本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。
第42話「悪魔の使者 怪奇ハエ男」感想・考察
珍しくショッカー以外をしばく一文字
煽り運転を行う3人組。
その後五郎が小学生の下校の交通誘導を行うシーンに切り替わったため、まさか!と思ったが不吉な予感は当たった…
その3人組が信号を無視して横断する五郎たちに向かって車を突っ込ませる。
五郎たちは異変に気付き左右にばらけたため大事故の難はまぬがれた。
しかし、唯一五郎の同級生「岡野弘」がかすったとはいえ車と接触して怪我を負ってしまった。
事故現場は立花レーシングクラブの前でメンバー総出で駆け寄る。
3人組を問い詰めるも悪態をつけて逃げてしまう。
頭にきた一文字は3人組を追いかけてしばく!しばく!しばく!!
珍しくショッカー以外の悪をしばく一文字。
一文字は事故の主犯格「加納修」を「お前の血は何色だ!」と言わんばかりに人間性を問い詰める。
加納は反省の色を見せず「日本じゃなぁ…余るほど人間がいるんでえ!1人や2人轢き殺したってかえってせいせいすらい!」と冷酷な思想を露呈する。
なんて酷いことを!
確かに1970年に日本の人口は1億人を突破したけども…ってそういうことじゃなくて!
この男は人口が多いことでなにか不利益を得たような発言だ。
それとも純粋な悪なのか…
こういう口で言っても根本が悪だと何を言っても理解できない。
そんな奴には鉄拳制裁というのは現代では反対されているがある程度の聞かん坊には有効だったように思う。
純粋悪はショッカーの才能あり!
そんな純粋悪である加納を見つけた死神博士は加納を有望人材として怪人「ハエ男」に改造する。
ショッカーは流れる血の色などどうでも良い。その血が悪魔の血であればどんな醜い血でも大歓迎だ。
ただでさえ一文字に逆恨みをする加納はハエ男になり復讐するための能力と機会を得たことで俄然やる気を出している。
死神博士はハエ男に「服用させた生物は3日間ハエ男の命令に従い、感情に同調する」という状態を作り出すことができる薬を渡す。
この薬「感情に同調する」というところが普通の洗脳とは違い、ハエ男が「一文字を殺したい」と思えば服用者も同じ感情を持つということ。
この薬が全世界に広まってしまうと世界中が「一文字を殺したい」、「ショッカーのために尽力したい」、「世界征服をしたい」と思うようになり地球の生物の思想は全てショッカー寄りになってしまう。
一見恐ろしい薬に思えるがこの薬には最大の弱点がある。
それは「効果は3日」ということだ。
いくら全世界に薬を広めてもみんな同時に服用させないと時間差で薬の効果が切れるし、大量に薬を生産しなければならない。
近親者から近親者へ友人から友人へとねずみ講式に世界に広めていく必要があり、服用者は3日、いや2日に一度、洗脳が切れる前に洗脳で薬を飲ませる必要がある。
単純だけど書いているほど簡単なことではない。
しかし、ショッカーの良いところは即日結果を出そうとせず、ゆっくりでも確実に結果を出そうとしていることだ。
放送時間の関係上、ショッカーが直ぐに結果を欲しがるあまりミスを冒して仮面ライダーに阻止されているように見える。
詰めが甘いところはあるものの結構準備は大掛かりで現場はブラックだが時間をかけている。
そして少なくとも仮面ライダーの登場以前には既に世界中に支部を持つほどの大組織だったことから堅実な面も持ち合わせているように思う。
純粋な善なる若者五郎
加納が悪に全振りなため五郎の善の行いが際立って見える。
加納の不注意と暴走で弘が怪我をしたのに自分の不注意だと責任を感じて弘の母に「弘君が良くなるまで僕をここに居させてください!お願いします!」と直談判する。
五郎はなんて友達想いなんだ。
加納もやんちゃな友達ではなく五郎のような友達がいれば少しは違っていたのかな…
それにしても五郎は小学生でTPOに合わせて「僕」と「俺」でちゃんと使い分けしていてしっかりしている。
やはり悪だ
前述で五郎みたいな友達がいればと書きましたが撤回します。
加納は教育環境に問題があったことが判明。
主犯格である加納修の家の住所を特定して訪れるとそこはお手伝いさん付きの豪邸。
加納はボンボンだったのだ。
修の母は藤兵衛たちの訴えにも耳を貸さずに「うちの子はそんなことをする子じゃない」と突っぱねる。
どう見たってやんちゃしそうな風貌なのに自分の息子を庇いたいのか家柄を傷つけたくないのか。
どちらにしろ保身が見える母親で息子を甘やかして育てたことが容易に想像できる。
親の教育の賜物がショッカーに認められるほどの極悪人を生み出した。
もしくは父親は汚い方法で財を成したタイプでその性根が腐った性格が息子に遺伝したのかもしれない。
その証拠にハエ男となった加納は実家のお手伝いさんを容赦なく殺害する。
母親は証拠がないと言っているが五郎たちの保護者が滝(FBI)の時点で詰んでるぞこの親子。
助手無し本郷
前回で再びヨーロッパに帰ってしまった本郷猛。
前回船を見送る猛に対してミカとエミが藤兵衛たちと一緒に船で帰ったのを見てあれ?とは思ったが東京に戻って国際線に乗って帰国するもんだと思っていた。
しかし、2人はレーシングクラブのメンバーとなり今度は一文字たちの助手としての活動を始めたようだ。
2人が日本に残ればスイスで猛は助手がいない状態で戦わなければならなくなる。
それで良かったのだろうか?
