ネタバレがあります。
本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。
あらすじ
ヨーロッパでギリシャ・ローマ時代の伝説の一角獣「ユニコルン」の化石が発見された。
その化石が何者かに盗まれ、ショッカーの手に渡り日本へ輸送されたという情報をキャッチした本郷猛。
日本を防衛する一文字に警戒を呼びかけるエアメールを送る。
一方、一文字と滝を除いた立花レーシングクラブメンバーは奥多摩にハイキングに出かけていた。
そこで「日原鍾乳洞」を見学にいった五郎とエミが行方をくらましてしまう。
捜索応援として呼び出された一文字と滝は鍾乳洞で奇妙な石を発見する。
その石の正体こそ行方不明だった五郎とエミだった!
伝説の一角獣「ユニコルン」の悪魔
仮面ライダーの世界ではギリシャ・ローマ時代の伝承の中でのみ存在すると言われていた「ユニコルン」という生物がいるようだ。
そんな伝承上の生物がヨーロッパで発見されてしまう。
伝承が現実になってしまったのだ。
予告を観た時はユニコーンの特性と思っていたが、ユニコルンというオリジナル生物の特性だった。
おそらくはユニコーンをもとにして作られた設定だとは思うが、それではユニコーンではダメだったのだろうか?
確かにユニコルノスの必殺技は「石化攻撃」のためユニコーンの伝承にあるような浄化の力もないし、結局最後まで角で突進といったような角を活かした攻撃もしてこなかった。
ただ、「瞬間移動」を行うことができるので、そこは伝説っぽい能力を持っている。
逆に言えばこれらがユニコルンの特性だとすれば、そもそもそんな凄い生物が地球にいたのか!なぜ絶滅した?と考えてしまう。
人類を絶滅させるほどのエネルギーでなければ砕けない石化
鍾乳洞の中がショッカーのアジトとは知らずに入った五郎とエミはユニコルノスに石化させられてしまう。
とりあえず石化した2人を奥多摩の近くにある「大下宇宙科学研究所」に運び込む。
何とか石化を解除しようとドリルで破壊を試みる。
しかし、この石化状態は石化であることは確かなようだが、ただの石化ではない。
石よりも硬度が高くドリルでは歯が立たない。
そもそもドリルで破壊しようとする行為がヒヤッとした。
これは私のイメージだが石化は体内も含めて石化するものだとイメージしていた。
石化した人間を割ってしまうともう元に戻せない。
映画、マンガなどの作品でも破壊された断面も石になっていることが多く、そのようにイメージしてしまったのだ。
だが、今回の石化は身体の表面のみであり、表面を石さえ破壊すれば2人を助けられるというわけだ。
その証拠に2人は石化したが石化攻撃が当たらなかった足先部分は元の状態のままだった。
さあ…どうすれば2人を解放できるか…
今まで通りに考えれば幹部怪人を倒す、つまりユニコルノスを倒せば自然と解除されそうだ。
しかし、表面は石化状態でも内部は生きた人間のままであれば息ができなく、このまま時間が経つと死んでしまうのではないかと考えられる。
そのためユニコルノスの撃破を待ってはいられない。
そこで活躍するのが「大下博士」が開発した「スーパーエネルギー光線」で破壊するのはどうかと「小林助手」は提案する。
この光線であれば2人を救うことができるかもしない!
だがそこには1つ問題が生じる…
正義に使いたい世紀の発明の末路
大下博士はスーパーエネルギー光線を開発したがその威力に恐ろしさを感じ2度と作らないと研究をノートに記して金庫に封印してしまったらしい。
スーパーエネルギー光線は人類を絶滅させるほどのポテンシャルを秘めている。
博士はそれを悪事に使用されることを恐れて封印したのだ。
そのため2人を助ける手立てがありながらも足踏みする状態となってしまう。
博士の決意は一文字と滝にとってみれば無視のできない重い言葉だ。
数多の優秀な研究がショッカーに狙われ、悪事に使われたことを見ていたからこそ博士を責めることはできない。
だが、一文字たちの熱意に根負けし博士は2人を助けるためもう一度光線を製作してくれることを約束してくれる。
本当は博士もこういった人助けに使いたかったに違いない。
危険なものでも正しく使えば数万、数十万、数百万の命を守れる、救える。
だがやはりその研究に目をつけていたショッカーの魔の手が迫る。
洞窟=魔の巣窟
暗い洞窟は悪人の格好の隠れ家となる。
それはショッカーも同じなのだが、立花レーシングクラブのお嬢さんたちは洞窟でショッカー被害に会うことが非常に多い。
例えば20話「火を吹く毛虫怪人ドクガンダー」ではレーシングクラブレディースが捕まり、43話「怪鳥人プラノドンの襲撃」ではエミが洗脳された状態で戻ってきている。
女性陣、五郎も含めて若い好奇心が洞窟や暗闇など未知なる世界への扉を求めている。
特に五郎など小学生は洞窟探索など大好きだと思います。
私は割と都会育ちで家の近くに洞窟などはありませんでしたが、都会の割には森や緑が多く、秘密基地などを作っていました。
今は整備されすぎてあまり見かけませんが、変な空き地や建物、スペースなんかも昔は多く、そこに集合してはお菓子を食べたり、ゲームをしたり、今考えるとよくわからない秘密計画なんかも考えたりしていました。
そういった好奇心にショッカーは付け込むのだ。
ユニコルノスの瞬間移動対策
ユニコルノスは瞬間移動して相手の死角に入り石化攻撃するというコンボが非常に強力だ。
瞬間移動を攻略するためにどうするんだ?と思っていたら案外あっさりと場所を特定してダブルライダーパンチが決まる。
どうしてユニコルノスの移動先が分かったんだ?
