【仮面ライダー】39話「怪人狼男の殺人大パーティー」感想・考察(ネタバレ有) 失敗の失敗は失敗

ネタバレがあります。

本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。

東映 1971年

第39話「怪人狼男の殺人大パーティー」感想・考察

月夜に照らされながら強制的に狼男に改造!ウルフヴィルス

今回のショッカーの目的は「ウルフヴィルス」を人間に注入して「狼男」を量産する「狼作戦」を成功させること。

そのためにクリスマスイブ、酔っ払い会社員を狙いウルフヴィルスを注入する。

だいたいダル絡みする酔っ払いが怖いもの知らずで悪者に絡んで殺されるパターンって結構多いですよね。

ヴィルスを注入された「伊上いがみ」という会社員は怪人「狼男」になり同僚を食い殺してしまう。

狼男は凶暴性が高く暴走していう事聞かず、戦闘員が数人がかりでも抑えきれないほどだ。

だがゾル大佐が笛を吹くと途端に大人しくなった。「犬笛」みたいなものだろうか?

狼男を抑えられない戦闘員を叱咤するゾル大佐だが、誘拐して連れ帰ってからゆっくり実験用牢屋などでヴィルスを注入して実験すれば逃げもしない、抑える必要もないのに…

いつもの実験用囚人はどうした…

そりゃ街中で実験すればそうなるは…しかも女の子に現場を目撃されて逆恨みするし…

まあ夜空の下で狼男が誕生したほうが月夜に照らされる中狼男に変身みたいな表現ができるので外で実験する演出にしたのかもしれませんが…

子供であろうと目撃者であれば見逃さないショッカー

孤児院「若草園わかくさえん」でクリスマスパーティーの準備をしている立花レーシングクラブメンバー。

地域活動なのか孤児院に大きなクリスマスツリーを飾り盛大にパーティーをするらしい。

私も余裕があれば子供たちを喜ばせる活動をしてみたいですね…まあ余裕うんぬんじゃなくやるかやらないかなんですけどね。

この孤児院にはショッカーの目撃者がおり孤児院で一番元気な子「早瀬久美子はやせくみこ」。

久美子は女の子なのに夜に出歩くほどおてんば娘なようだ。

孤児院は門限とかありそうだが元気すぎる。子供としては健康一番だけど…

だが酔っ払いサラリーマンが狼男に殺された瞬間を見てしまい、その恐ろしさで発熱してしまう。

久美子は現場に人形を落としてしまい狼男に取られてしまったので取り返してきてほしいと一文字に頼む。

 

ここでちょっと疑問に思ったのが現場に向かった一文字は久美子の人形を探しながら「夕べこの辺で2人の男が行方不明になっている」と発言している。

これ変ですよね?

伊上は狼男となり、もう1人の同僚は殺されてゾル大佐の指示で死体は処理させている。

それに唯一の目撃者である久美子は一文字に狼男がいたとしか言っていない。

なのに「この辺で男が2人行方不明」ということを情報を知っているのは不自然だ。

新聞記事で載っていたのだとすれば2人の会社員を最後に見たのが切符切りの駅員さんだったのでその目撃情報からの「この辺」ということなのかもしれない。

この辺で見つけた人形と子供の靴をヒントにゾル大佐も警備員に変装して再度現場に訪れていた。

現場検証をされたら不味いと一文字と滝には立ち入り禁止を言い渡す。

一文字の知り合いと知りラッキーと思ったか厄介だと思ったか微妙な表情をするゾル大佐。

久しぶりにゾル大佐の変装を見た…

変装は警備員の姿だがほぼゾル大佐の色違い。

眼帯と髭を外しただけのものでゾル大佐2Pカラーにはぜひともこの格好を採用してほしいものだ。

五郎またも身体をはる

ここにも元気な子供がいます!その名は石倉五郎!

24話「猛毒怪人キノコモルグの出撃!」では毒に侵され、31話「死斗!ありくい魔人アリガバリ」では生死を彷徨うほどの大怪我を負わされ様々な死線を越えてきた五郎に対してまわりは過保護になるどころか、もはや死なないのでは?と思われ今日も身体をはる。

久美子がショッカーに狙われていると感じた一文字たちは孤児院の先生に予め、ダミーの久美子の場所を教えてダミーを誘拐させることに成功。

そのダミーが五郎なのだ。

作戦は成功して五郎も無事回収。

いや…すげーよ五郎…今までの死線でトラウマになるどころか狼男を煽るほどの余裕もみせる。

おめえ大物になるよ…

FBI日本支部は立花レーシングクラブに

滝は今までFBI日本支部として別の物件でFBIの指令や連絡を受けていた。

だがあまりにも立花レーシングクラブへ出入りするものだからついには支部ごとレーシングクラブに移したのか無線基地局まで置くようになる。

確かにわざわざ隠れ家で通信をキャッチするより効率的だ。

それにしてもFBIの通信をユリが電話番感覚で出ているのがシュールだ。

ショッカーのクリスマスは仮装パーティー?

