【仮面ライダー】70話「怪人エレキボタル 火の玉攻撃!!」感想・考察(ネタバレ有) 総製作費100億円超えのハリウッド怪人!!

ネタバレがあります。
本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。

東映 1971年

あらすじ

ある日、一夜にして東京都10日分の電力が一瞬で使用され停電するという不可思議な事件が発生する。

その夜、ナオキはスイミングスクールに参加していた。

ナオキは停電後、スクールの先生2人と不気味な光を目撃する。

3人は光の方へ向かうと「地獄の舞」で複数の光を操る怪人「エレキボタル」が現れる。

エレキボタルは地獄の舞の揺らめきで3人を催眠にかけ身動きを封じる。

ナオキは立花レーシングクラブの会員のためスパイとして生かされるが、先生2人はエレキファイヤーで焼死されてしまう。

次の日、洗脳されたナオキは本郷猛をおびき出すために作戦を決行する…

立花レーシングクラブ入会条件

ユリの紹介で立花レーシングクラブに新メンバー「ヨッコ」、「チョコ」が加入。

もはやトッコ同様に本名ではなく、愛称で会員になれるのか…

チョコはチョコ持ってるからチョコなのだろうか?

トッコ=ミツコ、ヨッコ=ヨシコ?チョコ=チヨコ?…やっぱりトッコ=ミツコだけ納得がいかん…

大人の会員は女性、子供は男性に限定しているのかと思うほど偏ったメンバー構成。

ショッカー対策本部にしては男手が足りない現状、危険を伴うクラブに紹介するユリや五郎が鬼畜に思えてくる。

このクラブに入会するメリットは?と聞かれると、そういえばなんだろ?と思うほど不透明なクラブだ。

本来はバイクを学べる、仮面ライダーに会えるメリットがあるが、ショッカーに狙われるというデメリットのほうが大きい。

だがなんというか居心地は良さそうだ。

居場所というのは人間にとって大きなメリットですよね。

だが2人は加入して早速ショッカーに誘拐、洗脳されるという通過儀礼というか洗礼を受ける。

ショッカーに狙われるのは三流、誘拐されるは二流、洗脳されてこそ一流の証。

ヨッコとチョコは1話にして一流のレーシングクラブ会員となる。

入会条件は優しいが活動内容が過酷すぎる…

ナオキ、ショッカーに認知される

ナオキはスイミングスクールの先生とともにエレキボタルに遭遇。

先生はエレキファイヤーで焼かれてしまう。

だがナオキは猛の仲間ということでスパイとして生かされる。

ナオキとミツルはまだレーシングクラブ会員として日が浅いのにもうショッカーに認知されている。

メンバー名簿でも流出しているのか?と思いましたが会員は仮面ライダーのバッジ(今回から登場)が貰えるようで、それが目印となっている可能性はある。

逆に狙われやすくなるような気もするが、子供たちがバッジ欲しさにクラブに殺到しそうだ。

私も欲しい!

