本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。
第21話「ドクガンダー 大阪城の対決!」感想・考察
なにかがおかしい
小泉教授が死んだ理由がおかしい
小泉教授は前回ドクガンダーを見て驚き、助けを求めて引き返したところ足を滑らせて滝から落ちて死亡したことになっている。
しかし、今回OP後の前回の振り返りナレーションでは「繭の秘密を知ったからショッカーに殺された」ということになっている。
確かにショッカーに驚いたことで死亡してはいるがショッカーは教授を殺ろしていないし、ドクガンダーが繭状態になったのは仮面ライダーがドクガンダーを倒した後ですでに教授は死亡しているので知りようもない。
仮に繭の秘密が今回出てきた別の複数の繭のことであれば、そもそもアジトに潜入していなければ知りえない。
なんかおかしい。
ドクガンダーの成虫表現の前後がおかしい
ドクガンダーは前回「繭になった状態」で退場した。
そして再度一文字の前に現れた時に繭から羽化し成虫状態となった。
しかし、前後がおかしいのだ。
一文字に姿を現す前にドクガンダーは阪神大学で小泉教授に変装し吉岡助教授と接触している。
吉岡助教授を誘拐した時に小泉教授の正体としてドクガンダーが姿を現したので間違いないだろう。
ということは一文字に会う前に吉岡助教授と接触するために羽化した怪人状態となっている必要がある。
そのため一文字と会うときに初めて繭から羽化というのはおかしいのだ。
ドクガンダーは繭の状態でも変装できるという設定であれば話しは別だが…
それとも誘拐する日はドクガンダーが教授に変装していて、別の日には別の誰かが変装していたということであれば辻褄が合う。
男の戦闘員が女性に変装できるくらいだから有り得ない話しじゃない。
そうだったとしたらちょっと分かりにくかったですね。
小泉教授が生きていた!?滝から落ちたせいか性格まで変わる
20話「火を吹く毛虫怪人ドクガンダー」で死んだと思われていた「小泉教授」が生きていた。
小泉教授と吉岡助教授は「阪神理科大学」の研究員でおそらく「国際昆虫学会」の会員である(研究室の前にポスターが貼ってあったので)。
そして復帰後初仕事が「吉岡助教授」の「富士山麓で人間大の毛虫を見た」という発表を否定する行為だった。
それだけであれば研究室、室長である小泉教授の責任で発表に間違いがあったから取り下げるという意味の発言となる。
しかし、教授はこの発表は助教授が「マスコミを通じて自分を売り込もうとした売名行為だった」と部下を陥れる発言する。
教授は助教授の発表を売名行為とし大学から追放した。
そんな酷いことをする教授になってしまった理由は小泉教授が生きていると偽装するために変装していたのがドクガンダーだったからだ。
本物の小泉教授がカメラにおさめた大毛虫の証拠写真もドクガンダーが破棄し、吉岡助教授の発表も取り下げ、事件の関係者でもある助教授を陥れたのだ。
「人間大の毛虫(ドクガンダー)」を見つけたのは「富士山麓」。
富士山麓とは「富士山の麓」ということらしく実際に富士山のふもとには富士宮市の「麓」という地名があるそうだ。
実際のロケ地は神奈川県の「丹川山付近」だったが作品設定上のドクガンダーの発見地は「山梨県」ということになっているようだ。
余談だが麓の近くには「毛無山」という山がある。毛無山付近で毛虫発見って(笑)
こんなことをする教授の頼みを助教授は聞き、教授の秘密の研究室への誘いや研究の協力を了承するあたり人の良さなのか、もしくは教授、助教授とはそういう断れない力関係なのか…
私だったらこんなことされたら「こいつサイコパスだろ…」って思ってしまう。
仮装大会で化かし合い
今回は非常に変装が多い回だった。
・マリ、ユリ:ちり紙交換業者
・石倉五郎:吉岡ミキ(吉岡助教授の娘)
・立花藤兵衛:写真屋
・滝和也:下級戦闘員
・戦闘員(男):ミキをさらいにきた謎の女性
・ドクガンダー:小泉教授
マリ、ユリは吉岡助教授の娘「吉岡ミキ」がショッカーに誘拐されないように吉岡助教授の家付近を「ちり紙交換業者」を装い巡回。
戦闘員は警戒心を与えないように女性に変装し「パパが交通事故で入院したから一緒に行こう詐欺」でミキをさらおうとする。
五郎はミキに変装して戦闘員をおびき寄せ捕虜として捕まえる。
ミキは序盤に男嫌いを公言しているからもし五郎ではなく本物のミキだったら女性に変装したショッカーについていってしまったかもしれない。