ニューヨークのFBI本部からの緊急連絡で「13時に丹沢地区にショッカーの幹部が到着予定で狼作戦に関係あり」との連絡が入る。

ちょうど久美子と狼作戦の話しをしていたところだ。

丹沢地区に「東京エアーラインズ (JA7438)」のヘリコプターに乗って幹部が現れた。

ヘリコプターごと幹部を倒した一文字と滝は幹部が大事そうに持ってきていたアタッシュケースを確認する。

その中には仮装の衣装と「招待状」が入っている。

招待状の内容は「狼作戦開始を祝いパーティーを開催する。仮装にて出席されたし」というものだ。

仮装でパーティーなど絶好の潜入機会。ショッカー油断したな?と思ったが、これはわざとFBIに暗号を解読させ一文字を誘い出すための罠だった。

罠には罠をと一文字の代わりに滝が仮装で潜入して、一文字は「ウルフウィルス」の貯蔵庫を爆破。

パーティーに参加していた各国の幹部はその爆破に巻き込まれて全員撃破された。

仮装を奪った幹部も合わせたらパーティーに参加した幹部は8人。

どこの国かは不明だがゾル大佐級の幹部を一気に8人も仕留めたことはショッカー殲滅を目標とする一文字たちにとって大きな前進になるだろう。

余談だが仮装パーティー参加者は仮装しているのにゾル大佐はしてないと思いきやちゃんと目元にアイシャドウしてアイラインひいてます。さすがは変装の達人。化粧は得意中の得意!

ゾル大佐の本当の姿?

前回の予告で語られていた「ゾル大佐が命をかけて…」みたいなニュアンスがありました。

ゾル大佐が命をかけたもの…それは自らを改造人間化して仮面ライダーと直接対決を行うこと。

狼男は「実験体」というものが存在しており、毛並みは紺色だった。

しかし、ゾル大佐のは「完全体」というべき姿は金色の毛並みをしている。

この作戦前から狼男だったのかは不明だが自らを改造して戦う覚悟をみせるゾル大佐。

ゾル大佐といえどあまりにも失敗続きだったため首領に次はないと念を押されたのかもしれない。

今までがショッカーの割に失敗が許されたほうだ。

狼男は実験用狼男と違い「ラスボス感」があります。

確かに仮面ライダーに匹敵する怪力とミサイルの遠距離攻撃は脅威だ。

しかし、なんか強く感じなかった。

その原因は恐らく「防御力と意外性がなかったから」ではないだろうか。

仮面ライダーは攻撃に工夫を加えなくともダメージが通るし、狼男というには機動力もなく、ミサイル攻撃は「ドクガンダー(成虫)」や「アマゾニア」の攻撃で見慣れている仮面ライダーにとって回避するのは容易。

怪力やミサイルの火力など攻撃力に特化した分だけ仮面ライダーもダメージが大きくよろめく場面も多いが、意外性のある状態異常を持つ怪人に比べればさほど脅威にも感じない。

実験用の狼男のほうが強そうに見えたまである。

撃破した技がライダーキックではなくライダーパンチだったこともそのように感じた理由だ(基本的にパンチよりキックのほうが威力が高いので)。

そのため案外あっさりと退場したなと思ってしまった。

嫌な話しだが次回から本郷猛が日本に復帰するため一旦リセットとして消された可能性が高い。

大人の事情ってやつですかね…

 

それより実験用狼男はどこいった!?「今度会う時は貴様の命はない!」と宣言しておいて今度はなく、その代わりゾル大佐が変身して狼男となっていた。

実験用と2人がかりで挑めば仮面ライダーに一矢報いることができたかもしれないのに…

実験用だから寿命が短いとか副作用でも出て絶命したのだろうか?

