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第24話「猛毒怪人キノコモルグの出撃!」感想・考察
漬物改造手術
今回ショッカーが改造人間として選んだのは「東京刑務所」で無期懲役の男「囚人番号13号」。
13号は「強盗、殺人」を犯しており5年服役するも反省の色を見せない根っからの凶悪犯だ。
その根底には「人間を痛めつけるのが大好き」という強い凶悪性を秘めていた。
この凶悪性に目を付けたショッカーは刑務所から13号を連れ出し改造手術を施し「怪人キノコモルグ」となった。
この手術方法なのだが「ホルマリン漬け」ならぬ「毒キノコエキス漬け」で行う。
1週間13号を毒キノコのエキスに漬けると怪人となる。
人間が液体の中に1週間もいることがそもそも大変なのに毒エキスの中だからこれもうわかんない!
13号にとって服役中の5年間に比べれば1週間液体の中にいるほうが楽なのか?いやっ!そんな馬鹿な!
13号は怪人となったがショッカー首領とのやり取りの口ぶりから洗脳はされていないようだ。
洗脳いらずでこんなにも相性が良い人間がいようとは…
刑務所でも13号のような更生しない凶悪犯はまだまだいそうだが13号が相当キマッっているのが気に入ったのか?
ありがたいけど順序は逆
テニスコートでソフトテニスをプレイしていた「小泉キミ子」と「松本宏」。
そこでマリ、ユリ、ひろみが観戦していた。
テニスボールが草むらに入ってしまい探しにいったところキミ子と宏はショッカーに連れ去られてしまう。
それを草むらのかげから見たマリたちはアジトを突き止めて一文字に伝えようと追跡する。
高圧線下の行き止まりに向かうトラックは高圧線下で急に消えてしまった。
原因はアジトのまわりにバーリアをはり、光学迷彩のように背景と同化することでアジトを隠していたのだ。
凄く頼もしくて頼りになる仲間だが、追跡の前に一文字に報告しないと逆にマリたちが捕まってしまう可能性がある。
前回も「お前たちのズッコケトリオが一緒じゃさすがの仮面ライダーも命がいくつあっても足らんだろう…」と言われるほどレーシングクラブメンバーは命知らずの集団。
滝であれば追跡→報告で良いけど、女性陣だけなら報告→一文字や滝が追跡のほうが危険は少ない。
ありがたいけどね。
五郎の失態
五郎はチンドン屋が宣伝する「百合ヶ丘遊園地」で開かれるという「納涼 おばけ大会 怪人怪獣大集合」に興味を示し、他の子供たちと一緒にチンドン屋についていく。
ここまでは子供らしい振る舞いだが、ここからは五郎だからこその失態だ。
そのチンドン屋がキノコモルグだからだ。
百歩譲ってキノコモルグは新怪人なのでおばけ大会の宣伝、チンドン屋も相まってコスプレと思ったのだろう。
問題はキノコモルグと一緒にチンドン屋をしているのがショッカー戦闘員だということ。
しかも変装もなにもしていないので戦闘員を見たことがある五郎ならば気付くはず。
しかし、気づかずについていき、他の子供もろともキノコモルグの胞子を浴び連れ去られてしまう。
五郎であれば気づけたのに…
ショッカーの本当の目的は一体…
最初ショッカーはキノコモルグの毒胞子で人間の身動きを封じてその人間たちを改造人間にする計画のようだった。
そのため大人、子供も区別なく連れ去っていた。
前回考察したキノコモルグの「モルグ(死体安置所)」のように人間が並べられているシーンがあり、まるで「改造用人間安置所」である。
しかし、ある時を境に子供を大量に誘拐している。
もともと改造人間手術は適正があり、並の人間では耐えられない手術であるにも関わらず、ましてや子供の体力で耐えられるわけがない。
だからといって重労働に耐えられるわけでもない。
それとも子供の頃からショッカーの英才教育を行い未来の幹部候補を育てようと言うのか?
