ネタバレがあります。
本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。
第53話「怪人ジャガーマン 決死のオートバイ戦」感想・考察
あらすじ
自然動物園の守衛はトラの前に2時間も立っている男を不審に思い、閉園時間も近いため帰宅するように声をかける。
だが男はトラとまだ話しが終わっていないと奇妙なことを言う。
何度説得してもその場を動かない男に困り果てる。
するとその男は帽子を取る。
と次の瞬間!ヒョウの顔をした化け物へ変化した。
大慌てで守衛室に逃げ帰り、110番をしようとするが、同僚の「こうの」が妙に落ち着いている。
だがこうのだと思い込んでいた人物はあの化け物だった!
守衛室に先回りした化け物はこうのを殺害。
そして通報しようとした守衛もまた殺される。
その頃、久しぶりに帰国した猛は藤兵衛とともにレース出場に向けて走り出していた。
久しぶりの再会と夢への再挑戦に2人は心が躍り練習にも熱が入る。
そしてもう1周と走り出した猛の前に動物園に現れたヒョウ顔の怪人「ジャガーマン」が現れる…
新オープニング・エンディング
日本の防衛が本郷猛に戻ったことによりオープニングも一新。
特にアクションシーンはなく、荒野、公道、波打ち際をバイクで疾走する姿のみで構成されている。
派手な演出ではないが仮面ライダーの醍醐味であるバイクシーンが存分に観れるオープニングとなっている。
エンディングは仮面ライダー旧1号時のアクション・構図を新1号に変えてリメイクしている。
ただのレーシングクラブの親父、世界へ!
久しぶりに日本へ帰国した猛は早速オートレースの練習に勤しむ。
2人ともやる気充分!
ヨーロッパではショッカー事件を追う中、隙間時間をみつけてはヨーロッパの一流レーサーを相手に腕を磨いていた猛。
腕は落ちておらず45秒台を叩き出した。
ロケ地の「多摩川スピードウェイ」は1周1200mなので45秒だと試走タイム(100mあたりのタイム)は3.75と優勝を狙えるタイムだ。
優勝レーサーの平均試走タイム(1970年代)は約3.6なのでトップ争いをできるタイムだ。
さらに3秒縮めると息まいた猛だが1周42秒だと試走タイムは3.5ともうそれは優勝を狙えるタイムだ。
結果的にショッカーを追ってヨーロッパに飛んだことがオートレースの海外留学にもなっている。
やはりできる男は時間の使い方が違う。
ショッカーを追う傍ら、しっかりと夢のためにも行動していたのだ。
いや…それもあるが、みんなと離れて寂しい孤独をオートバイが癒してくれていたのだろう。
藤兵衛もまた猛と一緒に夢を追いかけることができて嬉しそうだ。
嬉しさのあまり「わしだってこのままレーシングクラブの親父で一生を終えたくわない」と皮肉にも似た本音を漏らすほど。
それだけ立花レーシングクラブはショッカー対策本部及びたまり場としてしか機能しておらず、将来のレーサーを育てる役割を担っていなかったのが何か引っかかってはいたのだろう。
もちろんレーシングクラブをみんあの居場所として大切にしたいからこそあまり口にしてこなかったのだと思う。
だが猛の帰国により夢の続きを見れると活力がドンドンみなぎり若さを取り戻している。
猛も久しぶりに甘えられる相手がいるせいか藤兵衛に練習を引き上げようと「そう頑張るなよ~」と言われるが「え~」と言って子供のように無邪気にたわむれる。
だが本郷猛は1話「怪奇蜘蛛男」でも語られている通り、元々子供のように真っ直ぐで無邪気な青年だった。
きしく今回のようにオートレース出場のためにタイムを測っており、2周目に突入したところショッカーに誘拐され改造人間(仮面ライダー)にされてしまった。
それからというものショッカーから人類を守るための使命感がその無邪気さを奪っていった。
ショッカーのせいで嫌でも少年みたいに振る舞えず、大人になることを余儀なくされたのだ。
今度こそは夢の「世界グランプリレース(MotoGP)の優勝」を目指して突き進む。
だが本当に夢に注力するためにはまずショッカーを世界中から殲滅する必要がある。
ジャガーだと思ったらヒョウ