東京都10日分の電力が必要なエレキボタル

エレキボタルはその肉体に大量の電気を流すことで生命を受ける。

その電力量は東京都で使用する電力の10日分に相当する。

そしてその大量の電気パワーを使い強力な技を操る。

1972年の1日当たりの使用電力は約334万KW。

その10日分となると約3340万KW使用したことになる。

1人世帯の1日の消費電力は約6KW。エレキボタルには1日あたり約557万人の使用電力をまかなえるほどの電力が備わっているという計算だ。

この電力を仮に2024年現在の電気料金に換算すると、地域によって変動するが1KWあたり平均31円で計算すると約103億円になる。

そんな電力を一瞬で使えば当然停電するだろう。そしてそもそも一般的にそんな電力を一瞬で使用することはできない。なぜならブレーカーが落ちるからだ。

違法に電力を供給しているであろうショッカーに電気料金を払う気はさらさらないだろうが、こうして計算してみると凄い金額だ。

エレキボタルの製造金額は映画超大作みたいなインパクトがある…製作費100億円のハリウッド超大作!みたいな。

そんなエレキボタルは超大作だからこそ強力な技を2種類持っている。

1つは「エレキファイヤー」という火の玉を投げて相手を焼き尽くす技。

手榴弾に近い性能だが火力というより燃焼力が強いイメージだ。

スイミングスクールの先生2人もエレキファイヤーで爆死というよりかは焼け死んでいるというほうが正確かもしれない。

滝もエレキファイヤーで左足を火傷で負傷しており、あらためて電気と炎が組み合わさった技なんだと感じる。

そしてもう1つは「地獄の舞」。

これはエレキボタルが操るホタルのような光の軍勢が舞いのように見える様のことだと考えられる。

その光の揺らめきで相手の感覚をマヒさせ視力や身体の自由、そしてその果てには洗脳を行うことも可能な光の舞い。

そしてこの地獄の舞で立花レーシングクラブ若年メンバーを洗脳している。

光の揺らめきを利用した洗脳は死神博士の技の応用であろう。

死神博士亡き今、そのノウハウの継承がショッカーに求められているとみた!

さらにこの洗脳には副作用のようなものが付与されているのではないかと考えられる描写がある。

それは猛と滝が洗脳されたクラブメンバー襲われる際に滝が「凄い力だ!」と評している場面だ。

男性ならいざ知らず洗脳メンバーはレディースとジュニア勢のため、まず間違いなく洗脳により潜在能力が一時的に向上していると思われる。

格闘試合とかでショッカーに洗脳されれば無敵の格闘家になれる!

ちなみに滝が右手をさすっていたのでチョコの力でそう感じたのだろう。

きしくもチョコ役の「ミミー(萩原ミミ)」氏は後に女子プロレスラー「ミミ萩原」として活躍することになる。

その凄いパワーは本当に潜在能力でしたか…ってそんなわけねえだろって!

ショッカーはこちらも研究するべきだ(それともその結果が改造人間なのか?)!

「針金にロープだ!おやっさん…針金にロープだ~」

天気は晴れなのにカミナリが鳴りだす。その瞬間エレキボタル対策を閃く猛。

まさに「電流走る!

おもむろに「針金にロープだ!おやっさん…針金にロープだ~」と藤兵衛に注文する。

藤兵衛も滝も「おっおぉ…」みたいな反応でしたが、猛が言いたかったであろう対策は「アース(接地)」のことだ。

電力を奪い弱体化させるのが有効策と考えていた猛はエレキボタルの電力を全て地面に逃がしてしまえばよいと閃いたのだ。

つまり針金を避雷針とし、それにロープを取り付けてエレキボタルと地面を接地してしまおうということだ。

この方法で電力を奪われたエレキボタルはライダー返しのように必殺技とまではいかない技でも撃破できてしまうほど弱体化する。

あぁ~103億が地面にパアだ~!!

それにしても藤兵衛は猛の「針金にロープだ!」の注文だけで、よく通電しやすいヒモとその先にエレキボタルの身体に刺さるほどの針を取付けて持ってこれたな…

下手したら伝達不足で役に立たないものを持ってきた可能性もある。

準備が良いというか師弟関係で通じ合っているのだろう。

ストーリーの転換点と考察

青い顔に注意!

ショッカーに洗脳されると特撮表現として目の周りにメイクを施される。

最も多いパターンは目の周りを青白くメイクするパターンだ。

このメイク表現はあくまで「視聴者」にその人物の状態異常を伝えるためのものだと思っていたんです。

それでなければ明らかに怪しいので物語の人物たちが気がつかないはずがない。

だが今回洗脳されて愛想が悪いナオキに対してミツルが「どうした!元気ないな…青い顔しちゃって」と顔色を指摘している。

ということは今までも物語の人物たちは顔色で仲間の異常を判断できたことになる。

それをみんなスルーして今回のように「病気じゃねえのか?」で済ましていたということか?

仲間の異常にはもう少し心配を示さないと…

これからは顔色に注目すると良い。青い顔なら異常事態!

