本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。
第34話「日本危うし!ガマギラーの侵入」感想・考察
遂に現る!仮面ライダー・ショッカーを知る一般人とショッカー首領の目撃者
「折口犯罪研究所」を構える「折口清張」は娘の「折口ルミ子」と誰かを待っていた。
その人物は「一文字隼人」。清張は一文字のことを仮面ライダーと見抜いており、協力を要請する。
なぜ研究所周辺を通るとわかったのかは不明だがそれは彼の職業に関係があるようだ。
清張は研究所の名前通り「犯罪研究家」でありショッカーの存在、悪事も認識している。
清張の調べは一文字や滝より進んでおりショッカーのありとあらゆる悪事の証拠を握っていた。
そして今回ショッカー新たなの企みがわかったというのだ。
ショッカーの目的は日本を核爆弾で分断しそのすきに日本を征服すること。
そのために日本で一番弱く、東西で地質が異なる「黒部峡谷」の周辺で核爆発を起こして日本を真っ二つに割ってしまおうという大規模な計画だ。
そもそも黒部峡谷は本当に日本で一番弱い場所なのだろうか?
・日本を文字通りに丁度半分にできる地点だから設定上そうなった。
・1956年実際の「黒部ダム」の工事にさいし掘削工事で破砕帯と呼ばれる、岩盤の中で岩が砂のように細かく割れ、地下水を溜め込んだ軟弱な地層が出て工事が難航した背景があるから?この難航した黒部ダム工事をもとに「黒部の太陽」という作品が小説化、映像化されたほど。
このように1971年当時には黒部ダムの工事は有名な話しだったようなので、それをもとにしたのではとも考えられる。
そしてこの計画が判明した経緯が凄いのだ。
この「日本列島分断計画」の概要には証人がおり、ショッカー本国にいるショッカー首領の口から生で聞いたものだというのだ。
その証人とはアンデスの山中でショッカーに襲われた4人の探検家の生き残りで「門前絹子」という女性だ。
しかし、絹子はそのショックで目撃した情報が曖昧になっていた。
そこで清張は絹子に「脳波スクリーン」なる機械を装着させ記憶を映像化することを試みる。
・アンデスの山中の洞窟にショッカーの本部があること。
・1971年10月10日の午後3時に東京の秘密飛行場に核爆弾を輸送すること。
・ショッカー首領の姿は丸い頭部にマントを着ていること。
残念ながらショッカー首領の姿は判明する前に脳波スクリーンが故障してしまったがかなり重要な証拠を手に入れた。
人間の脳を倒す恐ろしい神経ガス
今回登場する怪人「ガマギラー」はカエルのような俊敏さジャンプ力を見せるが戦闘能力事態それほど高くなく、敵前逃亡の末幹部と一緒に乗りこんだプロペラ機もろとも爆死した。
そんなガマギラーの本当の恐ろしさは「神経ガス」にある。
頭の角から噴射する神経ガスを実験用囚人に当てると幻覚を見たり快楽を感じすぎているように行動、言動がおかしくなり呂律はまわらなくなりその後絶命する。
これと同じガスを清張に当てることでショッカーに関する記憶は全て消し、存在の認知すら曖昧にさせた。
さらに清張の集めたおそらくはNO.102以上はあるであろう膨大なショッカーの情報を焼かれてしまう。
せっかくの証人だが幸いにもショッカーに関する記憶が消えているだけで他の後遺症はない。
ショッカーのことなど忘れ、ルミ子と幸せに暮らしてほしい。
それにしても折口犯罪研究所はバーリアなどの警備システムを持ちながらなぜガマギラーの侵入を許したのか。
・バーリア破壊爆弾を使った(だが爆弾を勢い良くぶつける必要がある)
・バーリアの外に出たルミ子を誘拐して生体データを取り、そのデータで侵入した(折口犯罪研究所は清張の許可なしでは入れないため何かしらの生体データをもとにバーリア侵入の許可を出している可能性がある)
・脳波スクリーンがショートしたと同時に侵入警報が鳴ったので電気系統を破壊してバーリアを解除した
破壊爆弾使用や電気系統の破壊なら前々から誘拐を目論んでいて周辺に潜んでいたのだからすぐに実行できたはず。
状況が変わったのは偶然バトミントンのシャトルを取りにバーリアの外に出てしまったルミ子を誘拐してからだ。
誘拐されたルミ子は地下牢に閉じ込められそうになる前に一度手術台で何かされているようで手術台の上の機械が上がっていく描写がある。
改造手術を受けたわけではないので、もしかしたらそのタイミングで機械を使いルミ子の身体情報をスキャンしてそのデータを使い侵入したのではないだろうか。
しかし、それもよくよく考えるとおかしい…ルミ子のデータで侵入したなら警報が鳴るのはおかしい。
もしかしたらバーリアは通過できても顔認証のようなシステムには引っかかって警報が鳴ったのかもしれない。確かに門で怪しい客は写真で記録される機能があるしきっとそれだ!
