【仮面ライダー】40話「死斗!怪人スノーマン対二人のライダー」感想・考察(ネタバレ有) 2つ正義が巨悪を討つ

ネタバレがあります。

本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。

東映 1971年

第40話「死斗!怪人スノーマン対二人のライダー」感想・考察

アルプスの少女「ミカ」、「エミ」

スイスとイタリアの国境の間にあるアルプス連峰。ここでは新年を迎えようとしてしていた。

山小屋では新年挨拶でにぎわう中、2人の少女にスポットが当たる。

2人の少女の名は「ミカ」と「エミ」。

ミカ」はトランプ占いが得意なようで「ミカの占いはよく当たる」と「本郷猛ほんごうたけし」にお墨付きをもらっている。

本郷猛?あの?

今回ミカは2度占いを行っている。どちらも不吉な予兆を感じとっている。

1度目は少し見にくいが「J~A」もしくは「ジョーカー」のカード。黒いカードなのでクラブかスペード。不吉だと言っているので「戦い・生死」を表すスペードか…だとするとQの「怯え・逃走・自己陶酔」などだろうか…

クラブのJだったら「二人三脚・二人で一つ」とダブルライダーが合流するというエモい展開の示唆なのに…

ジョーカーだと良い方にも悪い方にも逆転する可能性がある。ある意味一番不気味ではある。

2度目は「スペードのA」これは「戦い・生死(スペード)統率者(A)」を表す。統率者との戦い…死神博士のことだろうか…

エミ」は暗号解読が得意なようで無線通信を傍受している…変わった特技?趣味?をお持ちで…

2人は一体何ものなのだろうか?

この2人は猛の助手をしているようでヨーロッパを拠点として戦う猛の味方のようだ。

だが仮面ライダーの正体が本郷猛とは知らない。

大変優秀な助手のようでアルプス山脈の噴火で逃げるついでみたいな感じで「ショッカースイス支部」から「日本征服計画書」を奪い逃走。

戦闘員に囲まれるもエミは格闘技、ミカはなんとトランプを手裏剣代わりに投げヘッドショット、頸動脈ショットを連発し自衛までお手のもの。

エミは猛から空手の手ほどきをうけた?

ミカは占いより忍者が向いている!?

エミもミカも猛のジャパニーズ文化に影響をうけてのスタイルなのだろうか?

2人ともカタコトだけど特にミカは日系なのか日本女性に近い。エミはヨーロッパの雪国少女という感じ。

暗号解読、諜報、戦闘、たまには占いという超能力?で悪事を予見したりと結構…いやかなりハイスペックで頼れる助手ですね!

ところでルリ子は?

諸君はこの青年を記憶しているだろうか?

諸君はこの青年を記憶しているだろうか?

突如視聴者に記憶力テストを出題してくる番組サイド。

それもそのはず実に27話ぶりの登場、いや実質30話ぶりにあの男が帰ってくる!

その名は「本郷猛」。仮面ライダー第1号だ。

どんなきっかけでスイスにいるのかは不明だが、猛はヨーロッパを中心にショッカーの破壊活動を食い止めるために戦っていたのだ。

34話「日本危うし!ガマギラーの侵入」でショッカー首領がいる本部と思われる場所がアンデス山脈のどこかということで南アメリカ大陸が今のところショッカー本部の最有力地となっている。

そことは異なるユーラシア大陸でショッカーの野望と戦っている猛の真意が気になるところ。

 

サイクロン号にエミとミカを乗せる時に3人乗りとなっており、こんなにサイクロン号って後部広かったっけ?と思いましたがどうもサイクロン号が一文字と同型になっていたためでした。

確かに初代サイクロン号は立花レーシングクラブにありますからね。

スノーマンなのにマグマの力?

ショッカースイス支部が生み出した怪人「スノーマン」。

スノーマンはヒマラヤ山脈の雪男(UMA)から作り出された怪人。

ヒマラヤ山脈の雪男といえば「イエティ」のことでしょう。

ヒマラヤ山脈はアジア圏の山なのでアルプスまでかなりの距離があるのでよく持ちだしたなと思いました。それか体毛のDNAからつくりだしたのかな?

