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第36話「いきかえったミイラ怪人エジプタス」感想・考察
4000年前にも怪人が存在した
4000年前のエジプト、紀元前1800年頃の「怪人ミイラ」に「生命移入」を行い復活させてしまうショッカー。
もはやショッカーは生命、それも魂を創り出すことができるほどの科学力を持っており死体だろうがミイラだろうが生命を注入することができる。
なんだよ「生命移入」ってパワーワード!
でも移入ってことは魂を創り出したというよりかは他の生物の魂を移動したとも考えられる。
それもそれで凄いことだ!どんな生物の魂なのだろうか。
古代エジプト語を話すということは同じ時代のエジプト人?それとも元の怪人自身の魂が入っているのだろうか。そうだとしたら移入っていうよりやはり魂創出?もしくは元の人格に空の魂(器)を与えて復活したということだろうか。
こちらにせよ人知を超えた科学力だ。
それにしても本当に紀元前1800年に怪人っていたのかと。
エジプト王のミイラに生命移入を行い改造しただけではないのか?
それともエジプト文明の科学力で怪人を兵士として使用していたのか。
マリ、ユリが言っていたように未だ解明されておらず謎が多い4000年もの歴史はロマンがありますね。
どうとでもとれる謎が残っているほうがロマンがあります。解明されちゃうと意外とガッカリしちゃいます。
謎は謎のまま楽しみたいのがミステリー。
今回ショッカーがエジプトのピラミッドから怪人のミイラを奪った目的は「トトメス3世」が日本に送ったとされる時価10億円の宝石類の場所をエジプタスから聞き出すためだ。
「トトメス3世」はエジプト第18王朝で実在したエジプト最大の帝国を築いた王だ。
第18王朝というと紀元前1479~1425年頃である。
通じているのに通じていない
ゾル大佐はエジプタスの古代エジプト語を解読するためにコンピュータで古代エジプト語に詳しいものを選出した。
「西田博士」、「大野雄二」、「剛田兼造」の3人。いずれも歴史研究者で古代エジプト語の権威だ。
西田博士は「城南大学」の教授を勤めており、大野博士は「東部大学 文学部歴史学科」で考古学博士、教授を勤めている。
西田博士も大野博士もショッカーの要求に抵抗したためエジプタスの殺されている。いずれも現場に同じ謎の暗号を残している。
謎の暗号は古代エジプト語で「火を噴く怪人エジプタス」と読むらしい。歴史研究者らしいダイイングメッセージだが世間的には伝わりにくい暗号ですね。
エジプタスは西田博士の時も大野博士の時もゾル大佐から殺すなと言われているのに2人を殺しており日本語を理解しているが聞き分けは悪いようで仕事ができない。
最後の剛田博士も危うく炎で殺しかけるが仮面ライダーが覆いかぶさったので死亡は免れた。
ショッカーが古代エジプト語の解読に成功したのはほかでもない仮面ライダーのおかげだったのだ。
これはある意味仮面ライダーが剛田博士を助けず死なせていたらエジプタスは暗号を解く手段を失ったゾル大佐の逆鱗に触れて殺され、暗号も解けずにチャンチャンで終了していたような気がする…
エジプタスについていけば良いのでは?
エジプタスは出身地の影響か日本語は理解できるが日本語を話せず「古代エジプト語」を喋る。
そうは言っても「アバラバラバラ」、「エバラボロボロ」とか「イバラボロボロ」ぐらいしか喋らない。
そしてここからが古代エジプトの謎より深い謎が発生してしまう。
1つ目はエジプタスが宝石の場所を知っているということ。
「トトメス3世」は紀元前1479~1425年頃の第18王朝の王だ。
それに対してエジプタスは紀元前1800年頃の怪人だ。
トトメス3世より後に誕生した怪人であれば歴史として知っていてもおかしくないが、トトメス3世の時代より過去の怪人が未来のまだ起こりえない事実を知っているのは不自然だ。
しかも第18王朝と300年以上の開きがある。
もし怪人であるため寿命が長かったとしてもミイラ状態で調べた歴史学者が紀元前1800年頃と言っているのであればミイラ化されてた時期、つまり死亡した時期から割り出して生きた時代の根拠を出しているはず。
それとも学者の研究が不十分だったのか。
それにしてもショッカーはなぜエジプタスがトトメス3世の秘密を知っているだろうということまでは解明できていたのか…これもまた謎ですね。
2つ目は剛田博士に古代エジプト語を解読させて宝石の場所を聞き出そうとすること。
よくよく考えてみればエジプタスは日本語を理解しているのだから案内させる、もしくは地図とかを見せてココ!って示してくれれば良かったのではないだろうか?
日本語が理解できたりと現代の知識は手術で注入されているように思うのだが…
そしていざ古代エジプト語を解読して宝石の場所を確認できたと思ったら場所は「北海道」だった。
トトメス3世は北海道の蝦夷民族に友好の証として時価10億円の宝石類を献上したとされている。
場所が判明したためエジプタスたちは北海道に向かうために羽田空港に向かう。
34話「日本危うし!ガマギラーの侵入」で出てきた「秘密飛行場」は?外国からの使者専用なのか?
まあそれでも北海道に向かったとして宝石の場所は蝦夷民族の首長しか知らないという。
「蝦夷民族の首長」って「阿弖流為」のことだろうか?