こうなると猛がわざわざ孤独を選んでいるようにも思う。
それかルリ子がいるからいいのかなぁ…
一文字は逆に守らなければならない人数が増えたのでこれからさらに大変だ!
ストーリーの転換点と考察
高級豆に釣られて…
藤兵衛たちが加納家の訪問で出されたコーヒーに例の薬を混入させたハエ男。
コーヒーを飲まなければ薬が服用されることはなかった。
しかし、加納修の母がイタリアンローストの最高級品を出したのだから冷めてはもったいないとコーヒーを進めるので藤兵衛とユリは頂くことに。
ちなみにイタリアンローストの最高級品ということは「マンデリンG1」ということになるだろうか。
この「G」の値が低い程グレードが高い。
確かに高級品だが一般人が買えないほどではないため気になる人は試してほしい。
こんな高価なものは一生飲めないかもしれないからと一般庶民のもったいないという貧乏性があだとなってしまい藤兵衛とユリは苦しんだ末に洗脳されてしまう。
滝も頂こうとするが母親の感じの悪さにカップを置いたため服用をまぬがれる。
一文字はそもそも手を付けない。
一文字は改造人間なので効かない可能性が高いが、戦闘能力の高い滝を洗脳できなかったのはショッカーにとって痛手だった。
弘の声掛け
弘の病室で食事をするエミと五郎の水に薬を混入させたため洗脳されてしまった2人。
病室から去った2人を追って弘はレーシングクラブを訪れる。
そこで電話中の一文字の背後からナイフを刺そうとした2人を見て声をあげたことで一文字は難を逃れた。
もし弘が声掛けをしなければ、変身前の一文字は致命傷を負っていたかもしれない。
今回の特撮表現の面白さ
ハエロボット
ハエ男の持つ遠隔操作ロボット「ハエロボット」。
ハエロボットはプラスチックのようなものの模型で上からひもで吊るしているようだ。
大きさは手のひらサイズで通常のハエより数倍も大きいため隠密性には欠ける。
腹部が開いてそこから薬を落とすことが出来る。
人間の飲食物に不純物を混ぜる姿は公衆衛生害虫として知られるハエらしい作戦だ。
特撮満足度(★で5段階評価)
アクション:★★★★☆
高所:★★★★☆
火力:★★★☆☆
水場:☆☆☆☆☆
仕掛け:★★★★☆
ロケ地(執筆者の調べ)
・不明
次回予告より(第43話「怪鳥人プラノドンの襲撃」)
次回のショッカーからの刺客は怪人「プラノドン」。
「プテラノドン」の特性を持った怪人だ。
ラテン語で「プテラ」は「翼」、「ノドン」は「歯(ドン)がない(ノは否定系のノー)」というそうです。
よく恐竜や怪獣で「○○ドン」と語尾に付きますがそれは「歯」という意味ということです。
つまり「プテラドン」であればプテラノドンは歯がないのに「翼があり歯がある」という意味になりおかしいということになる。
プラノドンは飛行能力はありそうだが、前述のようにくちばしは鋭いが歯はないので攻撃能力は低いと考えられる。
滝とエミを利用して一文字を暗殺しようと考えていることから誘拐要因と考えられる。
そしてここ数話で死神博士は「洗脳作戦が得意」なのではないかと考察できる。
今回は洗脳されなかった滝、そして不運にも2話連続洗脳されるエミが一文字に襲いかかる。
次回はどんな洗脳作戦で仮面ライダーを苦しめるのか!?
まとめ
・一文字も悪者なら一般人もしばく
・猛はスイスでの助手ミカとエミを日本に置いてきた
・ミカとエミは立花レーシングクラブのメンバーとなる
・滝は気を失った人はアンモニアで起こす(アンモニアは強烈な刺激臭で気絶した人に気付け薬として嗅がせることがあるそうだ)
・仮面ライダーの新必殺技「ライダー回転キック」が登場