ネタバレがあります。
本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。
あらすじ
4話「人喰いサラセニアン」でも舞台となった「向ヶ丘遊園」に遊びにいく立花レーシングクラブ女子と五郎。
園に入ると目の前が虹色に包まれる。
これは遊園の演出だろうか?
一行が空を見上げるとオーロラがかかっている。
北極や南極でもないのにオーロラかかっていることを奇妙に思いながらもカメラで写真を撮ろうとする五郎。
しかし、オーロラの光を直視した五郎は目に痛みを訴える。
五郎をきっかけに周りの人々が次々と謎の光線で目をやられてしまう。
どうやらこのオーロラ現象は都内全域で発生しており、痛みを訴える人々が次から次へと病院に運び込まれる。
このオーロラ現象の謎を探るべく一文字と滝は動き出す。
強すぎるカメストーン
オーロラ光線は目潰しという当初の予想通りだが、恐ろしいのはここからだった。
カメストーンのオーロラ光線を受けた者は「目から腐り始めて、全身が溶けてしまう」という恐ろしいもの。
網膜が焼かれて失明してしまうまでは想像の範疇だったのだが、まさか全身が溶けてしまうとは…
五郎たちはFBIの「ロバート田中」が持ってきた目の特効薬により症状は改善された。
しかし、カメストーンの戦闘で目を痛めた一文字はFBI謹製の目薬を警戒しており、最後まで点眼を行わずにカメストーンに再戦を挑む。
目を包帯で保護することによってカメストーンの光線を防ぎ、自身の超聴覚で敵の位置を索敵して対抗している。
だが目薬を警戒して治療を行っていない一文字の目は戦闘中に症状が悪化し傷みが増し時折もだえ苦しみ戦闘に集中できない場面も。
カメストーンは遊園地という場所を活かして遊具を起動させることでその音楽と機械音、コーヒーカップの床が回転する動きで位置を特定させないなど頭脳プレーを見せた。
滝が遊具のスイッチを切らなければ追い込まれていたのは仮面ライダーのほうだっただろう。
目が見えると目をつぶされ、距離を空けると亀の甲羅ブーメランで攻撃してくる。
都内全域にオーロラを展開するほど巨大なパワーもある。
戦闘が長引けば一文字は目を失明したあげく、死神博士の言葉通り溶けてしまっていたかもしれない。
正直2回会ったら2回勝てるかというレベルの怪人だ。
強い強すぎる…
心の目開眼
カメストーンの右手から放つ光線は変身状態にも有効でマスクを貫通して一文字の目を痛めつける。
一文字は変身前に「日食メガネ」を装着していたのでマスク、さらにはメガネをも貫通したことになる。
このままでは変身して戦っても光線を浴びてしまえばまた返り討ちに合う。
そう考えた一文字は病院の消灯時間が過ぎた後にこっそり庭でバイクの練習を始める。
この練習は改造人間の優れた聴覚を活かして周囲を索敵することで可能となる一文字だからこそできる方法であるため、くれぐれも私たちは真似しないように。
そして一文字の目論見通り、バイクの運転に成功する。
この方法で怪人とも戦えるとなれば仮面ライダーはさらにパワーアップすることだろう。
「走れた!走れた!走れたんだ!」とまるで初めて自転車に乗れた子供のように興奮する一文字が印象的なシーンだ。
私も初めて補助輪なしで100メートルほど走れた時の高揚感ったらなかったですね。
霧がかかった状態が一気に晴れるというか、あの頃は何もかも初めてで日々達成感を感じることができて本当に楽しかった…
名探偵藤兵衛
夜な夜な目の見えないままバイクの練習をする一文字。
そのためか「病院の近くにオートバイキチガイがいる」と噂になってしまう。
一文字は「へぇ~そうですか~僕はぐっすり寝ちゃってるせいかな~全然聞こえませんでしたがね~」すっとぼけるが藤兵衛はその事を見抜いていた。
そんなわけあるか!日々ショッカーと戦い、聴覚も常人の数十倍の一文字がバイクの爆音に気づかないわけないだろ!
藤兵衛は外に止めてあるバイクを見ながらやれやれと思っていると、ガソリン漏れしたような匂いに気がつく。
辺りを調べるとガソリンが捨ててあるため一文字のバイクに違和感を抱く。
捨てられたガソリンの代わりに何が入っているんだ?