イエティは近年の研究で体毛のDNAが古代のホッキョクグマと一致したことがわかっており話題になりました。

スノーマンはイエティ(岩)の意味通り、ライダーキックを跳ね返すほど頑丈な上、凄まじい怪力で仮面ライダーを崖下から投げ落とし敗走させている。

さらには大地のマグマの力を噴出させる能力を持つ。

雪男なのになぜ火属性?と思うと同時に活火山を噴火させる作戦は穴を掘って火山帯を爆発させる手間をかけるぐらいならスノーマンの能力で良くない?と思ってしまった。

 

えびの高原での戦いでも1号と2号の2人がかりでも同等、下手したらそれ以上の戦闘力を持っており2人でライダーパンチの連弾でひるませて「ダブルライダーキック」を決めることでやっと撃破することができた。

その分おっちょこちょいで服装で人を判断して日本征服計画書を預かったユリを誘拐したはずがエミと間違えて誘拐してしまう場面も。

あまりの恥ずかしさと怒りからかエミを崖の上から投げ捨てる。

間一髪今回は勘のいい滝兄ちゃんによってギリギリキャッチ。

ミカの占いがエミの死亡フラグではなくて良かった…

スイスの幹部「死神博士」

ショッカースイス支部の最高幹部「死神博士しにがみはかせ」は火山帯を爆発させることでヨーロッパの山々が噴火するように刺激を与えて混乱に陥れることでヨーロッパを征服していった。

この成功体験をもとにショッカー最難関の征服難易度である日本に挑む。

死神博士はゾル大佐のような軍服ではなく白いスーツに黒いマントに身を包む老人。

マントの襟はピンと立ちその見た目はまるでドラキュラ伯爵。

 

日本は世界有数の火山地帯であり、死神博士はその弱点を狙って日本征服を企んでいる。

日本はアメリカやロシアなどの国土の広い地域並に活火山が存在する。

その一番の理由が「プレート(地球の表面を覆う岩盤)が衝突している数が多い」ことにあります。

日本周辺で衝突する4つのプレート

・ユーラシアプレート

・北米プレート

・太平洋プレート

・フィリピン海プレート

このプレートは年間数センチ動いており、プレートがお互いの方向に動いて衝突することで噴火や地震が発生する。

このプレートが4つも衝突している位置にある国は日本の他にはない。世界の活火山の約1割が島国である日本に集中しているのだから驚きだ。

日本が災害や地震大国と言われるゆえんはここにある。

そのかわり温泉も豊富ですけどね。

今回は手始めに日本でも3本指に入る火山地帯である九州の南部、鹿児島県の「霧島きりしま」と「桜島さくらじま」で作戦を行う。

霧島と桜島の間にトンネルを掘り、火山帯を爆発して噴火を誘発する。

作戦は着々と進んでおり「桜島地震観測所」でも噴火の予兆を観測していた。

トンネル掘るなら28話「地底怪人モグラング」でトンネル掘りで大活躍した「モグラング」を招集せねば!

この作戦を日本全土で実施し活火山を噴火させて日本を混乱に陥れようと企んでいる。

日本で三大火山地帯といえば残りは北海道と東京。

このタヌキ爺…いやドラキュラ爺はどこまで考えていやがる…

いざ九州へ!船内での腹の探り合い

猛の指示通り「日本征服計画書」を持って東京の立花レーシングクラブを訪れたエミとミカ。

九州での計画を知った藤兵衛たちは早速船に乗り九州を目指す。

日本もちょうど正月で藤兵衛とユリは羽織袴と着物のままバタバタと船に乗り込む。

川崎から九州日向(日本カー・フェリー日向ターミナル(宮崎県))まで887キロを時速20ノット(37キロ)で進む客船「セントフォリア」に乗り所要時間は25時間の長旅だ。

船には悪事を聞きつけ一文字と滝も乗っているはずなのだが船客名簿にはいない。

一文字と滝は船員に変装して船内にひそみショッカーの影を警戒していた。

今、藤兵衛たちと合流するとショッカーが動き出して危険がおよぶと考えたのだろう。

不安は的中。ロイヤルルームには死神博士がおり一文字の登場を静かに待っていた。

立花レーシングクラブ一行は優雅な船旅を楽しむ裏で一文字とショッカーは日本征服計画書をめぐり、諜報、夜襲とお互いを探り合う。

それにしてもショッカーの動向を気づかれないようにするためにスノーマンに諜報は無理あるだろ…

船内であんなの歩いてたら余計怪しまれる…死神博士のほうが向いてそうだ。

2人のライダー

えびの高原」の近くの活火山であることからおそらく霧島でスノーマンと相対する2号。

だが1号を敗走させたスノーマンを1号とほぼ同等のスペックである2号がかなうはずもなく段々と追い込まれていく。

そこへスイスから来日した仮面ライダー1号が到着した!

