【仮面ライダーV3】2話「ダブルライダーの遺言状」感想・レビュー・考察(ネタバレ有) 正義が勝つとは限らない…だが正義は不滅だ!

ネタバレがあります。
本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。

あらすじ

ダブルライダーによる改造手術が成功して誕生した仮面ライダーV3。

V3が駆けつけたことでカメバズーカとの戦闘に集中できるようになったダブルライダーはV3にライダー少年隊本部の防衛を託す。

そしてV3は怪人「カメバズーカ」のバズーカ砲の衝撃で崩落寸前の本部を守るため専用マシン「ハリケーン」に乗り本部へ急ぐ。

本部は地震の衝撃により地面に沈み藤兵衛は本部ごと地中に閉じ込められてしまう。

そこへ怪人「ハサミジャガー」が地中に沈んだ本部を襲撃。

藤兵衛に止めを刺そうとにじり寄るがV3が駆けつけ窮地を脱する。

新たな合成対象は「機械」

ショッカー怪人が「生物の特性を人間に付与した怪人」、ゲルショッカー怪人が「2つの生物の特性を人間に付与した合成怪人」というようにデストロンも特有の怪人を生み出していた。

その名も「機械合成怪人」。これは「生物と機械の特性を人間に付与」した新怪人だ。

前作は大自然の力を怪人へと昇華していたが今作からは人工的なものである機械を怪人の力として昇華している。

人類史で生み出された発明の数々をデストロンは怪人・兵器技術に転用し悪用しているようだ。

前作は人類の環境破壊問題をテーマとして組み込みそのしっぺ返しとして大自然が猛威をふるうといった構図のようでしたが、今作は人類の営みをより良いものにする発明が悪用されるという構図になっているように思う。

怪人「カメバズーカ」は「バズーカ砲」、怪人「ハサミジャガー」は「ハサミ」と身の回り(バズーカ砲は身の回りでもないけど…)のものが怪人の特性となっている。

機械合成怪人はポケモンに出てきそうな発想でカメバズーカは「カメックス」、ハサミジャガーは「ストライク」とかに似ていますね…

機械が加わることで前作と比べて見た目もガッチリしており強そうな怪人ばかりだ。

前作の怪人も生物界の恐ろしさという意味で怖いのですが、今作は分かりやすく怪人に兵器が装備されているのでまた違った怖さがある。

生物対生物だと仮面ライダーの知恵と力で乗り越えてきたが兵器を装備した怪人には少し分が悪いようでダブルライダーもカメバズーカに苦戦を強いられる。

特撮ユートピア

後述しますが、ダブルライダーはデストロン怪人の特性を知ってか知らずか結果的に仮面ライダーV3は機械アイテムを内蔵されることで機械合成怪人に対抗できる改造人間として生み出されたということになる。

前回の地震の意味

前回、ライダー少年隊本部がカメバズーカのバズーカ砲の衝撃で揺れていたシーンがある。

あの演出はバズーカ砲の強力さを表現するためのものだと思っていたがどうやらカメバズーカが計画的に行った事のようだ。

カメバズーカが本部を狙っていた証拠として「少年ライダー隊の本部は立花藤兵衛とともに地の底だ!」と発言していることから本部崩落は計画的であったと言える。

前回デストロン首領もダブルライダーに改造人間分解光線を照射しながら「同時に立花藤兵衛も後を追う」と発言している。

この発言はダブルライダーを始末した後に藤兵衛を始末するつもりという発言だ。

当初はおそらくバズーカ砲で本部を破壊するつもりでカメバズーカは待機していたが、ダブルライダーに改造人間分解光線を破壊された上にアジトで改造手術を行っていると勘づいた首領が急遽カメバズーカの攻撃目標をアジトに移したのだろう。

つまりアジト破壊後、本部を狙われると感じたダブルライダーは本部にバズーカ砲が向かないようにカメバズーカの攻撃を引き付けていたのだろう。

特撮ユートピア

前回は本部が揺れただけにとどまったが、まさか今回続きのシーンがあり、本部がグリグリと地中に沈んでいくとは思わなかった…

思い出の本部が沈んだため今後のライダー少年隊はどうなってしまうのか!?

