【仮面ライダー】65話「怪人昆虫博士とショッカースクール」感想・考察(ネタバレ有) 仮面ライダーと一緒にカブトムシを狩ろう!

ネタバレがあります。
本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。

東映 1971年
前話の記事

あらすじ

遊園地に集まる子供たちに呼びかける。

仮面ライダーと一緒にカブト虫をとろう!!

そんな子供たちにとって夢のようなイベントの募集をかける男がいた。

子供たちは食いつき次々とバスに乗り込み、定員一杯となるとバスは走り出す。

バスに乗れなかった子供の中で仮面ライダーのヘルメットとサイクロン号の三輪車に乗るひときわ目立つ少年「浩一こういち」は三輪車でバスを追いかける。

そんな浩一の姿を見て微笑ましく思い話しかける猛と滝。

そこで浩一から妙な話しを聞く。

仮面ライダーと一緒にカブトムシを探そうってみんな行ってしまったんだ!

仮面ライダー(猛)はここにいるのに…

何か胸騒ぎがした2人はバスが来た遊園地に向かう…

浩一のフィジカル

仮面ライダーと一緒にカブト虫をとろう!!」というショッカー主催のイベントに参加できなかった浩一は名案を思いつく。

そうだ僕にはサイクロン号(三輪車)があるからこれでバスを追えば仮面ライダーに会える!」と。

浩一ナイスアイディア!!ってサイクロン号(三輪車)人力!!

まあここまでは子供の無邪気な発想だ。

だが浩一は猛と滝に呼び止められるまでバスを目視できる位置をキープしたまま三輪車でバスを追っていたのだ!

「多摩動物公園」から「多摩川青少年サイクリングコース」周辺までは車でも30分もかかり、距離は約13キロもある。

多摩動物公園周辺でもバスを見失いそうなのに浩一は10キロ以上先までほぼ同じスピードで追いかけたことになる。

実際に多摩動物公園から高尾山までは多摩川青少年サイクリングコースとは逆方向なので演出上の表現なんだろうが、少なくとも園内から近場の土手までバスを捕捉するなんて凄い脚力だ。

追いついてやるんだ!」を有言実行する浩一の脚力恐るべし…浩一のライダーキックは充分怪人に通用しそう…

さすがは仮面ライダー名乗るだけあるわ…将来はロードレーサーかな?

この浩一くん凄くバイタリティに溢れていて元気をくれる男の子。

セリフも口が回ってなくてかわいい。

ちぇ!つまんねえの!」とぁ「違うわい!」とか「ケチ!」など程よく口が悪いのもかわいい。

仮面ライダーに憧れて形から入る姿が純粋だ。

仮面ライダー非公式イベントの正体はショッカースクール!

子供たちを乗せたバスが向かった先は高尾山。

この山のどこかに仮面ライダーとカブトムシがいるとのこと。

仮面ライダーという名のバッタだよとかは無しにしてほしいものだが子供たちはリフトに乗りいざ仮面ライダー探し。

山の中腹にきた子供たちは仮面ライダーもカブトムシもいないため家路につこうとする。

そこへ大きなカブトムシが現れる。

仮面ライダーおらずともやはり子供。大きなカブトムシを見て興奮しているとカブトムシは人間大のカブトムシに変化する。

私は虫が苦手ですが、なんとなくカブトムシやクワガタムシのシルエットには惹かれるところがありました(凝視するとダメですが)。

カブトムシの正体は怪人「カブトロング」。

カブトロングは子供たちに白い液体を噴射。

たちまち子供たちは洗脳されてしまう。

カブトロングは子供たちに自分を「昆虫博士」と呼ぶように命令する。

ショッカーの目的は世界中の子供たちを洗脳・教育して構成員にすること。

地獄大使は世界中に「ショッカースクール」を作り、未来を担う子供たちを洗脳して教育を施せば将来人間は全てショッカーとなり、労せずして世界を手に入れられると考えている。

彼らはショッカースクールでカブトロング先生の元で学ぶために無作為に選ばれた第1期生なのだ。

学校の教師なのに先生ではなく昆虫博士って…昆虫博士は虫が研究対象だから虫の敵だぜ…

スクール生は一度家に返され招集も待つ。

仮面ライダーイベントの様子が気になる浩一は参加者で友達の「サチコ」に感想を聞くが洗脳されたサチコに聞く耳はない。

その代わり仮面ライダーの真似をしている=敵とみなし他のスクール生を呼びつけて殺してしまおうとする。

滝が駆けつけて事なき得たが仮面ライダーを殺せば昆虫博士が喜ぶという考えに洗脳されている子供というところが恐ろしい。

カブトロングは子供たちを多摩動物公園に明朝8時に集合させる。

ちなみに当時はどうかわかりませんが開園時間は9時30分です。

呼び出しはカブトムシ型の通信機で行っており、なんと通信機は手榴弾にもなる優れもの。

この手榴弾を滝にぶつける事が卒業試験のようだ。

全世界の子供たちを余さずショッカーにするのだから、合否もクソもない。

いくら実力が伴わずとも試験に合格できる出来レースだ。

入学式の次の日に卒業試験というスピード感よ!