藤兵衛は大阪でミッションを行うマリ、ユリ、五郎を心配して東京から大阪にきて写真屋に変装して3人を見守る。
滝は下級戦闘員に変装しショッカーアジトを突き止める。
ドクガンダーは前回の幼虫状態ではシルクハットの男に変装していたが、今回は小泉教授に変装して吉岡助教授に近づき労せず誘拐に成功する。
まさに今回は化かし合い合戦だった。
五郎の女装が意外にも似合っていて後ろ姿は完璧で一瞬振り返った時も本物のミキかと思った。
五郎の男気
五郎は今回、吉岡助教授の娘「ミキ」に変装してショッカーから身代わりになったり、戦闘員に噛みついて反撃したりと男娘気?を見せる。
貼り付けになった時も怯えずショッカーに物申したり、「あ~あ~もう死ぬのか~」と悟ったようにため息をつく余裕をみせるほど肝が据わっている。
その男気は男嫌いのミキちゃんと仲良くなれてしまうほど。
五郎いい奴だもんな。
金属は飛ばない
一文字と滝は「金属で作った乗り物が空を飛ぶなんて信じられない」という考えで大阪から東京に帰る時も飛行機への搭乗を拒否して2人でバイクで東京まで帰っている。
一文字はバイクで大阪にきたのでしょうがないが滝は飛行機で帰ればいいのに…
滝は「あのじゃじゃ馬たちと別行動がとれてホッとしたぜ」というが帰りに一文字を1人にするのはかわいそうと思ったのか一緒にツーリングを楽しむ。男の友情ってやつ?
だが言い訳としてもだ。
一文字は人型怪人がさんざん空を飛ぶところを見たのに飛行機は信じない。
滝はそもそも海外からきたFBIエージェントだろ。飛行機乗ってきただろ。
でもこの感覚結構共感できる人は多いと思います。
学生時代の先生も修学旅行で引率の際、飛行機ではずっと縮こまって耳を塞いでいました。
飛行機が怖い人は「戦闘機ならまだしも、あんなに大人数搭乗している鉄の塊が飛ぶはずない」とか「空なのに地震(飛行機の揺れ)が起きやがる」とか「飛行機が飛ぶ理屈は理解しているけど怖い」とか言う人はいまだに結構いるもんです。
ストーリーの転換点と考察
吉岡助教授の勇気ある決断
吉岡助教授は娘を人質に取られているのに、ドクガンダーに開発の命令をされた「繭成長剤」ではなく、ショッカーの野望を阻止すべく危険を冒してまで「繭を溶かす薬」を開発して「ドクガンダー大量生産作戦」を阻止する。
この勇気ある行動がなければドクガンダーを1体倒しても繭成長剤で大量増えたドクガンダーが大阪中を混乱の渦に巻き込んで大惨事となっていたことだろう。
薬品の色
ドクガンダーは小泉教授に変装して吉岡助教授が開発した「繭成長剤」がどんなものかを目撃している。
「繭成長剤」の色は「無色透明」。
「繭を溶かす薬」は「赤色」だった。
それに気づいていれば繭を溶かす薬を繭にかけられる前に止めることができた。
ドクガンダーが唯一異変に気づくことができた。
逆に言えばドクガンダーしか異変に気づけないのでドクガンダーが見逃した以上、吉岡助教授の作戦勝ちだ。
今回の特撮表現の面白さ
ドクガンダーの指ミサイル表現
ドクガンダーは幼虫状態だと口から火を吹く。
成虫状態になることでパワーアップして指から強力なミサイルを発射できるようになる。
この指ミサイルを表現するためにドクガンダーの手元からなにかが発射されているように見える。
手元を映している時は少量の火薬で発射音と硝煙を表現して着弾する場所は爆発させてミサイル表現をしている。
だが遠目のアングルでは明らかに手からミサイルを発射しているように見える表現をしている。
だとしたら本当に手元から何かを発射していることになるが一体何を発射しているのだろうか?
もちろん銃弾やミサイルを本当に発射するわけにはいかない。
発射されたものをスローで見てみると赤い筒状のものが飛んでいるように見える。
最初はロケット花火を使っているのかな?と思ったのですが、ロケット花火はあんな破裂音しないし、真上ではなく横向きに発射すると速度が安定せず速かったり遅かったりと迫力が安定しないように思う。それにもっと花火らしい火花が出る。
なにか撮影用に火薬量が強めのものを使っているのかもしれないがドクガンダーの手元から発射されているのでかなり危険な撮影なように感じた。
爆発の驚き蝶が舞っているのが映像に収められている。
草が生い茂ている場所だったので撮影が終了したら水をばらまかないと火災の危険がある。
火遊びする場合はバケツに水を入れて用意し安全対策をしよう!
