【仮面ライダー】18話「化石男ヒトデンジャー」感想・考察(ネタバレ有) 異星人形地球生命体

第18話「化石男ヒトデンジャー」
ネタバレがあります。

本編を楽しんだ後に閲覧することをオススメします。

東映 1971年

第18話「化石男ヒトデンジャー」感想・考察

立花レーシングダンスショッカー対策通信クラブか!

今回は立花レーシングクラブでバーベキューに出かける。

すっかりサークル活動のようになっているが、これはこれで楽しそう。

ひろみはなぜか風邪でお店でお留守番。

風邪の人にお店の留守番を頼むなんてなんてブラック!と思うでしょう。

しかし、おそらくは留守番といってもお店は閉めていて家では暇なひろみがレーシングクラブにきてくつろいでいるだけだろう。

一文字や滝でもきたら暇を解消できると思ったのだろうが2人は訪れず暇なようだ。

その証拠におせんべいを食べてダラダラしている。

それよりもだ。藤兵衛はひろみとトランシーバーで話しているがひろみの方は電波の基地局を使って通信しているのだ。

本当に藤兵衛は映写機や通信基地などなんでも持っているな。

レーシング、ダンス、ショッカー対策本部、通信基地と何個請け負ってるんだこのクラブは!

 

ちなみに「田所たどころマサル」の兄「田所大助たどころだいすけ」が歌っていた「山男の歌」とマリが歌っていた「雪山讃歌」は両方とも「ダークダックス」という男声の重唱団が歌っていたもの。

歌い継がれるメロディー

「雪山讃歌」は正確にいうと京都帝国大学(現:京都大学)の山岳部が吹雪で宿に足止めとなったさいに退屈を紛らわすため、アメリカ西部開拓時代発祥の民謡「いとしのクレメンタイン」に山岳部の部員が好きなまま言葉を当てはめ山岳部の歌として作ったのが始まりだそうだ。それが歌い継がれ、ダークダックスの耳に入りシングルを発売することになる。

「いとしのクレメンタイン」自体にも様々歌詞が存在するようで、原曲を元に様々な歌詞で歌い継がれている不思議な曲です。

「雪山讃歌」は現在、山岳部で歌の発案者であった「西堀榮三郎」が作詞の著作権者となっている。

今回、山が舞台ということで演出として2人は山の歌を口ずさんでいたのだろう。

 

今回の舞台はマサルを送っていったふもとが霧が丘の「作治小屋さくじごや」なので、そこから近い山、そしてマリの雪山の歌、3人娘が見ていた地図から「丹沢山たんざわさん」付近が舞台と考えられる。

しかし、ふもとの小屋の反対方向にショッカーの基地がある「天狗岩てんぐいわ」があるのだがかなり遠い。

閉鎖している天狗岩もあるので当時は近くに天狗岩があったのかな?

しかし、自然と集まるねぇ~自然だけに

立花レーシングクラブはバーベキュー、滝はFBIがキャッチした怪電波と登山家行方不明の調査。

ショッカーはこの霧が岳に「ミサイル基地」を作る計画を進めていた。

このミサイル基地が完成すれば、この基地から全世界にミサイルが放たれるという。

怪電波とは

出処や用途が一切不明な電波のこと

たまたま同じ場所に集合しているのは偶然だろうがまあそれぞれ目的ははっきりしている。

しかし、一文字は助けた子供にヒトデンジャーの存在を聞いて始めて事件について知る。

なんの目的でこの急流に訪れたのかは結局不明。

得意のジャーナリズムで当たりをつけて調査にきたのか?それとも植物の撮影かなにかか?

事件現場にこれだけ知り合いが集まるのは好都合だけど少し怖い。

名探偵コナン」のように事件を引き付ける引力がこの方々にはあるのかもしれない。

巻き込まれ体質ってやつ?

でも最後、事件を解決した滝はレーシングクラブに合流してミニギターを弾きながら楽しく下山するのなんかいいですよね。

化石が生きている?それとも生きた化石?

作治小屋さくじごや」の老婆は化け物化石が発見されたがその化石は生きていたと証言している。

しかし、化石が生きているなどあり得るのか?

ヒトデは生きた化石と言われているものもあり、シーラカンスのように古代から姿形を変えないで現代まで生き残ってきた。そのためそもそも化石が出てきたのではなく、生きたヒトデが出てきただけではないのか。

あと考えられるのは前回も考察したショッカーの科学力で化石から復元する技術。

だがそれだと老婆の出土した時点で生きていたという証言とは矛盾している。

仮に本当に生きていた状態でショッカーが盗んだとしたら、実はそもそもショッカーに化石を復元する技術などはなく、16話「悪魔のレスラーピラザウルス」でのピラザウルスも化石からの復元ではなく本当に南米の奥地に生きたまま生息しており、それをショッカーが生け捕りしたのではないだろうか。

ピラザウルスも化石を生き返らせたのではなく、そもそも生きた化石として存在していたという設定の世界観を仮面ライダーの物語は持っていたことになる。

実写だからリアルとリンクさせて考えていたけど、そういえばSFだった…我々の世界とは違う常識がこの世界観にはまだまだあるのかもしれない。

しかし、ナレーションで「何万年の歳月が固めたヒトデンジャーの身体は鋼鉄より硬い」という説明があるのでやはり化石からの復元とも考えられる。

どっちだ!?

そういや化石って不思議な言葉ですよね。石化じゃないだよね。

鋼鉄より硬いって?

