ネタバレがあります。
本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。
あらすじ
前回より、V3は怪人「ナイフアルマジロ」の弾丸鋼鉄球に対抗するため、それに見立てた鉄球を自身にぶつけて受け止めるという過酷な特訓を行う。
特訓の甲斐あって自身(V3)の肩は鉄球を跳ね返すほど強靭な特殊筋肉であることに気がつく。
だが喜びも束の間、ナイフアルマジロは特訓で疲弊し、重傷も癒えてないV3の前に容赦なく立ちはだかる。
一方、時は同じくして怪人「ノコギリトカゲ」が人工心臓学の権威である「河井三郎」博士の妹「京子」と博士の息子「タダシ」を博士との交渉材料として誘拐されてしまう…
特訓の成果を思い出せ!肩で受けて…宙に流す!
前回、鉄球を使った特訓中にナイフアルマジロの襲撃を受けたV3。
ナイフアルマジロ戦での重傷と特訓の疲労からか戦闘員にすら簡単に拘束されてしまい仰向けに。
その上から特訓で使用された鉄球を落とされ絶体絶命のピンチとなる。
だがなんとか力を振り絞り、鉄球を回避し戦闘員を打ち倒していく。
前回の記事で鉄球は本物かそれとも安全な撮影用の模型かという疑問を考察したが、どうやら本物ではなかったようだ(さすがにね…)。
その根拠はナイフアルマジロ襲撃時の戦闘員との戦闘にあった。
クレーン車から吊るされた鉄球をV3が軽く押しただけで鉄球が戦闘員めがけて勢いよくとぶ様や、鉄球を吊るした縄に掴まり振り子の原理でアクションを行っている様を見て「これは本物の鉄球ではない軽くて安全な素材で鉄球を表現している!」と感じたからだ。
まあそれにもしも本物だったら鉄球をV3が回避し、かわりに戦闘員に直撃するシーンで大事故となっているはずだ。
そしてナイフアルマジロは当然V3を打ち負かした技「弾丸鋼鉄球」で攻めてくる。
今こそ特訓の成果を見せる時だ!
前回、V3の肩が「特殊スプリング筋肉」であることが判明する。
「これで弾丸鋼鉄球を弾ける」と考えたがいざ実戦となると振り子の鉄球のようにリズムが一定ではないので、なかなかタイミングを合わせることが難しい。
藤兵衛に励まされながらもう1度タイミングをあわせて弾丸鋼鉄球に立ち向かう。
そして見事、肩で受け衝撃を殺し、空中に弾丸鋼鉄球を受け流すことに成功。
空中に舞うナイフアルマジロめがけてライダーキックを放ち撃破することに成功する。
V3側ではナイフアルマジロを倒したことで事件は収束していくかに思えたが、タダシの護衛を任せた純子側では新たなる事件が発生していた。
公園でタダシの怪我のリハビリを見守っていた純子たちの前に新怪人「ノコギリトカゲ」が現れ、タダシと京子が誘拐されてしまう。
無線連絡を受けてすぐにでも救出に向かいたいところだが、1度ナイフアルマジロに敗北した時の重傷、そして過酷な特訓と今の戦闘により志郎の肉体は限界を迎えていた…
風見志郎は甘いエサ作戦
本部に戻った藤兵衛はライダー少年隊員に志郎が重傷により少なくとも3日の療養が必要であることを伝える。
全治3日間を知らされた純子は「え~3日も?それじゃもうダメだわ~」と諦めを漏らす。
普段は志郎の体調を凄く心配しており、重傷の志郎が特訓にいく時にも反対の姿勢だったのにいざ3日休むと伝えたら「3日も?(もっと早く治れよ!)」と結構スパルタだ(河井親子の安否も加味してだろうけど)。
純子が諦めを漏らす中、シゲルは前向きな姿勢をみせ少年隊員たちを引っ張る。
隊員たちは藤兵衛の指令を受けデストロンのアジトを捜索するために出動する。
そして純子は志郎のお見舞いに。
これはデストロンを「風見志郎という甘いエサでおびき寄せるための作戦」だ。
純子は藤兵衛に志郎のお見舞いに行くことを告げる。
藤兵衛は「花でも持っていってやれ」と提案するのだが、その発言に対して純子は「でもそれじゃあ志郎さんが動けないでいることをデストロンに知らせるようなもんだわ」と発言する。
…?花を持とうが持たなかろうが純子が志郎のお見舞いに行けばデストロンに志郎の重傷を知らせていることと同じことでは?