ダブルライダーがカメバズーカの相手をしている間にV3は本部を襲うハサミジャガーから藤兵衛を救出。

戦闘員も駆けつけて乱戦状態に。

そんな中、志郎は1人の戦闘員を捕まえて尋問をする。

特撮ユートピア

今作のデストロン戦闘員は不思議なフォーメーションを見せる。

それが組体操の「肩のせ」だ。

戦闘員の肩の上に別の戦闘員が足を乗せて立っている。

これはなんのフォーメーションなんだ!?

あれか…動物同士で威嚇し合う時に少しでも相手より大きく見せるために毛を逆立てるみたいな?

だが口封じのため戦闘員はハサミジャガーに始末されてしまう。

特撮ユートピア

あれ?秘密を守るために猛たちの前で戦闘員は自爆したのに志郎が尋問した戦闘員は自爆せんの?

ハサミジャガーを追う志郎だが草むらに入ったところで姿を見失う。

その代わりにハサミジャガーに襲われ負傷した神父を助けることになる。

奴はどこへ消えた…

家族への謝罪と誓い

家族の墓の前でたたずむ志郎。

一瞬で自分以外の家族を失ってしまったためお墓も簡素で「木碑もくひ」となっている。

デストロンを打ち倒し平和になった時、あらためて「墓石」に埋葬してあげたい。

「昭和48年(1973年)2月10日」は志郎にとって家族の命日となってしまう。

志郎は両親に貰った身体を傷つけ改造人間となったことを謝罪。

しかし、V3の力を正義と平和、世のため人のために使うことを誓う。

あれほど激情し人であることを捨てる覚悟を持ち、結果的に改造人間となった志郎だがその心根は家族への感謝と思いやりに溢れる立派な青年だ。

そこへ純子が風見家のお墓に花を手向けるために訪れる。

彼女を危険な目にあわせたくない志郎は純子を自分から遠ざけようとするが無関係ではいられないと純子は志郎を手伝いたいと申し出る。

だが志郎は純子のためだと突き放す。

志郎の予想は的中し純子が1人になったところを狙ってハサミジャガーの襲撃を受ける。

特撮ユートピア

少し不思議に思ったのが志郎の態度に対して純子が「まるで人が変わってしまったみたい」と発言したこと。

出会って1日しか経っていないのに俺が変わったとなぜ分かる!と志郎に言われそうな発言だ。

だが、純子はV3が志郎であることを知らないものの何かと戦っていることを察知していることから非常に感受性が強く、純子の感性的には最初に出会った志郎と今の志郎の変貌ぶりが一目瞭然だったのかもしれない。

純子は前作の「緑川ルリ子」のように主人公を支えるキャラクターとしてレギュラー出演するヒロインになりそうだ。

仮面ライダーV3のチュートリアル

ハサミジャガーに誘拐されそうになる純子の前に「だから言わんこっちゃない」というような感じで現れた志郎は純子を逃がした後V3に変身する。

だが自身もまだ把握していないV3の力に戸惑いを隠せない。

そこでチュートリアル開始!

これはダブルライダーも持つ能力なのだが、V3は仮面ライダー同士であればどんなに離れていても通信することができる。

この能力を利用して猛と一文字は志郎にアドバイスを送る。

ハサミジャガーと戦闘員を前に先輩ライダーから「右に30度飛べ!」、「そこでキックだ!」、「反転しろ!」、「パンチ!」など具体的な指示が飛ぶ。

そして「投げろ!」とは言われていないがハサミジャガーを崖下に投げ落とし撃破…かに思えたがさすがは機械合成怪人で頑丈だ。車で逃走されてしまう。

だがそんな時はこれ!と言わんばかりに「腰のV3ホッパーを使え」という指示が飛ぶ。

V3の腰には仮面ライダー1号、2号にはない筒状のアイテム「V3ホッパー」が装着されている。

その筒の中身を空めがけて発射するとアイテムが展開。タケコプターのような形状となりホバーする。

V3ホッパーはカメラが内蔵されており、「500m上空から10㎞四方を映し出しV3のアンテナに映像を送る」という優れもの。

V3ホッパーはどうやら衛星のような索敵アイテムのようだ。

特撮ユートピア

ここまで具体的な指示だと本当にゲームのチュートリアルみたいだ。

十字キーで移動、キックはK、パンチはP、特殊アイテム使用はXというようなチュートリアルが頭をめぐる…

ダブルライダーの先輩方は前例がない初ライダーだったのでチュートリアル無しの手探りだったがその経験のおかげで後輩ライダーにはチュートリアルを提供できる…受け継ぐってこういうことよね!

