ネタバレがあります。
本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。
あらすじ
深夜、貯水庫の水を放出させるため怪人「ガラガランダ」がコントロール室を襲う。
しかし、貯水庫を放出してしまうと下流にある「星野町」が浸水してしまうため断固拒否する職員。
だが貯水庫開放には浸水以外にも恐ろしい目的があった。
ガラガランダは貯水庫の水をガラガラヘビの猛毒で満たしており、その水を放出することでその水道を使用している200万人もの人々を毒殺してしまおうと企んでいた。
だがそこへ仮面ライダーが現れて事態は好転。
なぜ仮面ライダーに作戦を嗅ぎ付けられた!?と驚くガラガランダ。
どうやらあるショッカーメンバーから「毒水道作戦」のリークがあったようだ。
なんとかガラガランダを退けたが一体誰がショッカーを裏切り情報をリークしたのか?
謎とともに夜は明ける…
地獄大使の裏切り!?
ショッカーアジトでは地獄大使が鎖に繋がれ拘束されようとしていた。
どうもショッカー首領は地獄大使が作戦情報をリークした裏切り者だと判断したようだ。
確かに前回、地獄大使はショッカー首領への忠誠心が揺らぐ出来事があり、裏切る可能性があった。
だが予告から先読みしてしまうが、ガラガランダは地獄大使のはず。
自ら前線に立って行う作戦の情報をリークするだろうか?
最悪自身が仮面ライダーにやられかねないのだから。
それに首領が「ガラガランダの報告で」って言ってるし…地獄大使が新怪人を知らないのはわかるとして、首領はガラガランダを地獄大使だと知らないは有り得ないでしょ!
後日、少年仮面ライダー隊に見慣れないハトから文書が届く。
登録番号は「0001」だが未登録の番号だ。
0001が未登録ということはライダー少年隊の登録番号は1から順ではないということだ。
だとすると77話「怪人イモリゲス じごく牧場の決斗!」の考察は外れていたということになる。
確かに隊の規模的に登録番号が「5668」の隊員がいるので、1から順だと全国に約6000人いることになるからな…これだけの構成員どこぞの暴力団だよってね。
ハトにはカプセルが取り付けられており足から外すとカプセルが展開。メッセージが流れる。
メッセージの差出人はショッカー首領。地獄大使の死刑執行立会人の招待状だ。
内容は「9月30日午後4時、場所は晴海第8倉庫で地獄大使の死刑執行を行う。その立会人として本郷猛を招待。なお当日は本郷猛に一切危害を加えないと約束する。」というものだ。
レディースが警戒する通り当然罠の可能性がある。
だが、前日の作戦をリークした主が地獄大使という可能性を考え、本当に裏切り者なら打倒ショッカーに役立つと考えた猛と滝は救出作戦を立案する。
殊勝な地獄大使
死刑執行当日。
倉庫へ向かった猛は地獄大使死刑執行の場に案内される。
ショッカー首領から最後の言葉はあるかと尋ねられた地獄大使は猛にこう発言する。
「本郷君、長い間好敵手だった君が快く私の立会人になってくれたことに対して最後に一言礼を言わさせてもらう。ありがとう…」
そんな!?こんな殊勝な地獄大使は地獄大使じゃない!!お前は誰だ!となりそうな心を抑えて先を観てみよう。
地獄大使の最後の言葉が終わりギロチンの処刑台に首を乗せるのだが、地獄大使の頭がでかすぎてハマっていない(笑)まあまあこれはいいでしょう…
その後だ…死刑執行、ギロチンを支えていたヒモは切られ、ギロチンの刃が地獄大使を襲う。
ここで密かに侵入していた滝がスモッグ爆弾を焚いて死刑執行場を混乱させた隙に地獄大使を救出する。
…?ギロチンが落ちる前にスモッグ爆弾を焚いて救出なら理解できるが、ギロチンは落ちたぞ!?
