ネタバレがあります。
本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。
あらすじ
デストロンは誘拐した海洋生物学者のホープ「中原博士」に改造手術を命じ、今まさに怪人が誕生しようとしていた。
手術は成功し生まれた怪人の名は「ピッケルシャーク」
手術に疲れ果てた博士は首領に許可を取り外の空気を吸いに手術室を後にする。
そして首領はピッケルシャークに最初の任務として生みの親である博士を殺すよう命じる。
どうやら首領は博士の忠誠心の揺らぎを感じたため早々に裏切り者予備群と断定したようだ。
そして首領の読み通り博士はデストロンアジトを出て、監視の目をかいくぐり包囲網から脱し車で逃走する。
博士が向かう先は風見志郎のもと。
その目的は志郎に「デストロンの秘密」を伝えるためだ。
志郎の知り合い?ライダー少年隊との繋がり
デストロンの科学者にしては悪臭が感じられない科学者が改造人間手術に臨んでいると思ってみていたらやはりそうだ…
この科学者の正体は海洋生物学者のホープ「中野博士」。
彼は行方不明となっていたらしいが、どうやらデストロンに誘拐され改造人間手術を強要されていたようだ。
手術は成功し「サメ」と「ピッケル」の特性を持つ怪人「ピッケルシャーク」が誕生する。
大改造手術で疲労困憊の博士は首領に外の空気を吸いたいと懇願、首領はこれを許可する。
あら…めずらしい!首領が捕虜の行動を制限しないとは…
だが首領は博士に忠誠心の揺らぎを感じており、裏切るであろうことを薄々予感していたようだ。
ならば用済みと首領はピッケルシャークの最初の任務として博士の殺害を命ずる。
首領の予感通り博士は監視の目をくぐり抜けてデストロンの包囲網から脱出する。
博士は脱出した目的は風見志郎と連絡を取ること。ライダー少年隊に風見志郎への連絡手段を聞き「セントラルスポーツショップ」の藤兵衛のもとに訪れる。
志郎が不在のため博士は「デストロンの秘密が書かれた手紙」を藤兵衛に託してその場を去る。
博士のその後の行き先・目的は不明だがスポーツショップを離れた博士は車内でピッケルシャークに殺害されてしまい、後に通りがかった志郎に発見される。
藤兵衛もこのタイミングで博士を生き証人として本部にかくまうという手もあっただろう。
怪しい人物だと警戒したのかもしれないが、志郎が新聞で博士の顔、そして行方不明を知っていたように藤兵衛も知っていて保護に踏み切ってもおかしくはなさそうだ。
なぜなら藤兵衛は前作で隊員たち事件についてなど「新聞ぐらい読んどきなさい!」と言うぐらいちゃんと新聞で情報収集をする人物であるからだ。
まあ志郎もじっくり博士の顔を確認して初めて中野博士だと認識していたので難しいか…
ただ藤兵衛を擁護するとしたら今作は前作のようにホイホイと本部で保護ができなくなっているという事情もあるのかもしれない。
なぜならもし博士が変装したデストロンの手先、またはデストロンからの脱走者と偽って接触してきたとして、保護する際に本部のセキュリティ(ドアの解錠方法)が流出する危険性があるからだ。
だから安易に保護するとは言えなかったのかもしれませんね。
これは思わぬデメリットだ…
この事件を目撃後、スポーツショップに立ち寄った志郎だがスポーツショップ内は荒らされていた。
おそらくは博士がどこか外部に、特にライダー少年隊にデストロンの情報を流したのでは?という疑念からスポーツショップにその痕跡がないか調査しにきた際に荒らされたのだろう。
だがその痕跡である秘密文書は純子が伊豆の「海園ホテル」で合宿中の志郎のもとへ届けに向かっている最中だった…
志郎が思いのほか早く合宿を切り上げてきたので入れ違いになってしまった…
ということは!純子さんが危ない!かも?
そもそもどうして中野博士は志郎のことを知っていたのだろう?