V3ホッパーで索敵したV3はハリケーンを走らせ追跡するが追いついた時には車は空。

途方に暮れるV3…だが偶然なのか目の前には序盤で助けた神父がいる教会があった。

この教会に逃げ込んだ可能性があると考えた志郎は教会へ潜入する。

志郎は助けた神父を見つけて後をつけると神父は地下に降りていく。

そこには教会の地下とは思えない奇妙な地下道が広がっていた。

どこまでも続く地下道を延々と奥へ進む神父。

それもそのはず。神父は志郎を足止めするためにわざと目立つ行動をし地下道まで誘いこんだのだ。

神父の正体はハサミジャガー!そうだろうね!だけど良いの?と思ったがハサミジャガーにとって正体を明かすこと自体はそれほど重要ではなかったようだ。

今回デストロンは「東京都全滅作戦」を企んでいた。

作戦概要はこうだ…

東京都全滅作戦概要

・原子爆弾を東京の地下で爆発させる

・原子爆弾は時限式でカメバズーカに内蔵されている

・爆発予定地は新宿副都心

ハサミジャガーいわく今から教会を出発しても副都心で行われる作戦に間に合わないとふんで志郎にネタ晴らしをしたようだ。

特撮ユートピア

V3専用マシン「ハリケーン」は最高速度時速600㎞で空も飛べる。

そのため障害物のない空から直線距離で目的地に向かえるのだが、そんなハリケーンでも間に合わない距離って一体志郎はどこにいるんだ?

だが志郎はそんなハサミジャガーをあざ笑う…なぜなら志郎が間に合わなくとも新宿副都心に急行できる距離にいた1号と2号が今の会話を志郎の電子頭脳を通してキャッチしたからだ。

デストロンになってもゲルショッカー特有の慢心は伝統として脈々と受け継がれているようだ…

やはり詰めが甘い!

後継者に託し全てをかけるダブルライダー

志郎の通信で「東京都全滅作戦」の概要を掴んだ1号と2号は現場へ急行し爆発作戦予定地の見張りを撃破。

これにはカメバズーカも倒れている戦闘員に「おい!…あら!?」とかわいい反応を見せる。

カメバズーカを捕捉することには成功するがバズーカ砲で全く距離を詰めるができないまま時間だけが過ぎる。

特撮ユートピア

前回から少し分かりにくいと思ったのがダブルライダーとカメバズーカの実力差だ。

カメバズーカ自身はダブルライダーに「馬鹿め!貴様ら2人では俺に刃が立たんのを忘れたのか!」と豪語している。

確かに前回も今回もダブルライダーはカメバズーカに手も足も出なかった。

だがそれはあくまでバズーカ砲の爆発範囲が広いために懐に近づけない、つまり近接戦に持ち込めないためではないだろうか。

実際にカメバズーカとの近接戦闘描写はなくどちらが強いかと問われれば答えを出すのは難しいだろう。

後述するがダブルライダーがカメバズーカに唯一近接で攻撃を行った描写はカメバズーカとともに自爆を選んだダブルライダーがカメバズーカの動きを止め海に運ぼうとした際にライダーダブルパンチを1発お見舞いした程度でカメバズーカ自身は近接攻撃を全く行っていない。

そもそも体内に原子爆弾があるのにライダーダブルパンチは怖い…

また前回に関しては本部にいる藤兵衛から注意を逸らすため立ち回ったり、改造手術で志郎に全開でエネルギーを注入したためカメバズーカがアジトを爆撃した直後はエネルギーが枯渇しており上手く力が発揮できていなかったのかもしれない。

そのためダブルライダーがカメバズーカに刃が立たないというのはカメバズーカの慢心であり、ダブルライダーはこんなもんじゃないと私は信じている!