手ぶら見舞い=軽傷で、花や果物を持っていく見舞い=重傷っていう風習でもあったのだろうか?
どちらにせよお見舞いに行こうと自身で申し出た純子が言うかっていう意見ですよね(笑)
実は志郎は改造人間持ち前の回復力で3日と待たずに全快していたのだ。
デストロンには志郎が弱っていると思わせといて、全快の志郎のもとへデストロンを誘い込みわざと連れ去らわせることでアジトに潜り込もうというわけだ。
藤兵衛は志郎が全快していることを純子以外の隊員にわざと知らせずに出動させることで、隊員が持った「志郎は重傷である」という嘘の情報(エサ)をデストロンに撒いたというわけだ。
お見舞いに「第二綜合病院」を訪れた純子に志郎は驚く。
だが純子は「これは会長のご命令」と意に介さず花を花瓶にさし、その後ろに盗聴器として無線機を仕掛ける。
そして気まずそうな志郎に対して「お邪魔いたしました」と一礼し病室を去る。
案外しつこくない純子に驚きつつも無線機の意図に気づいたのか「なるほどね」という顔をした志郎はベットに横になりその時を待つ。
純子があまりにもあっさり帰るので志郎は「えっそれだけ!」みたいな表情を見せる。
志郎も案外また「もう俺に近づくな!」、「心配なんだもの!」のやり取りを楽しみたかった?
第1次情報が嘘情報!?情報流出という甘い罠
デストロンではV3に倒されたナイフアルマジロの死体を実験材料として人工心臓を移植して再び生き返らせる案が浮上していた。
ノコギリトカゲは早速、人質としてさらった京子とタダシを河井博士に突き付け人工心臓移植手術を迫る。
京子の必死の説得とノコギリトカゲの電動ノコギリがタダシに近づく様を見せられ博士は泣く泣く手術を了承。ナイフアルマジロは2度目の復活を遂げる。
ナイフアルマジロの死体と書きましたが正確には瀕死状態であるようでノコギリトカゲは「ライダーV3にやられておめおめ帰ってくるとは!」と発言していることから死体を回収したというよりかは命からがら自力でアジトに戻ってきたようだ。
デストロン科学陣も「早くしないと死んでしまいます」と発言していることからまだ完全に死んではおらず、瀕死状態であることがわかる。
前々から思っていたんですが改造人間である仮面ライダーやV3には驚異的な回復力があるのに、なぜ怪人にはないのでしょうか?
仮面ライダー自体も元々旧ショッカーの怪人技術なわけで…この差は一体…
仮面ライダーは高価格高性能改造に対して怪人は再生能力は省くことで他を尖らせたり、コストを抑えたりしているのかな?