前回の記事では「ジャガーマン」は「ジャガーの特性」と説明したが間違いだった…と思ったらそうでもないようだ。
公式でもジャガーの特性と書いてある。
だが公式の説明を無視してなぜ訂正するのか。
それは身体の模様と鳴き声、そしてナレーションの説明だ。
ジャガーマンの身体はヒョウの斑点、そして鳴き声が「ヒョ~ウ!」だったので、その時点で違和感があった。
そして決めてはナレーションの「人間ヒョウ、ジャガーマン」という説明だ。ややこしい…
おそらくはネコ科の強力な怪人という総称をジャガーという言葉で表現したかったのだろう。
確かに「ヒョウマン」って語呂が悪いですもんね…
と思っていたら1967年に「豹マン」という特撮作品のパイロットフィルムがあることを知りました。
ジャガーマンはヒョウのように獰猛で凄まじいスピードがあるという。
ただ本編ではそのスピードとやらがあまりわからなかった。
なぜなら猛の前に現れた時にはバイクで襲撃してきたのでジャガーマンではなくバイクが速い、バイクだから当然速いというシーンになってしまった。
最終決戦でもそんなにスピードが強調されるシーンはなかった。
唯一動物園のトラの前でジャガーマンが正体を明かし、驚いた守衛が守衛室に逃げ帰ったとき、先にジャガーマンが守衛室にいたシーンを観て「おお!先回りはや!」とは思いました。
しかし、それがジャガーマンのスピードによるものなのかはいまいちわからなかったので残念でした。
であればジャガーマンの強力なところって?という疑問が残る。
ジャガーマンの最大の強みは「動物と意思疎通ができる」ということだ。
これにより世界中の動物を操り支配し猛獣と化した動物たちに人間を襲わせる「アニマルパニック作戦」というのが今回の作戦だ。
進化した変身
ヨーロッパで次々とショッカー支部を壊滅させてきた猛。
一文字の活躍を観ているとショッカー相手に海外で1人戦ってきたことがいかに凄いことかがわかる。
そして40話「死斗!怪人スノーマン対二人のライダー」以降は助手のミカとエミも日本に居座ることになったためそれ以降は本当に1人で戦ってきた。
本郷猛単体としても凄まじい成長を遂げたが、仮面ライダーとしても進化して帰ってきた。
見た目も変更されており、およそ2号と同じだが銀の手袋とブーツ、腕と足の2本線が新1号の特徴だ。
今回は新たな変身も披露した。
今まではバイクや爆風など風の力を十分に受けなければ変身できなかった。
だが新変身は一文字のように変身ポーズを決めてからジャンプする風力だけで変身できるようになっている。
そういえば何故新しい仮面ライダーになったかは謎だ。
ヨーロッパから駆けつけている時はまだ旧バージョンだったので、帰国後に何らかの手を加えたことになる。
人間に戻ることが何よりの願いなはずなのにショッカー殲滅のため、さらに人間離れするなんて皮肉であり悲しい話しです。
迫力の長尺デッドレース
今回、個人的に一番の見どころは序盤のオートバイを使ったレース場でのバイクアクション。
仮面ライダーとジャガーマンと大量の戦闘員が入り乱れる様子は正に圧巻。
変身後の挿入歌「ライダーアクション」も相まって新1号の門出に相応しい演出だ。
新変身、コースを使ったド派手なバイクアクション、大量の車輪に撒き散らされる土、巧みなバイクテクニックで戦闘員を誘い込み撃破とこれらを長尺でお送りするという盛り沢山な内容。
なぜ退かない!退くことを覚えない正義の味方
相も変わらず偶然とはいえ事件現場に遊びに来る五郎たち。
各地の動物園で発生した動物の凶暴化はニュースでも取り上げられ、機動隊も出動する騒ぎに。
動物園から追い出される道中、悲鳴を聞いた五郎たちが向かった先で「ミツコ」という女性がジャガーマンと遭遇していた。
そこでミツコを救出したんだからその場から退散すれば良いのに「もしかしたら動物園のヒョウが逃げだしたのかもしれない…行ってみよう!」と現場に向かってしまう。
こんな時こそ猛と滝の救援を待つべきだったかもしれない。
結果的に2人の救援は間に合ったが猛、滝を二手に分かれさせる陽動作戦で猛を引きつけている間に滝、五郎、ユリ、エミ、ミツコは誘拐されてしまう。
五郎よ…正義感も良いが退くことも思えるんだぞ!