志郎が殺害された博士を発見した時に「この人は確か…」と発言しているので面識はないようなのだ。
ではなぜ博士が一方的にしかもピンポイントで志郎を知り、助けを求めたのか?
志郎は城北大学の生化学研究室に在籍する優秀な研究者だ。だがアンチデストロンを謳う人物としてはV3を名乗らない限りそこまで有名ではない。
むしろ立花藤兵衛のほうが有名であろう。その藤兵衛に博士は詳しい素性や目的を明かさなかった。これはどういうことか?
考えられる理由はただ1つ。「志郎がデストロンの宿敵だったから」だろう。
博士はデストロンで改造人間の研究を強要される中で「改造人間研究の目的」を知ることになったのであろう。
当然、生み出す怪人の要件定義を聞いた上で研究をさせられていたはずだ。
つまり誰に対抗するためか。誰と比較してそれ以上のスペック、もしくは勝算がある怪人をつくるのかという目的を博士に伝える必要がある。
目的・対象を明かさないことにはデストロンでも秘密にしながら研究成果を出させることは難しいだろう。
Q.「なんのための手術?」、A.「打倒!仮面ライダーV3!風見志郎!」
この情報を聞けば博士は内心「ああ!そうか!もし隙を見て外部に助けを求めるなら風見志郎という人物を見つけてデストロンの情報を流せばいいのか!」と考えるだろう。
そしてそのためには志郎が所属する「少年仮面ライダー隊」にコンタクトを取る必要がある。
だが連絡手段はわからない。だからこそパトロール中のライダー少年隊に声をかけ志郎とコンタクトを取る方法を聞き出していたのだろう。
これが中野博士が志郎を一方的に知っていた理由だと考えられる。
恋の四角関係?「純子」ミーツ「ストーカー」ミーツ「デストロン」ミーツ「風見志郎」
1970年代でも緊急の際は電話、そしてライダー少年隊には無線という連絡手段も持ち合わせている。
では藤兵衛はなぜ中野博士から託された大事な文書を純子に届けさせたのか?
う~ん…わかるけどわからん!
まず理解できる点は電話や無線だとデストロンに通信を傍受される可能性があるためということ。これはわかる。
理解できないのは純子に届けさせたこと。
軽いお使いであれば純子でも良いのだが、防衛能力に乏しい純子にデストロンが狙う秘密文書の配達は荷が重い。
【仮面ライダー(初代)】93話「8人の仮面ライダー」を例に挙げるとゲルショッカーの秘密データを運ぶ際に「仮面ライダー2号」である「一文字隼人」が選ばれている。
つまり自分もデータも守れる人物でないとこういった役は危険を伴うし不適任なのだ。
純子はすでにデストロンに認知されているため、いっそのことライダー少年隊以外に運ばせたほうがまだマークされないまであるだろう。
まあそうは言いつつ無事に海園ホテル前まで到着する純子。
だがその目の前に純子を狙う人物が現れる!デストロンか!と思いきや一般男性。
一般男性が純子に何の用だ?純子をなぜ知っている?同級生?親戚?友達?風貌的に探偵か?
と考えていたら彼の正体が発覚。
彼の名は「黒田雄二」、「純子のストーカー」だ。
純子のストーカーだ…純子のストーカー…純子の…ストーカー…と一瞬脳内で反響するこのパワーワード…
純子にストーカーが!ああそう!なんか怖いけどデストロンじゃないだけで若干安心とまで感じてしまう私は仮面ライダー病だな…
本来は凄い怖いはず…しかも純子のストーカー=都内在住であろう輩が静岡県伊東市にいるとは…
あっそっか!それがストーカーか!
しかし、ストーカーにも体力がいるというか…
もしストーカー界隈で「俺○○ちゃんが生活圏内にいる時はいつも見守っているんだけど県外まで見守る体力はないわ」とかいうと体力があるストーカーからは「愛が足りない!」とか言われるのかな…
ストーカーと一緒ではないですが県外にアイドルや舞台の追っかけに行く人は体力あるな~といつも感心しますよね。
話しを戻します。
さすがは純子のストーカー。最近の純子はセントラルスポーツショップに出入りしてバイトしていること、そして黒田の認識では「オートバイに乗ってるイカツイ野郎と付き合っている」ということになっているようだ。
オートバイのイカツイ野郎=志郎のことだろう。
黒田がいつからストーカーなのかは不明だが、志郎と純子ってそんなに付き合っていそうな雰囲気あるかな?