しかし、2人がかりなのに苦戦したのも事実…

負けてないもん!僕らの仮面ライダーは負けないもん!

原子爆弾爆発まで残り1分というところでダブルライダーは決意する。

「私たちに良い後継者ができた…」

そう…ダブルライダーはV3という後継者ができたことで後を任せられると判断し自らを犠牲にしてカメバズーカもろとも自爆することを決意したのだ…

ダブルライダーがお互いの腕をクロスさせパワーを全開にすると何やら光の輪が出現しカメバズーカを包む。

その光はカメバズーカを行動不能にする。

エネルギー全開にした時、ダブルライダーの力を合わせるとなぜ相手を行動不能にできるのかは不明。

だが一応「劇場版 仮面ライダー対ショッカー」で1号が念動力を披露しているのでそれの凄い版で動きを封じているのではないかと推測できる。

だが念動力は劇場版限定でテレビ版では全く出てこないので仮面ライダーの技としてはいまいちピンとこない技だ。

カメバズーカの動きを封じたダブルライダーはカメバズーカを抱え太平洋に向かって一気にジャンプする。

特撮ユートピア

残り1分…ここから日本に原子爆弾の被害が及ばない範囲までカメバズーカを運ぶ必要がある。

新宿副都心から近い海は「東京湾」か「相模湾」。

だがそこは東京・千葉・神奈川など陸に近いため非常に危険だ。

そうなると近場の海は千葉方面の太平洋ということになる。

ここでダブルライダーが選んだ運搬方法がエネルギー全開にしたライダーダブルジャンプ。

このジャンプのみで太平洋まで1分以内に運ぶことの凄さは仮面ライダー1号、2号の能力を把握している方ならご理解いたたけると思う。

仮面ライダーは通常(新1号、2号の状態)一跳び25mしかジャンプできない。

仮に漫画的設定としてダブルライダーでジャンプすることでジャンプ力が足し算されるとしても50mしか跳べない。

だが新宿副都心から太平洋の海までの最短距離は直線距離で約100㎞もある。

しかも原子爆弾の被害範囲である1.5㎞を考慮すると海岸からもう少し奥まで運ぶ必要がある。

石ノ森章太郎の漫画版仮面ライダーだと飛行するアイテムを装着しているのでとにかく速く飛べば良いという結論になるがテレビ版はそうもいかない。

映像でダブルライダーはカメバズーカを抱えてほぼ垂直にジャンプしている。

このジャンプを打出角度80度と仮定して1分以内に100㎞先にある太平洋にたどり着くにはどのくらいの速さが必要か。

ざっくり計算だと初速度約3.5万㎞/h必要になる。これは光の速さ30万km/hの1/10の速さだ。

この速さはロケットを人工衛星の軌道上にのせるために必要な2.8万km/hより少し速いため、全開状態のダブルライダーは実質人間ロケット並ということになる。

距離にすると3300km先が着地地点となるぐらいの気合いでジャンプしないととてもじゃないけど1分以内で100km先まではたどり着けない。

しかもこれらのパワーでジャンプすると1分で高度約60kmの大気圏に突入する。

もし1分以内に爆発していなければダブルライダーとカメバズーカは宇宙空間に飛び出してしまうところでした。

ちょっと規格外でSFにしても現実味がないがダブルライダーの凄さがこれでお分かりいただけただろうか?(ちょっと自信ない…)

ちなみに打出角度を地面とほぼ平行の10度程度にすると6500km/hと先ほどの検証の1/5の速さで済むがこうすると今度は新宿副都心から千葉方面にかけてダブルライダーが弾丸の200倍ぐらいの速度で通過するためせっかく原子爆弾を海に運んでも東京と千葉はそれ以上の被害が出る可能性が高いというか出る。

そもそもそんなパワーが出せるのならパワー全開状態でカメバズーカを上空に向かって投げるかダブルライダーキックで吹き飛ばせば上空高くで原子爆弾は爆発しダブルライダーも自爆せずに済むのでこのぶっ飛んだ設定はフィクションのご愛嬌ということであまり深く考察しないほうがいいかも…