アイスクリーム戦争
マリ、ユリ、ひろみはアイスクリームを買ってくる。
おそらく水玉が上下に配列したパッケージと時代的に「明治アイスクリームデラックス」だと思われる。普通の「明治アイスクリーム」がある中で「デラックス」を買ってきたあたり奮発して大容量を食べちゃおうのノリだったのだろう。
お姉さん方は五郎がいると分かっていればいつもアイスを買ってきてくれるようだが、五郎がいることを知らずに3人分のみしかないようだ。
五郎は大きくなったから譲らんでいいだろ?とちょっと意地悪する3人。
五郎はいいんだと言いつつ捕まえてきたカエルを3人に見せびらかして怖がらせ部屋から追い出したすきにちゃっかりアイスクリームを頂く。
それを聞きつけた藤兵衛、滝も五郎に便乗してアイスを平らげてしまう。
食い物の恨みは恐ろしい…特に女性から甘いものをかっさらうのは一生恨まれそうだ…
事件後、ガマギラーのこともありカエルを手放す五郎。
これで安心してアイスを食べられると安心するマリとユリの態度に釈然としない五郎はまたアイスクリームを奪うため、滝とともにカエル探しに出かける。
滝兄ちゃんノリがいいけどFBIの給料でなんぼでも買えるだろ?でもおてんば娘を驚かして奪い取ったアイスはさぞうまかろうなぁ~
ショッカーの本国判明か?
ショッカーの本国はアンデス山脈のどこかの洞窟であることが判明する。
しかし、アンデス山脈は南アメリカの西側7500キロメートル、幅750キロメートルと7か国もまたぐほど広大で絹子が山脈のどこにいたかで全然違う国に本部があることになる。
ベネズエラ、コロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア、アルゼンチン、チリ
もしショッカーが世界征服の本部は世界一の山と見栄で選んでいるのであればアンデス山脈最高峰の山「アコンカグア」を本国としていることになる。その場合はチリ。
もしくは1969年に国有化されチリの経済の柱となっていた「チュキカマタ銅山」の「銅」を資金源に暗躍しているとか。
南アメリカ大陸というところまでは絞れたがショッカー首領の正体、そしてなぜそこが本国なのかも含めてまだまだ謎が多い。
本国の使者撃破!
日本分断作戦の要である核爆弾を本国から運ぶ幹部。
幹部の服装はゾル大佐と同じ軍服なので大佐クラスでショッカーの中でもかなり高い階級に位置すると思われる。
そんな大幹部をガマギラーごと撃破できたのはかなり大きい。
知らなくても良いことがある
結局、清張の告発文書をガマギラーに焼かれてしまい、さらには神経ガスを吸わされた清張はショッカーに関する全ての記憶を失ってしまう。
そして絹子も脳波スクリーンの負荷かもしくはショートして壊れてしまった衝撃でショッカーの記憶が完全に消えてしまう。
重要な証人だっただけに残念だ。
しかしながら一文字はそれで良いと言っている。
ショッカーの悪事に立ち向かうのは一般人には荷が重すぎる。
そんなもの忘れたほうがいい。
一文字の優しさからくる発言だろうが、やはり一文字1人で抱え込むにも荷が重すぎる。
立花レーシングクラブの仲間がいてこその今までの勝利であることは一文字自身が一番理解しているだろう。
だからこそ味方は多い方が良いのだが守らなければならない数も増えるということ。
一文字1人では守り切れないためしばらくは少数精鋭で良いのかもしれない。
ストーリーの転換点と考察
今回はある意味ショッカーの勝ち
「日本列島分断計画」はなんとか阻止できたが今後の抑止となったであろう「ショッカーの悪事を世界中に暴露する」というショッカー壊滅に追い込めた、もしくは世界中でショッカー対策に力を入れ弱体化させるきっかけになったかもしれない計画を阻止されてしまった。
今回は記憶に作用する神経ガスを使い清張のショッカーに関する情報を消し、そして犯罪調査資料を焼き証拠を消したガマギラーはショッカー史上最高の仕事をしたと言えるだろう。
もしショッカーが世界征服を成し遂げた日にはガマギラーの名を歴史に刻むべきだ!