むしろ志郎は近づかない、近づかせないようにしているから恋人認識はちょっと無理があるのでは?と考えられるが、確かに志郎のことに首を突っ込み居ても立っても居られない純子の様子を見たら2人の会話を聞こえずとも純子が志郎に積極的にアプローチしているようには見えなくもないか…
そして黒田は典型的な小学生男子の好きな子を困らせたい衝動が抑えきれず秘密文書が入ったラケットケースを純子から奪い去ろうとする。
その様子を見た何者かが「よせ!」と黒田を制止する。
もしかして志郎さんが助けに?と思いきやデストロン戦闘員…お前もある意味ストーカーじゃねえかと思いつつも結果、黒田の暴走はおさまった。
そういえばどうしてデストロンは博士から何も聞き出さずに殺したのに、博士が残した秘密文書の存在を知っていたのだろう?
文書の存在を知るためにはセントラルスポーツショップでの博士と藤兵衛の会話を聞いている必要がある。
もしかしてセントラルがライダー少年隊の拠点であることはデストロンも把握しているので事前に盗聴器を仕掛けていたのだろうか?
確かにセキュリティが厳しい本部内の会話を盗聴することは難しいが、店先の会話ぐらいなら盗聴できそうだ。
だから藤兵衛が目を離した隙に店内が荒らされていたり、純子がどこに文書を届けに行ったかも把握していたのだろう。
これから重要機密は店先で話さないほうがよいかもしれませんね。
だが今度はデストロンだ…
黒田はデストロンから純子を守ろうともせずにすぐさま逃げ隠れてしまう。
こりゃダメだ…見守る(執拗につける)だけだからストーカーなんて言われるんだ…
ここで純子を助けるために体を張れば少しは男が上がるのに…
だがデストロンが純子を連れ駐車場に移動するとその物陰から志郎が現れ戦闘員を撃退!
あ~あ…志郎の男がまた上がってしまった。もうわたくし素人目から見てもどっちが魅力的かすぐ分かってしまうほどの比較シーンだ…
子供向け番組にしてはストーカーの嫉妬描写が大人のドロドロした修羅場を予感させる。
駆けつけた志郎の後ろに隠れ抱きつく純子を見た黒田が嫉妬の表情を浮かべるのが妙にリアルなのだ。
この後デストロンにこの嫉妬心を利用されるから分かりやすくしたのかな?
V3の正体、正式にばれる
純子のもとに駆けつけた志郎が純子を逃がした後、怪人「ピッケルシャーク」がその姿を現す。
志郎は相手と距離を取りV3に変身する。だが物陰に隠れていた黒田に変身を目撃され正体がばれてしまう。
V3はなんとかピッケルシャークを退け純子の後を追う。
志郎と純子は崖の上から大海原に花を手向けて中野博士の死を弔う。
純子から受け取った文書を読んだ志郎は博士に打倒デストロンを誓う。
博士の文書には「今回のデストロンアジトの場所」が記されており、そこへ向かうため志郎は動き出す。
そんな死地に向かうことを許さない純子は志郎を止めるが志郎は「大丈夫だよ」と純子をなだめる。
だがそんなお熱いシーンに口笛という横やりが入る。そうストーカー黒田の登場だ。
黒田は純子に志郎がどういう人間…いや…どういう存在なのかを暴露する。
「風見志郎は改造人間、そして仮面ライダーV3である」
にわかに信じられない純子だが志郎の顔には分かりやすいほど動揺の色がうかがえる。
志郎の沈黙、すなわちそれが答えである。
志郎は純子に正体がばれてしまいなぜ動揺したのか?
