光を送信しているというイメージにピッタリ!
行川アイランドは当時「日本冶金工業」というステンレス専業のトップメーカーが運営会社だったこともあり、その技術力をもって建てられたと思われる。
現在は反射板となっていた2つのオブジェの内1つが落ちた状態となっている。
きしくもナマズギラーを撃破した際の爆発で最初に反射板が1つ落ちている。まさかこれを予言していた…わけないか!
特撮満足度(★で5段階評価)
特撮満足度
アクション:★★★★☆
高所:★★★☆☆
火力:★★★☆☆
水場:★★★★☆
仕掛け:★★★★☆
ロケ地(執筆者の調べ)
・「行川アイランド」
次回予告より(第62話「怪人ハリネズラス 殺人どくろ作戦」)
次回のショッカーからの刺客は怪人「ハリネズラス」。
「ハリネズミ」の特性を持った怪人だ。
ハリネズミはその体毛が硬化しており、筋肉の緊張で皮膚の奥に埋まった体毛を逆立て身を守る。
ハリネズラスの武器「殺人針」とはこの硬化した体毛のことを指していると思われる。
この針を飛ばして遠距離攻撃を行う、もしくは針に刺さると毒に侵されるなど、どのような要素が殺人的なのか注目だ。
ショッカーが殺人ヴィルスを積んだ輸送機を漁村に不時着させたことで周辺住民が事件に巻き込まれる事態に。
殺人ヴィルス、殺人針、そこからどのようにしてタイトルの「殺人どくろ」に繋がるのか。
60話「怪奇フクロウ男の殺人レントゲン」では「殺人レントゲン」という生物を白骨化させる兵器が登場したが、今度はその死んだどくろに命を宿そうとでもいうのだろうか?
ここ最近の話しでは仮面ライダーの世界の科学者たちが神の所業のような発明を連発している。
動物に人間の魂を注入して怪人を開発したり、死体を生き返らせたりち自然の理を逸脱した発明が多い。
次回は一体どんな発明が出てくるだろう。
まとめ
実用化する前に実用してしまうというのはリスクが伴う。
今回のナマズギラーが良い例だ。
ナマズギラーは10万ボルトの電気を蓄えたムチという強力な武器を持っている。
だがその電力は有限であり、充電する必要があった。
現代であれば蓄電池も小型化し蓄電容量も増加しているだろう。
しかし、1970年代にその技術はなく、ナマズギラーもエネルギーがなくなってしまえば只々充電が面倒なだけのちょっと強い戦闘員でしかなくなる。
確かに瞬間的には強力だが、社会(ショッカー組織)で運用するにはまだまだ課題が残っているという状態だったのだ。
実際のインフラもそうで毎年様々な発明発見が誕生するが、現実に実用化されている例は少ない。
企業など大規模な事業では使われているのかもしれないが一般にその技術の恩恵が降りてきた実感というのは受けにくい。
そういえば何年前かに発見・開発された○○の話し、あれから続報聞かないな~実際に実用化されたら便利なのにというものを何度も見てきました。
それだけ未来の技術を一般化するには安全性やコスト面、その研究に対する援助の数などクリアしなくてはいけないことが山のようにあるのでしょう。
今回のショッカーのように新しい技術ができた!と直ぐに実戦投入するとどこかで歯車が狂うんだということがわかりました。
今回判明したこと
・ショッカー本部は日本征服には地獄大使(最高幹部級)1人では不安と思っている
・立花レーシングクラブ内では無線で緊急連絡用のお知らせ音がある
・ショッカーでの五郎のイメージは「うるさい小僧」
・ショッカーはカプセル状で耳に入れると洗脳が可能な洗脳装置を持っている
・ショッカーは人間に帯電させ電気人間(高圧電体)にする技術がある
・五郎と滝は5万ボルトもの電気を帯電できる