特に後半のストーリーはネタバレ防止のためタブで隠しています。
本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。
第8話「怪異!蜂女」ストーリー
前半ストーリー
ご飯を用意する父親「池田隆三」と娘「池田サチコ」。
サチコは隆三に呼ばれ居間に駆け込むと隆三の眼鏡を割ってしまう。
次の日、隆三とサチコは「影村めがね店」を訪れる。
影村めがね店は開店したばかりだが評判が上々のようだ。
隆三は眼鏡を気に入りお買い上げ。店主の眉間にしわが気になるところだが…
その帰りにサチコと公園の湖で鳥にエサをやって一休み。
ベンチに腰掛けると隆三の眼鏡のつるが光り、女の高笑いが聞こえてくる。
眼鏡に違和感を覚えた隆三は眼鏡を外そうとするが外れない。
そしてレンズに女の怪人が映し出される。怪人は手招きしショッカーに誘い入れる。
ショッカーがまた何か企んでいるな!
その声に導かれるまま隆三はサチコを置いてその場を去ろうとする。
サチコは父親の異常に気付き止めようとするも振り払われてしまう。
サチコは近くの大人に助けてを求める。
その大人こと公園で昼寝をしていた本郷猛だった。
猛は隆三に声をかけるが同じく振り払われてしまう。
必死に止めようとするがやはり隆三の様子がおかしい。
隆三はまだ理性が少しあるのか「眼鏡が、眼鏡が俺を呼んでいるんだ」と言い残してその場を去ってしまった。
猛はあまりに乱暴だからサチコに本当に本当の父親か尋ねる。サチコは本当だという。
困った…そうだ母親は?とサチコに問うも母親は去年死んでしまったというのだ。
4話「人喰いサラセニアン」の宮下兄弟、6話「死神カメレオン」の砂田親子、そしてルリ子と片親、もしくは両親を亡くしている家庭が多いな。戦後だからか、それとも医療の発達がまだ不十分、もしくは流行病か、それともショッカーの影響か。
さて、どうしたものか…
眼鏡の秘密
隆三はどこか地下の階段を進んでいる。地下ということはここが今回のショッカーのアジトか?
階段を進むとドアが開き、そこには先ほど眼鏡のレンズに映し出された女の怪人がいた。
彼女は「怪人蜂女」。今回のショッカー幹部は何をやらかすやら…
父親が行方不明になってしまったサチコはアミーゴで保護していた。
サチコの父親はもう3日も帰ってないという。
こういった事件はここ最近珍しいことではないらしく、この2ヶ月の間に蒸発事件で42人もの人が行方不明になっているという。
調査を終えた猛がアミーゴを訪れる。猛いわく蒸発した人は全員蒸発の前にあるメガネ店で眼鏡を購入していることがわかったのだ。そしてそれは影村という店の品に限られているというのだ。サチコのパパと同じ!
ルリ子はそのメガネ店の調査を買って出る。
しかし、ショッカー関係の場所に自ら向かわせるわけにはいかない。
ルリ子は別にメガネ店で蒸発しているわけではないし大丈夫だろうと言います。
確かにそうだけど…
ついでに新しいサングラスも欲しいからと頼む。その眼鏡が怪しいんだって!怪しい店から商品買っちゃダメ!
猛も何やらすぐに取り掛かりたい実験があるそうなので、危険性が低いのであればとルリ子に調査を頼む。
取り掛かかりたい実験とは特殊な音波の実験のようだ。
哺乳類の聴覚の下限界は16ヘルツないし20ヘルツのあたりにある。上限界は2万5000ヘルツあたりにあるそうです。しかし、犬は3万5000ヘルツの音を聞き分けるそうだ。
猛は何が言いたいかというと、隆三を止めようとした時、改造人間である猛の超聴覚には人間には聞き取れない振動数の音をキャッチしていた。そしてその音は超聴覚の猛でも普段は聞かない音。つまりあの場で何か特殊なことが起きていたため隆三は異常だったと推測できる。
そして隆三の眼鏡が俺を呼んでいる発言を思い出す。あの妙な音は眼鏡から出ていた可能性が高い!