仮面ライダーがバランス型なら、怪人は一点突破型というのは確かに想像しやすい。
それか回復力が間に合わないほどV3の攻撃力が凄まじいということの証明か…
そこへ怪しい建物だと嗅ぎ付けたライダー少年隊員がアジト周辺に現れる。
情報漏洩を恐れたデストロンは妨害電波を発射。
本部に知らせようと無線機を取り出すライダー少年隊員たちの無線は不通となる。
そして動揺する隊員の前に謎の女性(ノコギリトカゲ)が現れ事情を聞き出そうと言葉巧みに誘導する。
隊員たちも最初は警戒するがライダー少年隊の活動を知っているというその女性に事情を全て説明してしまう。
藤兵衛も本来は純子が志郎の見舞いにいくことで志郎の容態を偽造したかったはずだ。
それが藤兵衛の予定に反して?ライダー少年隊員から情報が漏れてしまう。
幸いにも志郎の療養に3日必要だという情報はデストロンを誘導するための「嘘」であるため結果、誘導は成功と言える。
今回は第二綜合病院に誘導することが目的だったので結果オーライだが、もし本当に志郎が3日間療養が必要だった場合は不用意に療養場所を漏らすことで志郎の回復を待たずに襲撃される恐れがあった。
これからはライダー少年隊の共通事項として「知らない人には安易に情報を話さない」ということを徹底したほうが良いだろう。
だが今回に関して藤兵衛は隊員たちから漏れることも加味して二重の罠を仕掛けていた感じもする。
だからこそ隊員たちには「志郎は3日間療養が必要」と嘘をついたのだろう。
余談ですが隊員たちが謎の女性に事情を説明する時、タダシのことを「友達が」と表現するのがなんか良い。
タダシと交流はないが、この年頃の子供たちにとって同世代の子は「みんな友達」という感覚が純粋で好感が持てる。
大人になると友達関係も何だか「社会的にどう繋がっているか」ありきになってしまい少し寂しい気持ちになる。
「あ~あ…大人になっちまったな…」ってね…
隊員たちが去った後、続けて戦闘員から純子が第二綜合病院へ風見志郎の見舞いに行っていたという報告が入る。
すぐさまノコギリトカゲ部隊は第二綜合病院へ向かい志郎の病室の隣からノコギリトカゲの電動ノコギリで壁を切断して侵入。
その気配に気づいた志郎は応戦するがあえなく気絶、拘束されてしまう…
いや…志郎がベットから起き上がりふらつくことで重傷を偽ったのも、すぐに捕まったのもアジトへ潜入するためのブラフ。
藤兵衛もその様子を盗聴器でキャッチし志郎に全てを託す。
志郎危うし!!愉悦の硫酸風呂
志郎が目覚めるとそこは間違いなくデストロンのアジトだった。
だが自身の置かれている状況は厳しいものだ。
志郎は天井から縄で吊るされており、その下には沸々と沸き立つ「硫酸風呂」が設置されている。
余談だが1949年にイギリスの「ジョン・ジョージ・ヘイグ」という人物がドラム缶に硫酸を入れ「硫酸風呂」とし、その中で自身が殺害した人々の遺体を溶かすことで完全犯罪を試みたという事件がある。
ちなみに「クロックタワー3」というゲームに出てくる「硫酸男」こと「ジョン・ヘイグ」はまさに上記の人物がモデルとなっている。
プレイしたからわかるし発売当時のCMはショッキングでした…
空中に志郎を固定しているリールの縄が徐々に回り志郎を硫酸風呂へと誘う。
だがそこで救いの手が差し伸べられる。しかもなぜかデストロンからだ。
なんとノコギリトカゲは簡単に殺しては面白くないとリールの回転を止めてしまう。
その代わりにリールの縄にロウソクの火を当てて、いつ縄が焼き切れて硫酸風呂に志郎が落下するかというジワジワ感を楽しもうとし始めたのだ。
このいわゆる「生物が苦しむ姿が好き」という心持ちの人々?まあここでいう首領や怪人などはなぜこうして仮面ライダーに隙を与えてしまうのか?
前作もそうだった…いや様々な作品に登場する悪とはこういうものだ。
どこか真っ当に任務遂行することを退屈だと感じ、生物の苦しむ姿というエッセンスを加えてしまおうとチャンスの手を緩める。
普通の人であればそれで苦しめられて終わりかもしれない。
しかしことヒーローや力を持つものにとってその隙は最大の好機となる。
その自己満足とも言える愉悦のエッセンスに浸りたいがために結果、自らライダーに逆転を許す要因を生み出してしまっている。
なぜ悪はこのような油断を繰り返してしまうのか?
それは生物が苦しむ姿が好きな人々に共通する精神に「他人への妬みが存在するから」だと言われている。
今作シリーズで言うと首領及び組織全体の社会に対する妬みの感情。
そして仮面ライダーという存在により自己実現を阻まれる妬み。
しかもここまでの話数で換算すると100敗以上を喫している組織は妬みの炎が膨れ上がるばかり。
膨れ上がった妬みにとって「仮面ライダー(正義)が苦しむ姿を拝む」という欲求はより甘美なものとなり悪を縛り続ける。
つまり仮面ライダーが勝てば勝つほど、怪人より優れていれば優れているほど、その妬みがデストロンの邪魔をして仮面ライダーにチャンスを与えてしまうことになる。
これ負けスパイラル確定!?