東南アジアの大使
前回、死神博士を取り逃がした猛だったが、その死神博士は今回登場しない。
スイスにでも逃げ帰ったのだろうか。
その代わりに派遣された死神博士と同等の最高幹部の地位につく「地獄大使」という幹部が着任する。
地獄大使は中々の重装備で、三葉虫みたいな頭にエジプトの被りものの模様のような兜を被る。
身体も鎧に覆われており、緑のマントをたなびかせており、ムチを持っている。
まるで猛や一文字が変身した状態の時のような姿をしている。
地獄大使は元々、東南アジアの支部を担当していた。
東南アジア(ASEAN)
インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ブルネイ、ベトナム、ラオ ス、ミャンマー、カンボジア
「ゾル大佐」うん…軍服で大佐っぽい…
「死神博士」確かに老人で武器が鎌で改造人間の開発力もあるので死神で博士っぽい…
「地獄大使」は地獄からの大使なのか東南アジアからの大使なのか…
これから地獄大使を深掘りすることでこの名前の意味がわかってくるかもしれない。
大使は「特命全権大使」の略称なようで外交使節団の最高権力者という意味だ。
地獄からの使者という意味ならムチも持ってるし拷問系が得意な幹部なのだろうか?
今回は猛と滝を墓地に引きつけている間に動物たちの支配を進めるという知略で「アニマルパニック作戦」の指揮を執る。
猛の気を引いている内に滝たちを誘拐したりと陽動作戦に秀でている。
また1つ厄介な悪が増えてしまったが、本郷猛の新章には必要悪。
不謹慎だがこれからの展開が楽しみだ。
ショッカーの自己啓発セミナー
地獄大使はデッドレースから帰ってきた部下たちにデッドレースのハイライトを観せる。
特に本郷猛と仮面ライダーのバイクテクニックを良く見て研究しておくように呼びかける。同じだけど変身後の身体能力だとまた違うということだろうか?
これは次にデッドレースになった時に仮面ライダーの動きを予測しろということもあるだろうが、仮面ライダーのバイクテクニックを見習って君らもテクニックを吸収してくれという意味もありそうだ。
ショッカーは一度仮面ライダーの弱点を研究して「ライダー殺しの罠」を仕掛けた回(7話「死神カメレオン 決闘!万博跡」)があった。
風のエネルギーを貯められない小さな部屋に閉じ込めるという作戦だ。
今一度、原点に返り大規模作戦ではなくまずは「仮面ライダーを倒すためにどうするか」に注力しようとしているのかもしれない。
そういう意味では仮面ライダー1号もパワーアップしているし、まずは再度観察することも大事なことだろう。
なかなか良いセミナーだ。
だが、ジャガーマンは観察したバイクテクニックを活かすことも、観察の成果も発揮できないまま撃破されてしまう。
この地獄大使の研究命令があったのだからもう一度バイクシーンや何か研究結果による対抗策を披露するシーンがあっても良かったかもしれない。
藤兵衛の心臓の毛を受け継いだ子供たち
誘拐された滝、五郎、ユリ、エミは1つ金網の向こうにライオンが待ち構える檻に閉じ込められる。
このままではみんなライオンの餌になってしまう。
仲間を人質にとられて手が出せない猛に滝は「本郷、俺のことはかまうな…ショッカーの野望を砕け!」、五郎は「俺、諦めてるんだ…ライオンの餌になってもいいんだ!」と言いレディースも同調して頷く。
本当に立花レーシングクラブのメンバーは普段おちゃらけているのに心の臓が強く、肝が据わっている。
五郎もよく捕まるがその発言は達観しており、自身の命より正義を優先している。
任務のために身体を張れるなんて大人でもなかなかいない。
レディースも多くの危機を乗り切ってきた猛者たち。
こんなことでは動揺しない。
藤兵衛の心臓の毛を受け継いでいるだけはある。
それにみんな猛、一文字たちを信じているのだろう。
その安心感も彼らを支えているのかもしれない。
仲間の存在がヒーローを弱らせる可能性
確かに仲間の存在は心強いし、力にもなる。
だが仲間がいることで人質を取られたりするとヒーローは途端に無力になる。
今回も猛1人であれば何とか力ずくでも脱出できたであろう。
しかし、仲間が人質な以上、反撃の素振りを見せれば仲間の命があぶない。
ヨーロッパではほぼ1人で戦っていた猛。
良くも悪くも1人だから、仲間がいないからこそ立ち回れた瞬間はいくつもあっただろう。
日本には仲間が多い。
仮面ライダー新1号としてパワーアップを遂げたが日本でいきなりピンチに陥る。
ヨーロッパ中のショッカー支部を壊滅させた人物がそんな簡単にピンチになるだろうか?