そこへルリ子から調査報告の電話がくる。
ルリ子は上機嫌で新しいサングラスを試着しながら電話口で報告する。
ルリ子の印象は陰気な主人がいるだけで特に変な気配は感じられなかったという。
辛辣!女子大生に陰気な主人扱いを受けてしまう店主はシンプルにかわいそう。でも隆三に売っていた時は愛想の良い店主だったような印象だが女子大生にとってはあれで陰気なようだ。
でもカッコイイサングラスを買えたからと上機嫌なルリ子に猛は自分が行くまでサングラスをつけてはいけないと警告をする。
…
時すでに遅し。いわんこっちゃない…
案の定、隆三と同じ目にあうルリ子。
眼鏡は外れず、レンズに蜂女が映り手招きする。
猛がルリ子の部屋に駆け付けた時にも時すでに遅し。
ルリ子は部屋におらず、蜂女の地下アジトへ向かっていた。
猛は眼鏡の謎をすでにある程度推理しており「眼鏡内部に特定の周波数を持つ、信号や映像を受信するような特殊感覚装置をはめ込んでいる」、「そしてそれによってコントロールしているため蒸発事件が起きている」と。
ショッカーの仕業と確信した猛は夜、影村めがね店が閉店するのを待ち、店主の後をつける。
店主は途中で車を止めると少し歩き、廃ビルに消えていった。
蜂女のアジトでは今週9人が使えないと判断され処刑されるところだった。
ガス製造工場の仕事に耐えられなかった消耗品、そして改造人間の適正もない。そんな人々をガス実験のモルモットとして廃棄処分するつもりだ。
ガスのバルブは開かれ、一ヶ所に集められた9人はもだえ苦しむ。
そしてアジトに到着した猛はのぞき穴からその光景を目にして心を痛める。
すると非常ベルがなると同時にめがね店の店主がルリ子を人質に現れた。
やはり店主も戦闘員の1人か!
店主は猛が尾行してくる日を待っていたらしい。奴隷を集めるために大ぴらにあの眼鏡を売り込めばいずればれるだろう。しかし、それも本郷猛をおびき出すための罠だったということか。
どうしてこんな酷いことを!訴える猛に蜂女は勢い良く、毒ガスが世界征服のためにどうしても必要だと言い放つ。まあそういうわな。
毒ガス工場長の蜂女は猛にルリ子との交換条件に毒針を受けるよう脅迫する。
しかし、殺す為ではないようで「麻痺させてお前を完全な改造人間にするのが楽しみなのだ」とちょっと日本語が変だが、おそらく「何々なのだ」と言うのが口癖のようだ。ハム太郎か…いやハム太郎が後か…
承諾した猛は蜂女の毒針に刺され、意識が遠のく。遠のく意識の中で猛はポケットから何かを取り出し握り潰した。猛のことだ、後々何かの役に立つものに違いない。
よく見えないが毒の血清か?それとも何かを握り血を出すことで刺激を与え目覚めやすくするためか?どちらにせよそのまま猛は意識を失ってしまう。
猛は再改造され洗脳されてしまうのか!?ルリ子の運命は!?
後半ストーリー(※ネタバレ有り)
後半ネタバレがありますのでご注意ください
猛が目覚めると椅子に鎖で縛られていた。
鎖を引きちぎろうとすると案外あっさりちぎることができる。
あれ?麻痺していたのに身体に力は入るようだ。麻痺と言うより催眠だったのか。それとも猛が意識を失う前に握り潰した何かが関係があるのか。
よし、脱出しようと動き出したがメガネ店店主戦闘員が部屋に入ってきたので狸寝入り。
3本の鎖の内2本は既に引きちぎっていたので、まさか!と思った瞬間、猛の狸寝入りに引っ掛かり形勢逆転。
猛は人質が閉じ込められている場所に案内させる。
ガスを吸った人質は思うように身体が動かないがなんとかよろよろと脱出していく。
その中でサチコの父親も発見。脱出を試みるも蜂女が現場に駆けつける。
戦闘員をなぎ倒しながら戦闘員から奪った武器を投げ、蜂女を負傷させる。
ダメージを受けた蜂女は罠を作動して猛を落とし穴に落とす。
まさかまたライダー殺しの罠か!?
