ネタバレがあります。
本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。
第45話「怪人ナメクジラのガス爆発作戦」感想・考察
人工知能ならぬ人工頭脳
人工頭脳の権威「矢島博士」は人工頭脳の開発に成功していた。
人工頭脳を生物の脳に埋め込むことで生物のあらゆる能力は大幅に向上させることができる。
博士が人工頭脳を埋め込んだウサギは人間の言葉を理解することができる。
さらには最大1mだったジャンプ力も5mと大幅に向上する。
人工知能(AI)などは圧倒的な処理能力で学習することでその能力を伸ばしていくことのできるものだ。
しかし、博士の開発した人工頭脳は機械ではなく生物自身の能力を向上させることができる。
この世紀の大発明に湧く取材陣だが勘のいい五郎はショッカーが狙いに来るのではと危惧する。
うさぎのジャンプ力
ちなみに実際のうさぎは高さ3m、水平方向に6mはジャンプできる。
そのため本編のうさぎの身体能力が強化されているかは少し疑問だ。
しかし、言語を理解できるのは凄い!ドックランとかで無双できそう…
泥棒VS泥棒
五郎の読み通りショッカーは人工頭脳を狙い動き出した。
時を同じくして人工頭脳の発明を知った泥棒2人組が矢島邸に忍び込む。
泥棒2人組は屋根裏から侵入して天井から吸引器を垂らして盗み出す作戦。
ショッカーは新怪人「ナメクジラ」を侵入させる。
ナメクジラの身体は非常に軟体でどんな隙間でも通ることができる。
そんな2組が相対した時、人工頭脳を置いた台は赤外線で接触を感知して非常ベルを鳴らす。
驚いた2組は一旦逃走。
泥棒2人組は次の夜、再度侵入を図る。
またもや赤外線接触で非常ベルを鳴らすも強引に人工頭脳を奪取して逃走する。
ナメクジラは泥棒に人工頭脳を盗ませてから奪い取る作戦に移行しており、泥棒はナメクジラの噴射液により溶かされてしまう。
人工頭脳がショッカーの手に渡りかけるが駆け付けた一文字と滝により奪取は免れた。
それにしても屋根裏から侵入するというのが今は逆に新鮮だ。
本当に屋根裏から侵入する泥棒などいたのかと信じられない気持ちがある。
屋根裏がある家などは祖父母宅でしかお目にかかったことがない。
屋根裏に気配を感じたら槍でブスッとしていたのかも今や怪しい。
最近の家は全体的に四角く、屋根と言えるものは一軒家でもあまり見なくなったのでそんな体験は皆無かもしれない。
正直スパイ映画「ミッションインポッシブル」のワイヤーでの侵入ですら現実味がないと感じるほどだ。
そういえば祖父母の家に昔泊まった時、家に日本人形、天井では物音がしていて怖くて眠れないことがあった。
翌日祖母に尋ねると「ネズミ」だということがわかった。虫とかは足音がしないがネズミは足音がするので人間以外の足音を家内でしたことにわりとショックを受けたことを覚えている。
そんな目的が!…?
最初、ショッカーが人工頭脳を狙う目的は自我や理性、知能がないナメクジラに人並みの頭脳を与えるかつ身体能力を向上させることが目的だと思っていた。
だが本編を視聴するとナメクジラには自我があり、理性もある。
仮面ライダーともそれなりに渡り合える身体能力を持った改造人間だった。
それでは何のために人工頭脳を狙ったのか?
その本当の目的はナメクジラの「噴射液の強化」にあった。
今回のショッカーの計画は「ガスタンク爆破作戦」を実行すること。
その作戦実行の要としてガスタンクに穴をあけるため噴射液を強化する必要があったのだ。
ほぉ…なんか思ったよりしょぼい目的だった。
もっとこぅ…人工頭脳を量産して世界中のショッカー幹部及び構成員に埋め込み戦力強化を図る。
もしくは人工頭脳で誘拐してきた全員を頭脳明晰、運動神経抜群にして誰でも改造人間手術を受けられるようにするとかそういう壮大なものだと思っていた…
十分大規模な作戦ではあるが、発明の凄さに対して使用用途がちょっとしょぼい気はする。
それとも作戦を成功させた暁には応用するつもりだったのだろうか。
噴射液強化するなら爆弾で良くない?と思ったのだがそれほどガスタンクは分厚いのだろうか?