ヒーロー自身も仲間の存在が力になることはわかっていても仲間の危険と天秤にかけたところ孤独に戦う道を選びがちだ。
そして後で仲間に水臭いの応酬を受ける。
果たしてどちらが良いのだろうか?
1人と仲間で戦う交互に行えば良いのかもしれない。
猛が1人、一文字が仲間とだったのが、今回から日本で猛が仲間と、南米で一文字が1人で戦うことになる。
このようにローテーションを交互にやれば上手くいくかな?
なんか仮面ライダーのシフト表みたいになってるけど…
ライオンバス
エンディングでクラブメンバーが乗っていたのは多摩動物公園名物「ライオンバス」。
ライオンバスは1964年5月に開始。
動物園でサファリパーク形式の観覧手法を世界初の試みで国内でライオンを間近に観ることができる。
サファリパーク自体行ったことがないのでライオンバス行ってみたいな~
ストーリーの転換点と考察
正しいが生産性はない動物支配方法
ジャガーマンは動物と意思疎通することができる。
動物園やペットなどに声をかけて交渉しており、都内の動物たちが次々と凶暴化する。
最初ジャガーマンの能力は単純に動物を操れる能力だと思っていた。
だが、正確には動物を操るための交渉が上手いということではないかと考えるようになった。
理由は変装したジャガーマンがトラの前で2時間も立っているという守衛の目撃談だ。
そして2時間も立っているのに「まだこいつ(トラ)との話しは終わっていない」、つまり「交渉は終わっていない」と言っているようなものだ。
もし動物を操る能力があるのなら死神博士のように瞬時に催眠術のようなもので操ることができるはずだ。
そこを2時間も交渉を続けているところを見ると全動物にこれをやる気かと気の遠い話しに思えてくる。
もっと簡潔に言うと、「生産性が悪い」につきる。
確かに私も感想で薬や催眠術などで操るには弊害があると考察したこともあるが、これはこれで根気が必要だ。
だがそれだけにシラフの交渉で人心ならぬ猛獣掌握となれば信頼関係は抜群。
時間はかかるがやり遂げた後には最大の戦力になること間違いなし。
だからこそショッカー首領が仮面ライダーに作戦を知られないように念を押したのだろう。
強力な作戦だが、時間をかけすぎると仮面ライダーに感知され破綻してしまうリスクも大いにある。
そう考えると猛の練習中に襲撃したのも失敗の一つだ。
あれにより「ショッカーが何かやりだしたぞ…」と感づかれてしまったのだから。
そうなると1つ疑問が…
事件解決後、動物たちは落ち着きを取り戻した。
おそらくジャガーマンを倒した影響だろう。
しかし、ジャガーマンを倒したから落ち着いたというのは少しおかしい。
毎度、毒や催眠の効果は幹部怪人を倒すと一緒に消滅する。
だが、ジャガーマンはトラと2時間も交渉をしていた。
やれ「人間が憎いか!」とか「こんな檻に入れられて外で暴れたくはないか?」、「自由になりたくはないか?」とでも誘い文句でその気にさせたんだと思っていた。
であればジャガーマン撃破後もトラは「洗脳能力で操られていた」のではなく「交渉でその気(ショッカーに協力)になっていた」という気持ちは残っているはずだ。
ジャガーマンはあくまで動物と意思疎通できる能力なのだから。
その気があるのではあれば事件解決後に動物たちが飼育員さんを襲ったりするのではないだろうか?