鋼鉄より硬いヒトデンジャー。では鋼鉄より硬く、ライダーキックも効かない硬さとはなんだろう?

物質の硬度を表す「モース硬度」で身近な物と比較すると…

・鉄:硬度4~5

・歯のエナメル質:硬度6

・鋼:硬度5~8

・ダイヤモンド:硬度10

・あずきバー(冷凍状態):硬度10

となります。

鋼の硬度8より硬いとなるとヒトデンジャーはダイヤモンドやあずきバーに匹敵する硬さということになる。

それよりもあずきバーでライダーキックを跳ね返せるかもと知ったほうが衝撃だった。

お前も十分鋼鉄以上だよ!

仮面ライダーと滝はヒトデンジャーに滝の下に落とされた。

仮面ライダーが落とされたさい、水しぶきの音が大きく川が緩衝材となり装甲もあるために助かったと考えられる。

だが滝は落とされたさいに川岸に直接落ちており、もろ地面に叩きつけられている。

ヒトデンジャーですら最後、水でふやけて装甲が脆くなったとはいえ滝の上から落ちて大ダメージを受けて絶命している。

滝は少し気絶するだけですぐに起き上がる。

百歩譲って気絶から起き上がったとしてもあれだけ身体を地面に打ちつけられたら普通動けない。

滝さん…お前がNO1だ!

世界中のどんなドアでも開けられる鍵は万能ではなかった

17話「リングの死闘 倒せ!ピラザウルス」で滝の持ち物として「世界中のどんなドアでも開けられる鍵」が登場しました。

今回地下牢に閉じ込められた滝はピッキングで南京錠を開錠しようとしていました。

どうやら「世界中のどんなドアでも開けられる鍵」はその説明の通り「ドア」しか開けられないことが判明しました。

てっきりドアって言ってるけど鍵穴はどれでも開けられる万能鍵だと思ってました。

水タイプなのに水に弱い

ヒトデは海の生き物。なのにも関わらず水が弱点。

それはヒトデだからではなく、化石で「岩タイプ」だから水が弱点だったようだ。

つまり今回の特性はヒトデということが利点ではなく、化石という特性に利点を見出して怪人として誕生させたようだ。

ヒトデという利点があるとすれば手裏剣や星みたいだから回転で少し飛行できるぐらいか。

でもそれだったら蝙蝠男とかゲバコンドルとかそれこそ鳥とかなんぼでもいる。

化石ならいっそのこと恐竜とかを復活させればいいのに…

ショッカーの化石復元の謎は残るが一応今回の化石は「生きていたから怪人にできた」ということみたいなので恐竜も生きていなければ怪人にできないと考えるとまあこんなもんか。

それにしても17話「リングの死闘 倒せ!ピラザウルス」では怪人になった「草鹿昇」が仮面ライダーに倒されることで元の人間にも戻り記憶も戻った。今回はヒトデンジャーを倒しても人間に戻らない。元に戻らない手術方法に戻したのかな?

ストーリーの転換点と考察

戦闘員の消火器操縦ミス、水場の近くに基地を建設

一文字は爆弾庫で「アセチレンガス」をみつけ火を放つ。

「アセチレンガス」は可燃性ガスの中では最も高温で燃焼するため、これで基地を内部から破壊しようというわけだ。

爆弾庫の異変を聞きつけたヒトデンジャーは戦闘員に消火を命じる。

そのさいヒトデンジャーの弱点が水であることが判明する。

戦闘員が消火活動に焦ってヒトデンジャーに水をかけてしまうところを仮面ライダーに目撃されなければ弱点はあぶり出せずに敗北していたかもしれない。

そして基地を水場が多いキャンプ地に建てたのも悪い。

今回の特撮表現の面白さ

ヒトデンジャー表現

ヒトデの模型をワイヤーでつるして飛行させているようにみせている。

 

ドタバタ劇表現

地下牢での喧嘩劇は茶番にみせるために戦闘員との戦闘を早送りしてドタバタ劇として表現している。

 

急流の命がけの撮影

今回は急流の堤など足場が悪く、滑りやすく、高所の撮影をしている。

堤ギリギリでのアクションやキープなど仮面ライダー含めてショッカーなど戦闘に関わる全ての人が危険をともなうアクションをこなしておりドキドキよりハラハラを感じる回でした。

しかしその分、圧倒的な肉感と生命力を感じる。

ヒトデンジャーを倒して天を仰ぎ大地にたたずむ仮面ライダーは泥まみれだが圧倒的にカッコよく、仮面裏に潜む闘志まで見えてきそうだ。

 

特撮満足度(★で5段階評価)

特撮満足度

アクション:★★★★☆

高所:★★★★☆

火力:★★☆☆☆

水場:★★★★☆

仕掛け:★★★☆☆

ロケ地(執筆者の調べ)

・「水無川」

 

次回予告より(第19話「怪人カニバブラー北海道に現る」)

次回のショッカーの刺客は「怪人カニバブラー」。

太平洋沿岸に発生する謎の津波を追って北海道に繰り出す。

関東近辺で事件を起こすことが多いショッカーがついに北国に進出。

立花レーシングクラブの助けは受けられない中で仮面ライダーはどう立ち向かうのか。

滝がサポートしてくれそうで安心です。

まとめ

今回判明したこと

・ひろみは無線通信局を操れる

・藤兵衛が戦闘員に変装すると少し老けたショッカーになる

・滝は滝の高さから落ちても気絶のみですむ

・「世界中のどんなドアでも開けられる鍵」はなんでも開ける万能鍵ではなく「ドア」に万能な鍵だった

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