純子は仮面ライダー1号の正体が本郷猛であることを知っている。
その純子が仮面ライダーV3の正体が志郎だからといって色眼鏡で見るとは思えない。
しかし、志郎はそれを恐れた。
前作のライダーたちの立ち振る舞いを参考にし正体を隠したい理由を考えると以下のことが挙げられる。
1.色眼鏡で見られる(これは1号、2号の活躍である程度解消済み)
2.正体が知り合いとわかれば余計危険に巻き込む可能性がある(もう遅い)
3.純子だからこそ知られて拒絶されることが怖い(前作の本郷猛と緑川ルリ子のような関係性)
個人的には3の説が有力なような気がします。
志郎は極端に自分から純子を遠ざけようとする。
もちろん純子を危険から遠ざけるためというのもあるが、それはライダー少年隊のみんなも同じはずだ。
純子だからこそ遠ざける理由、それは正体を知られた時に純子のほうから拒絶されることが怖いからではないだろうか?
だから自分が先に拒絶して遠ざけることで、もし正体がばれて純子に拒絶されても傷が浅くて済むという防衛本能がそうさせているのではないかと考えられる。
スナックのママみたいな人がいたら「あんた傷つきたくないからって自分が先に拒絶して保険かけとくなんて女々しいよ!」とか説教されそう…
まあまあ確かにね…「好きです!」って告白して拒否されたら「別にそんなに好きじゃなかったし!」と強がって傷を浅くするみたいな常とう手段ですけどね!
その場を無言で去る志郎、追いかける純子、それを追いかける黒田。
だが黒田の足元にはピッケルが突き立てられる。
3人の会話を聞いたデストロンは黒田の志郎に対する嫉妬心が使えると考え誘拐する。
そして黒田は首領が信頼するという「犬神博士」が担当することに。
なんか昔の漫画・アニメの悪の科学者、もしくは今で言うとオタク?玄人?ってみんな「あしたのジョー」の「丹下段平」みたいな風貌が多いように思いません?
目が据わっていて出っ歯、上唇の両脇に垂れた髭、そして口癖が「ヒヒヒヒヒ」みたいな不気味で引きつった笑い。
いわゆるマッドサイエンティストに多い感じですよね。
純子の心は動揺していた。だが志郎に対する想いは変わっていない。
むしろより一層…なんて言葉は志郎は許しちゃくれない。
今までの…常人だと思っていた志郎ならもっと止めていたかもしれない。
だけどV3と知った以上、彼が背負う宿命を覚悟を止めることができなかった。
正体を知っても色眼鏡で見ないと思っていた純子だが、もう純子には初めて出会った時の志郎は見えなくなってしまったように思う。
彼なら止めた、だけどV3をまとった今の彼は改造人間…危険とわかっていてもどこかで彼が、彼しかデストロンを倒せないと考えてしまう以上送り出すしかできない…
純子は志郎に帰るよう告げられ、ただ頷くしかできなかった…
1~10話まで視聴して何度か「いや…これ純子に正体ばれてるだろ!」という描写や「純子これ正体知っているからこそこういう発言している?」と感じさせるいわば「これどっち?」みたいなシーンが割と多いと感じていた。
だが今回このやり取りを見てやっと「純子は志郎の正体を今知ったんだ!」という確信に変わり、ちょっとスッキリした。
志郎はモーターボートに乗り大海原で繰りだし、純子は港をあとにする。
ただ送り出すことしかできなかった自身への無力感か、彼と同じ痛みを共有できない悲しみか、それともこれから志郎とどう接すれば良いのかわからないという戸惑いか、純子は酷く落ち込んでいるように見える。
そんな心に付け込むように純子の目の前に改造人間手術を受けた黒田が怪人「ドリルモグラ」として現れ、純子を誘拐する…
大海原のスリラー
モーターボートで大海原に飛び出しデストロンアジトへ向かう志郎。
だが突如モーターボートから異音が響き操縦が不安定となる。
次の瞬間!海面を蹴り上げジャンプしピッケルシャークが志郎を襲う。
その姿はさながら映画「ジョーズ」のようだ。
ちなみに原作は1974年の同名小説。V3の11話が1973年4月28日放送なのでちょっと先取り?
