ネタバレがあります。
本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。
あらすじ
ある日「牙ヶ岳」に訪れた男女が2人。
彼らは城南大学の所属の「吉村秀夫」と「陽子」。
2人は論文テーマとして牙ヶ岳の伝承にある「猪男」を調査するため牙ヶ岳に訪れたようだ。
秀夫いわく江戸時代からの史料によれば、今年の春は30年ぶりに猪男が現れる年なんだとか。
2人はなんとか猪男を写真におさめて研究室の連中をアッと言わせたいと意気込んでいる。
すると林の影から一瞬、猪の顔をした人影が現れる。陽子がそれを発見し秀夫に知らせるとなぜか陽子の周辺が急に爆発する。
小爆発だったため怪我がなかった陽子は「私は大丈夫だから、こんなチャンス二度とないかもしれない」と秀夫に追跡を後押しする。
秀夫は陽子を残して林の奥へ進むが突如林に秀夫の悲鳴が響き渡る。
陽子が駆け寄ろうとするが秀夫からはこの場から避難し助けを呼ぶよう求められる。
陽子は道を引き返して現地人に報告、そしてそれが現地のライダー少年隊に伝わり、本部に報告が入り事件が発覚する。
その頃、デストロン日本支部に奇妙な通信が入る。
その通信の主はデストロン大幹部「ドクトル・G(ゲー)」。
ドクトルGは近く来日しデストロン日本支部の大幹部に就任するようだ…
この2つの出来事が大いなる野望の前兆を予感させる…
江戸から続く伝説「猪男」
「城南大学」つまり志郎の後輩でもある「吉村秀夫」と同じ論文に着手する仲間で恋人の「陽子」は論文の最後の仕上げとなる証拠写真を撮りに丹沢の「牙ヶ岳」にやってきた。
江戸時代の史料によると、ここ牙ヶ岳には「猪男」なる伝承の生命体がいるという。
普段猪男は滅多に姿を現さないのだが、今年の春は30年ぶりに猪男が現れる年なんだとか。
30年ごとにということは今作1973年の世界で前回猪男が現れたのは1943年「第二次世界大戦終戦」の2年前だ。
なぜ30年周期なのかは不明だが、もともとイノシシは人気を避けて夜行に活動するなど臆病な面があるので、その習性が滅多に姿を見せないという猪男の伝承に反映されたのではないかと考えられる。
猪男の出現周期はてっきり干支とかに関係しているのかと思いきや次のいのしし年は1947年でした。関係なかった…
生息場所の牙ヶ岳は名前からしてイノシシと言えば鋭い牙というイメージなので設定としてピッタリだ。
仮に江戸時代から続くこの伝承が真実であり、かつ目撃されている猪男が江戸時代と同一個体であるのなら江戸末期から換算しても少なくとも100年近くは生きていることになる。
もし繁殖能力があり、つがいが存在するなら古代から連綿と受け継がれてきたことになるため、今までの人類学を覆す大発見となる(つがいがいるなら猪女もいないとおかしいか…)。
UFOとかUMAが好きな私からしたらワクワクする話しだが本当に実在するのだろうか?
2人はそう信じてやってきたのだ!よし!必ずや猪男をカメラにおさめてやると意気込んでいた2人の前になんと本当に二足歩行でイノシシ頭の人影が現れたのだ!