ジワジワと硫酸風呂に落ちていく様をじっくり楽しみたい割にはあっさりと処刑部屋から退出するノコギリトカゲ部隊。
だが志郎にとって状況は依然として悪く、このままでは硫酸風呂に落ちてしまう。
そこで志郎は閃く!
振り子の原理を利用して吊るされた自身を振り、縄が焼き切れる瞬間に硫酸風呂の枠外に着地できないかと思いつく。
タイミングを間違えれば硫酸風呂の中に落ちてしまうがこのままぶら下がっているよりかは生存確率がグンと上がる。
そして志郎の狙い通り、振り子の原理で志郎が頂点に達したタイミングで縄は焼き切れ硫酸風呂の枠外に放り出される形で脱出に成功する。
志郎は腕に巻かれた縄もロウソクの火で焼き切り自由となる。
志郎は仮面ライダーV3へと変身して反撃を開始。
戦闘員とノコギリトカゲと戦いながら博士たちを探すがすでにアジト外へ連れ出されていた。
V3はホッパーで索敵、ハリケーンで空を飛び博士たちを乗せた車に追いつく。
V3専用マシンである「ハリケーン」は「ロケットブースター」により最大10時間の飛行が可能だという。
「新サイクロン号」は短時間しか飛行できないので凄い性能の強化だ。
もうこれは最大何時間飛べるバイクとかじゃなくて飛行機だろ…
これは万博に出展したい!
博士たちを避難させノコギリトカゲと一騎打ち!
だがノコギリトカゲの必殺武器「電動ノコギリ」の威力はすさまじく、一撃でも喰らえばアジトで戦闘員が受けた時のように一瞬で真っ二つとなってしまう。
だがV3は電動ノコギリを巧みに回避しライダーチョップで破壊。
新必殺技「V3ダブルアタック」でノコギリトカゲを撃破する。
空中から落下した敵にライダーキック…
もしかして「V3ダブルアタック」はナイフアルマジロの弾丸鋼鉄球を空中にいなしてライダーキックで撃破した流れに着想を得た技!?
2度の蘇生、3度の死
事件は解決…と思いきやまだまだ!
なんと博士の人工心臓で再再度復活したナイフアルマジロが登場!
V3との雪辱を晴らすために2度の死を乗り越え復活する。
だがV3は特訓の成果を遺憾なく発揮しナイフアルマジロの弾丸鋼鉄球を肩で受け流していく。
そして弾丸鋼鉄球が空中に跳ねる瞬間を狙って下から突き上げるようにV3の26の秘密の5つ目である新必殺技「V3ドリルアタック」を放ち今度こそナイフアルマジロに3度目の死を与える。
今回はいつもの「キック」ではなく「アタック」の必殺技名称が目立つ。
ダブルアタックは「投げ&キック」みたいな技で、ドリルアタックは体当たり技だ。
ダブルアタックはナイフアルマジロを1度目に撃破した時に着想を得たような技なのでV3の26の秘密の1つとしてはカウントされないようだ。
新必殺技が2つも登場する一方でせっかく特訓で肩のスプリング筋肉を発見し、その対抗相手であるナイフアルマジロも2度登場したにもかかわらず、あまりスプリング筋肉を活かした戦闘や技を見れなかったのが消化不良感が残る。
最後の戦闘でも弾丸鋼鉄球を受け流していることがわかりずらかったので特訓の成果が活かされていることを感じさせるシーンや演出がほしかった。
例えば肩で受ける瞬間をスローやアップで見せるとか、それを活かした必殺技も見たかった(ドリルアタックは腕を伸ばして体当たりする技なので肩の力が活かされてはいたのかな?)。
河井博士、京子、タダシを守り抜き事件は解決!