※素人計算の考察なので参考程度に楽しんで読んで下さると幸いです。

伝説になれ!V3!託された希望

新宿副都心の作戦阻止はダブルライダーに任せ、V3はハサミジャガーとの戦闘に集中。

戦闘員であれば力技で撃破可能だが幹部怪人となると自分の力を使いこなせないV3は上手く対応できずハサミジャガーに追い込まれてしまう。

そこへ脳内にダブルライダーから最後のアドバイスが届く。

「ライダーV3!最後のコーチをする!」、「ダブルタイフーンを全開しろ!」

ダブルタイフーンを全開にしたV3は2号のように力強くパンチを連打してハサミジャガーを怯ませ、1号のように鮮やかに「V3回転ダブルキック」を決めて撃破する。

初戦を勝利したV3!だが最後のコーチと一体…まさか!

そう…今まさにダブルライダーはカメバズーカとともに自爆しようと太平洋へ跳んでいた。

V3は急いでハリケーンを走らせるが間に合わず、太平洋では原子爆弾が大爆発を起こしていた。

海に向かって2人の名を叫ぶV3。その脳内に2人の声が鳴り響く…

そして2人は必ず帰ってくることを誓うとともに日本の防衛をV3に託す。

ということは2人は生きているのか!?そうだデストロンがいる限り仮面ライダーは死なん!そういったのは仮面ライダーだ!

ストーリーの転換点と考察

作戦概要をペラペラ喋ったこと

ハサミジャガーが今回の作戦概要をペラペラ喋ってしまったことで志郎の電子頭脳を通してダブルライダーに作戦概要を知られてしまう。

またカメバズーカはあと1分で体内の原子爆弾が爆発することをダブルライダーにペラペラ喋ってしまう。

この2体に共通しているのが「勝てる見込みに安心して気を緩めてしまった」ことだ。

この気の緩みでダブルライダーの犠牲があったとはいえ被害を最小限に抑えられてしまった。

勝ってから喜ばないと…野球でいえば9回裏2アウトランナー無しであと1アウトまで追い込んだからともうベンチで勝ちを確信して笑っている選手のようだ。

まだ勝っていないのに勝った気でいる…これがショッカーから続く悪癖…いや悪の組織の悪癖だな…

V3の便利能力

V3の能力はダブルライダーがほしいなと思っていたであろう能力の詰め合わせだ。

今までダブルライダーは敵を見失ったあと、その痕跡を辿ったり超聴覚で音を拾って逃走した方向を割り出し追跡を行ったりしていた。

または滝がヘリで追跡したり、ライダー少年隊員による自転車での見回りなどを頼りに大規模追跡・捜索を行っていた。

V3のアイテム「V3ホッパー」は小型でありながら上空から10㎞四方を見渡せる代物。

これは捜索が捗る。こんなのほしかった…

そしてV3は1号がほしかった力と2号がほしかった技の能力を合わせ持つ仮面ライダーだ。

そのため「V3回転ダブルキック」という疑似「ライダーダブルキック+月面キック」のような強力技であり協力技を1人で放つことができる。

まさにダブルライダーが考えた最強の仮面ライダー。

他にもまだまだ判明していないダブルライダーがほしかったであろう能力がありそうだ。

確かに1人で2人分の防衛力を持つV3は後継者として心強い!