ドクガンダーの飛行表現
ドクガンダーは成虫することでカイコになったため飛行能力を得た。
成虫状態の模型をピアノ線で繋いで飛行させているようにみせている。
ちなみに実際のカイコは身体の大きさに対して筋力がないためほとんど飛ぶことができないそうだ。
ドクガンダーもずっと空から攻撃すればいいのにたまに地上に降りてくるのはカイコだからあまり飛べないためなのだろうか?
ナイフ形通信機!?
吉岡助教授を誘拐したショッカーは研究室の地図にナイフを刺して姿を消した。
そのナイフは通信機としても使用でき、持ち手の部分に鷲の彫刻が施されている。
その鷲の彫刻の目が光り、前回藤兵衛が使用したパイプ型発信機のような発信機だよという表現をしている。
パイプ型発信機は強力な電波を発信するだけだが、鷲の彫刻付ナイフは音声通信機能まであり、その機能でショッカー首領が一文字たちを挑発した。
空中戦表現
ドクガンダーの模型が飛んでいるシーンで仮面ライダーも模型でジャンプをさせて飛行を追尾しているシーンがある。
ちょっとウルトラマンみたいなポーズで空中にジャンプしてウルトラマンポーズで落下する。
模型と実写のカットを切り替えることでスピード感がある大空中アクションを表現している。
そして最後ドクガンダーの飛行にあわせてその方向に足を向けたウルトラマンポーズの仮面ライダー模型はライダーキックを表現している。
繭溶解表現
吉岡助教授がショッカーの思惑とは反対に「繭を溶かす薬」を開発し、複数の繭に薬品をかけるシーンがある。
薬品の色は赤。この色は絵の具とかを使えばなんとでもなる。
しかし、繭がボロボロと溶けるシーンはどのように表現したのだろう?
繭の素材が「発泡スチロール」に見えたのでそのように仮定します。
発泡スチロールは「リモネン」という成分に触れると溶けてしまうそうです。
「リモネン」は柑橘系(オレンジ、レモンなど)に含まれる成分。
つまりレモン汁かなにか柑橘系の汁を赤で着色すればあら不思議「繭を溶かす薬」の完成というわけだ。
これはあくまで仮定なので実際には違うかもしれないが科学の実験で習ったことが案外特撮に応用されているとは思います。
撃破&アジト爆発表現
今回火力多めの回でしたが、個人的に爆発のグラデーションが良かったと感じました。
例えばドクガンダーを倒した時、ドクガンダーが落下したのはショッカーアジトがある廃墟の模型。
そこに落下したドクガンダーの撃破を表現するのに「小爆発」。
ドクガンダーがライダーキックによって地面に叩きつけられた衝撃を表すのに「中爆発」でアジト模型を半壊。
そして最後にアジトの薬品や爆発物が引火して爆発する表現として「大爆発」。
この小・中・大の爆発を順番に発生させてグラデーションにすることで爆発による崩壊は一気にではなく徐々に被害が広がるんだよということを表現している。
この爆発は序盤で滝の乗ってきた車がドクガンダーの指ミサイルで破壊される時にもこの爆発表現が使われていたように思う。
特撮満足度(★で5段階評価)
高所アクション:★★★☆☆
火力:★★★★☆
水場:★★☆☆☆
仕掛け:★★★☆☆
ロケ地(執筆者の調べ)
・「大阪城」付近
・大阪城の「極楽橋」
・サニーストンホテル
・大阪国際空港
次回予告より(第22話「怪魚人アマゾニア」)
次回のショッカーからの刺客は「怪人アマゾニア」。
アマゾニアという名前からアマゾンに生息する魚と関係があるのだろうか?
16話「悪魔のレスラーピラザウルス」で登場した「怪人ピラザウルス」に似ていてアマゾンと関係があると考えるとピラニアか?
次回ショッカーが狙うのは「海底ウラン」
ウランは原子力発電に使用されるほどのエネルギーを持っている。
日本では人形峠周辺や岐阜県の東濃地域でウラン鉱床が発見されているようですが、小規模で日本の原子力発電に使用するには量が足りないため、現在(2023年)は採掘されていないそうです。
日本の電力はまかなえない量だが一組織がこれを牛耳る、ましてやショッカーにウランが渡ってしまったらどんな悪事に使用されるかわかりません。
次回はスリルとサスペンスで迫力満点な回だそうです。
まとめ
・ショッカー戦闘員は性別年齢関係なく男女両方に変装できる(さすがに子供は無理?)
・一文字はモールス信号が使える(壁を叩いて滝にメッセージを伝える)
・五郎、大阪にガールフレンドができる
・一文字と滝は飛行機が怖い?(金属が飛ぶと思っていない(じゃじゃ馬娘と飛行機で帰るよりツーリングで帰りたかったから言い訳で言った?))