特に後半のストーリーはネタバレ防止のためタブで隠しています。
本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。
第6話「死神カメレオン」ストーリー
前半ストーリー
深夜「GALLERY砂田画廊」に怪しい影が近づく。
怪しい影に気づいたのか画廊の外で犬が吠える。
画廊の主人「砂田辰夫」は窓から様子をうかがうが何もいない。
気のせいだろうと窓から振り向くと絵画の上から黒くナチスのマークが塗られている。
しかも塗料が垂れ落ちていてまだ乾いていない。今この瞬間に描かれたマークだ。犯人はまだ近くにいる。
誰の仕業だ!警戒心を強める砂田を呼ぶ声が室内に響き渡る。
この砂田という男は元日本海軍の少佐で潜水艦長を勤めていた人物だ。
声の主は砂田の素性を知っているようだ。
声の主は砂田が「26年前に密かに埋め隠したナチスの秘密」が知りたいようです。
26年前、1971年の物語なので該当年は1945年。第二次世界大戦終結時。
終結時に戦争の遺物として隠したのだろう。
ナチスの秘密…ナチスと密接に関わりがあり、その技術をもとに世界征服を企んでいるやつらといえば…ショッカーだな!
声の主は自身を「死神」と呼び、命が惜しくばナチスの秘密の隠し場所を言えと言うのだ。
しかし、さすがは元軍人。自身が危険でも国の不利益になることは死んでも吐かない。
砂田は声の方向へ椅子を投げ抵抗するも虚しく空を切る。
正体を現わせと叫ぶ砂田の後ろから「怪人カメレオン男」が姿を現し砂田を首絞めにして脅しをかける。
隠し場所を言わなければ入院中の娘に危害を加えると。
なんとそれでも砂田は秘密を自白しようとしない。現代であったら考えられないことだ。
しかし、戦時中は秘密を自白することが多くの国民の命に関わこともあったのでいくら我が子可愛いとはいえ人質に取られれば国のために死ねと言われる時代。言えないものは言えない。
埒が明かないので砂田を気絶させ、カメレオン男はカメレオン特性を使い背景と同化する。
深夜の幽霊騒動
深夜、史郎とルリ子、ひろみの3人が歩いている(おそらくスナックのバイト上がり?)。
その目の前に千鳥足で歩く1人の男がいた。先ほどの砂田だ。
ルリ子とひろみはこのままだと車に轢かれてしまうと心配して声をかけようとしたその瞬間!
2人はなぜか何もない場所に衝突して弾き返されてしまう。
2人を抱える史郎。その2人の表情は恐怖に震えていた。
「どうしたんです?お強い女性お2人がそろいもそろって」と声をかける史郎。史郎の中では2人はお強い女性に見えているようだ。確かに芯があって気が強そうな2人ですもんね。
史郎もふと目線を落とすとそこにはとんでもない光景が!
なんとその男1人なのに2つの影があったのだ!
心霊現象を目の当たりにした3人は急いでスナック「アミーゴ」に引き返した。
アミーゴには藤兵衛と猛がいた。
幽霊を見たような血相で戻ってきた3人を見て驚く藤兵衛と猛。
3人は「影が2人で1人しかいない」心霊現象を話す。
こういう怪しい事件があると必ずのその裏に奴らがいた。
何かピンときたのか猛は3人が見たという現場に向かう。
千鳥足の男はいないが猛の耳には「人を引きずる足音」が聞こえていた。
猛は改造人間なので常人の十数倍の聴力を持っている。
怪しいと思った猛は足音するほうへ向かう。
「しのはら病院」の一室。
少女が裁縫をしている。ハンカチに刺繍をしている。
少女は男性の写真を見ながら話しかける。
写真の男性は「砂田辰夫」でこの少女は娘の「砂田ユミ」。
体が弱い自分のせいでいつもパパに迷惑をかけているから俺にプレゼントとして刺繍しているという。
なんて健気な少女なんだろう。こんな娘を父親は迷惑に思っているはずがない。
深夜の病室が開いたので父親がきたのかと声をかける。
確かに父親がきたのだが様子がおかしい。なんか千鳥足だ。
すると背景と同化していたカメレオン男と戦闘員が現れる。
こいつら本当に娘を人質にきたな!
気絶している砂田を起こし自身の置かれた立場を理解させる。
ナチスの秘密を吐かなければ娘を痛めつけると。
そして戦闘員は手術後間もないユミを叩き痛めつける。ひどい!死んでしまう!
さすがの砂田も観念しユミのベット奥に目線をうつす。
戦艦のプラモデルだ。元海軍らしい置物だが、女の子の趣味としては違和感が…
この違和感の正体こそユミのものではなく砂田辰夫自身のものであり、秘密の隠し場所だったのだ。
戦闘員がプラモデルを回収しようとすると外からの手が出てきてプラモデルを奪った!?