瞬間移動先の出鼻を狙ったのだろうか?
最初ユニコルノスは発信機付きの研究ノートを持っていたので、そこから発信される電波をキャッチして場所を特定しているのだと考えた。
だが、場所を特定したのはユニコルノスが戦闘中にノートを落とした後だ。
となると前回一文字がやってのけた見えない敵を超聴覚で索敵して戦うという方法で特定したのではと考えられる。
仮面ライダーも戦いの中でドンドン自身の特性を十二分に活かした戦いができるように成長していっているのだ!
今度は貴様を助ける番だな!
事件解決後やはりヨーロッパに帰ってしまう猛。
これまで3度も日本に駆けつけて一文字を助けてくれた。
そろそろ借りを返したい一文字は「じゃあ、今度は貴様を助ける番だな!」と宣言する。
これからの回は一文字がヨーロッパに出向き、猛を助けるという「海外渡航編」が観れるのだろうか。
期待したいところだ。
ストーリーの転換点と考察
一文字の全身を石化させなかったこと
ユニコルノスは研究所の客室でスーパーエネルギー光線の準備を待っている一文字に催涙ガス?とにかく一文字の動きを一時的に止めるガスを充満させた。
その後、部屋に瞬間移動で侵入して石化液を足に浴びせる。
ユニコルノスは一文字の動きを封じ、光線の研究ノートを盗みだすことに成功。
そこまでは良さそうに見えるのだが、これが致命的なミスとなる。
そもそも全身を石化させ、身動き取れないようにすれば良かったのだ。
そしてその余裕もあった。
足のみを石化させたことにより一文字は残された両腕で大下博士の元へ向かい、準備が整った光線で石化を解除することに成功してしまっている。
さらには上半身が生きていたので猛からの通信にも応答することができた。
そしてユニコルノスはもう1つミスを犯す。
研究ノートには発信機が仕掛けられていたのだが、割と太い棒状のものだったにもかかわらずノートの膨らみの違和感に気づくことができなかった。
結果、一文字が教えた電波を猛の「波長方向探知機」に逆探知され、アジトの場所が判明。
猛に鍾乳洞のアジトへ侵入を許してしまう。
これにより、滝の救出にも成功。後から追いついた一文字とともにダブルライダーでユニコルノスを撃破されてしまう。
今回の特撮表現の面白さ
ユニコルノスの改造手術表現
「ユニコルノス」は「ユニコルン」の化石を粉末状にして液体で溶かして粉末血液としたものを凶悪犯の血液と入れ替えることで誕生した。
粉末血液は石化攻撃と同じ白い液体。
役者の袖からチューブを2本入れて、片方は役者に向かって白い液体が流れるようにして、その逆方向に赤い液体を流すことで血の入れ替えを表現している。
スーパーエネルギー光線の表現
「スーパーエネルギー光線」の光線表現は、バーナーの火で表現している。
石化表現
石化した五郎とエミは石膏?で石化を表現されている。
一文字の足だけ石化はガムテープの粘着面を表にして足に巻き付けて白い粉を吹きかけているように見えた。
そしてスーパーエネルギー光線で石化を解除する表現は発泡スチロール?紙粘土?みたいなものを巻き付けて足を動かしながらバリバリと壊して表現している。
特撮満足度(★で5段階評価)
特撮満足度
アクション:★★★★★
高所:★★★★☆
火力:★★★★☆
水場:★★★☆☆
仕掛け:★★★☆☆
ロケ地(執筆者の調べ)
・「日原鍾乳洞」
次回予告より(第52話「おれの名は怪鳥人ギルガラスだ!」)
次回のショッカーからの刺客は怪人「ギルガラス」。
「カラス」の特性を持つ怪人だ。
ギルガラスは「デッドマンガス」という技を使う。
その名の通りガスを浴びた人間は殺人鬼となりお互いを殺し合うようになる。
今まではガスを浴びた人間を操るなど構成員に仕立て上げようとしてきたショッカー。
だが、構成員に仕立てるのはもう面倒くさいようで、どうせ最後には殺すなら人類同士で争えば勝手に全滅するだろうと考えたようだ。
カラスは腐食肉を貪る姿やその真っ黒な羽毛から死を連想させる生き物として伝承や架空の作品でも表現として使われることが多い。
ミカの占いにもバッチリと不吉な暗示が示されそうだ。
立花レーシングクラブのメンバー同士で殺し合うなんて嫌だ!
まとめ
世紀の発見、発明には危険が付き物だ。
調理を行うための刃物、コミュニケーションを取るための言葉も人類の大発明だが人類自身も傷つけることができる。
このように便利な発明の裏には必ずリスクが潜んでいる。
それは便利であればあるほどリスクも高い。
だから発明した人が世の中に出す前にその影響力を少し考える必要がある。
だが世紀の発明は儲かるし、開発者の人生やそれまでの研究費などありとあらゆるお金が発生している。
つまり非営利ではなかなか終わらせにくいのだ。
それを封印してしまうのはとても残念なことだ。
大下博士も悪人さえいなければこの研究を堂々と世間に発表できたであろう。
近年も開発者が思い描いた理想だけではなく、それを悪用するケースも多々増えている。
世の中を良くしたいという開発者の想いや発明などは悪人にとっては「その人の情熱も研究費も踏みにじりタダ乗りして自分たちの利益とできる良いカモ」なのだろう。
今回判明したこと
・化石から作った粉末血液と人間の血液を入れ替えると改造人間ができる
・無線機は波長方向探知機も兼ねている(猛の無線機が一文字との通信時と鍾乳洞内で使用した無線兼波長探知機のデザインが違う)
・化石から作った怪人を撃破すると化石に戻った後、爆発する