試しに葉っぱにその液体を付けて地面に放つと葉っぱは爆発する。
そう…バイクの中身は「ニトロ」に入れ替わっていたのだ。
このままエンジンをかければ爆発してしまう…
誰かが一文字暗殺を企んでいるに違いない…
再度辺りを見回すとバッジ?カフス?が落ちている。
滝がそんなことするはずがない!もう1人怪しい奴がいる…それは海外から派遣されたエージェント「ロバート田中」だ。
藤兵衛の読み通り、ロバートは一文字のバイクと目薬にニトロを仕込んでいた。
私はあまり車やガソリンに詳しくないのですが、ニトロにより「エンジンが壊れる」とか「爆発する」というのは誤解があるそうで、正しい知識で使用すれば問題ないそうです。
ただそういった噂が日本では広まっていたことは確かなようで、そのことから今回のような仕込みも考えられたのだと思う。
目薬に関しても、当然目にニトロは良くない。
しかし、狭心症の治療薬にはニトログリセリンが使われているようで、医療の世界で爆薬が治療薬の成分に使われているということに驚きました。
海外派遣のFBIは来日すると殺されるジンクス
海外のFBIから派遣されたエージェント「ロバート田中」はショッカーにより始末されてしまい、滝の前に現れたのは変装したカメストーンだった。
14話「魔人サボテグロンの襲来」でもFBIのエージェントが羽田空港に着陸する前に殺されており、サボテグロンが変装をして一文字たちを欺いている。
もはや、FBIの日本派遣はショッカーに筒抜けなようで、かなり危険なミッションとなっている。
「羽田にFBI」は死亡フラグなので今度からは空からではなく、海から来日したほうが安全かもしれない。
目薬の謎
当初、光線で目を痛めてしまった人々の治療は城北病院の医師「清水」が開発した治療薬が有効かもしれないと使用の予定をしていた。
だが、ロバート田中がFBI長官に持たされたという治療薬が清水の治療薬より有効であることがわかり、点眼したところ患者はみるみる内に症状が改善した。
しかし、変装していたロバートは一文字にだけニトロの目薬を渡している。
つまり、本当のロバートを殺した際に目薬の情報も知っていたため警戒されぬように一文字以外には本物の治療薬をあてがって油断を誘うつもりだったのだろう。
それでなければ苦しめることが目的なショッカーにとって全員の目薬を偽造しても良かったのだから。
しかし、ロバートの目的とは裏腹に一文字は治療薬を使用しなかった。
ということはどこかでロバートの正体を見破っていたことになる。
だが、一体どこで?
ロバートは滝を遊園地に誘い出すまで怪しい行動を見せていなかった。
しかも一文字は目が見えていないので所作では判断がつかない。
一瞬、藤兵衛がガソリンの入れ替えとロバートが関係していることを一文字に伝えたからだと思ったが、それだとその出来事前に患者に配布された目薬を使用していないのは不自然だ。
唯一怪しい行動と言えば、夜な夜な一文字がバイクの練習をしている際に闇夜に隠れて、バイクのガソリンをニトロに入れ替えるタイミングをうかがっているあの瞬間ぐらいだろう。
あの時、一文字は耳を頼りに練習をしていたため、ロバートの怪しい気配に気づいていたということか?
だが、それだとやはり目薬を使用しなかった理由、つまり目薬を配布される前からロバートに不信感を抱いていたことになる。
なぜ、一文字がロバート変装に気づいていたのかは最後まで謎のままだ。
もしかすると目が見えないことで感覚が鋭敏になり、なんというか…普通の人間とは違う改造人間の匂いがしたとか?
遊園地アクション
カメストーンとの最終戦は向ヶ丘遊園で行われる。
今回は遊園地のアトラクションをふんだんに使ったアクションが見所だ。
アドベンチャーコースターのトロッコを動かして滝を轢こうとしたり、庭園の水場で格闘。
そして観覧車の骨組みを利用したアクション、コーヒーカップが回り動く中での戦闘と見ごたえがある。
遊園地を貸し切って、鬼ごっこやかくれんぼや缶蹴りなど子供時代憧れたものです。
来園者が誰もいない空間で大暴れする。そのアクションがなんと気持ちの良いことか!
余談だが個人的にアトラクションの中で「パールスレー」という乗り物の形が凄く可愛いいデザインで気に入った。
「パールスレー」はイメージでいうとコーヒーカップの回転を自動にしたようなものだ。
ちょっと酔いそうだがレトロチック(当時は文字通り昭和レトロだったのだが)なデザインが可愛らしい。
興味ある方は調べて見てほしい。
シルバーレース?
事件が解決した立花レーシングクラブ一行は改めて向ヶ丘遊園のコーヒーカップで遊ぶ。
相変わらず五郎に頼りないと思われている一文字は名誉挽回をしようと「今度のシルバーレースでは優勝してみせるからな!」と宣言する。
滝兄ちゃんは五郎の味方なのか畜生なのか五郎の「頼りないなぁ~」に「な!(爆笑)」と同調。
一文字の裏を知りつつこのセリフだからやはり畜生か(笑)。
あまり一文字の日常を描かれることはないが定期的にオートバイレースには参加しているようだ。
私も忘れていたけど「レーシングクラブ」なんですよね…
なんかいつの間にか「ショッカー対策本部兼FBI日本支部兼たまり場」みたいになっていたので忘れてました!