シャッターチャンスと身構える2人。だが突如陽子の周辺が爆発する。
爆発に面食らう2人だが陽子は無傷、それよりもこんなチャンス二度とないかもと陽子は秀夫を後押しする。
秀夫は陽子を残して、猪男が消えた林の奥に向う。だが秀夫の姿が見えなくなった瞬間!林の奥から悲鳴が響く。
秀夫が猪男に襲われたのかもと陽子は林に進もうとするが、秀夫は陽子に避難、そして救助を呼んでくるように指示する。
このことが発端となり、猪男の目撃事件はライダー少年隊本部まで伝わることになる。
古事記に登場する英雄ヤマトタケルは白猪に化身した山神の怒りに触れて命を落としたという。
2人が目撃した猪男も白い毛の猪男だった。
こういった日本の伝承を加味すると2人は牙ヶ岳の山神の怒りに触れてしまったということかもしれない…
城南大学の後輩であり吉村秀夫のことを知っていた志郎は牙ヶ岳に急行する。
だが村民である「美穂町消防団第三分団」の人々に止められたこと、そして猪男を目撃した者は殺されるという村民の実害を聞いたため今晩は「美保診療所」に保護された陽子の警護にあたることにする。
事件の夜、外は嵐で雨とカミナリが鳴り響く。
カミナリの音に目が覚めた陽子がふと外を見るとそこには昼間見た猪男の姿があった。
大慌てで助けを呼ぶと近くで待機していた志郎が駆けつけるが外には誰の姿もない。
「あなたは夢を見たんですよ」と怯える陽子を落ち着かせた志郎は一晩中、陽子の眠るベットの横で警護を続けた。
結局その晩、猪男は現れずに朝を迎える。
嵐も晴れたので志郎は陽子とともに秀夫の捜索に向かおうとする。
だがそこへ行方不明だったはずの秀夫が現れる。
だが、秀夫の様子がおかしい…
あんなにも研究に野心を燃やし、今回の調査にも意気込んでいた秀夫。
そして志郎には「人類学に新しい1ページを開く!」と熱く語っていた青年がまるで夢を失った抜け殻のように「猪男など人間の作り出した空想だから無駄な研究」とまで言い放ったのだ。
吉村秀夫が大学で専攻している分野は不明だが「人類学に新しい1ページを開く」と発言していたこと、そしてその研究対象が猪男でその存在を信じているということは自然人類学を専攻しているのではないかと推測できる。
まるで別人のようだ…志郎は結論を急ぐ秀夫を止めようと肩に触れた瞬間!志郎の身体に電気が走る。
秀夫は研究を切り上げ帰宅するため、陽子を置いて車で引き上げてしまう。
不審に思った志郎はバイクで秀夫の車を追うがなぜか見えない壁に阻まれ転倒。秀夫を見失ってしまう。その見えない壁にはGの文字が浮かび上がる…
志郎を撒いた秀夫は車を止め、真の姿を現す。
そう…今の秀夫は怪人「ジシャクイノシシ」。
このジシャクイノシシの姿こそ秀夫と陽子が目撃した猪男だったのだ。
みなが見た、噂した猪男の正体はジシャクイノシシだとわかった。
だが本当にジシャクイノシシが猪男だったのだろうか?
私は最初ジシャクイノシシの特性は「磁石」と「イノシシ」そう思っていたが本当は「磁石」と「猪男」が特性なのではないかと考えるようになった。
確かに猪男の姿を見たことが人々からするとジシャクイノシシを見た者は彼を猪男と判断するだろう。
だが江戸時代の史料にある猪男の正体が最近こしらえたデストロンの怪人ジシャクイノシシであるはずがない。
つまりジシャクイノシシ以前に本物の猪男がいたはずなのだ。
そんなバカなと思うかもしれないが仮面ライダー(初代)でも首領率いる組織では古代恐竜「ピラザウルス」や「雪男」、一角獣「ユニコルン」など架空の生物を怪人の素体や材料として利用した例がある。
ならば猪男の存在も十分にあり得る。
今回デストロンはその「猪男伝説」を聞きつけて猪男を捕えて怪人化したのではなかろうか。
そして牙ヶ岳にアジトを構え、時折村民を襲うことで伝承は本当なんだと信じこませて恐怖心を植え付け、アジトの場所まで人を近づけないようにしていたのではないかと考えられる。
実際に村民で猪男の姿を見たものはいないが、調査に向かった人々が帰らぬ人となっていることから、デストロンは村民に伝承が本当であると信じ込ませることに成功したといえる。
伝承を上手く利用し人間の心理につけこんだ作戦だが、そのせいで本物の猪男がいなくなってしまったことは人類学の損失である(本物見たかった!)。
電子機械人は磁石が苦手
志郎を撒いた怪人「ジシャクイノシシ」は今回のデストロンの目的である「G(ゲー)作戦」に向けてセットしたばかりの左腕の武器「スーパー磁石」のテストを行う。
スーパーというだけあって通常の磁石より磁力が高いことが予想できる。
だがなにより凄いのが磁力の強さだけではなく、それを自由自在に操り車など大型なものを「磁気浮上」で浮かせることができることだ。
この磁気浮上の原理を使い、ジシャクイノシシは鼻歌まじりで陽気にドライブを楽しむ男性の車を空中に浮遊させ、その後磁力を解除することで車を空中から谷底に落下させる。
谷底に落ちた車は爆発し全壊しいたため、とても男性が助かる状況ではなかったように思えた。
だがその男性は常人とは思えないほどの驚異的な耐久力で生き延び、バイクで秀夫を追っている道中の志郎に助けを求める。
車が突然空中に浮くという奇妙な現象に遭遇した男性は志郎に事情を説明。
そこへまさか男性が生き延びると思わなかったデストロンが口封じのため戦闘員を差し向ける。
志郎が戦闘員と戦う中、ジシャクイノシシは次の車を見つけて浮遊させ、志郎目がけて投げつける。
志郎はすんでのところで回避するもその勢いで谷底に落ちてしまう。
谷底に死体確認を急ぐ戦闘員だが、崖の上から笑い声が!その声は仮面ライダーV3!