V3も3人の助手の弔いにと河井博士に人工心臓の研究の継続を提案する。
今度こそ平和のために…
ナイフアルマジロもとい人工心臓移植を受けた男の人物像、せめて善悪どちらだったかが知りたかった。
それでないと単に男は博士の実験、そしてデストロンの犠牲者であると捉えざる負えない。
男の背景が黒ければ同情できないがもし元々善良な市民による犠牲であるのなら博士のことを完全には同情できないな。
ストーリーの転換点と考察
案外デストロンがちょろかったこと
藤兵衛の誘導作戦も素晴らしかったのだが、それ以上にデストロンがちょろかった印象だ。
よくよく考えればダブルライダーが改造したV3の回復力が並のはずがないとそれこそショッカー時代から戦ってきた首領なら気づくはずだ。
瀕死の状態になりながらも不死鳥のごとく復活してきた本郷猛の姿を見てきたじゃないか!
それを部下は知らずしてか志郎だけはそうじゃないと思い込んじゃったんですかね~
ロウソクジリジリゲームを楽しんじゃったこと
上記でも書いたがノコギリトカゲが「簡単に殺しては面白くない」と遊び心を加えたせいで志郎が硫酸風呂を回避するどころか逆転のチャンスまで与えてしまった。
またジリジリ苦しむ姿を楽しみたいくせに処刑部屋から退出しモニターでの観察も無しという気の抜きよう…
これはノコギリトカゲは自身の電動ノコギリで切腹ものですわ…
ナイフアルマジロの救援の遅さ
ノコギリトカゲ撃破→ナイフアルマジロ登場というボスラッシュかと思うくらい親切に1体ずつ登場してくれたおかげで順番に1対1での戦いに集中できたV3。
なぜ同時に登場しなかったのか?
弾丸鋼鉄球とありとあらゆるものを軽々と切断できる電動ノコギリの両方を警戒しながら戦うのは至難の業だっただろうになぜ?
理由はあれしかないと私は考えています。
そう…ノコギリトカゲの暴言…
ノコギリトカゲはV3にやられて瀕死状態のナイフアルマジロに対して「だらしがない!ライダーV3にやられておめおめ帰ってくるとは!」と労いもなく吐き捨てている。
厳密には死んでおらず瀕死状態だったナイフアルマジロの耳にはこの発言が聞こえていた可能性がある。
そのためナイフアルマジロは「あいつがピンチでも救援にいくものか!」とノコギリトカゲの撃破を待ってから登場し、ついでに手柄も横取りしてやろうと考えていたのではないだろうか。
そんな背景があるような気がするのです。
なんというかナイフアルマジロは常人時は人工心臓移植の実験体になり、火災では見捨てられ、救われたと思ったデストロンでは瀕死になるほどの働きに対して労いもなく暴言を吐かれ、また生き返らせられては命を張って戦いを命じられてなんだか不憫でならないんですよね…
注目の特撮表現
タダシの人質拘束表現
忍者屋敷の隠れ扉「どんでん返し」のような回転扉にタダシを拘束し、それを回転させて人質としての激的な登場を演出している。
ノコギリトカゲの電動ノコギリ表現
ノコギリトカゲの右腕にモーターを取り付けて、そこに回転ノコギリの刃に見立てた模型を装着して回転させることで電動ノコギリを表現している?