落下の風圧で変身をする猛。着地後すぐにジャンプで罠を脱出。
よかった…今回の落とし穴はライダー殺しの罠じゃなかった。
むしろ蜂女は猛を変身させてしまった。ライダーキックを炸裂させ、蜂女の隙をつき脱出に成功する。
アジトの外に出るとそこにはルリ子がいた。まだ逃げていなかったのか!?
ルリ子は仮面ライダーに助けを求める。
ルリ子は仮面ライダーが本郷猛だと知らないため猛がまだアジトから出て来ていないことを心配して待っていてくれたのだ。
仮面ライダーは本郷猛の安全を伝えアジトを去る。
脱出、そして新たなる罠
猛は手洗い場で手を洗浄していた。意識を失った時に握りつぶしたものの影響で出血していたからだ。出血部分は傷口が塞がるどころか、瞬時に傷跡も残らないほどに回復していく。改造人間であるがゆえの回復力の高さである。
この力がある限りルリ子に正体を明かせない。だが今回の猛は前向きだ。普通の人間に戻るまでと言っている。まだ猛は普通の人間に戻ることを諦めたわけじゃない。しかし、ショッカーを殲滅するまではまだこの力が必要であり、そのジレンマと猛は戦っている最中だ。
猛の部屋で保護した隆三とサチコが再会する。感動の再会だが、隆三はサチコを見ても遠い目をしていて抜け殻のようだ。
それもそのはず隆三はショッカーによって一時的に記憶喪失にさせられていた。猛の見立てではで少し時間をかければ戻るはずだという。それは良かった。しかし、ガス工場の記憶は戻らないため生き証人として他の人質同様、社会に訴えることはできない。ショッカーのリスク管理はなかなかのものだ。
一方その頃アジトでは影村めがね店店主の戦闘員が責任を取らされて始末されようとしていた。
戦闘員は蜂女に抵抗。「貴様だって失敗すれば!」と捨て台詞を吐き蜂女に殺されてしまう。
ショッカーに失敗は許されないという鉄の掟で容赦なく部下を使い捨てしてきたのだろう。
上司である蜂女ではなく部下に責任を取らせる。良くないですね~
しかし、一戦闘員が幹部に物申しているのは珍しい。やはりショッカーに洗脳されているとはいえ理不尽には疑問を抱くものもいるということだ。
猛はアミーゴで藤兵衛と作戦会議。
人質を解放できたとはいえ、蜂女は未だ健在。なんとか食い止めなければ…
そこへ2人にコーヒーを淹れてくれるルリ子。熱心な2人に特別美味しく淹れたつもりというルリ子。心を込めてということか。良いね!
感激する2人。しかし、猛の顔が歪む。藤兵衛がコーヒーに手を伸ばすと猛はそれを払いのける。
どうした猛…せっかくのルリ子特製コーヒーを…
場が凍り付く…猛は虫を掴みコーヒー皿に残ったコーヒーに虫を落とす。すると虫は死んでしまった。つまりコーヒーに毒が入っていたのだ。
まさかルリ子が!?そんなはず…
猛はルリ子を検査すると、髪で隠れた右耳に発光するイヤリングがあった。
ルリ子からイヤリングを取り除き、観察する猛と藤兵衛。
このイヤリングからは人間には聞こえない音の信号が出ていた。つまりこのイヤリングでルリ子は操られていたため、2人に毒を盛ろうとしたのだ。猛は改造人間のためその振動をキャッチできたため異変に気付き、とっさにコーヒーを払いのけることができたようだ。
このためにショッカーはルリ子をみすみすと猛の元に取り戻させたようだ。
正気に戻ったルリ子は操られていたとはいえ、2人を殺そうとした罪悪感がこみ上げ泣き崩れてしまう。かわいそうにルリ子…
人間の自由と平和を乱す奴は許さん!
猛はこの音を聞き分けることができるため、発生源に向かう。
いざ、決戦の時!