誰だ!
その正体は後をつけてきた本郷猛だった。
耳の良い猛にはショッカーの企みも全て筒抜け。阻止しようと参上した。
この病室何階だ…ショッカーは正面から入ってきたが猛は窓の外から様子をうかがっていたようだ。
どっちが不審者だ…
戦闘員を蹴散らすも直後、一瞬の消灯で逃げられてしまった。
病室には猛とユミだけ。
泣き崩れるユミに父親を連れ戻すよう約束する猛。
猛に心を開いたユミはプラモデルを貸してくれるという。これは手がかりになりそうだ。
ナチスの鉄箱争奪戦開戦!
アミーゴに戻るとさっきまで幽霊を信じていなかった藤兵衛がショッカーがやっぱりと結論付けていた。確かにこの2人にとっては怪現象は幽霊よりショッカーの仕業と結論付けるのが自然だろう。
持ち帰ったプラモデルを調べるが何の変哲もないプラモデルだ。
しかし、プラモデルを揺らすと中から音がする。もしかしてプラモデル内部に何か入っているのか?
戦艦のプラモデルの底を開くと中から地図が出てきた。
地図にはお宝の地図にありがちなバツ印か付けられており秘密の隠し場所を記している。
藤兵衛が予測するには地図に描かれた地形は「多摩川の上流」のようだ。
次の日、猛は多摩川の上流に向かった。
秘密の隠し場所は現在ダムの工事中のようだ。
作業員たちは採掘のため葉っぱ(ダイナマイト)をかけるところのようだ。
作業員が爆発した先を見ると洞窟を発見する。おそらく作業の工程で秘密の隠し場所を発見してしまったのだ。
作業員4名が調査のため洞窟に入る。そこにはお宝がと思いきや!作業員は「出た!」といって洞窟から逃げ出してきた。その先にはナチスドイツのマークが入った箱が…
騒ぎを聞きつけた猛。作業員は猛にも「出た!」とだけ説明。何が出たんだ!またカメレオン男か?と思ったがカメレオン男は双眼鏡で遠くからその様子を観察している。それではやはり何が出たんだ?ナチスドイツのマークを見て、滅んだはずのナチスの亡霊を見たということだろうか?
猛は洞窟から箱を持ち出す。それをみたカメレオン男は手間が省けたとご満悦。
箱にはハーケンクロイツ。日本の卍は左まんじなのに対してナチスドイツのマークは右まんじなのが特徴。
ショッカーとナチスの繋がりとはいったい…
そんなことを考えながらバイクを飛ばしていると前方・後方からダンプカーが猛を挟むように接近する。
やはり箱を奪うために動き出したかショッカー!
猛はなんとバイクのウィリー、それもノー助走でダンプカーを飛び越え、その風圧で変身する。
どうやったらできるんだ…
戦闘員がダンプカーから出てきて戦闘開始。
そしてここで地味に初のライダーポーズ。変身後ではありますが、登場時決めポーズを入れてきましたね。
そして今回は非常に見応えがある剣戟アクションが披露されます。
今まで剣戟というか武器を使ったアクションはありましたが、短かったり、画面が暗くていまいち伝わらなかったりしました。
猛は剣戟もいけるようで、戦闘員から剣を奪い応戦する。やはり同じ改造人間でも引き出しが広い!
戦闘員の1人に尋問をかけナチスとショッカーの関係性を聞く。
毎回尋問すると意外と答えてくれるショッカー。しかし、学習したのか戦闘員は自害してしまった。
何も聞き出せなかったが洞窟で回収した鉄箱を調べれば何か手がかりがあるはず。
ナチスの鉄箱とは一体なんなのか…
毎回やられっぱなしで歯痒い思いをするショッカー軍団。
しかし、カメレオン男は必ず仮面ライダーにも弱点があるはずと考える。
今回は仮面ライダーの弱点が明らかとなりそこを狙われるのか。
何を仕掛けてくるんだショッカー!