視聴者が目撃する共闘は初めてだがお互いに何とも言わずジャンプの呼吸を合わせてくるなどチームワークは抜群のようだ。

そのチームワークでダブルライダーパンチ連弾とダブルライダーキックで見事スノーマンを撃破する。

ストーリーの転換点と考察

仮面ライダー1号、2号

仮面ライダー1人にも手こずっていたショッカー。

その仮面ライダーが2人いる。それだけで圧倒的戦闘力、戦略の幅が広がる。

それだけでもう強い。

そして頭脳の本郷と直感の一文字、国家権力のバックアップがある滝。

このチームは最強だ!

新たな助手の存在

立花レーシングクラブのおてんば娘も頼りになるがやらかしも多い。

そんな中猛の助手はユリたちのように「自称助手」というよりはミカとエミは「訓練された助手」というような能力を身に付けている。

そして混乱の中でもしれっとショッカーアジトから秘密文書を盗みだす度胸と実行力。

この行動力のおかげで九州での計画がわかり、ダブルライダーという強みを活かしてスノーマン撃破に至った。

猛とともに日本に残るのであればこれからの活躍に期待だ。

今回の特撮表現の面白さ

アルプスの噴火表現

画面を揺らし棚からものを落として地震を表現。

山の模型の山頂付近を爆発させることで噴火を表現。

雪は石灰かな?で表現してそれを大量に山の斜面にそって流すことで雪崩を表現。

そしてその衝撃波で山小屋の窓が開き、白い粉(雪)が舞い込むことで雪崩が山小屋に迫ってくるということを表現。

山小屋の模型を白い粉と一緒に吹き飛ばして隣に木の模型をたなびかせることで衝撃波の強さを表現。

ヨーロッパ風の建物の奥から爆発させてスローモーションかな?で撮影することで雪崩や噴火による火災が連鎖的に起こりヨーロッパが混乱しているということを表現している。

特撮表現が6連発と非常に凝ったシーンであり、それと同時にショッカーが世界中の脅威となっていることがこのシーンだけで強く伝わってくる。

 

ダブルライダー表現

スノーマン視点でダブルライダーパンチを撮影することで画面いっぱいに左右から次々とライダーパンチがとんでくるという迫力満点の映像が撮れる。それはまるでデンプシーロールの嵐のようだ。

 

特撮満足度(★で5段階評価)

特撮満足度

アクション:★★★★☆

高所:★★★★☆

火力:★★★★☆

水場:☆☆☆☆☆

仕掛け:★★★☆☆

ロケ地(執筆者の調べ)

・「えびの高原」

 

次回予告より(第41話「マグマ怪人ゴースター 桜島大決戦」)

次回のショッカーからの刺客は怪人「ゴースター」。

5000度の高温に耐えられる身体をもつゴースター。

マグマ怪人を呼称されているがマグマの最高温度は約1400度、5000度に耐えるゴースターにとってマグマ程度は温泉…いやぬるま湯にしか感じないだろう。

太陽の表面積が6000度、これでやっと倒せるような怪人を仮面ライダーたちはどのように戦うのか。

そしてスノーマンが果たせなかった九州の大噴火を決行。

死神博士がまだまだ底を見せていないところにも不気味さを感じる。

噴火作戦の行く末はいかに!

まとめ

今回判明したこと

・猛にはヨーロッパでのショッカー殲滅を手助けする「ミカ」、「エミ」という2人の女性助手がいる

・猛はミカとエミに自身が仮面ライダーであることを明かしていない

・猛のサイクロン号は一文字と同型になる

・ショッカーはスイスに支部があり最高幹部は「死神博士」という老人

・ユリのイメージではロイヤルルーム(船の豪華な部屋)に一文字がいるわけがないというのが見解

・ユリは一文字の助手(ということらしい)

・猛はオートレース時以外もヘルメットをかぶるようになる

・一文字と猛はお互いを「隼人」、「本郷」と呼ぶ

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