藤兵衛を連れ去らなかったこと

藤兵衛、ユリ、トッコ、チョコ、ミツルが1ヵ所に集まった状態でショッカーに襲われたので全員誘拐されるのかと思ったら藤兵衛だけ気絶させられたままその場に放置された。

放置された藤兵衛は猛と滝のもとへ行き、ユリたちの誘拐を知らせた。

これがなければ猛と滝に誘拐の事実は知らされずにいただろう。

そもそも仮面ライダーをおびき出すための作戦なので藤兵衛が知らせずとも、その内あちらから誘ってきた可能性はある。

そのため誘拐情報を知られることがショッカーの敗因とは考えていない。

それよりもなぜ藤兵衛のみ放置されたのか考えてみた。

私の考えだとクラブにトッコとチョコが加入したことで誤算を発生したからだと考えられる。

つまり藤兵衛を運び出す人手が足りなかったのでは?ということだ。

誘拐対象は立花レーシングクラブメンバーで仮面ライダー(本郷猛)と洗脳中のナオキを除外すると藤兵衛、滝、ユリ、ミツルの4人ということになる。

誘拐1人に対して戦闘員1人が運んでいるのでそのため運び出す人手も4人となる。

だが今回からヨッコ、チョコが加入したことで対象メンバーは6人と増加。滝は猛と行動中のため1人減るがそれでも人手が5人必要となる。

そのため当初の誘拐対象は4人だと思って戦闘員4名で襲撃したら5人いたため人手が1人足りないため藤兵衛のみ放置されたのではと考えられる。実際に画面上でも襲撃してきた戦闘員は4名だった。

そしてもう1つ違和感がある。

それは前回の予告で紹介されたユリ、ヨッコ、チョコの3人がエレキボタルに襲われるシーンがカットというか、エレキボタルに襲われるという出来事すら起こらなかったのだ。

本来3人は外で誘拐される予定だったのだろう。

だが実際に本編では立花レーシングクラブ内でミツルと一緒に4人で誘拐されている。

ユリが藤兵衛、猛、滝に2人を紹介した後に「じゃあこの辺案内してきます」と言っていたので本来はその散策中に襲われる予定だったのかもしれない。

そう考えると藤兵衛はもともと今回誘拐される予定ではなかったと考えられる。

そのため人手が足りないという私の憶測よりも、シーンのカットによる辻褄を合わせの線のほうが濃厚そうだ。

戦闘員がミスしたように見えるこのシーンも実は製作スタッフの予定調和のためのものだったのだ!

今回は仮面ライダーが強かったというよりかは製作者、はたまた原作者の強さで捻じ曲げられた勝利なのだ!

予告の意味!

今回の特撮表現の面白さ

エレキファイヤー表現

68話「死神博士 恐怖の正体?」で特撮表現された隕石を投げやすい手乗りサイズにしたものをエレキファイヤーとして使用している。

投げた後は火の塊でエレキファイヤーを表現。

地面に設置した後は爆発、そして花火でエレキを炎でファイヤーの2属性があることを表現している。

地獄の舞表現

黒い背景の前に複数の電飾を設置。電飾の光をゆらゆらさせることで舞いを表現?その場面と通常の画面を合成することで画面中に地獄の舞(炎の集まり)が揺らめいているように観える。

ただ光が揺らめく場面は暗い背景で撮影しているため、その影響で通常画面も暗くなってしまうというデメリットがある。

ちなみに地獄の舞の際、エレキボタルの頭も3ヶ所光る。

アース表現

エレキボタルの莫大な電力をアースすることで弱体化させる作戦を実行した仮面ライダー。

これを表現するためにアースされたエレキボタルの後ろから火花を出すことで電気が身体から抜かれている様を表現。

そして地面に刺したアースの下を爆発させることで大量の電気が地面に流れたことを表現している。

特撮満足度(★で5段階評価)

特撮満足度

アクション:★★★☆☆

高所:★★★☆☆

火力:★★★★☆

水場:★★★☆☆

仕掛け:★★★★☆

ロケ地(執筆者の調べ)