後半ストーリー(※ネタバレ有り)
後半ネタバレがありますのでご注意ください
ショッカー首領はショッカー科学班を集めて作戦会議を開く。
議題は仮面ライダーを徹底的に研究し弱点を見つけ出すことだ。
そして導き出した答えをなんだか片言な日本語で話し始める科学班。
仮面ライダーの弱点は2つ。
「風車ダイナモの回転をストップさせる」、「周囲1平方メートルの密室に閉じ込める」こと。
やはり風車ダイナモを狙ってきたか…5話「怪人かまきり男」の時も落とし穴に落ち、風圧がないため変身できない場面があった。
風圧がないところでは変身できない。それはわかるが周囲1平方メートルの密室が弱点とはどういうことだろう。
ショッカーは直ちに仮面ライダーの弱点を攻める装置の作成に取り掛かる。
仮面ライダーの弱点
その頃、ショッカーの襲撃の難を逃れた猛は城南大学の研究所に戻ってきた。
猛の帰りが遅いのを心配した藤兵衛とルリ子が出迎える。
猛は藤兵衛にバイクの整備をお願いし自分は研究所で回収した鉄箱を開けてみることにする。
いつもの岸森ではなく今回は「阿部直樹」という研究員のもとを訪ねる猛。
猛が持ち帰った鉄箱は特殊な合成金属でできており、蓋がなく開けようにも開けられない。
継ぎ目はあるようだが溶接されているのかこじ開けるのも至難の業だろう。
阿部がもう少し調べてみてくれるそうなので猛は鉄箱を預け、研究所を後にする。
猛とルリ子はタクシーに乗り込みユミのお見舞いにしのはら病院へ急ぐ。
病院ではユミはひろみに付き添われてリハビリを頑張っている。
父親が帰ってきた時に元気な姿を見せるためだ。
ルリ子はショッカーによって父親を亡くしている。
だから今回の事件、ユミが父親を失ってしまえば自身と同じひとりぼっちになってしまう。
ルリ子はひとりぼっちと言ったということは母親もいないということか…
ユミも母親の影がない。それにルリ子と違いまだ幼い。ひとりぼっちにさせてはいけない。
2人はあらためて打倒ショッカーを心に誓う。
タクシーに揺られて病院の到着を待つ2人。
しかし、タクシーの行き先が病院の方向ではない。
猛は運転手に注意するが運転手は無反応だ。再度声をかけると運転手は振り返る。
振り返った男は運転手に擬態したカメレオン男だった。
しまった!と思った時に後部座席は透明の板で密閉されてしまう。
そしてカメレオン男がレバーを引くと後部座席にガスが充満する。Gガスか!?
外に出ようにも扉はロックされており、ガスの影響か改造人間のパワーで強引に脱出することもできない。
これが科学班の言っていた1平方メートルの密室作戦か!
どうやら催眠ガスだったようで2人は眠ってしまい、ルリ子は縄で、猛は厳重に鎖で縛られてどこかに運ばれていく。
運ばれた先は線路の上。ショッカーは猛とルリ子を電車に轢かせる気だ!極悪非道ここに極まる!
だが、猛は改造人間の強靭な体力により常人の10倍の回復力を持つ。
そのためわずか数分で目を覚ます。
どんどん電車が迫ってきている。どうするどうするどうする!
猛は鎖を引きちぎり脱出。
ルリ子を抱えての脱出が間に合わないと判断した猛はなんと!ルリ子を抱えたまま線路の下にぶら下がって電車をやり過ごすという超人技を披露する。
前までは鎖を引きちぎるのも風車ダイナモの力あってこそだったが藤兵衛が言っていた通り、「改造人間の能力は鍛えれば伸びる」というのは本当のようで、未変身の状態でもこれほどのパワーを発揮できるようになっていたのだ。
それにしてもいくらパワーがあるとはいえ未変身でルリ子を抱えたまま線路の下で片手でぶら下がるのは超人すぎる!
猛とルリ子を置いてきた位置を電車が通り過ぎるのを確認したショッカーは死体は確認せずその場を去っていった。
ショッカー潜入作戦
深夜の城南大学研究所。時間は12時を過ぎていた。阿部は遅くまで鉄箱の調査を行っていたようだ。
今日のところは帰宅しようと計測室を出ると藤兵衛と史郎がいた。
2人は猛に頼まれて鉄箱の見張りにきたようだ。
しかし、肝心の猛がまだこない。藤兵衛は計測室へ、史郎は猛に電話するよう言われる。
史郎は深夜の静かな場所で1人になるのが怖いようだ。ブツブツ文句を言いつつ電話をかけるが猛はでない。
史郎は後ろで藤兵衛に肩を叩かれたような気がして振り返るとそこにはカメレオン男がいた。
やはり猛を始末したあと鉄箱を狙いにきたな!
計測室では藤兵衛は必死の抵抗も虚しく気絶させられてしまい鉄箱を奪われてしまう。
研究所に非常ベルが鳴り響き急いで退散するショッカー。その刹那。猛が登場し1人の戦闘員を捕らえる。ここから逆転かと思いきやカメレオン男の部隊がトラックで移動する場面に切り替わる。
トラックは東名高速を走る。どこへ向かっているのだろう。
「岡崎」、「豊田」、「名古屋」の看板が見える。現在地は愛知県か?
