【仮面ライダー】76話「三匹の発電怪人シードラゴン!!」感想・考察(ネタバレ有) 怪人ピックアップガチャ

ネタバレがあります。
本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。

東映 1971年
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あらすじ

ナオキ、ミツル、チョコはパトロール中。

最近はショッカー事件も発生せず少年仮面ライダー隊も暇なようだ。

そんな3人を目撃するなり黒服の男たちが合図を送り合う。

最終的には駄菓子屋のおばちゃんに合図が届くと表にポスターを貼りだす。

それはアメリカからの輸入品「怪獣のカンヅメ モンスター」の告知ポスターだ。

3人はおばちゃん売り込みに興味を示してカンヅメを購入。

水に入れるとモンスターが大きくなるというこのカンヅメが恐ろしい事件の引き金になるとは3人はまだ知らない…

暇は敵

暇を持て余したナオキ、ミツル、チョコは地域をパトロールしていた。

最近はショッカー事件が発生せず、平和だ。

だが、暇というのは子供にとってはある程度は苦痛なことだ。

元気を持て余すと刺激が欲しくなり「この頃、事件がなくてつまんないな」となるわけだ。

わかる…わかるぞ!平和だと刺激が欲しくなる。

過激なことが起これ!誰か不幸になれ!とかそういうことではないが仕事でも忙しすぎるのも嫌いだが、暇すぎるのも辛い。

チョコも「そのうちにびっくりするような事件が起こるから」と発言する通り、3人はこの後びっくりするような事件の引き金を引くことになる。

チョコ…ここで女の勘を発動するなって…

インスタント怪人シードラゴン「たち」と一夜を過ごした3人

そんな暇している3人にショッカーがサプライズ!

黒服の男たちの合図で駄菓子屋のおばちゃんが「怪獣のカンヅメ モンスター」の販売を開始する。

気になった3人はまんまと興味を示す。

アメリカ輸入で水に入れると大きく育つモンスターが入っているとのこと。

価格は200円と安価で残り3つしかない。

これはうまい売り方だ。アメリカからの珍しい商品、残り少ない在庫、安価であるためこの機会を逃したら次はないかもしれない。

そんな購買心をくすぐり3人への売り込みに成功。

ナオキもミツルも大きく育てようとはりきっているが説明書きには「1cm程度しか育たない」と書いてある。

プランクトンをモンスターと言っているのかと思うほどの小ささだ。

だがそんな説明書きすら3人を油断させるための罠だったのだ。

家に帰り各々の水槽にモンスターのミイラを沈めて眠りにつく。

モンスターのミイラ…どんな形だろうと思ったら「タツノオトシゴ」の標本だった。

あぁ~なるほど!タツノオトシゴは「竜の落し子」と言われているのでそれでモンスターね!

やはり子供騙しのおもちゃじゃないか!そう思っていると標本は膨張し水槽からは湯気が立ち込める。

ミイラはみるみる大きくなり、商品説明書きの1cmどころか人間大のモンスターに成長する。

ナオキはモンスターを目撃するが寝たふりでやり過ごす。だが警戒して咆えるトイプードルはモンスターの電気ムチで跡形もなく殺されてしまう。

ミツルは湯気を出し始めた水槽の異変に気が付き様子を見に行くとモンスターがいたためテーブルを挟んで追いかけっこ。

なんとかミツルが消火器噴射してモンスターを追い払うことで戦いに終止符を打った。

チョコの場面はカット。食べたんじゃないのか?(食べておらず同じく襲われた)

こうして街に3体の怪人「シードラゴン」たちが放たれた。

3人ともよく一晩無事だったな…

ちょっと話しは脱線しますがナオキの水槽、これ大きなワイングラスですよね?

根拠はその横に置かれている数々のワインボトル。きっとお父さんのとっておきだったのではないでしょうか?

ワイングラスは割れて、トイプードルは行方不明(シードラゴンに電気ムチで殺される)。

当然こうなった原因はショッカーなので親にはライダー少年隊の守秘義務で詳しく話せない。

ただただワイングラスに変なカンヅメモンスターを入れる遊びで壊したとしか思われないだろう。

これはお父さんに怒られるぞ~

ショッカー防止仮面ライダー帽子

少年仮面ライダー隊が発足して74、75話とも白い帽子を着用していたライダー少年隊。

だが危険防止や自転車での移動が多いことから仮面ライダーがデザインされたヘルメットに変更された。

これは見栄え的にも安全管理的にも良い装備品ですね。

これはほしいでしょ!