奈良時代末期から平安時代初期まで奥州市水沢地域付近で生活していた蝦夷民族のリーダー
阿弖流為なんて生きてないよ…
蝦夷民族の財宝ってもう「ゴールデンカムイ」級に隠し場所わからない財宝じゃん…
しかし、阿弖流為は紀元後だし奥州市水沢地域付近て今の岩手県あたりなので北海道ではないし、紀元前の北海道なのでアイヌ民族ではなくただの縄文人だろう。
なおさら分からん…
また張り合う滝
一文字は大野博士の殺害現場で緊急を要するため簡潔に状況説明をして現場に残された謎の暗号を調べるように滝にお願いする。
あまり状況を説明してくれないことに不満がある滝は「俺を出し抜こうなんて気持ちは…」と言いかける。
一文字が滝に同じことをされたらおそらく「水臭い」と友情を疑うようなニュアンスで不満を漏らすだろう。
しかし、滝は一文字をライバル視しているためこのような発言となったのだろう。
滝のほうこそ一文字に内緒で潜入調査をしたり出し抜こうとしているのに…
正直一文字はあんまりライバル視はしていなくて「頼れる仲間」として競い合う気はないのだろう。
その態度が余計滝のプライドを逆撫でるのかもしれない。
このライバル視がこじらせて闇落ちしたりするのかな…
やはり子供がいる研究者は危険だが偉大
家族がいる優秀な研究者はよくショッカーに狙われる。
今回の歴史研究者である剛田博士もその1人で息子の「剛田裕二」を誘拐されたことでショッカーの要求に応じてしまう。
西田博士も大野博士も家族がいなかったからショッカーの要求に抵抗できたのかもしれない。
もしくはエジプタスが殺すなと言われていたのにむやみやたらに殺すから剛田博士の時は息子を誘拐して博士本人が自発的にショッカーの要求に応えるようにゾル大佐が生配信を上手く利用して脅したのだろう。
子供に「パパ助けにきて きてくれなきゃ ころされちゃうよ」と言わせて伝文で送り付けて危機感煽るんだもん…そりゃ屈しちゃうよ…
一文字は再度襲撃してきたエジプタスを撃退しようとするが剛田博士に殴られ気絶してしまう。
そんな博士にWHY?を突きつけるが子供を守りたい決意を見て改めて子を持つ親の偉大さを感じる。
北海道の財宝の行方は?
ゾル大佐は剛田博士の解読を聞きもう財宝を見つけた感じになっていたが蝦夷民族の首長しか知らないということもあってヒント無しで北海道の広大な大地を捜索しなければならないということを忘れている。
時価10億円の宝石を探す手間で10億円とびそう…
そもそも本当にトトメス3世の贈り物なら国宝級だから10億円じゃ済まないと思う。
エジプタスを倒した今、一文字たちがわざわざ宝石を避難させずともショッカーに隠し場所を知る手段はなくなってしまう。
ストーリーの転換点と考察
西田博士を殺したこと
西田博士は死に際に最後の力を振り絞って暗号を残した。
そして大野博士も同じく死に際に暗号を残した。
この2つの殺人事件の共通点である「被害者は歴史学者」そして暗号が共通して「古代エジプト語」だったため次に狙われるであろう標的を剛田博士であると一文字に気づかれてしまう結果となった。
エジプタスが西田博士を殺さず、最悪大野博士を殺さずに誘拐することが出来れば共通点に気づかれることなく解読することができただろう。
これは完全にエジプタスの失敗でありゾル大佐は剛田博士を誤って殺さないように上手く誘導して良くフォローしたほうだ。
今回の特撮表現の面白さ
まきびし表現
まきびし、もしくはまきびし型の爆弾を仕掛けて滝のバイクをパンクさせている。
もやっとボール(わかるかな?)みたいなものでまきびしを表現している。
筆談プロジェクター
エジプタスが書いた古代エジプト文字を別コンピュータに映し出して剛田博士に解読させている。
AIみたいに自動でデータベースに指示できるかと思えばこういうところ古典的で昭和のSF好き。
特撮満足度(★で5段階評価)
アクション:★★★☆☆
高所:★★★★☆
火力:★★★☆☆
水場:☆☆☆☆☆
仕掛け:★★★☆☆
ロケ地(執筆者の調べ)
・「妙覚寺」
次回予告より(第37話「毒ガス怪人トリカブトのG作戦」)
次回のショッカーからの刺客は怪人「トリカブト」。
トリカブトの特性を持った怪人であることは名前からもわかるがトリカブトという植物はなく「キンポウゲ科トリカブト属」というグループの総称のことをいうようだ。
次回タイトルの「G作戦」からもわかる通り毒ガスを用いた作戦を計画しているようだ。
だが次回は確実にショッカーの負けが確定している。
なぜなら五郎の身に危険が迫るため隼人兄ちゃんと滝兄ちゃんが本気を出すからだ…
高層マンションの屋上で展開する死闘。果たしてそれは何を意味するのか…
まとめ
・ショッカーの科学力で抜け殻に魂を吹き込むことができる
・ショッカーはテレビをジャックして生放送を配信することができる
・ショッカーアジトの「開けゴマ!」的暗号は「ショッカーオープン!」
・ショッカーは誘拐した子供に親宛に手紙を書かせて危機感を煽る
・一文字は気絶する直前、意識が遠のく中で冷静に発信機を仕込むことができる