仮面ライダーに変身して向かう先は荒野。
現場には蜂女と戦闘員が待ち構えていた。
仮面ライダーは敵から武器を奪い、使いこなすのが上手い。戦闘員からレイピアを奪い次々と倒していく。
そして危険探知機が働いたのか木の影に隠れる蜂女めがけてレイピアを投げ、羽を片方負傷させる。
実際に飛ぶシーンはないがこれで蜂女も地上戦を強いられる。
レイピア同士で激突。最期はレイピアを弾き、ライダーキックでフィニッシュ!
後日、「岸田病院」。記憶喪失で入院していた隆三が退院した。
病院の出るとルリ子がサチコを連れて来たところだった。
隆三は記憶を取り戻したようでサチコを見ると駆け出して抱き上げ、本当の感動的再会を果たす。
今回は立ち去らずに微笑ましく池田親子を見つめる猛。
救った人々の笑顔を見るのが少しは猛の救いになっているのかもしれない。
少しずつ猛は自身の使命というものを全うしようとしている。
いつか普通の人間に戻るその日まで…
ストーリーの転換点と考察
人質ルリ子の交換条件
ルリ子を人質に取られた際に本郷猛を洗脳し、完全な改造人間にするために蜂女は麻痺だけにとどめたこと。これがショッカーのミスだった。かまきり男みたいにやけのやんぱちで洗脳なんてもうどうでもよいとなっていたら猛は危なかった。
麻痺にとどめたことで猛に逆転のチャンスを与えてしまった。
ルリ子の使い方
ルリ子がアジトから脱出後、イヤリングで洗脳を続けているのであれば猛と藤兵衛を毒で暗殺よりも、連れ帰った隆三に会わせるためにサチコを猛の部屋まで連れてくる道中にルリ子を使って誘拐するべきだった。あの時は猛もイヤリングの音には気づいてなかったわけだし。
逆にコーヒーの時は猛はナイスプレーだった。音波の秘密を探っていなければ音が聞こえていても瞬時に違和感を覚えず2人とも暗殺されていたかもしれない。そしてルリ子がさらなる罪悪感に苛まれていたかも…危なかった…
今回の特撮表現の面白さ
未来の眼鏡
眼鏡のレンズに映像を映す表現。カメラを通してならARとかVRがある中でグーグルグラスのように眼鏡をかけて別の映像を映すなど未だ実現困難な技術をショッカーは持っていることになる。しかも音波で人を操る。2話「恐怖蝙蝠男」ではウィルスを音波動かし、人間の脳を操っていたが、今回はウィルスなしで音波のみで操ることに成功している。その代わり操られた者は身体は操られるが自我は残っているようで抵抗したり反抗したりする素振りを見せる。
新消失表現
少し暗くて分かりにくいのでハッキリしたことは言えないが、人型のスポンジを潰して膨れ上がるゆらゆらした様を人体が崩れる表現っぽくしてる?最初は紙か木を燃やし、少しずつシワシワに黒くなって縮んでいく様を消失表現にしていると思ったが物体の後ろが水浸しだったので違うかなと。今回はちょっとわからなかった…
光る小道具
眼鏡のつるを光らせたり、イヤリングを光らせることで「遠隔でなにかされている」という表現をしている。
次回予告より(第9話「恐怖コブラ男」)
次回のショッカーからの刺客は「怪人コブラ男」。
コブラは熱帯雨林に生息し、神経毒を持っている。
蜂女同様、麻痺など状態異常を使いこなし仮面ライダーを苦しめるのか。
次回のショッカーの狙いは「大蔵省金保管庫」。ナチスの秘宝を取り損ねたショッカーが狙う次なる財源というわけだ。こちらも国家を動かすほどの資本が蓄えられている場所。
なんとしても阻止せねば!
まとめ
・改造人間も寝る(猛の昼寝シーンがあったため)
・ひろみは子供の面倒見が上手い(前回のユミ、今回のサチコと母性がある)
・猛は「化学と生き物」という専門書を読んでいる
・猛は普通の人間に戻る事を諦めていない
・改造人間である猛は少しの怪我なら一瞬で治る高い回復力を持つ
・ショッカー戦闘員も幹部に反抗することがある
・藤兵衛はルリ子をルリちゃんと呼んでいる
・ショッカー戦闘員の鳴き声は幹部の鳴き声や囁きによく似ている。そして女性幹部だと男性戦闘員でも女性の声で鳴く。