昆虫博士カブトロング

猛を罠にはめスクールバスに閉じ込めて線路へ誘導。

車体はバズーカ砲でも壊せないほどの強度を誇り、未変身だと脱出は不可能。

仮面ライダーに変身してなんとかバスを脱出するが、今度は線路上に出たバスが電車との衝突事故を起こす危険性が発生する。

そのため何とかバスを線路外に押し出そうとするが中々バスが動かない。

これはバスが重いだけではなくカブトロングが逆方向から押し返していたのだ。

まさに押し相撲状態。

カブトムシの特性を持つカブトロングは当然、バッタより力強いと予想していた。

だが元々バッタの特性とはいえ改良を加えられた新1号のパワーはすさまじく、カブトムシのパワーを押しきり衝突事故を回避する。

う~んこうなると昆虫王者の風格が台無しだ。

パワーで負けたとなるとカブトロングの最大の武器はやはりその洗脳能力だろうか。

カブトロングは白い液体を吐き相手を洗脳させることができる。

洗脳能力に長けたカブトロングは洗脳教育に適任とされショッカースクールの講師「昆虫博士」となる。

五郎、ショッカースクールに潜入

さらわれた滝を救出するにはショッカーのアジトを突き止める必要がある。

敵に悟られずに潜入するにはショッカースクールの生徒になりきる必要がある。

猛はその適任者として五郎を指名し、ショッカースクールに潜入させることになった。

五郎に発信機を持たせ、それをバスの車内で定期的に発信させることでバスの行き先を特定しアジトを突き止めようというわけだ。

子供には危険な任務だが、もし子供に頼むのであればショッカーとの戦い経験が豊富な五郎が最も適任だと言える。

仮面ライダーに憧れる五郎だが、知らず知らずのうちに仮面ライダーに実績を認められて頼りにされているということだ。

五郎が将来FBIの面接を受けた際には「僕の初任務は小学生の時、FBIエージェント救出のためにショッカースクールに潜入しました」とアピールできる。証人はもちろん滝。

ショッカースクールで子供たちが洗脳教育を受ける中、五郎も無自覚ではあるが仮面ライダー、FBIと経験を積んでいる。

今回も藤兵衛とプラモデルではあるが車の組立を学んでいるようなシーンがある。

番外編とかで未来五郎の話しとか観てみたかったな~

ストーリーの転換点と考察

浩一のフィジカルとバイタリティ

浩一のフィジカルのおかげで猛と滝に異変を伝えることができ、浩一のバイタリティによりスクール生から異変の確信得ることができた。

ギリギリバスに乗れなかったのが大きい。こんなフィジカル化物がショッカーに入ったら世界は征服されてしまう。

ショッカーは浩一などノーマークで存在すら知ることがないまま物語を終えた。

なぜ猛と滝が事件に気づき確信に迫ったのか…その裏には浩一というフィジカルモンスターの存在がいたことをショッカーは知る由もなかった。

良くも悪くも得てして行動力がある人が何事かを起こす。

浩一はヒーローに向いているかも。

五郎の潜入に気づかないショッカー

滝救出のためにショッカースクールに潜入する五郎。

猛の狙い通り洗脳された子供のふりをしてバスに潜入することに成功。

発信機によりショッカーに悟られず行き先を追跡することができた。

だがショッカーも五郎の潜入に気付くチャンスがあった。

それが高尾山到着前に子供たちに戦闘員スーツを支給するシーンだ。

ショッカーが1期生の人数を把握していればスーツを支給する際に1着足りないことに気づくことができただろう。

当然だ。五郎の分だけ必要数が増えたからだ。

だがスーツを余分に用意しているためか車内でばれることはなかった。

またスクール生同士の交流がなかったため同期のメンバーを把握しておらず、五郎を怪しむ者はいなかった。

そりゃそうだ…入学から卒業試験まで2日のスピード感。

同期の絆なんてものは育まれていないのだ。

今回の特撮表現の面白さ

カブトロング変身表現

カブトムシの模型の周りに煙を焚く。

そして模型を四つん這いになったカブトロングに切り替えて立ち上がらせる。

高尾山リフトでの戦闘アクション

子供たちが仮面ライダー捜索のため高尾山のリフトで中腹まで上がるシーンがある。

そのリフトを使ったアクションが今回の見どころだ。

スキー場のリフトもそうだが初心者コースは傾斜が緩く、飛び降りても怪我をしない程度の高さであることが多い。

高尾山のリフトもジャンプすれば乗れてしまう高さにあり(やっちゃダメだけど)比較的安全性が高い。

そのため仮面ライダーと戦闘員のリフトを使った変わった戦闘、リフトアクション?を観ることができます。

リフトは程よくゆっくり移動するので画角に納まりやすいのも利点かもしれません。

特撮満足度(★で5段階評価)