猛が変身して刃を止めたとかならわかるが、刃が落ちきってから救出しており、落ちた刃もいつの間にかどこかへ消えている。
地獄大使は怪人のためこんなちんけな刃通らないよ!!ならまだわかるんですが、突然刃が消えるのはわからん…
刃が落ちた時、地獄大使の目の前で爆発が起きたので滝が処刑台の後ろの隙間から何らかの爆弾で吹き飛ばしたという可能性はある。
だが滝は部屋の中が見えない隙間から適当にボンボンスモッグ爆弾を入れていたので狙ってやったとは思えない。
う~ん演出上ならギロチンの刃をヒモが支えており、切られる前の瞬間にスモーク爆弾で混乱させ、ギロチンが落ちる前に救出したという演出にしてほしかった…ちょっと分かりにくい。
所属不明の謎の怪人ガニコウモル
地獄大使が裏切った最中、唯一気掛かりなのが彼も知らない謎の怪人の存在。
その怪人と猛が大竹村以来の遭遇。怪人の名は「ガニコウモル」。
やはりショッカーの怪人だったのかと言う猛に対して「そう思うのはお前の勝手だ!」と発言。
まるでそうじゃない、ショッカーではないと言いたげな発言だ。
やつは一体首領とどういう関係なのだろうか?
ガニコウモルは名前からも連想できる通り「カニ」と「コウモリ」2つの特性を持っており、鋭いツメとコウモリの飛行能力、そして頑丈なカニの外皮で防御力も高い。
その証拠にサイクロンアタックとの正面衝突でも倒せず、相打ちとなるほどの頑丈さだ。
何とか追い払うが、やつはまだ底知れぬ何かを隠しているような気がする…
救出後のお留守番
地獄大使を救出した猛と滝。
救出の際に地獄大使も把握していない謎の怪人「ガニコウモル」も気になるところだが、今はガラガランダの次なる目的を聞き出すことが最優先だ。
地獄大使の読みだとガラガランダは昨夜の貯水庫事件で毒を放出しきっており、その補給に向かうはずだと考えている。
そしてその補給場所は砂漠、東京から近い砂漠といえば静岡県浜松市にある「中田島砂丘」だ。
早速案内しようと地獄大使が名乗りでるが、猛と滝は本部に待機することを提案する。
しかも猛と滝が砂漠へ出払った状況でだ!これは誰から見ても明らかに軽率な行動だ。
この行動が吉と出るか凶と出るかで…凶でした!
猛たちが出払った後、レディースたちは警戒する。
ゾル大佐も死神博士も最終的に「狼男」、「イカデビル」と怪人だったので地獄大使もそうではないかと警戒モードに入る。当然だ…
ちょっと驚いたのがヨッコがゾル大佐を知っていたことだ。ゾル大佐が日本支部幹部だった時、ヨッコやチョコはまだレーシングクラブにも在籍していなかった。
ということは本部には今までの事件の記録があり、閲覧できるということになる。本部らしいじゃん!!
話しを戻すとレディースたちが言いたいのは人間つまり未改造であれば何かあった時、部下のいない地獄大使を4人がかりで押さえつけることもできるが、もし改造人間だったら…
さすがはレディースの方が勘が良い、逆に猛と滝や藤兵衛が鈍すぎるぐらいだ。
案の定地獄大使の正体は怪人であり、さらにその正体はみなが血まなこになって探していたガラガランダ本人だった!
地獄大使の再裏切り!?
地獄大使はショッカーを裏切り、猛たちも裏切った。
そもそも猛たちを裏切ったのではなく、最初からショッカーとして裏切ったふりをしていたのだ…
と普通は考えるだろう。だが最初からショッカー内での裏切ったふり作戦であれば地獄大使を拘束するシーンは必要ない。
なぜなら猛たちの見ていないところで裏切った演技したって意味がないからだ。
だとすると地獄大使が拘束されているあの瞬間、あれは演技ではなく本当に裏切っていたと考えるのが自然だろう。
そのことを証明するように地獄大使は藤兵衛たちに「敵を欺くにはまず味方からだ!」とネタ晴らしをしている。
地獄大使が本当に味方を騙していたため、猛と滝は本気で信じ込んでしまったのだ。
そのためもし猛が処刑立会人として現れなければ、敵を欺くために味方すらだましていたので本当に地獄大使は死刑になっていた。
あの地獄大使の感謝の言葉は猛が騙されて立会人として救出にきてくれたことで、自身が助かることへの本気の感謝でもあったのだ。
演技ではなく本気でショッカーが死刑執行を行おうとしていたからこそ2人を騙すことができたのだ。
まさに地獄大使一世一代の大博打。賭けは地獄大使が勝ったのだ。
賭けに勝った地獄大使は藤兵衛とレディース3人を人質に取ることに成功。
人質となった藤兵衛たちの睨み付ける顔は地獄大使へのものと思われるが、同時に地獄大使を本部に残して留守番をさせた猛と滝に対して「ほらいわんこっちゃない」と恨めしそうに見ているようにも感じた。
視線が痛いぜ!