ということはそもそも私の考察の前提が間違っていたのかもしれない。
本当はジャガーマンは交渉せずとも催眠術的な能力で動物を操れたのではないだろうか?
だから撃破後、催眠術的な効果が解けたのではないだろうか?
トラの前に2時間いたのも交渉ではなく、作戦指示などを伝えていただけかもしれません。
でもそうなるとやはり2時間もトラの前にいたというのは長すぎるため、交渉していたと考えられてしまうんですよね…
他の動物の支配も含めて2時間動物園に居座ったならわかるのですが、トラの前で2時間だから余計に「あくまで交渉した上で仲間になってもらっているのであって催眠の類いではない」という前提で考えられてしまうのです。
猛獣を呼び出すタイミングが遅い
時間はかかったがあらゆる猛獣を手懐けたジャガーマンだが、その猛獣を召喚するタイミングが悪い。
ジャガーマンは仮面ライダーに「ライダーヘッドクラッシャー」を喰らい砂山から落ちた時に「立て野獣ども…怒り狂いこのジャガーマンを助けに来い!」と言って猛獣を呼び寄せようとする。
これは猛獣が加勢にくる?ドカーン!!お!ジャガーマンはやられたけど仇討ちに猛獣たちが押し寄せる展開くるか!
…こない…エンディングへ…
これが本当の負け犬の遠吠えか…
猛獣を呼び寄せるかと思いきや捨て台詞だった…
あまりにも滑稽な最後なのでエンディングでライオンを見ている五郎に「立て野獣ども!お前たちの支配者だ!」といじられる始末…というか五郎は脱出後あのシーンどこかで見ていたのか!?
もっと早くに猛獣たちを呼び寄せていたら勝負は違った結果になっていたかもしれない。
猛の開眼
猛が海外に行く前より明るくなったのが印象的だった。
13話「トカゲロンと怪人大軍団」までの猛は悲壮感が強く、助けた人々の幸せを見るのも辛そうだった。
特に自分はもう持てないであろう家族を見るとその症状は強くなり、爪を噛む動作まであった。
だが海外から帰ってきた猛は仮面ライダーの実力はもちろんのこと、心技体ともに向上しておりとても明るくなった。
今までであれば般人を巻き込みたくないと仲間の協力すらあまり良しとしていなかった。
だが海外に飛んでからスイスで出会ったミカとエミを助手として協力関係にあったり、帰国後も周りに頼るなど柔軟になった。
事件解決後も幸せを見るのが嫌で直ぐに席を外していたが、今回は五郎たちとともに動物園を楽しむなど純粋な心が戻ってきた。
藤兵衛との夢の再出発など心身ともに充実感が感じられる。
一文字が周りを頼ることができ、明るい性格だったのでその影響もあるだろう。
エンディングの挿入歌も「ぼくらの仮面ライダー」と本郷猛編にしては珍しく明るい曲で締めくくっている。
なんにせよ本郷猛は様々な苦悩を越え、パワーアップして帰ってきたことが伝わってくる。
今回の特撮表現の面白さ
仮面ライダー新1号の新変身表現
仮面ライダー新1号になったことや本郷猛固有の変身ポーズが追加されたことで変身演出も一新された。
変身ポーズの後に風車が回りジャンプ。
ここまではほとんど一文字と同じなのですが、ジャンプ後の風車が青2、赤1の電飾で光って回る鮮やかな演出となっている。
この色鮮やかな演出が後のライダーベルト玩具の醍醐味として受け継がれていきます。
空中投影表現
地獄大使が猛の前に初めて現れた時、半透明だった。
おそらくは空中に投影した映像が猛に話しいるという表現だろう。
背景と半透明にした地獄大使を合成して表現していると思われる。
ライダーヘッドクラッシャー表現
仮面ライダーの新必殺技「ライダーヘッドクラッシャー」は空中で敵の背後から肩車状態で頭を挟み、前方に回転して投げる。
プロレス技の「ヘッドシザーズ・ホイップ」関連の技をもとにしたのでしょうか?