V3は崖の上から勢いをつけてジシャクイノシシにV3キックを放つ。だが、ジシャクイノシシの技「磁石バリア」を展開されV3キックは跳ね返されてしまう。
どうやら磁石バリアはスーパー磁石装着者の周囲に電磁網を張り巡らせることで、車の浮上でも使用されたであろう「反磁性」により攻撃をはね返しているようだ。
これでは動作の大きい大技は通用しない。
なんとか突破口をつかもうと抵抗するV3。
だが簡単には近づけさせてもらえず、今度はその磁力でV3の電子頭脳を狂わそうとV3の頭部目がけて強力な磁力を発する。
本当に電気機器と通信機器は磁力に弱い…
最近の電子機器はある程度耐性があるようですが、昔の電子機器はおもちゃの磁石程度でもすぐ壊れたものです…
私も昔それでゲームソフトやラジオを壊してしまったことがあります…
電子頭脳のV3にとって強力な磁力は脳ミソを直接かき回されているも同義。
V3はそれに耐えかねたのか、もだえ苦しみながら谷底に落ち爆発してしまう!そんな…V3が負けた!
逆境の逆タイフーン
ジシャクイノシシに敗北したV3。
確かに敗北したのは事実だが実は死んではいなかった。
では、あの爆発は一体何だったのか?あの爆煙の正体はどうやら「土煙」らしい。
確かにあのカットの爆発は爆音もなくほぼ無音だった…これは偶然か?いや必然だ。
あの場面でV3は26の秘密の8つ目「逆タイフーン」に開眼していたのだ。
「逆タイフーン」とは「ダブルタイフーンを逆回転させることで激しい旋風を巻き起こす技」だ。
V3はこれを利用し土煙を上げ自爆したように見せかけたのだ。
通常のダブルタイフーンの回転がベルトに風のエネルギーを取り込む動作だとすれば、逆タイフーンは風のエネルギーを吐き出す技である。
しかし、その影響で強制的に変身解除されてしまう上に3時間は再変身が不可能という大きなデメリットもある。
一時的に危機を脱したが再変身が不可能な3時間の間にもデストロンの作戦は着々と進行している。
その間、V3として活動できない志郎はライダー少年隊本部に緊急通信、藤兵衛に「中野に住む吉村秀夫という男がデストロンと関係があるかもしれないから見張っていてくれ」と依頼する。
藤兵衛との通信を終えた志郎は純子の心配は無視してブツ切り(笑)
前回、純子に正体がバレかけたのでボロを出さないように極力会話は避けているのだろうか?
変身ミスで大ピンチ!逆タイフーン使用から2時間59分…クールタイムはあと1分!
秀夫を見つけた藤兵衛は志郎に無線連絡を行うがなぜか通信が不安定だ。
それもそのはず、彼はジシャクイノシシ。身体からは常に電磁波を放出しているので周辺の機器に影響を及ぼしているはずだ。
志郎の指示を仰ぐことを諦め、単独で尾行を開始しようとする藤兵衛。
だが、車から出ようとしたところ尾行に気がついていた秀夫(ジシャクイノシシ)に気絶させられてしまう。
ジシャクイノシシは常に身体から電磁波を発しているのでレーダーのように索敵して藤兵衛の尾行に気づいた?