地獄大使の最期
地獄大使の正体は怪人「ガラガランダ」。
砂漠のガラガラヘビと名乗るだけあって砂漠を利用した、目潰しや穴潜りで撹乱しムチで攻撃する。
あとは毒攻撃があるはずだ。
地獄大使はガラガランダが昨夜の貯水庫事件で全ての毒を放出していると言っていたのだがあれも嘘か?と思ったらどうやらそれは本当のようで毒攻撃は一切してこなかった。
そのためガラガランダはスペック通りの能力を発揮できているとは言えず激戦の末ライダーキックで散る。
「きっと蘇って必ず貴様を倒してやる!ショッカー軍団…バンザーイ!」ドカーン!!
首領にあんな扱われ方したのに最後まで忠誠心を貫いた地獄大使あっぱれ!
蘇る算段があるような口ぶりだが、蘇った先にはショッカー軍団はなく、自身も求められていないとわかった時の地獄大使が少し不憫だ…
首領の信頼なくして何が世界征服だ!
ストーリーの転換点と考察
地獄大使とのお留守番
地獄大使を信用するところまでは状況的にも選択肢として組み込んだのは理解できる。
だが地獄大使を本部に残して藤兵衛とレディースたちだけでお留守番させたのは明らかにミスだ。
滝がついていても裏切りや暴走した地獄大使を止められるか怪しいのに猛まで出払っては弱みを突かれてしまう。
案の定正体を表したガラガランダこと地獄大使に4人を人質にとられた。すぐに殺されなかったのが救いだが、珍しく危機感がない判断だなと思った。
賭けの副作用
地獄大使は味方を欺き、敵(ライダー少年隊)を騙すことに成功する。
その知略と度胸は称賛に値する。
だがその副作用も大きい。
なぜならこの時点で地獄大使はショッカーにとって本当の裏切り者であるからだ。
そのためショッカーに増援をお願いすることもできず、仮面ライダーと戦うにも少数の戦闘員のみで挑まなくてはいけない状況となる。
これはショッカーを裏切り、刺し違えても仮面ライダーを仕留めるという地獄大使の覚悟の表れでもある。
だが賭けには勝ったが勝負に負けた…
今回の特撮表現の面白さ
カプセル文書表現
地獄大使死刑執行の招待をカプセルで知らせてきたショッカー首領。
そのカプセルは展開すると台座に赤い四角いランプ、その後ろに丸いアンテナのようなものが付いており、アンテナにはなぜか触覚が2本生えている。
首領が話す間隔に合わせて赤いランプが点滅するようになっている。
サイクロンアタック表現
飛行するガニコウモルにサイクロンアタックで突進する仮面ライダー。
ガニコウモルとサイクロン号に乗った仮面ライダーの模型を使い空中で衝突しあうアクションを表現している。
ガラガランダの砂漠戦闘表現
砂漠では様々な表現が登場した。
砂漠の砂を舞わせることで目潰し、そして砂の舞を利用し、舞が去った後に地獄大使がガラガランダに変身しているという変わり身を表現。
砂漠に突っ伏して砂をまさぐることで地中に入り込む表現。
砂漠から空気を噴出させることでガラガランダが地中のそこにいるぞ!と特定できる表現。
そしてガラガランダの場所を特定した仮面ライダーがその周辺をチョップするとボコッという音とともに前方にカメラがスライドする。
そこにはもぐら叩きで叩かれたモグラのようにうめくガラガランダという構図を作り出すことで地中から引きずり出すことに成功したということを表現している。
あとこれは特撮表現ではないですが、砂漠なので人質の拘束方法も個性的で頭だけ露出させ首から下は砂に埋められている。
地獄大使とショッカーの最期を表現
ライダーキックを食らい倒れる地獄大使を引きで撮影。
広い砂漠は良い意味で邪魔な背景がないので夕陽をバックに大爆発する姿は地獄大使、そしてショッカーの最期という大きな一歩という壮大なものを表現しているように見える。
特撮満足度(★で5段階評価)
特撮満足度
アクション:★★★☆☆
高所:★★★☆☆
火力:★★★☆☆
水場:★★☆☆☆
仕掛け:★★★★☆
第79話の名言・迷言・珍言・失言
地獄大使「本郷君、長い間好敵手だった君が快く私の立会人になってくれたことに対して最後に一言礼を言わさせてもらう。ありがとう…」
演技とはいえ殊勝な最高幹部を観れるなんて普通有り得ない。
上記セリフ以外にも「お恥ずかしい」とか「では、お世話になる」など逆に不気味だ。
藤兵衛が「いやいやいや…あんまり世話したかないがな」と気味悪がるのもわかる。
地獄大使「首領の信頼なくして何が世界征服だ!」
これも本音かわからないがショッカーに信頼とかあるの?