ストーリーの転換点と考察
私物を犯行現場に落としてしまう
ロバート田中に変装したカメストーンは一文字のバイクのガソリンをニトロに入れ替え殺害を図る。
だが現場にバッジ?カフス?どちらにせよ個人を特定できる私物を落としてしまう。
それを藤兵衛に発見されてしまったため疑念が生れてしまった。
その結果、滝を遊園に誘い出し殺害を試みるもロバートが危険だと勘づいて駆けつけた一文字に阻止されてしまう。
ただ藤兵衛は事前にロバートが怪しいと滝に伝えておけば水責めに合わずに済んだかもしれない。
滝兄ちゃんはここ最近は貧血、毒針、水責めと散々だからね。
戦闘を長引かせなかったこと
カメストーンの光線で目を痛めた一文字だが、偽ロバートからの暗殺を警戒して治療薬に手を出さなかった。
このことで暗殺を逃れた反面、目の治療を行わずにカメストーンに挑むことになる。
戦闘は超聴覚を活かして遠距離・近距離ともに問題なくこなせ、目を使わないため再度光線に侵されることもない。
だが、光線を浴びた人間はそのうち「目から腐り始めて、全身が溶けてしまう」。
改造人間の回復力で保っていたであろう目も限界がきており、戦闘中に痛みが増して苦しんでいる。
この時点で目は腐り始めていたのかもしれない。
全身が溶けるのも時間の問題だっただろう。
もし、カメストーンが逃走しても城北病院の清水が目薬の成分を調べていたので薬を生成して治療を行うことができただろう。
しかし、一文字を病院に戻さず、ただひたすら遊園地から出ないように足止めして時間稼ぎをすれば治療薬を処方される前に全身が溶けて倒すことができたかもしれない。
ショッカーは勝利を急ぐあまり、そのことを忘れていたようだ。
なんにせよ本当に今回は間一髪だった。
ちなみにカメストーンを撃破すれば治療薬を使わずとも目の症状は消えるようだ(一文字談)。
今回の特撮表現の面白さ
オーロラ表現
オーロラの出現をRGBの照明をグルグル回して虹色を表現。
オーロラはカーテンもしくはレースのたわみを使いオーロラの波打つ形を表現。
布の先には淡い着色をし、下からドライアイスを焚き、下から斜め上のカメラワークにすることで北極・南極のオーロラのような表現を実現している。
このアイデアは観てて凄く関心して感動を覚えた。
特に複数のカーテンを使い下から撮影することでオーロラが複数発生しているかのように見えることにかなり驚き、動画を停止して観察したほどだ。
カメストーンのオーロラ光線表現
カメストーンは上空にオーロラを発する以外にも右手の指先の宝石から光線を発することができる。
青・赤・緑・黄色?そして5本目の指にはライトを仕込んで、それを光らせることで虹色(オーロラ?)の光線が発射されたような表現となっている。
特撮満足度(★で5段階評価)
特撮満足度
アクション:★★★★☆
高所:★★★★☆
火力:★★★☆☆
水場:★★★☆☆
仕掛け:★★★★☆
ロケ地(執筆者の調べ)
・「向ヶ丘遊園」
次回予告より(第51話「石怪人ユニコルノス対ダブルライダーキック」)
次回のショッカーからの刺客は怪人「ユニコルノス」。
「ユニコーン(一角獣)」の特性を持った怪人だ。
ユニコーン(一角獣)の特性と聞くと架空の生物なので能力が見えてこない。
伝説によるとユニコーンの角には毒水を浄化する力があるとか。
傷つけるというよりかは癒しの能力のようだが、角の威力は凄まじく、貫けないものはないという。
ユニコルノスは白い液体を吹きかけて対象を石化させてしまう技を持っているようだ。
一つ目でもあり、ユニコーンというよりかはゴルゴーンのようだ。
鍾乳洞で繰り広げられる死闘には本郷猛も参戦!
最近ちょいちょい本郷猛が帰国して活躍するシーンが増えて嬉しい。
まとめ
情報の扱い方には要注意だ。
今回情報の扱い方で大切ことが2つあった。
「情報を守る大切さ」と「情報を共有する大切さ」だ。
「情報を守る大切さ」とは今回でいうところのFBIの通信内容のことだ。
FBIに救援要請を出した滝の通信がおそらくショッカーに傍受、または事前に捜査官の来日情報をキャッチされてしまっていた。
これがなければ、本物のロバート田中は死なずにショッカー戦でも有利に事が運んだかもしれない。
今後も情報が漏れるようなことがあれば、救援を要請はしにくくなる。
そして「情報を共有する大切さ」は今回でいうところのロバート田中の正体についてだ。
ガソリンをニトロに入れ替える行為がロバートによって行われた可能性があるのなら藤兵衛はすぐに滝に共有するべきだっただろう。
そうすれば滝はカメストーンの罠を回避、または罠とわかっておもむくようであれば対策ができたかもしれない。
このことから情報は教えるのも隠すのも扱い方が非常に重要なことがわかった。
今回判明したこと
・FBIの来日情報はショッカーに筒抜けである
・FBIには日本で研究されているより効果が高い目の特効薬がある
・滝は藤兵衛を戦力としてカウントしている
・一文字は定期的にオートレースに参加している模様