秀夫はその足で帝国ホテルの駐車場に向かい、そこから新幹線に狙いを定める。
秀夫(ジシャクイノシシ)はV3に宣言した通り新幹線を破壊する作戦に移行する。
そこへ秀夫を追ってきた志郎が到着。
志郎を「風見先輩…」と呼ぶ秀夫(ジシャクイノシシ)に「白々しい」と問い詰める志郎だが、その前に陽子が割って入ってくる。
おそらく「風見先輩…」は正体を隠すためしらばっくれるセリフでもあるが、志郎(V3)が生きている!倒したはずなのになぜ?の意味も含まれていそうだ。
志郎は陽子に秀夫の正体がデストロンであることを諭すが、陽子は信じられない!と秀夫を庇う。
だが、志郎の訴えに押された秀夫はとうとうジシャクイノシシとしてその正体を現す!
ショックで陽子は気絶したため志郎はV3に変身…V3!!
…あれ?そう…少し忘れているかもしれないがダブルタイフーンは逆タイフーンを使用してからまだ3時間を経過していなかったのだ!
しかし、クールタイムまであと1分…この1分をなんとか耐えれば…
この1分が長い…1分あれば100m先のウサイン・ボルト選手が6回通過できる…
変身ポーズが不発なのは気まずい…フラッシュモブのタイミングを1人だけミスってフライングした時ぐらい気まずい…(経験ないけど)
だが変身しない志郎にジシャクイノシシの猛攻が襲う。
そして志郎はジシャクイノシシに屋上から突き落とされる!
改造人間とはいえ生身の志郎では落下の衝撃に耐えられない!その時!逆タイフーンのクールタイムが終了!変身可能状態となる。
変身可能の合図をダブルタイフーンから感じた志郎は落下しながらも変身を完了。
V3として屋上に舞い戻り、デストロンに立ち向かう。
気絶から覚醒した陽子を戦闘員から解放・避難させたV3は戦闘員を蹴散らしていく。
だが、その間にジシャクイノシシに逃走を許してしまったため、V3ホッパーを使いジシャクイノシシの居場所を特定。
ハリケーンジャンプで大空駆け、ジシャクイノシシを追う。
この帝国ホテル周辺のシーンで「ーヤルレコード」という看板を目にする。
「ニューギンザビル1号館」に貼られたこの看板の正体は「ローヤルレコード」。
調べてみると1960年代から1970年代に存在したマイナーなレーベルのようだ。
こういったことも知れるからレトロな作品は面白い。
ロケ地そのものが貴重な資料映像。
自分の好きな作品でこういった出会いがあるからこそ、自身が存在していなかった時代の映像は面白い!
ジシャクイノシシ決死の囮作戦
ジシャクイノシシは丘の上から新幹線に狙いを定めていた。
このままでは新幹線が破壊され交通網は大混乱が発生してしまう。
そこへハリケーンジャンプでV3が到着しジシャクイノシシと1対1で相対する。
ジシャクイノシシは再度V3の電子頭脳を狂わそうとスーパー磁石で狙いを定めるが、V3はジャンプで華麗に回避。
ジシャクイノシシの背後を取り、スーパー磁石の効力を発揮させない。
このシーンでV3はジシャクイノシシに「お前の弱点は背中」と指摘する。
そのため私は当初「背中を狙え!イケイケ!あれ…?V3なかなか背中を狙わない…なんで?」と思って観ていましたが、どうやら「背中が弱点」というのは「急所」という意味ではなく「スーパー磁石の効果範囲外」という意味だったようです。
勘違い、勘違い!でもそれなら「背中」ではなく「背後」という表現のほうが分かりやすかったかも。
仮面ライダーの強さは「同じ手は二度と通用しない」こと!
それでも依然、警戒しなければならないスーパー磁石。だがV3はジシャクイノシシの左腕を抱え込み新技「V3電撃チョップ」でスーパー磁石を破壊。
こうなれば勝負はついたも同然!