そりゃあガスのタンクだからそうそう壊れてもらっては困るのだが…
ガスタンクの耐久性
都市ガス:35mmの特殊鋼板「高張力鋼」を使用している
通常の2倍の耐久性を持つ特殊鋼板を幾枚にもつなぎ合わせている。
上記のようにガスタンクの耐久性は私が思っているよりもずっと強固であるようだ。
そのため衝撃よりもジワジワと溶かして破壊するほうが効率的と言うわけだ。
死神博士の新催眠術
死神博士はこれまで幾度と誘拐者を催眠術で操り作戦を実行してきた。
今回は真空管のフィラメントの揺らぎ見せることで誘拐した博士の娘「矢島みどり」を催眠術にかけて人工頭脳を盗ませている。
ロウソクの揺らぎなど死神博士の催眠技法は「揺らぎ」がポイントのようだ。
ベタではあるが今後五円玉の振子なども登場しそうだ。
フリスクで眠気覚まし
催眠術で操られたみどりに睡眠薬を盛られた博士と五郎は急激な眠気に襲われ眠りにつく。
滝は一文字にFBI特製の解毒薬を渡す。
そのケース、渡し方の所作がまるでフリスクを友人にあげている姿そのものだ。
滝が持っていたのはいわゆるタブレットケースというやつだ。
元々タブレットは「小さな板状のもの」という意味でありタブレットケースは「小さな板状の入れ物」という意味だ。
近年(2023年時点)ではタブレットといえば「タブレット端末」という意味で広く使われている。
こうして意味を調べてみるとタブレットは小さな板状という意味なのにタブレット端末ってドンドン大きくなって言うほど小さくなくなってきている。
スマートフォンの方がタブレット端末と呼ばれるのに相応しいような気もする。
何はともあれフリスクのように爽快感で眠気すっきりではなく、解毒薬でガチで眠気覚ましいく2人であった。
ナメクジラの噴射液を数十倍の濃くすると火炎放射になる?
人工頭脳を搭載されたナメクジラの噴射液は強化され数十倍の威力となった。
しかし、特撮表現上強化を分かりやすくしたためかナメクジラの噴射液は白い噴射液から火炎放射に変わっている。
仮に火炎放射の強化で良いのなら他の再生怪人でも良かったのでは?と感じた。
ストーリーの転換点と考察
矢島邸のセキュリティーの低さ
矢島博士は自身の開発した人工頭脳を自宅に保管している。
仮面ライダーに出てくる「博士」は大学の研究室より自宅兼研究所で研究しているパターンが多い。
そのため自身の発明や研究を自身で守らなければならない。
仮面ライダーにはたびたび「バーリア」や「トラップ」などセキュリティーが高い施設、もしくは研究データを何かに(ペンダントなど)カモフラージュして隠すなど様々な方法が登場する。
矢島博士は自宅のセキュリティに自負があるようだが詰めが甘い。
矢島邸のセキュリティは人工頭脳が置いてある周辺に触れると赤外線センサーが反応して警報がなるというものだ。
警報を鳴らすまでは良かったのだが現場にとんでくるのは博士のみ。
特に強力な警備員もトラップもなし。赤外線のスイッチは机の引き出しのレバーを切るだけ。
これならば金庫にでも保管しておくほうが安全だ。
案の定警報が鳴るのみのセキュリティ装置と気づくとあっさりと泥棒に持ち去られてしまう。
一文字と滝の張り込みで解決に向かったがそう何度も使える手ではない。
日本で革命的な発明があればあるほど一文字たちが警備にあたるわけにはいかないだろう。
今回の特撮表現の面白さ
ナメクジラの隙間を通る表現
ナメクジラはとても軟体でどんな隙間も通り抜けられるという設定。
実際にどうやって隙間を通っているかのように見せているかというと、何やらゴム手袋のようなものの指先部分を引き延ばしてナメクジの触手に見立て、手袋の平べったさを利用して隙間をナメクジラが通っているように表現している。
ライダー2段返し表現
空中での回転投げを2回見せることで2段返しを表現している。
勝どき表現
地上でライダー2段返しを決めてナメクジラを撃破。
その爆風が仮面ライダーを覆い隠す。
爆風が晴れると地上にいたはずの仮面ライダーが一瞬でガスタンクの赤道に立っている。
そんな一瞬で!?と現実的に考えればおかしいのだが、煙の中から高所の赤道にたたずむヒーローはやはりカッコイイ!
特撮満足度(★で5段階評価)
特撮満足度
アクション:★★★★☆
高所:★★★★★
火力:★★★☆☆
水場:☆☆☆☆☆
仕掛け:★★☆☆☆
ロケ地(執筆者の調べ)
・「東京ガス世田谷整圧所」
次回予告より(第46話「対決!! 雪山怪人ベアーコンガー」)
次回のショッカーからの刺客は怪人「ベアーコンガー」。
「熊(ベアー)」と「ゴリラ(コンガー)?」を掛け合わせた怪人か?
雪国の熊と雪男、まさに雪国の怪力獣といったところか。
普段バイクに乗っている仮面ライダーがスノーモービルに乗っているのがシュール。
仮面ライダー初の雪上アクションにも期待が高まります。
まとめ
今回判明したこと
・五郎は女の子を大事にするほうだということ
・滝はFBI特製の解毒剤を常備している
・新必殺技「ライダー2段返し」