今回の特撮表現の面白さ

V3の変身ポーズ・変身表現

志郎(V3)の変身ポーズは一文字のように両腕で半円を描き、猛のように斜めに腕を突き上げ、そしてその後両腕を抱え込むようにしてVを表現?するポーズとなっている。

その後変身ベルト「ダブルタイフーン」がアップで映る。

ダブルタイフーンは2個の風車があるため1号、2号の倍エフェクトがかかり、真ん中のランプが2個の風車のエネルギーを1つにするように光る。

それはまるで1号、2号のエネルギーを1つにしていることを表しているようだ。

V3とダブルライダーの電波通信表現

V3の触覚「超触覚アンテナ」の先、マスク中央の「Oシグナル」に仕込んだ電飾を点滅させることでリアルタイムで他のライダーと交信している様子を表現している。

索敵アイテム「V3ホッパー」の表現

筒状のアイテム「V3ホッパー」を起動すると筒内に仕込んだ花火?が打ちあがる。

そしてその映像とは別に小型衛星のような装置を糸で吊るし、周りの羽が展開することでタケコプターのようにホバーしている様を表現。

装置の上には電飾が仕込まれており、光が点滅することで起動していることを表現している。

またV3ホッパーは上空からの映像をV3のアンテナに送ることができるのだが、その映像をV3がキャッチしている様をV3の複眼に追跡映像を合成することで表現している。

ダブルライダーのエネルギー全開念動力?表現

ダブルライダーがお互いの腕をクロスさせる。そのクロスにスターバーストしたようなフィルター?を合成することでピカッと何かが(念動力?)発動したという起こりを表現している。

そして光をクルクル回転させた映像を合成することで念動力の力の流れ?を表現している。

新必殺技「V3回転ダブルキック」表現

前回りジャンプからのライダーキックからのキックの映像を回転させ回転を表現しその後ライダーキックを命中させる。

そして反転ジャンプからのもう一度ライダーキックのカットを入れ命中させることで2度ライダーキックを命中させたことを表現。

これがV3版ライダーキック「V3回転ダブルキック」だ。

原子爆弾の爆発表現

いくら火薬量が多い今作とはいえ、原子爆弾のキノコ雲レベルの規模をリアルで表現するのは現実的ではない。

そのため何かの映像の合成ではないかと思われる(本当にあの規模をリアルで爆発させているなら凄いけど社会問題になりかねない)。

ダブルライダーの遺言表現

太平洋の海に薄っすらと浮かぶ本郷猛と一文字隼人の映像は別撮りのものを太平洋の地平線に合成したのだろう。

これは今回のタイトルにもある「ダブルライダーの遺言状」を表していると思われる。

おそらくV3にとっては実際に海に映像が映し出されているわけではなく、太平洋を見つめるV3の視界と猛と一文字が脳内に語りかけている様をリンクさせて映像として表現しているのだと考えられる。

この地平線に浮かぶ映像表現は【仮面ライダー(初代)】98話(終)「ゲルショッカー全滅! 首領の最後!!」でもゲルショッカー首領が登場した際に使われていましたが、首領の場合は脳内の想像ではなく半実体化しており、ビーム光線を放ちダブルライダーを攻撃していました。

特撮満足度(★で5段階評価)

特撮満足度

アクション:★★★☆☆

猛烈度:★★★★☆

敵の強さ:★★★★☆

ロケーション:★★★★☆

仕掛け:★★★☆☆

第2話の名言・迷言・珍言・失言

風見志郎「志郎は心ならずもご両親から頂いた身体をなくしました…しかし!正義と平和…大勢の人のために役立てることによってお許しください…」

志郎が墓の前で家族に誓う決意のセリフだ。

志郎自ら復讐のために改造人間にしてもらうようダブルライダーに懇願したが、冷静になるととんでもないことを言っていたと感じたのでしょう。

その証拠にV3となった今、「心ならずも(不本意ながら)」と振り返っている。

きっと改造人間となること望んだのは志郎ではなく、家族を殺されことで志郎の中から噴き出した復讐の鬼が望んだことだったのかもしれない。

一文字隼人「俺たちはいつの日か必ず帰ってくる」、本郷猛「3人の仮面ライダーが揃って戦う日まで…全ては君の力にかかっている!」、一文字隼人「頑張れ!仮面ライダーV3!」、本郷猛「俺達は…君を見守っているぞ!」

カメバズーカの爆発とともに太平洋の海に消えたダブルライダー。

その後駆けつけたV3の脳内?に2人が語りかける場面でのセリフだ。

要約すると「俺達はしばらく帰れないから日本の防衛よろしく!活躍は常に監視してる…失敗は許されないぞ!」ですかね?