だが「交通網混乱作戦」は失敗したが、もう1つの「G(ゲー)作戦」は成功したとジシャクイノシシはいう。
「G(ゲー)作戦」とは「強力な怪人軍団を率いるデストロンの大幹部「ドクトル・G(ゲー)」を無事日本に上陸させる作戦」だ。
自身の作戦は阻止されたが、自身と自身の作戦を囮にG作戦を成功させたジシャクイノシシは最後の力を振り絞り、V3と相打ち覚悟で体当たり攻撃「イノシシダッシュ」を繰り出す。
だが、V3に回避され、その勢いで崖下に落下、結果的に自爆するかたちで決着がつく。
イノシシダッシュに対しV3は崖を踏み外し転んだことで偶然回避したようにも見えるが、V3をよくよく見ると崖に掴まる構えをしているので狙って回避していることがわかる。
正にジシャクイノシシの名に相応しい、命をかけてV3を磁石のように引き付け囮となる見事な最期だった…
その頃、ジシャクイノシシが発言した通り、デストロンでは「ドクトル・G(ゲー)」が来日。
デストロンのシンボルと同じサソリ型の兜、そして中国甲冑のような鎧に身を包み、左手には盾、右手には斧を持ち、首領に「悪魔の知恵」と例えられるほどの頭脳を持つ智将、それがドクトル・Gだ。
ドクトルというので「ドクター」的な「科学者」や「医者」を想像していたが、思ったよりも武闘派なドクトル・G。
そういやGの来日を隠したかった割に最初に志郎を磁石バリアで足止めした時、空中に「G」の文字を浮かび上がらせたのはなぜだろう?挑発?
あれでバレたらどうすんだよ…
志郎は事件を解決したにもかかわらず心が晴れない。なぜなら大幹部の来日がさらなる戦いの激化を予感させるからに他ならない…
そういえば志郎は本物の吉村秀夫はまだ牙ヶ岳にいるはずと予想していたがその後どうなったのだろう?
本物の吉村秀夫に「風見先輩!」ともう一度呼ばれたい…
ストーリーの転換点と考察
ジシャクイノシシが囮作戦に徹したこと
ドクトル・Gが日本に上陸できた要因、それはジシャクイノシシが囮に徹したことだ。
V3に「新幹線破壊作戦」を安易に漏らしたことを志郎に指摘されていたが、終わってみればその情報があったからこそ志郎は大幹部が来日するとは露知らず、まんまとジシャクイノシシの術中にハマっていたことになる。
ジシャクイノシシが気絶させた藤兵衛を人質にしなかったのも人質にすればアジトに連れていく必要がある、それすなわちドクトル・Gのお忍び来日に影響が出ると考えたためとも考えられる。
交通網を混乱させる作戦を阻止したV3だが、囮と見抜けずドクトル・Gに来日を許した時点で今回はある意味で負けだったのかもしれませんね…
注目の特撮表現
ジシャクイノシシの電磁網「磁石バリア」表現
ジシャクイノシシの技「磁石バリア」は効果範囲にカミナリのようなギザギザのエフェクトを合成することで表現している。
そしてそのバリアでV3キックを跳ね返す表現をジシャクイノシシに向かってV3キックを放つ映像を逆再生させることで表現している。
V3の26の秘密「逆タイフーン」表現
V3の26の秘密の1つ「逆タイフーン」は「ダブルタイフーンを逆回転させ、その凄まじい風力で土煙を上げることで自爆したように見せかける技」なのだが、あくまで土煙なので爆発音はなく本編でもそこはしっかり無音で表現されている。
落下しながらの変身表現
逆タイフーンのデメリットである使用後3時間の変身インターバルの影響でピンチとなり、ジシャクイノシシにビルの屋上から突き落とされる志郎。
だが落下中に残り1分のインターバルが切れ、変身可能状態に。
その時の変身表現を俳優の上半身を映しつつ変身ポーズを行わせて、背景にビルの上から下をなぞる映像を合成することで志郎が落下しながら変身をしている様子を表現している。
そして変身後、V3が両手を上げジャンプしている様子を上半身だけ撮影。その映像と先ほど使用したビルの上から下になぞる映像を逆再生で合成することで変身後V3がビルの屋上にジャンプで戻る様子を表現している。
スーパー磁石の磁力を回避する表現
ジシャクイノシシのスーパー磁石が放つ磁力は目に見えない。
それを回避するV3を表現するため、ジシャクイノシシがスーパー磁石を構える→V3が前回りジャンプで回避→スーパー磁石を回避方向に向ける→V3が後転ジャンプで回避→スーパー磁石を回避方向に向ける→これらを繰り返した後、その後半に連続してV3がジャンプするカットを挿し込むことでV3の怒涛の回避ラッシュを表現している。