ピッケルシャークは志郎を海中に引きずり込み、そして引きずり回す。
未変身、そして水中で圧倒的有利を誇るピッケルシャークの為すがままに引きずり回される志郎だが、なんとかそれを振り払いV3に変身する。
ダブルタイフーンって水中でも(志郎の腰から下が水面に浸かっていても)変身できるんだ!
確かにベルトの風車が回りさえすれば変身の条件は満たすのかもしれない。
しかし、こうなると矛盾が生じるのでは?という疑問が湧いてくる。
果たしてV3の変身は風車が回ることでエネルギーが発生する「風力発電式の変身」なのか、もしくは風車が回ることで風をベルト内に取り込み「風をエネルギーに変換して変身する方式」なのか。
水中でも変身できるということであれば前者の「風力発電式」が妥当だろう。
なぜなら後者だと水中に浸かったベルトの風車がいくら回ろうと「風が取り込めない」つまりエネルギーに変換するための燃料がベルト内に吸収されないからだ。
そもそも燃料の「風」の定義がわからない。「風」は「空気の動き」である。
では「風」を「空気」のことと仮定して考えてみる。
確かに水中にも空気は存在するが、みなさんも知っている通り水中には人間が呼吸できるほどの空気はない。
となると常人以上に呼吸(エネルギーを取り込む)する必要がある変身のエネルギーを水中でまかなえるのか?というとそうは思えない。
いやいや!常人とは違い大きく呼吸(風車が激しく回る)することで水中の空気をかき集めているんだと言われても、変身ベルトが空気を取り込む肺だと仮定すると水中から空気を集めている内に浸水でパンクしてしまいます。
ですが公式設定で「風車によって風を吸収し、エナージコンバーターでエネルギーに変換」とある以上、公式通りに解釈するなら後者の「風を取り込み、それがエネルギーに変換され変身することができる」という方法を使い水中で変身していることになります。
何が言いたいかというと、「公式通りの設定であるならば仮面ライダーV3は水中で変身できないのでは?」ということが言いたいのです。
もしくは「水と空気が激しく混ざることで水に空気が溶け込む量が多くなる」ということを利用して、ダブルタイフーンの風車に水と空気をかきまわさせ、それにより水中に増加した空気を風車でかき集めることで変身に必要な量の風(空気)を吸収できているとか?
こうなってくると少し可能性が現実味を帯びてきますがこれ以上は専門家ではない私にはちょっとギブアップかも…
もうこれ言ったらおしまいですけど、そもそも志郎の腰から上、つまりベルト部分は海中に浸かっておらず普通に空気を取り込めて変身できたよ!とかですかね(ここまで考察してきたのにそれ!?(笑))。
それでも水中ではピッケルシャークの有利には変わりない。
だが幸いにも陸近くまで移動していたV3はピッケルシャークを抱え陸へ飛び移る。
これでなんとか五分五分に持ち込むが、ピッケルシャークは最初の戦闘でV3を苦しめた必殺技「ピッケルフラッシュ」を放つ。
しかし、同じ技は2度と通じないとV3は26の秘密の7つ目「V3バリヤー」を展開する。
「V3バリヤー」は特殊な装置によって表面に張られたバリアで電気を吸収することができる技だ。
1号、2号もある程度の電気耐性(5万ボルト)を持っているがV3は完全吸収とは!(自動でバリアが展開されないのは少し弱点?)
ということは「ピッケルフラッシュ」って電気だったんだ!
てっきりピッケルに光を反射しているから光線系だと思っていた…
ちょっと思ったけど前回登場したV3の26の秘密「レッドランプパワー」での反射じゃダメだったのかな?
レッドランプは熱線など光線限定反射で電気はダメか…
逆にV3バリヤーは光線を吸収できるのかな?