ちなみにノコギリトカゲのエリ部分は回転ノコギリの刃を半分にしたようなデザインとなっており、「エリマキトカゲ」を彷彿とさせる。
電動ノコギリとトカゲを上手く組み合わせた良いデザインだと感じた。
処刑用硫酸風呂表現
ドライアイスに水を入れて空気を送り込みブクブクさせることで硫酸風呂から沸々と煙が出ているような様子を表現している。
そしてその中にあらかじめねじれさせた鉄パイプを入れてドライアイスを付着させることで鉄パイプを引き上げた時にあたかも鉄パイプが硫酸で溶けたかのような様子を表現している。
ハリケーンの飛行表現
ハリケーンに乗ったV3の模型を空中に固定しスライドして撮影することでV3がハリケーンで飛行している様子を表現している。
新必殺技「V3ダブルアタック」表現
相手を振り回して投げた後、投げ飛ばした相手めがけてライダーキックを放つ必殺技。
新必殺技「V3ドリルアタック」表現
両腕を高く挙げながらドリルのように回転させ相手を粉砕する必殺技。
技の初動は実写で撮影し、実際に相手に攻撃を当てる瞬間はV3の模型をコマのように回転させて弾丸鋼鉄球状態のナイフアルマジロの模型にぶつけている。
特撮満足度(★で5段階評価)
特撮満足度
アクション:★★★☆☆
猛烈度:★★★★☆
敵の強さ:★★★☆☆
ロケーション:★★★☆☆
仕掛け:★★★☆☆
第8話の名言・迷言・珍言・失言
立花藤兵衛「諦めはライダー隊員にとって最大の恥だぞ」
志郎の容態を聞きすぐに諦めの色を見せた純子に対して藤兵衛が放った叱責の言葉だ。
「諦めません勝つまでは」、「諦めたらそこで試合終了ですよ」に続く標語となるか!(国策標語には賛成しかねますが…)
平和ボケな私めは自身の心を平穏に保つために「諦めが肝心」と言っておきましょうかね(笑)
ロケ地(執筆者の調べ)
・「不明」
次回予告より(第9話「デストロン地獄部隊とは何か!?」)
次回のデストロンからの刺客は怪人「レンズアリ」。
「アリ」と「レンズ」の特性を持った怪人だ。
レンズアリのデザインが「土偶」と「機械」、「古代」と「近現代」が融合したようなデザインとなっており個人的に好きなデザインだ。
ナレーションの「ライダーV3は炎の海に堕ち込んだのだ」という言い回しは恐らくレンズアリが太陽光を自身のレンズ(目)に集束・反射させ熱線攻撃でV3が炎に囲まれている様子を表しているのではと予想できる。
次回はV3初の「全日本モトクロス大会」が開催されるが、大会を悪の組織に妨害されるという仮面ライダー恒例のあるある展開となる。
「デストロン地獄部隊とは何か!?」とこちらが聞きたいよ!という次回タイトルだが何を意味しているのだろうか?
アリと地獄…つまり蟻地獄と連想するわけだが蟻地獄はあくまでアリの天敵なのでレンズアリの天敵を用意してどうするってことだし…
そうなると集団で列をなし襲い掛かる「グンタイアリ」のような部隊をレンズアリで作るなどが連想される。
それとも地獄部隊とはレンズアリとは違うデストロンの特殊部隊の名前なのだろうか?
感想・まとめ
今回はナイフアルマジロのもとになった男性の背景やV3の肩の特殊スプリング筋肉が本領発揮するのを見れると思っていたのでちょっと消化不良感がある。
仮面ライダー(初代)のヒットを受け、V3シリーズが始まり怪人が2体ずつ登場したり、装飾、演出が豪華になったがその分詰め込み過ぎているような感じを受ける。
今回も倒れる・回る・跳ねる・殴る・蹴る・投げる・ぶち当たる・避ける・諦める・張り切る・偽る・仕掛ける・引き下がる・寝る・探る・脅される・遮る・漏らす・拉致る・ぶら下がる・溶解する・面白がる・炙る・追いかける・空を翔ける・切る・抉る・蘇る・決めると展開のバーゲンセールでお腹いっぱい。
まだこれらをバランス良く構成するための手探り中といったところだろう。
1話に怪人が2体同時に登場するだけでも単純計算だが2倍の尺が必要になる。
逆に怪人が2体登場するからそれぞれの尺を1/2にしようなんて言い出したら怪人の個性を1/2に薄くすることと同義だ。それはもったいない(せっかく怪人のスーツも豪華になったのだから)。
そのバランスを上手く調整しながらどれだけクオリティを担保できるかに注目したい。
今回判明したこと
・風見志郎(仮面ライダーV3)は猛や一文字と同様に高い回復力を有している
・諦めはライダー隊員にとって最大の恥(藤兵衛談)
・前作でライダー少年隊の了解ポーズは「二指の敬礼」だったが、今作ではV3のVにならって二指を開きVサインのような敬礼となっている
・ライダー少年隊の少年少女隊員が使用する自転車のデザインは前作と同じ
・デストロン「科学陣」は戦闘員のスーツの色を反転させたスーツであり、戦闘員のマスクの白かった部分は赤色となっている
・V3の専用マシン「ハリケーン」は飛行が可能
・V3の新必殺技「V3ダブルアタック」
・V3の26の秘密の5つ目は新必殺技「V3ドリルアタック」