・「多摩川第3水門」

次回予告より(第71話「怪人アブゴメス六甲山 大ついせき!」)

次回のショッカーからの刺客は怪人「アブゴメス」。

アブ」の特性を持った怪人だ。

アブはハエと比較されることが多いが吸血したり、ハチにも似ていることからハチ寄りのハエのことをアブと分類しているようです。

確かにハエはブンブン飛んでいるだけのイメージだけど、アブは刺してくるから厄介ですよね…

42話「悪魔の使者 怪奇ハエ男」でも怪人「ハエ男」が登場しますが、上記の通りならより厄介な怪人になりそうですね。

そして次回は超ロケシリーズ第1弾が始まる。

神戸」、「有馬」、「六甲山」を舞台にメキシコの怪人アブゴメスの大追跡が繰り広げられる。

高さ130メートルの高さで行われる「六甲ロープウェイ」の大アクションはスリル満点だよ!抜群の迫力だよ!観てね!

って予告ナレーションで言っている…なんかいつもとテンション違わない?

70話を区切りに何か新しい試みが行われそう!?

どちらにせよかなり迫力があるアクションが期待できそうです!

まとめ

ショッカーに資金源という概念はあるのだろうか?

答えは簡単「ある」だ。

なぜなら6話「死神カメレオン」9話「恐怖コブラ男」49話「人喰い怪人イソギンチャック」などでも資金源となるものを狙ってライダーと戦いを繰り広げたことがあるからだ。

ではなぜあらためてこのような疑問に至ったか。

それは資金源がなくともショッカーなら奪ってしまえばコストがかからないからだ。

実際にそのパターンが大半で人材、科学力、土地、様々なものを奪ってまかなってきている。

エレキボタルの充電代も103億円かかると計算したが、それをショッカーが律義に払っているとは思えない。

なぜなら悪事の限りを尽くし、悪に忠誠を誓った集団なのだから。

そもそもショッカーに給料という概念があるのかも疑問です。

戦闘員など彼ら末端は洗脳、もしくはショッカーという教団を信仰している集団だ。

献金はあっても給料があるようには思えない。

そのため資源は必要でも資金は必要ないのではという疑問に行きついたのだ。

エレキボタルのように怪人1体に100億までいかないにせよ、仮面ライダーを倒す怪人を生み出す手間を惜しむはずがないと同時に、矛盾になるがコストをかけているとも思えないのだ。

コストをかける=他社や他者に頼る=ショッカーの存在が明るみになる=発注内容で作戦や企みが外部(特に立花レーシングクラブやFBI)にばれやすくなる。

それだけショッカーにとって人間社会と関わる、頼ることはプライドが許さず、デメリットも多いのだ。

だが何でも暴れて奪っているとそれはそれで目立ちやすい。時にはお金で穏便に済ませる必要がある場面もあるのかもしれない(それか目撃者は全員抹殺するか)。

裏の世界の人材なら金を積めば守秘義務は守られるということだろう。

だがそれだけで莫大な資金が必要だろうか?

それはショッカーが必要というより人間が資金を必要としているからだろう。

人間を弱体化させるためには資金源や資源を手中に収めることが有効と考えられる。

そして晴れてショッカーの存在を世間に公表する時、圧倒的資本を見せることで、この世界の支配者が誰であるかわからせるためかもしれない。

まあ最近は仮面ライダーを倒すことに躍起になっているようなので資本争奪戦回はめっきり減りましたね。

いい意味で仮面ライダーがターゲット集中状態になっているんですね。

今回判明したこと

・ナオキはスイミングスクールに通っている

・立花レーシングクラブに新メンバー「ヨッコ」と「チョコ」が加入

・立花レーシングクラブの応接室には仮面ライダーがサイクロンジャンプしたポスターが飾られている

・立花レーシングクラブの会員証は仮面ライダーのバッジ

・ショッカーに洗脳された人間は能力が向上する

・アイキャッチが新しくなる

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