ピッケルシャークの必殺技を完全に封じたV3だが、なぜか再びピッケルシャークを抱えて海中に戻る。
最後のナレーション曰く「海中での持久戦に持ち込まれたV3」とピッケルシャークが海中に引き込んだような感じになっているが、海中に戻るシーンを見直しても明らかにV3が「とお!」という掛け声でピッケルシャークを海中に連れ込んでいるようにしか見えないのでなんか違和感…
だが確かにこのままではピッケルシャークが有利であることは明白。
この持久戦の行方、そして純子の運命やいかに!
ストーリーの転換点と考察
中野博士をライダー少年隊で保護しなかったこと
中野博士を保護せずとも結果的にデストロンの秘密は博士が残した文書で志郎に伝えることができた。
だが本当に結果オーライだろうか?デストロンの秘密と言っても緊急でこしらえた文書のためアジトの場所しか記されていない。
もし中野博士を保護していたら、例えば「デストロンの企み・技術・組織構成」などもっと詳細な情報を得ることができた可能性がある。
セキュリティ面で本部で保護することをためらったのだろうが少しもったいなかったように思う。
純子を1人で帰したこと
黒田がドリルモグラになって純子を襲ったのは予想外だったが、少なくとも純子は黒田にストーカーされていたのだから志郎は本部まで送り届けても良かったかも?
まあデストロンがアジトを放棄する前に1秒でも早くアジトに向かい叩く必要があるだろうし、秘密文書は自身(志郎)の手に渡り、文書を持たない純子は狙われないだろうと判断してしまったのだろう。
内心志郎は「面倒事に巻き込まれるからおやっさんも危険な役目を純子さんに頼むなよ…」とか思ってそう(笑)
注目の特撮表現
ライダー少年隊本部の2重扉仕掛け表現
ライダー少年隊本部に入るにはセントラルスポーツショップの奥にある仕掛けを解錠しなければならない。
【仮面ライダー(初代)】3話「怪人さそり男」で紹介した時はライダー少年隊ペンダントの裏面(鏡面)に光を反射させ、特定のボーリングボールに当てることでボールが反応し扉が開くという仕掛けになっていた。
だが今回このセキュリティが2重であることが判明(もしくは後付けで2重にした?)。
最初の扉を解錠した後、開いた扉の内側面に赤青黄色のボタンがあり、青→赤→黄色の順で押したままにする。
するともう1つの扉が解錠され本部に入ることができるという仕掛けになっている。
大変素晴らしい仕掛けなのだが、3色のボタンは少し高い位置にあるので少年隊員たちは押せるのか?と少し疑問に思う。
ピッケルシャークの必殺技「ピッケルフラッシュ」の表現
ピッケルシャークのピッケル腕のブレード部分を相手(V3)に向け、光を反射させることで「ピッケルフラッシュ」を表現している。
新技「V3バリヤー」表現
黒い背景に立つV3の後ろにV3のシルエットにそって白い毛皮を配置。
そして毛皮の後ろからライトを点滅させることでV3の周りにオーラ(バリア)が放たれているように見えるようになる。
海中戦闘表現
モーターボートでデストロンアジトへ向かう志郎をピッケルシャークは海中に引きずり込み、海上を引きずり回す。
その引きずり回すスピードが速い。
このスピードはピッケルシャークをモーターボートなどに繋いで引っ張ることで表現しているのではないかと考えられる。
そして引っ張られるピッケルシャークに志郎が掴まることで、もみ合いながらもピッケルシャークの力泳に負けて引きずり回される志郎の姿を表現している。
特撮満足度(★で5段階評価)
特撮満足度
アクション:★★★☆☆
猛烈度:★★★★★
敵の強さ:★★★☆☆
ロケーション:★★★★☆
仕掛け:★★☆☆☆
第11話の名言・迷言・珍言・失言
デストロン首領「犬神博士!私はお前を信頼している!」
おお!首領って他人を信頼とかするんだ!
いや…逆に言えば最大多数は信頼していないとも言える。
前作、【仮面ライダー(初代)】97話「本郷猛 変身不可能!!」に登場し、その後特に死亡表現もなく消息不明な偉大な博士「ディー博士」はどうした!
あの人は失敗はおろか成果しかあげてないのだから個人的には信頼度抜群なんだが!?