特撮満足度(★で5段階評価)
特撮満足度
アクション:★★★★★
高所:★★★★☆
火力:★★★★☆
水場:☆☆☆☆☆
仕掛け:★★★☆☆
ロケ地(執筆者の調べ)
・「多摩動物公園」
・「多摩川スピードウェイ」
次回予告より(第54話「ユウレイ村の海蛇男」)
次回のショッカーからの刺客は怪人「海蛇男」。
「ウミヘビ」の特性を持った怪人だ。
海でウミヘビに噛まれるとその神経毒で麻痺してそのまま溺死してしまうこともあるため、海では注意が必要な生物です。
性格はおとなしい種類が多いようで危害さえ加えなければ噛まれることはないという。
海蛇男の放つ光線は背景を自由に変え、相手を混乱させることができるという。
毒など状態異常系の怪人が多い中、幻惑系の怪人は珍しいですね。
光線で背景を変えるというのは今でいう「プロジェクションマッピング」みたいですね。
今回、地獄大使もプロジェクターの投影映像で猛の前に現れた。
その技術を使っているのだろうか。
ユウレイ村というのも海蛇男が見せている幻影なのかもしれませんね。
まとめ
野生動物に餌を与えないでください。
これは野生の動物が人間の餌に依存して民家にきてしまい農作物などの被害を受けるためです。
そして依存した動物は自分で餌を取らなくなったり取り方がわからなくなってしまう。
動物の野生を呼び起こし操り、その猛獣たちに人間を喰い散らかさせる「アニマルパニック作戦」を企んでいたショッカー。
この作戦の恐ろしいところは上記で述べた通り、人間を食い散らかせば人間本体の味を覚えて人間を喰らうことに依存するということ。
まさに上記で述べた自然の生態系を崩す行為。
猛獣に労せず人間という餌をショッカーは与えようとしていた。
それは何としても避けたい。
しかし、動物園の動物はすでに動物園運営によって飼育という餌で依存させられている。
だから現実では動物園の動物が野生に戻りたがるということはあるのだろうか?
動物園の動物はまるで牙を抜かれた獣のように野性味を失っている。
衣食住は全て整い、陣地争いや狩りの必要がないし、今さら野生に戻ったところで狩りの能力を失っており外に出ても飢え死にするだけだろう。
動物園で産まれた子供は野生に出たことがない個体も多いのでなおさらだ。
強いて言うなら外をちょっと散歩したいという冒険心で脱走するぐらいが関の山だろう。
だが猛獣に飼育員が殺される事件もそれなりに事例がある。
人間は本能を理性で抑制しているため踏みとどまることができる。
だが猛獣となると、この人(飼育員)は餌を運んでくれるいい人だから餌じゃない、殺す必要はないという理性は働かず、目に映る動物全て餌と認識しているのかもしれない。
動物に悪気などない。あるのは本能だけ。
だからこそジャガーマンが「動物と話している」という表現に違和感を感じたのだ。
彼ら動物は意思疎通はできても対話することはできないのだから。
でもたまに人間と肉食動物が共存しているドキュメンタリーを観ると対話できるのかな?とも思ってしまう。
あくまで少ない事例なのにね…
そんなもしかしたら心を通わせることのできる両者を引き裂くこと、人間を敵、肉にしか見えないように煽るジャガーマン。
こういった本来味方同士なはず両者を引き裂き分断を生む。
人間にも心当たりがある…やっぱり人間も充分怖い…
何はともあれショッカーは悪意に餌を与えないで下さい!
今回判明したこと
・藤兵衛と猛の夢は「世界グランプリレース優勝」
・仮面ライダー1号のデザイン、変身が一新され、能力が向上した
・エミは犬や猫が吠えると一番で逃げる
・新日本支部幹部は東南アジアの最高幹部「地獄大使」
・新必殺技「ライダーヘッドクラッシャー」