決戦!シードラゴンⅠ世

3体解き放たれた内の1体目「シードラゴンⅠ世」。

シードラゴンは「タツノオトシゴ」の特性である。

タツノオトシゴはその小さな身体に竜のような頭に見えることから「竜の落とし子」と呼ばれ名前の由来ともなっている。

左手はカニのようなハサミと右手に12000ボルトの高圧電流を帯びた触覚のようなムチを持っている。

ナオキ家で誕生し、その後工事現場の作業員を襲ったことで事件化する。

予告では8300ボルトと言われていたが、12000ボルトの高圧電流に変更。確かになんか中途半端な数字だなとは思ってた…

電気でものを焦げすためには1万アンペアぐらいからだそうで(間違ってたらすみません)、事件現場の作業員が跡形もなく消えたことから10000ボルト以上の高圧電流という表現に変えたのではと考察した。

足が弱点という一見なんのこっちゃな弱点を持つがおそらくタツノオトシゴは魚にしては動きが遅いという特性に関係していると考えられる。

動きが遅い→移動に不自由がある→移動は足=足が弱点みたいな感じだろう。

視聴者目線だと足を引っ掛けて転んだ程度で「奴の弱点は足だ!」とはならんだろとは感じたが猛の洞察力の高さと称賛してスルーしよう。

だが狙いは的中し足を掴まれたⅠ世は廃墟ビルの上から落下し絶命する。

改良型!?シードラゴンⅡ世

ミツルの家で誕生した怪人「シードラゴンⅡ世」は左手がヤリ状になっている。

そしてⅠ世の敗北を経てⅡ世は弱点である足を改良されている。

湖でおぼれている男性を装い猛を誘い込み、湖の中のアジトへ引きずり込む。

だがアジトを突き止めるためにワザと気絶した演技をした猛に返り討ちにされてしまう。

このⅡ世を撃破した方法がなかなかエグくて、地獄大使が猛の頭蓋骨に穴を空けようとしたドリルでⅡ世をめった刺しにして葬っている。

きれいに倒せというわけではないが、あくまで武器は補助であり、最後は自身の肉体、技で止めを刺してきた仮面ライダーにしては珍しい倒し方だなとは感じた。

いつもならパンチ、キック、投げで倒しバーンと爆発させているので爽快感はあるが生々しさはないので痛さは感じない。

だが今回はドリルで身体にグサグサと穴を空けて倒すので見る人によっては痛さが感じられる場面でⅡ世の苦痛の叫びも少し生々しいので注意。

ボス連戦!シードラゴンⅢ世

Ⅱ世撃破後、アジトの奥からひょっこり現れたシードラゴンⅢ世。

左腕は三叉のハサミとまるでポセイドンだ。

それ以外はⅡ世と変わらずの能力だ。

Ⅰ~Ⅲ世で共通して言えることは左腕を使いこなしていないこと。

右腕の電気ムチが強力すぎることもあるが、特にⅡ、Ⅲ世は貫通力がある武器だが、その分相手を掴むことができず投げ技に不向きなため当たらなければどうということはない。

これはケチをつけたいわけではないが、左腕の武器をⅠ世はヤリ、Ⅱ世はハサミ、Ⅲ世は三叉ハサミにすれば1(一本槍)、2(二枚ばさみ)、3(三叉ハサミ)みたいで番号的にも設定的にもきれいだったなと思った。

ストーリーの転換点と考察

シードラゴン3体同時強襲しなかったこと

シードラゴンは3体存在した。

しかしなぜ3体同時に仮面ライダーを襲わなかったのか?

理由は3体いるのでそれぞれ分散して作戦に従事していた。これはわかる。

だがアジトでⅡ世が撃破された後に奥からⅢ世を呼び寄せ戦わせる。これはわからない。なぜ?

考えられる理由はスーツ製作の予算を抑えるためという理由に帰結するのではないかと考えられる。

シードラゴン3体それぞれの違いは左腕の武器のみ。

そのため左腕のアタッチメントさえ変えればⅠ~Ⅲに自由に入れ替わることができ、スーツ数を1つに抑えられる。

つまりスーツ数の都合上、3体同時に画面に登場させることができないのではないかということだ。

ある意味でリアルマネーさえあれば仮面ライダーを倒せたのではという考察でした。

インスタント怪人の有効活用

シードラゴン最大の長所ってなんだろう?

電気ムチの威力?ハサミ、ヤリ、三叉のハサミとアタッチメントが豊富?

ノンノン!答えはインスタント!