珠純子「私…あなたが例えV3だったとしても…ううん…それなら尚更あなたに…」
「純子さん!」と志郎にそれ以上の発言を制止される純子だが一体なんと言おうとしたのか。
続けて志郎が「俺の目的はただ1つ…デストロンを倒し、世の中に平和を取り戻すこと…それだけだ…」という発言している。これが純子への回答だとすると純子の発言の続きは
「尚更あなたに…」
「死んでほしくない」、「行ってほしくない(アジトに)」、「危険な目にあってほしくない」といった辺りだろう。
でもそうだとしたら「V3だからこそ尚更、危険な目にあってほしくない」とはどういった心情なのだろう…むしろV3だからこそ常人よりかは安全という考えもできるだろう。
でないとすれば「なんであんたがやらなきゃいけないの?(危険な任務)他の人じゃダメなの?」と戦場に夫を奪われる嫁の心情か?
V3だからこそ危険な場所・任務に立ち向かうことができるというプラスの考えもある。
だが純子からすればV3だからこそ志郎の意思とは関係なく危険な使命を背負っている、背負わされているのでは?という考えも頭をよぎり死地へ向かう志郎を止めたのかもしれない。
もちろん純子個人の想いもあるだろう。
だが志郎が自らの意志で平和のために打倒デストロンを掲げていると知った以上、今の純子に志郎を止める言葉は見つからない…
ロケ地(執筆者の調べ)
・「海園ホテル(静岡県伊東市)」
次回予告より(第12話「純子が怪人の花嫁に!?」)
次回のデストロンからの刺客は続けて怪人「ピッケルシャーク」と怪人「ドリルモグラ」が登場。
ピッケルシャークは海という圧倒的なアドバンテージでV3に決定打を打たせない攻防を見せる。
このまま持久戦となるとV3のスタミナがジリ貧となり敗北してしまう!
そしてなんと純子が怪人の花嫁に!?
純子のストーカー「黒田雄二」は「ドリルモグラ」となり、デストロンの技術で純子を洗脳?して自身の欲望を満たそうと企んでいるようだ。
恋の三角関係みたいな甘い展開を期待したが何だかどす黒いものがうごめく展開に…
ドリルモグラと純子の結婚式に志郎がちょっと待ったをかけるのか!
感想・まとめ
ついに仮面ライダーV3の正体が明かされる!
…と言っても視聴者にとっては今更感がある展開ではあるが、こんなにも早い段階で作中の一般人に正体がばれるのは驚きの展開だ。
一般人にばれるとどうなるか?
世間からの注目が風見志郎に集まりとても打倒デストロンどころではなくなるだろう。
それでなくてもSFやオカルトブームの70年代でメディアがこのスクープを放っておくわけがない。
だが幸いにも?正体がばれた一般人(黒田)はストーカーであり、怪人「ドリルモグラ」となったので遠慮なく撃破し、もみ消しちゃおう!(一応は一般人なのでちょっとは助けないと薄情かな?)
問題は純子だが、案外正体がばれて良かったかもしれない。
今までは志郎を常人だと思っていたから危険に立ち向かうことを止めていたけど、V3だとわかればなぜ志郎が危険を冒しているのか理解できるはず。
これからは純子の聞き分けが良くなるかも?だがまずは純子を助けないことにはそのこれからもない…
個人的に次回は純子を救出できた後、つまりこれからの純子の心情がどう変化するのか、もしくは変化しないのか気になるところだ。
今回判明したこと
・ライダー少年隊本部に入るには2重のセキュリティを解除する必要がある(当初は1つだけしか紹介されなかった)
・純子は「黒田雄二」によるストーカー被害にあっている
・一般人(ストーカー)から見た志郎の印象は「バイクに乗った、いかつい野郎」
・純子に志郎がV3であることがバレる
・デストロン科学陣には首領が信頼する「犬神博士」という科学者がいる
・水中でもダブルタイフーンでV3に変身することができる
・V3の26の秘密の7つ目「V3バリヤー」は電気を吸収することができる