もしルミ子の誘拐がきっかけであれば…
今回の感想で考察した清張の娘ルミ子を誘拐することで研究所に侵入するきっかけを与えてしまったのではないかということ。
仮に考察した通りであれば誘拐される出来事、もっと言えばルミ子と遊ぶお手伝いさんがバトミントンのシャトルをバーリア外に出さなければ、ルミ子が外に探しにいかなければ資料も失わず違う結果になったかもしれない。
だがここで終わってしまったら新聞のテレビ欄に「仮面ライダー34話(終)」と記載されることになり人気絶頂の中、全国のちびっ子たちが泣いてしまっていただろう。
今回の特撮表現の面白さ
ガマギラー神経ガス表現
赤い液体を霧状に噴射して表現している。
ガマギラーの軽快なバックジャンプ
ジャンプして前進している映像を逆再生しているのではないだろうか。
ショッカーアジト入口表現
浮き輪の上に円柱型の試着室みたいなものを乗せUFO型にして池に浮かべている。
そこへ怪人、戦闘員が出入し、その物体がモータで動き池の中のアジトへ行き来しているようだ。
この行き来の表現を円柱型のものを沈め下からモーターか何かでブクブクさせることで表現している。
最初に円柱型の出入口を見た時は滝が戦闘員に変装した直後だったので本当にテレビのバラエティーなどで登場する試着室に見えました。
折口犯罪研究所のトラップハウス表現
清張の研究所にはショッカーや侵入者対策として様々なトラップが仕掛けられている。
・バーリア(戦闘員が柵に手をかけると煙が出て電流が流れているような表現をしている)
・なぜかショッカーマークのような鷲の像(カメラ・撮影・来客対応自動音声機能付き)
・どこかの民族の顔をかたどった壁掛け像の口から火炎放射
・小型ミサイル(屋内で(おそらくロケット花火))
13話「トカゲロンと怪人大軍団」の原子力研究所でもバーリアがショッカーの侵入をはばんでいたが個人レベルの研究所でこの仕組みを揃えているとは…
清張は犯罪研究家であると同時にこれらの仕掛けや人間の脳波を映像化できる装置までつくっている。
かなり天才的な頭脳で資産家なのではないだろうか?
プロペラ機表現
今回、秘密飛行場の降り立ったプロペラ機。
飛行機が飛ぶシーンと仮面ライダーに破壊されるシーンは模型で表現。
着陸時、飛び立つまでの助走シーンやそれを仮面ライダーがサイクロン号で追いかけるシーンは実写のためかなり迫力がある。
プロペラ機目線から仮面ライダーがバイクで追いかけてくるシーンもあり疾走感抜群。
プロペラ機いくらでチャーターしたんだろう?
しかし仮面ライダーはよく飛び立った飛行機にジャンプして届いたな…
早くしないとジャンプが届かないほどの高度に逃げられるし、ジャンプのタイミングが合わないと動く飛行機をとらえることは難しいだろうし…
特撮満足度(★で5段階評価)
アクション:★★★☆☆
高所:★★☆☆☆
火力:★★☆☆☆
水場:★★☆☆☆
仕掛け:★★★★☆
ロケ地(執筆者の調べ)
・不明
次回予告より(第35話「殺人女王蟻アリキメデス」)
次回のショッカーからの刺客は「怪人アリキメデス」。
アリの特性を持つ怪人。
「キメデス」と語尾に付くのは古代の天才科学者「アルキメデス」からきているのだろうか。
アルキメデスを冠した名前なのであれば頭脳派の強敵なのか!?
アリキメデスはアリの特性として「蟻酸攻撃」を持っているようだ。
蟻酸を吸い過ぎると「肺水腫」になる可能性があるそうだ。つまりは肺に水がたまり、低酸素状態や呼吸困難になる恐れがあるという。
人間サイズのアリキメデスが吐く蟻酸となると大変危険なのは間違いないだろう。
仮面ライダーや滝が卵のようなものを抱えていたがあれはなんだろう。
5話「怪人かまきり男」の「カマキリの卵」のように爆弾なのか21話「ドクガンダー 大阪城の対決!」の蚕の繭のようにアリキメデスを複数体つくるための卵なのだろうか。
アリの天敵シリーズからアリ本人が怪人となった次回。女王アリなので複数個体を率いる可能性は大いにあるな!
まとめ
・一文字の正体を知る一般人がいる(今回登場した折口清張は記憶を失ってしまった)
・マリ、ユリ、ひろみはカエルが苦手
・立花レーシングクラブメンバーお気に入りのアイスクリームは「明治アイスクリームデラックス」
・ショッカーの本部はアンデス山脈にあり、ショッカー首領もそこにいる