こういう独裁組織ってトップ(首領)が黒と言えば黒、白と言えば白じゃないの?
「きっと蘇って必ず貴様を倒してやる!ショッカー軍団…バンザーイ!」
首領に裏切られ利用され、罵倒されても最後の散る瞬間まで首領への忠誠心を貫いた地獄大使はあっぱれだ!
でもバンザーイで散る最後というのはある種、異常信仰というか。
本当に分かりやすく言うと「こんな首領のどこがいいの?」ということだ。
カリスマ性っていうのは副流煙中毒みたいなものですね。
相手は美味しくタバコを吸っているけど、その弊害として吐いた副流煙が他人を不快にさせる。
だがその副流煙に魅了されて中毒になり、タバコを吸って副流煙を出す人を信仰してしまうみたいな変な状態ですよ。
ロケ地(執筆者の調べ)
・「晴海第8倉庫」
・「中田島砂丘」
次回予告より(第80話「ゲルショッカー出現! 仮面ライダー最後の日!!」)
次回のショッカーからの刺客は!?…?
ショッカーは日本を放棄し新たに「ゲルダム」の力を加えたゲルショッカーを結成。
新最高幹部に「ブラック将軍」迎え、謎の怪人として度々現れた「ガニコウモル」も結成式に登場。
そうか!ガ二コウモルのことを地獄大使に秘密にしていたのはゲルダムという別組織の機密情報だったからか!
だとしても最高幹部に別組織の立ち上げを告知しないということは最初から新しい組織に地獄大使は必要ないと思われていたのだ…
地獄大使は仮面ライダーが倒したのではない…実質首領に消されたんだ…
ブラック将軍は将軍と名乗っているので地獄大使の代わりの智将ということだろう。
そしてガニコウモルは「カニ」と「コウモリ」2つの特性を持つ怪人だ。
今までは1つの特性のみだったので、もしかしたらゲルダムの力を使いハイブリットの怪人を作り出すことに成功したのではないかと予想できる。
ガニコウモルは「サイクロンアタック」を真正面から受けても飛行を停止しないほど頑丈な怪人、これはカニの甲羅のような頑丈さ、そしてコウモリのような飛行能力。
そして2話「恐怖蝙蝠男」の「蝙蝠男」の例をあげるならヴィルスを持っている可能性もある。
これはまた厄介な組織になってきたぞ…
感想・まとめ
忠誠心のより所ってなんでしょうね…
信頼?尊敬?愛情?虚栄心?
ショッカーの場合は信仰心?それとも洗脳による嘘の信頼・尊敬?
地獄大使は智将なので首領に見限られていることは薄々気づいていたのではないだろうか。
だからこそ相打ち覚悟で仮面ライダーに特攻したのだろう。
仮に仮面ライダーを倒したなら首領は自身を見捨てないだろうし、相打ちならショッカーのために死ねたと喜ぶだろう。
今回は負けてしまったので憎悪のまま散っていったが今後首領の悪魔の秘術で復活することも十分あり得る。
ただ首領の忠誠心まで復活するかというとどうでしょう…
私だったら黄泉で下界を見ながらよくよく考えた結果洗脳が解け、そして復活したなら首領はもう信じられないでしょうね。
これは悪に加担しないというわけではありません。根底にあるのは悪なのだから。
ただ首領の命令で悪はやりたくないなということです。
悪けりゃ何でも良いわけではなく、悪にも好みってありますしね。
今回判明したこと
・ショッカーの死刑はギロチン刑
・ライダー少年隊の登録番号は1から順ではなく、ある程度ランダム
・ショッカーは日本、そしてショッカーという組織を放棄して新たな組織を作ろうとしている