車内でひときわ目立つ揉み上げの戦闘員がいる…猛だ!
猛は戦闘員を捕まえたあと、変装してアジトに潜入するつもりだ。
トラックを降り向かった先は「浮御堂(満月寺)」。琵琶湖付近…滋賀県のようだ。
浮御堂は平安時代に湖上安全と衆生済度を祈願して建てられたものらしい。
現在の建物は昭和12年の再建を行い、昭和57年に修理されたものが建っている。
近江八景の1つ「堅田落雁」内にそのアジトはあるようだ。
ナチスの鉄箱を持ち帰り上機嫌なショッカー首領。だが蓋もない鉄箱をどう開けるのだろうか。
ショッカー首領はある人物を呼び寄せる。
この外人は仮面ライダーの弱点会議にいた!彼は「ハインリッヒ博士」という。
彼がこの鉄箱を開ける方法を知っているという。ということは博士とも呼ばれているし元ナチスの科学者か?
博士はこの鉄箱を使うと全世界の経済を握ることができるという。
つまりこれはナチスの隠し財産?それとも各国の弱みを握れる何かか?
鉄箱は中から電波が発せられており、それと同じ電波を衝突させると箱は開くという。
そう言って博士は鉄箱と同じ電波を放つ機器を取り出し開錠に入る。
とその時ショッカー首領がそれを制止する。
ショッカー首領は緊急信号により戦闘員の1人がまだ東京にいることが判明したという。
つまり戦闘員6人の内、1人は偽物であるというのだ。
しまった猛の潜入がばれてしまった。
しかし、ここまで情報を聞ければ潜入の甲斐があったというもの。あとはショッカーを叩き潰すだけ。
危険を感じたカメレオン男は鉄箱とともに逃走を図る。
そうはさせまいと猛はカメレオン男に突進するも落とし穴の罠が作動し落下、その風圧で辛うじて変身する。
今回はここで終わり。辛うじて変身はできたが落とし穴に落ちてしまった。
仮面ライダーの運命はいかに!
鉄箱争奪戦は続く…
ストーリーの転換点と考察
ショッカーの確認不足
今回猛とルリ子は電車の上に配置され轢かれそうになったが猛の催眠ガスからの回復力の早さで難を逃れた。そしてそれを確認せずショッカーは帰った。
線路の上というのもあって自分たちの安全も考えたのだろうが仮面ライダーを倒すチャンスを逃す。
今回は催眠ガスからの回復力の早さなど改造人間の特性を考慮に入れなかったショッカーの作戦ミスである。
今回の特撮表現の面白さ
光学迷彩表現
1971年設定の作品だが、未来の軍事技術「光学迷彩」が表現で登場する。
もちろんカメレオンの特性として表現しているのだろうが、カメレオンのように背景と同化というよりかは、その場から消えて見えるほど高度な隠密技術。
まさに光学迷彩と呼ぶに相応しい能力だ。
この消える表現はカメレオン男がいるカットといないカットで分けて消える表現をしているわけではなく、カメレオン男の透明度を調整してだんだんと消えていく表現になっている。
こうすることで、その場にはいるんだけど見えないようになる表現をすることができる。
「見えるんだけど、見えないもの」的な。ちょっと違うか…
またもや新消失表現
消失表現は毎回新たな試みがある。
今回はカメレオン男の回、もしくは部下のためか背景と同化というよりかは透明人間にでもなったかのようにその場から消失する表現になっている。
次回予告より(第7話「死神カメレオン 決闘!万博跡」)
シリーズ初の前・後編の2部構成。次回の刺客もカメレオン男。
いつもの関東地方ではなく舞台は関西「大阪」。
2部構成で行われる壮絶な戦い。
罠にハマった猛はどうなる!ナチスの秘密とは一体…
まとめ
・本郷猛(改造人間)は常人の数十倍の聴力と十倍の催眠ガスからの回復力がある
・ショッカーは子供にも容赦ない
・今回から尋問されたショッカーは秘密保持のため意識があると自害する行動をとるようになる
・仮面ライダーの胸の皮膚は銃弾をはねのけるほどの防弾組織
・変身後の仮面ライダーの身体はスーツではなく皮膚
・腕と足の破壊力は抜群(ショッカー首領のざっくり感覚)
・「風車ダイナモの回転をストップさせる」、「周囲1平方メートルの密室に閉じ込める」こと
・ルリ子は母親がいない(理由は不明)
・史郎は深夜の静かな場所など心霊現象が起こりそうな場所が怖い
・浮御堂は実在している
・ショッカーのナチスの技術は元ナチス科学者をショッカーに引き入れることで実現している
・ショッカーは変装されても変装されたものからの緊急信号で変装したものの正体がばれる