クリスマスのプレゼントは…

事件も解決して若草園でも無事クリスマスパーティーが開かれた。

子供たちとの約束通り仮面ライダーも現れる。

仮面ライダーは久美子との約束通りショッカー基地から人形を回収してきたようで久美子に渡す。

そして他の子供たちには自分のつまり「仮面ライダーのソフビ?」をプレゼントする。

まじで本物の仮面ライダーから仮面ライダーのソフビをプレゼントされるなんて羨ましい…

ヒーローショーでヒーローと会うとはわけが違う。世間でまじで活躍中の現役ヒーローがくるんだもんな…当時だとみんなのヒーロープロレスラーがパーティーにくるようなものだろうか。

ソフビは一文字が発注したのか、ユリのメダルのように世間が勝手にグッズ化していたのか、それとも販促としてテレビに映したかったのか。

ストーリーの転換点と考察

門限破りの嬢

いつの時代も型破りなことをするものが大きなことを成し得る。

そう…そして早瀬久美子もその1人。

門限を破り1人夜の街を歩き偶然にもショッカーの悪事を目撃し、さらには偶然にも一文字たちと知り合いであること。

これが今回のショッカーの敗因である。

ただ久美子は恐怖で発熱してしまったので2度と夜に散歩をすることはないだろう。

結果として先生は保護しやすくて大助かりだろう。

よく子供に夜は怖いと伝承や童話で教え込むのは危険を回避させるためには理にかなっていたのだ。

今回の特撮表現の面白さ

ヘリコプター空中アクション

ヘリコプターで逃げるショッカー幹部を追ってヘリコプターの足に捕まる一文字。

そしてヘリの足で逆上がりをして登り運転席の幹部とわちゃわちゃもみ合うアクション。

このアクションをヘリの飛行と同時に高所で行うんだから凄い。

そう何度も撮り直しができない、撮り直しが多いほど危険なアクションは見応え抜群です。

 

砂山でのアクション

仮面ライダーといえば泥だらけで戦う姿に魅力を感じる場面が多いですが、今回の最終決戦はおあつらえ向きの砂山が舞台だ。

高低差があり、地面が岩山よりかは柔らかいため怪我のリスクが少し低い(それでも危険なアクションだが)。

だがロケーションとしては最高で狼男のミサイルが地面に接地して爆発した時に一緒に砂も飛び散るため爆発が映える。

その最たる例が狼男(ゾル大佐)をライダーパンチで撃破したさいに砂山の溝に落ちて爆発するのだが、爆発で立ち昇る煙が火山の噴火口のような迫力があり大きな脅威を退けた達成感と爽快感が表現されています。

 

特撮満足度(★で5段階評価)

特撮満足度

アクション:★★★★★

高所:★★★★★

火力:★★★★☆

水場:☆☆☆☆☆

仕掛け:★★☆☆☆

ロケ地(執筆者の調べ)

・不明

 

次回予告より(第40話「死斗!怪人スノーマン対二人のライダー」)

次回のショッカーからの刺客は怪人「スノーマン」。

スノーマンということはUMA「雪男」。

九州のような南の地域に雪男というのは少し生息地的にあってないような気もする。

九州だから「九州男」とか?

そして日本支部最高幹部であるゾル大佐が撃破されたことにより新しい幹部が日本に派遣される。

新しい幹部の名は「死神博士」。ゾル大佐のような知略、そして最高幹部であり博士というからにはショッカー科学陣をまとめあげて恐ろしい兵器などをつくりだすのだろうか。

死神」と呼ばれるゆえんも気になるところ。

そしてさらなるニュース!

なんとあの本郷猛が帰ってくる!タイトルにもある通り「二人のライダー」これが意味するものは…もうお分かりでしょう…

この回より明確に仮面ライダーは1号と2号という差別化がされるようで、同じ仮面ライダーでも2人の戦い方がどう違うのかも注目点です。

仮面ライダーは1人だと思っていた五郎たちはビックリするんじゃないかな?

猛が帰ってきたということはルリ子も!?久しぶりにひろみとも再会できるのか?

北は北海道、関東、西は大阪と繰り広げられてきた戦いもついに九州進出!

新しい幹部はどんな恐ろしい敵なのか!見どころがつきません!

まとめ

今回判明したこと

・滝は子供の言葉を鵜呑みにしない、一文字は子供の純粋さが逆に信用に値すると考えている

・FBIの連絡は立花レーシングクラブに置いてある無線にくるようになった

・仮面ライダーからのクリスマスプレゼントは「仮面ライダーのソフビ?」

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