特撮満足度

アクション:★★★★☆

高所:★★★★☆

火力:★★★☆☆

水場:☆☆☆☆☆

仕掛け:★★★★☆

ロケ地(執筆者の調べ)

・「多摩動物公園」

・「高尾山」

次回予告より(66話「ショッカー墓場 よみがえる怪人たち」)

次回のショッカーからの刺客は怪人「カミキリキッド」。

カミキリムシ」の特性を持った怪人だ。

カミキリムシは髪を切断するほどの大顎の持ち主、もしくは「噛み切り」から由来がきている虫で筋肉が非常に発達している。

そのため小さなサイズでも相手を出血させるほどの咬合力こうごうりょくを持っている。

そんな虫が人間大になったらどんなに恐ろしいか…

名前にキッドと付いていると「ビリーザキッド」のようにガンマンをイメージする。

カミキリキッドは遠距離攻撃も得意としているのだろうか?

ショッカー墓場からよみがえるという怪人たちは「再生怪人」のことだろうが、「ショッカー墓場」ってなんだ!?

ショッカーが死んだ怪人のために墓場など作り供養するだろうか?

それとも再生して再利用しやすいように死体を安置している場所のことを墓場と呼んでいるのかもしれない。

地獄大使の「不気味な呪文」というのも気になる。

仮面ライダーを生贄とする「ショッカー悪魔の儀式」と何か関係が!?これにより一体何が起こるというのだ。

次回の記事

まとめ

「先生」という言葉の中毒性、依存性は非常に高い。

新任でいきなり先生と呼ばれる教師や医者。

影響力があり自身に便宜を図ってくれる人。政治家や資産家などのことも先生と呼ぶ人がいる。

私は不思議でしょうがなかった。

先制とは教育や人の命を救うなど尊敬できる人物、職業に従事する人のことを先生と呼称、または大勢からの呼称として都合が良いから先生と統一して呼ばせることを言うのだと考えていたからだ。

だから政治家ってなんの先生なの?と疑問のままに生きてきた。

2023年現在のイメージだと胡散臭くて尊敬できなくて、何も教えてくれず、導いてくれ師匠でもない。

なのになんで先生、先生と呼ばれているのか。

それは先生と持ち上げれば便宜を図ってくれるからだ。

はあ~そうか~

そういう人々先生と呼ばれて人々から尊敬されることが気持ち良いそうだ。

これは教師、医者でも言えることなのだろうが「先生」と呼ばれることがこの上なく気持ち良く感じる人が世の中には存在するということだ。

先生という言葉にはそれだけ偉い・尊敬・畏怖の存在だった時代が確かにあったのだ。

先生と呼ばせることも大事な面もある。先生、つまり教える側が生徒に舐められては指導に支障をきたすためだ。

父親もそうで、ある程度厳しく怖いと思わせないと教わる側が調子に乗りコントロールできないからだ。

導くためにはある程度の厳しさは重要なこともあり、それを理解している人が尊敬の念を持たせる行為は一定の合理性がある。

しかし、悦に浸るためだけに先生と呼ばせるやからはお山の大将になりたいだけの人物だ。

「先生!さすがでございます!」、「そうだろう!そうだろう!まあ君も頑張りたまえ!」とね。

今回カブトロングが洗脳した子供たちに自身を「昆虫博士」と呼ぶように指導したのもそれに近いことだ。

指導ではなく、支配と悦。

この言葉が欲しいためにお山の大将で居続ける腰掛けもいるほどだ。

私が成長する段階で「政治家ってなんで先生って呼ばれてるの?」と疑問に思われた時点でお察し。子供に政治家が尊敬できる人物だとは映らなかったようです。

言わせてくれよ…先生!先生!って…

立場が上なだけの人を偉い人を「先生」と安易に表現しないほうが良いかもしれませんね。

尊敬できる人、それが先生だ。

今回判明したこと

・ショッカーは子供たちを使い大人たちをあっと言わせたい

・ショッカースクールの校訓「我々の敵は仮面ライダーであります」

・ショッカースクールは入学の翌日に卒業試験がある

・仮面ライダー新1号はバスの車内などジャンプの難しい狭い場所でも変身できる

・仮面ライダー新1号のパンチはバズーカ砲でも破れないバスの車体を破壊することができる

・藤兵衛は五郎にプラモデルを使った車の組立指導を行っている

・事件の潜入を五郎に初依頼

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