ショッカーにはそんな気概も余裕もあるようには見えない。
それでは一体なぜ…
考えられる理由は今のところ1つ。
子供にはみな警戒心が低いのでそれを利用した作戦だ。
現に最初からキノコモルグは人質のキミ子と宏を返すつもりで仮面ライダーを呼び出している。
キミ子と宏の身体には24時間後に発症する毒を塗り、それに触ったものは1時間以内に倒れる。
知らず知らずのうちに大量感染して人間をパニックに陥れるためにわざと2人を解放したのだろう。
同じことを子供たちに施せば警戒されずに人から人へ感染させることができる。
まさにパンデミック状態となる。
これがショッカーの狙いのようだ。
この毒胞子を一文字は友人で「洛南大学」で研究者をしている「小池」に分析を頼む。
分析の結果ウィルスの類いではなく、毒胞子であること。
胞子が繁殖すれば大変なことになるとまではわかった。
例によってウィルスのようにこれに対抗するためのワクチンの開発が急がれる。
4人娘が強い
子供たちがさらわれたトラックを追うマリ、ユリ、ミチ、ひろみ。
4人はトラックに追いついて戦闘員との戦闘になる。
マリはいつものフェンシング。ミチは投げ技。
そして今回特に戦闘で活躍したのがユリ。
ユリは怖がりだが対人戦は得意の空手三段の腕で戦闘員を倒していく。
正拳突きからの首筋に手刀を放ち戦闘員を気絶させていく。
キミ子と宏の救助の時もコンボを決めて戦闘員を撃破する。
ひろみも戦闘員を華麗に投げ飛ばしぎこちないが長い足でキック!
護身術は淑女のたしなみと言わんばかりにレーシングクラブの女性は強い!
余談だがミチの髪が伸びてツインテールに戻っている。撮影が前後しているのかな?
強制変身解除
キノコモルグの胞子をもろに浴びた仮面ライダーは強制的に変身が解除される。
特撮ものだとある程度のダメージが蓄積したり、会心の一撃を受けると変身が強制解除されるという描写は今や当たり前になっています。
仮面ライダーが敗北する場面はあっても変身者の意思に反して変身が解除されるのはシリーズ初ではないでしょうか。
ストーリーの転換点と考察
勝ったからって油断しない
ショッカーは毎回、せっかく仮面ライダーを倒しても死亡、死体の確認、追撃を怠るため後々逆転を許すという展開が多い。
今回は仮面ライダーを変身解除させ仕留めて連れ帰り、じわじわと痛めつけるとかそんな時間をかけて逆転の機会を与えない。
速攻で手術台に張り付け人体切断マジックで使いそうなチェーンソーで仕留めにかかっている。
これで勝てるかは次回以降となるが、ショッカーの手際としてはまずまずの選択ではないだろうか。
一文字が連れ去られるさい、滝がトラックの上で這いつくばって身を隠している。
15話「逆襲サボテグロン」でも行った滝の得意技「コバンザメ尾行」でアジトをつきとめ救出できるのか?
今回の特撮表現の面白さ
キノコの胞子表現
キノコモルグの放つ胞子は白い粉か発泡スチロールを細かくしてそれを飛ばして表現しているように見える。
粉より粒が大きいので発泡スチロールかな?
トラックでのアクション
今回はトラックでのアクションが凄かった。
縄で仮面ライダーを捕まえ、トラックで引きずる。
そこから仮面ライダーはトラックに飛び移りその上で戦闘するとトラックが上下にバウンドするような挙動を起こす。
足場が悪く、狭く、移動する車体の上での戦闘、ローリングアクションからの飛び降りは車上アクションの全てを詰め込んだような見応えのあるアクションとなっています。
回転式ノコギリ表現
最後、一文字が手術台に張り付けになりその上から回転式ノコギリが降りてくる。
回転式ノコギリの歯は大ぶりなので作り物だとわかるんですが、役者の首付近まで回転して迫るのでハラハラする。
手術表現も子供に配慮したのかマイルドになってきていたのに…ヒィーってなる…
それだけリアリティがあるということでもあるのですが…
特撮満足度(★で5段階評価)
アクション:★★★★☆
高所:★★★☆☆
火力:☆☆☆☆☆
水場:★☆☆☆☆
仕掛け:★★☆☆☆
ロケ地(執筆者の調べ)
・「中野刑務所」
次回予告より(第25話「キノコモルグを倒せ!」)
次回のショッカーの刺客も「怪人キノコモルグ」。
ショッカーに捕まった一文字は絶体絶命のピンチを切り抜けられるのか?
なぜショッカーは子供ばかり連れ去るのか?
五郎含む子供たちは毒胞子から回復できるのか?
積み重なる謎は解決するのか?
まとめ
・幹部怪人の命名はショッカー首領が行う
・ショッカーの技術で○○のエキスに人間を1週間漬けることで改造人間に改造できる
・ショッカーは根っからの悪を改造する時は洗脳を行わない
・ショッカーはバーリアを使用しアジトを光学迷彩化して隠すことができる
・五郎はショッカー戦闘員を見たことあるのに今回は認識できなかった
・ミチ、急に髪が伸びツインテールに戻る