失敗は許されないは厳しい要求ですが、仮面ライダーの失敗は即世界の滅亡と覚悟を持って戦ってきた2人がいうのだから説得力が違う。

見守っているぞというのは比喩ではなく実際に仮面ライダー同士は電子頭脳で通じ合っており、相手の様子がわかる(伝えたい内容が任意かはまではわからないが)。

これ仮面ライダーだから生きている上で見守っているぞで済むけど、普通なら天国から見守っているぞという意味にも取れるよね…だから今回のタイトルが「ダブルライダーの遺言状」なんだと思うけど。

特撮ユートピア

少し気になったのが志郎が未変身の状態でダブルライダーと通じ合っていたこと。

「電子頭脳」でと表現していることから志郎は脳改造を受けていると思われる。

そんな志郎と通じ合うダブルライダーが電子頭脳かというと少し疑問が残る。

なぜならダブルライダーは「身体は改造されたが脳手術は免れた改造人間」だからだ。

つまり電子頭脳ではない…と思う。

このテレパシーのような能力は新1号、2号となった時に組み込んだ能力なので旧1号、2号から再改造した際に脳に何かしら埋め込んだのかもしれない。

だが作中では基本的に変身後に使用、つまりマスクに内蔵された能力としてテレパシーは機能しているものだと私は考えていた。

そのため志郎が未変身で通じ合っていることに違和感を感じたのだ。

志郎の言い方だと「脳を総入れ替えして電子頭脳にしました!」に聞こえるので「そういえばダブルライダーって脳は改造されてないよね?だからショッカーに操られなかったんだよね?」と思ってしまったしだい。

幸い志郎はデストロンに改造されたわけではないので脳改造も風見志郎という人格を保ちながら何か特殊なものが施されているのだろう。

ロケ地(執筆者の調べ)

・「不明」

次回予告より(第3話「死刑台のV3」)

次回のデストロンからの刺客は怪人「テレビバエ」と怪人「イカファイア」。

テレビバエは「ハエ」と「テレビ」の特性を持った怪人。

イカファイアは「イカ」と「火炎放射器」の特性を持った怪人だ。

テレビバエはハエの目の部分にテレビを埋め込んだようなデザインが面白い。

テレビはあまり兵器・凶器として使われるイメージがないので(テレビの角で頭突きとか?)なにか面白い特殊能力が観られそうだ。

V3が頭を抱えて苦しんでいる様子があるがおそらくテレビバエの「催眠光線」によるもので何かテレビの電波的なもので精神攻撃を行っているようだ。

イカファイアの火炎放射器に関しては前作の機械の特性を持たない怪人でも強力な火炎放射を放っていたので、そこをどのように差別化するのか注目したい。

1号、2号の行方がわからない今、ライダー初心者のV3がいきなり怪人2体を相手にするのは荷が重いように感じる。

それに1号、2号が束になっても苦戦する怪人を生み出すデストロンにV3の1人で立ち向かえるのだろうか?

頑張れ!仮面ライダーV3!

感想・まとめ

開始2話にしてダブルライダーが退場するという衝撃展開を前に動揺を隠せない私だがこれでハッキリしたこともある。

仮面ライダーV3すなわち風見志郎が日本の防衛を担い新たなる希望となることを!

思い出の本部は沈み、ダブルライダーは消息不明。

前作の名残りを一切消し新たなる伝説が始まる!

これはこれで新鮮な気持ちで仮面ライダーを楽しめる。

次回からはダブルライダーのコーチもない…いや我々には立花藤兵衛トレーナーがいる!

なぜか仮面ライダー本人よりも彼らのポテンシャルを引き出すことができる格闘家でもないバイクおっさんがいる!

いつも仮面ライダーの次に命を狙われる理由はこういうところだよね…

仮面ライダーはおろか人間バッファーだからな会長は…

今回判明したこと

・デストロンはデストロン衛星を持っており、映像を生中継できる

・ライダー少年隊本部崩落

・珠純子が志郎の手伝いを申し出る

・V3はダブルライダー同様、他のライダー同士と通信することができる

・衛生のように空から索敵することができる新アイテム「V3ホッパー」

・志郎は手術で脳が電子頭脳となっている

・ダブルライダーがエネルギーを全開にすると相手の動きを封じることができる上に凄まじいパワーを引き出せる(詳しくは「後継者に託し全てをかけるダブルライダー」欄で考察しています)

・V3新必殺技「V3回転ダブルキック」

・ダブルライダーはカメバズーカとともに爆発し生死不明

・V3はダブルライダーに日本の防衛を託される

・ダブルライダーは必ず帰ってくる!

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