新必殺技「V3電撃チョップ」表現
特に電撃などのエフェクトはなく、チョップの直撃部分が小爆発を起こす程度なので通常のチョップとは特に差はない演出になっている。
ドクトル・Gの登場表現
ドクトル・Gの前に花火を焚くことでプロレスラーの入場のように派手で劇的な登場を表現。
そしてドクトル・Gが首領にV3の抹殺を誓うと再度花火が焚かれるのだが、これはGの勢いとこれから始まる波乱を思わせるための表現ではないかと感じた。
特撮満足度(★で5段階評価)
特撮満足度
アクション:★★★☆☆
猛烈度:★★★★☆
敵の強さ:★★★★☆
ロケーション:★★★☆☆
仕掛け:★★★☆☆
第13話の名言・迷言・珍言・失言
風見志郎「デストロンの連中に先輩呼ばわりされる覚えはないぜ…」
吉村秀夫(ジシャクイノシシ)が正体を隠し、しらばっくれる目的で「風見先輩…」と発言したことへの志郎からのアンサー。
デストロンが馴れ馴れしい…「君にお義父さんと呼ばれる筋合いはない!」と同じニュアンスでの志郎からの強い拒否反応から出た発言だろう。
そういえば前作【仮面ライダー(初代)】31話「死斗!ありくい魔人アリガバリ」で弱気な態度を見せ「オヤジさん!」と泣きつく一文字に対して藤兵衛が「馴れ馴れしく呼ぶな!」と突き放すシーンがあったな…
あれは拒否というより叱咤激励だったけど、あの時のおやっさん厳しかったな…
ナレーション「まだ3時間は経っていない…」
逆タイフーンのデメリットで変身失敗する志郎に対して冷静にツッコミを入れるナレーション。
ロケ地(執筆者の調べ)
・「帝国ホテル」
次回予告より(第14話「ダブルライダー 秘密のかたみ」)
次回のデストロンからの刺客は怪人「ガマボイラー」。
「ガマガエル」と「ボイラー」の特性を持った怪人だ。
ガマガエルの頭部に胴体がボイラータンクのように寸胴でマスコットキャラクター的ビジュアルでデストロンの怪人にしてはちょっとかわいい。
タイトルにもあるダブルライダーが残した「秘密のかたみ」というのはなんと「V3の欠点」のことだった。
ダブルライダーはなんてものを残してくれたんだ…
だがその弱点を補って余りある強さを誇るのがV3でもある。
次回、ガマボイラーはその弱点を執拗に狙う。
それに対抗するV3なのだが、なぜか理由はわからないがガマボイラーを倒すとV3まで死んでしまうらしいのだ。
一体なぜ?理由はガマボイラーとV3の欠点に相関関係がありそうだ。
そして日本に上陸した新幹部「ドクトル・G(ゲー)」がV3を襲う!
感想・まとめ
今回は新怪人1体だったため前回までの詰め込み感がなく、大きく混乱せずに視聴することができました。
前作【仮面ライダー(初代)】14話「魔人サボテグロンの襲来」から2号による新シーズンが開始されたように、今作も13話から新展開を予感させ14話に繋げる構成となっている。
今回登場した26の秘密「逆タイフーン」は衝撃的だった。
逆タイフーンが起こす激しい旋風を今後どう活かせるかは置いといて、今回の使い方を見ると能力に対してリスクやデメリットが大きいように感じた。
今回は煙幕で文字通り煙に撒いたわけだが、もしこの旋風を攻撃に使用したならば速攻で相手に強制変身解除のデメリットがバレてしまう危険性がある。
そのため自爆したふり以外の使用は今後の活動、そして命にかかわるため慎重に取り扱う必要がある。
仮面ライダー旧1号も強い向かい風を受けないと変身できないなど、仮面ライダーそれぞれに弱点はあり苦戦する場面もあるが、それを乗り越え彼ら自身のヒーロー像を築き成長していく過程を見せてくれるのもシリーズの魅力の1つと言えるでしょう。
リスクを取って大きなリターンを得る。そんな綱渡りのような命のやり取りを勝ち抜きゲルショッカーを打ち倒したダブルライダー。
V3もリスクを恐れず自身の能力をフルで活用する姿は観ていてドキドキハラハラワクワクする!
今回判明したこと
・丹沢の「牙ヶ岳」には江戸時代から続く「猪男伝説」がある
・V3の26の秘密の8つ目「逆タイフーン」はダブルタイフーンを逆回転させ、風のエネルギーを勢い良く放出させることで激しい旋風を起こす技である(その代わり次の変身まで3時間のクールタイムが必要)
・V3新必殺技「V3電撃チョップ」
・デストロン日本支部に新幹部「ドクトル・G(ゲー)」が就任する