シードラゴンはカンヅメにできるほど小型化でき、水で戻すことができる優れもの。

水に戻して一晩ということなので時間はかかるのかもしれない。

だが湖での戦闘シーン、あそこで湖にシードラゴンのミイラを大量にばら撒き大量のシードラゴンを生み出し、そのまま仮面ライダーを襲うことができたはず。

このインスタント技術は有効活用するべきだった。

かわいい地獄大使

いつも大幹部は仮面ライダーや仲間たちをすぐ殺そうという部下の進言を制止していたぶったり、改造したりしようと相手に猶予を持たせるような油断をする。

それはいつものことなのだが、今回も例に漏れずに部下の進言を振り切り猛を改造しようとまずは頭蓋骨に穴を空けるため地獄大使自ら電気ドリルを操作する。

最初は猛の身体に電気ドリルを当てると思わせて手術台当てて試し打ち。楽しそう…

さあ試し打ちもそこそこにいざ本番!ドリルが猛の頭に近づく!とその瞬間ドリルの回転が止まる。

ん!?おかしいぞ!?」と電源コードをたぐり寄せるとその先には猛のおててが!

ついついおててをギュっとしてしまった地獄大使が慌てふためく。かわいい…

油断していたところにこれは恥ずかしい…

今回の特撮表現の面白さ

インスタント状態の怪人表現

シードラゴンは駄菓子屋で販売していた怪獣のカンヅメの中身(モンスター)を一晩水につけることで大きくなる。

そのカンヅメの中身はタツノオトシゴのミイラ。

これは模型というより標本を使用して表現しているのではないだろうか?

悪の電子頭脳

猛はショッカーに捕らえられ、地獄大使の恨み憎しみにより悪に改造されそうになる。

猛の脳みそを取り出し、「悪の電子頭脳」と入れ替えることで脳の改造を行い本格的に仲間に引き入れようとする。

この場面で用意された電子頭脳は透明な脳みその形をした模型の中で光を点滅させ電子感を表現している。

そして水槽で水に浸すことでホルマリン漬けな頭脳を表現している。

シードラゴンⅡ世にドリル攻撃表現

これねぇ~

仮面ライダーが本物の電気ドリルでⅡ世に穴を空けているのですが、この穴を空ける対象が模型とは思えないんですよね。

理由は刺された周辺がまるで人間が入っているのではと思わせるように脈動を打っているからだ。

模型に穴を空けているのではないのか?

これリアルを表現するために模型に空気を送って脈動を表現しているのか、演者に当たらないようにスーツに浅い穴を空けているのかどうなってるんだ?それにしてはガッツリ穴を空けているいるように観えた。

穴を空けると中から青い泡が噴出しシードラゴンの体液の流出を表現している(怪人の血は青い?)。

特撮満足度(★で5段階評価)

特撮満足度

アクション:★★★★☆

高所:★★★★☆

火力:★★★★☆

水場:★★★★☆

仕掛け:★★★★☆

ロケ地(執筆者の調べ)

・「読売ランド駅前」

次回予告より(第77話「怪人イモリゲス じごく牧場の決斗!」)

次回のショッカーからの刺客は怪人「イモリゲス」。

イモリ」の特性を持った怪人だ。

よくこういった時に比較対象になるヤモリは爬虫類でトカゲの仲間なので地上に生息。

イモリは両生類でカエルの仲間なので水田など水がある場所に生息しているという違いがあります。

両者とも害虫を食べてくれるいわば益獣なのですが、ショッカーの手にかかれば害獣と化す。

イモリゲスは高熱の舌を操る怪人。高熱の舌!?私は猫舌なのでちょっと羨ましい舌ですね。

少年仮面ライダー隊は風の又三郎みたいに風来坊な格好をしているので映画村でも訪れているのかと思いきや、「牧場」とな!

ライダー少年隊が張り付けとなり、それを滝隊長が救出している。

じごく牧場と銘打っているその背景には一体どんな企みが潜んでいるのか…

次回の記事

感想・まとめ

仮面ライダーの強さに磨きがかかればかかるほど、強力な怪人を用意する必要がある。

単体では歯が立たないと分かれば複数体用意する。

だが現状複数体スーツを用意したりCG加工なんて技術も予算もない。

そうなれば同じ個体の怪人が複数体いても画面には1体ずつしか登場できない。

そんな中、工夫を凝らして挑戦したのが今回のシードラゴン複数体登場だったと思います。

画面には1体しか登場しないが、複数体いることを匂わせて仮面ライダーに襲いかかる。

インスタント怪人にして3人に配ることで別々の場所でモンスターが登場したことを印象付けることに成功している。

足りぬ足りぬは工夫が足りぬ」と極端にお金を出したがらないのは嫌いだが、こういった足りないものを現場で工夫して補うというという制作陣の努力は大好きです。

今回判明したこと

・ライダー少年隊の白い帽子は廃止、代わりに仮面ライダーデザインのヘルメットを着用

・ショッカーは水で戻せるインスタント怪人を作ることができる

・滝は「ジャパンアクションクラブ」のTシャツを持っている

・ショッカーは悪の電子頭脳を作ることができる

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